山地帯の林床や陰湿な谷間を好んで生育する多年草である。高さ40 ~ 60㎝。根生葉は腺毛のある長柄に楯形につけ、7 ~ 13 裂した大きな掌状葉となり、基部は深い心形となる。茎葉は数個互生し、表面に渋い光沢がある。茎には細くて鋭い毛が生える。茎の先に集散花序をつけ、白色~帯黄白色の花を数個つける。花は5弁で、下向きに咲き始めのちに上を向くようになる。花期は 5 ~ 7 月。 山梨県での個体数は少なく、シカの食害を受け、分布地の個体数は減少している。
2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー :絶滅危惧Ⅰ B 類(EN) 2017年環境省カテゴリー:なし
谷間に咲くヤワタソウ 2024年7月 東部富士五湖方面で撮影
葉と花。白色ないしは少し黄色味を帯びる。花は少し痛み始めている。
鹿の食害を受けており、食害を受けにくい傾斜のきつい斜面に花が咲いていた。
花柄は葉の付け根の部分から分岐する。
花弁は5枚で先端部は細かく切れ込んで尖る。
ヤワタソウの葉。掌状に深裂しさらに鋸歯状に細かく切れ込む。渋い光沢がある。
茎には細くて尖った毛が生える。良く似たイヌショウマの葉はほとんど毛が生えていない。