山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲斐駒ケ岳、黒戸尾根(H19.9.22-23) 1日目

2007年09月30日 | 南アルプス
 かねてから歩いてみたかった甲斐駒ケ岳黒戸尾根の長い道。秋の紅葉シーズンを考えていたのだが、日程調整が難しそうなので出発前日に意を決して七丈小屋1泊で行ってみることにした。3連休なのだが、2日目の夕方から天候が崩れそうだ。
 1日目(9/22) 竹宇駒ケ岳神社~七丈小屋 天候:晴れ時々曇
 妻がまだ退院したばかりで体調がいまひとつのため、朝子供を学校まで送り届け、折り返して竹宇駒ケ岳神社に向う。到着したのは9時半過ぎ、神社からの登りはじめは10時になってしまう。コースタイムでは七丈小屋まで7時間ほどで、トラブルがあると到着できないこともあり得るので、今回は途中ビバークを考えてシュラフとツエルトを持って行った。尾白川の橋を渡り、尾白川渓谷への道を右に分けて甲斐駒ケ岳登山道に入る。20分ほど登ると、竜神平(尾白川神蛇の滝方面)からの道と合流し、さらにやや急な広葉樹林帯の道を登って行くと、2時間ほどで横手駒ケ岳神社からの道と合流する。このあたりから登山道周辺は熊笹の生い茂る緑鮮やかな道となる。登山道周辺は笹が刈られていて整備が行き届いている。やや平らな道となりさらに行くと再びやや急な道となる。林は広葉樹林からツガやトドマツの林となり、笹原はやがて苔の生した道に変わる。刃渡りという、クサリのついた痩せ尾根を通過するが、左右がそぎ落ちてはいるものの、雨や雪で岩が滑る状況でなければ通行には支障ない。ここを越えると間もなく祠のある刃利天狗に到着。時間は午後2時20分、ほぼコースタイム通りだ。この尾根を歩く人は健脚者が多く、既に4~5人の人が私を軽く追い抜いて行って、もう全く姿が見えない。
 先はまだ長い、休憩して軽食をとり、また歩き始める。一旦下りとなり、5合目小屋跡を通過。5合目小屋は古くなり、倒壊が心配されて今年の春に撤去され、現在材木が若干残っているのみできれいに片付けれれていた。橋を渡り、屏風岩というハシゴとクサリの連続する急登となる。中には垂直に近いハシゴもあるが、驚くほど良く整備されていて、導かれるままに登って行けば良いようにできている。午後3時半過ぎ、屏風岩を登ったところで遅い昼食をとる。もうひと頑張り、と思ったら、間もなく七丈小屋に到着、時間は4時20分だった。
 小屋のまわりは何やらたくさんの人で大賑わいだ。七丈小屋はこんなに混雑するものなのか、と思いつつ、小屋に入って宿泊をお願いすると、本日はもういっぱいで寝場所の確保が難しいという。夕食は45人分までしか準備できず、もちろん私の分まではなし。ツエルトとシュラフを持ってきていることを話すと、テント代はいらないからテント場を使って休んでくれというので、下に敷くマットを借りてテント場で寝ることとなった。ビバークではないが、とりあえずシュラフとツエルトを持ってきて良かった。
 テント場のいちばん外れに、片方を材木に、片方をストックに紐を結びつけツエルトを張る。ふと隣にテントを張っている若者2人を見ると、なんと、私が常連としている店、ELKのビニール袋を持っているではないか。ということは山梨の人。話しかけると南アルプス市在住で、医療機器を作成する会社に勤務しているという。私と半同業者。山登りはまだ始めたばかりというが、テント持ちで黒戸尾根を登って来るとは関心だ。いつものように山の話で盛り上がり、私の山用名詞を渡して(押し付けて)ホームページを見てくれるようにお願いした。この日の夜は風も無く、雨も降らず実に静かな夜だった。結露で若干ツエルトの中が濡れた他は至って快適。明朝、雲海の上に浮かぶ鳳凰山越しの富士山を期待しつつ、眠りにつく。

   焼失後、新築されてきれいになった竹宇駒ケ岳神社


   笹原とブナの林の登山道。笹の緑が鮮やかだった。


   痩せ尾根、刃渡り尾根の下部。鎖が張られている。


   刃利天狗の祠
コメント
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