山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

目的の花は探索失敗 大月市 令和6年4月26日

2024年04月29日 | 山に咲く花
 甲府市や北杜市の低い山中ではツクバキンモンソウの葉が展開し始めている。これとよく似たニシキゴロモという花があるのだが、日本海側に多く生育する花で山梨県ではほとんどがツクバキンモンソウである。しかし、大月市の山の中にはニシキゴロモと思わしき花が生育している場所があるらしい。果たして本物のニシキゴロモなのか、それともツクバキンモンソウの誤認か?まだ少し時期が早いかも知れないのだが、たぶんこの辺り、と目星を付けて山に登ってみる。

    途中から見る富士山

    オドリコソウの群生

    オドリコソウ

    長い林道を歩く。

    林道脇の法面にリョウメンシダが生えていた。結構どこにでも生育しているようである。

    林の中に咲いていたエビネ

    キンランを見つけたがまだ蕾だった。

    もう終盤のジュウニヒトエ

    キランソウのようだが地面を這わずに立ち上がっている。おそらく交雑種のジュウニキランソウであろう。

    やっと林道の終点。ここからが本番の登山道になる。

    モミの実がたくさん落ちていて絨毯のようになっていた。

    峠のあたりで一旦は平らな道になるが、ここからまた登りが始まる。

      
    頂上付近の平らな尾根。この辺りに生えているのではないかと予想していたのだが・・・

    これか?

    いや、これはアザミの葉の若葉であろう。

    桜の花が咲き残っていた。

    花を見てみると花柄に毛が生えている。これはカスミザクラではないかと思う。

    広い山頂に到着

    雲ってはいるが富士山がお出迎えしてくれた。

 期待していたニシキゴロモ、あるいはツクバキンモンソウはまだ時期が早かったようで、それらしき葉も確認出来なかった。いずれかは尾根の感じから生えてくるであろうが、おそらく5月下旬から6月ごろになるのではないだろうか。

 全く収穫が無かったわけでは無い。少し珍しいスミレに出会えた。

    薄いピンク色のタチツボスミレ

    たくさん生えているナガバノスミレサイシンの葉

    葉が見当たらないがおそらくこれはナガバノスミレサイシンの花

    これはアケボノスミレの葉か?

    しかしアケボノスミレは普通こんなふうには群生しない。これは交雑のスミレではないだろうか?

    奇跡的に2輪だけ咲き残っていた。このふっくらした花は交雑種のナガバノアケボノスミレであろう。

    下山途中で見かけたミヤマキケマン、だと思う。

    見慣れているミヤマキケマンよりも少し葉の幅が広い気がする。

 ニシキゴロモの探索には失敗したが、ナガバノアケボノスミレの群落に出会えたことは大きな収穫だった。元気があれば、来年の桜の花が咲く頃に訪れてみたい。ニシキゴロモは今年のうちに再訪してみたいのだが、元気が出るかどうか??なにせ今回の探索では8時間という長時間を要してしまった。もし来るならば、次はもっと短いルートを登ろうと思う。


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タニヘゴはまだ葉を開いていなかった 令和6年4月23日

2024年04月25日 | 山に咲く花
 昨年見つかったタニヘゴがそろそろ新緑の葉を展開しているのではないかと思い、訪問してみた。

    タニヘゴが生育する湿地。湿地というよりも沢の源流部といったほうが良いかも知れない。

    まだ葉を全部は展開していなかった。

    葉を展開しつつある新鮮なタニヘゴ

    こちらはまだ葉を丸めている。イワヘゴは常緑だがタニヘゴは冬に枯れるようである。

    苔の生えた岩を覗き込んでみると小さなシダが生えていた。

    これはカラクサシダであろう。

    葉に細かい毛が生えている。

    こちらは葉を展開し始めたばかりのコウヤワラビ

    これは葉を展開し始めたゼンマイ。胞子葉と栄養葉が分かれている。

    別のゼンマイの仲間が生えていた。

    栄養葉と黒い胞子葉が同じ茎から出ている。これはオニゼンマイ。こんなところで出会えるとは思ってもいなかった。

    水際に生えていたランと思わしき葉
    固まってたくさん生えるこの感じはカモメランではないかと思う。

    草地にはキクの仲間と思わしきものがたくさん生えていた。

    おそらくこれはハネミギクではないかと思う。

    ウワミズザクラが満開になっていた。

    クロモジも満開

    途中の公園に立ち寄ってみる。しだれ桜が咲き残っていた。

    セイヨウタンポポの綿毛がたくさん。

    キランソウがまばらに生えていた。

    草むらの中に生えていた濃い紫色の小さなスミレ

    葉は三角形で矢筈型に切れ込んでいる。

    花の側弁には毛が生えている。

    おそらくこれはヒメスミレであろう。山梨県ではあまり見かけないスミレである。

 まだ葉を展開していない新鮮なタニヘゴを観察することが出来た。この場所は御坂山系の一角にあるのだが、ここでオニイノデに出会えるとは全くの想定外だった。山梨県では珍しいヒメスミレにも出会えて、午後の短時間ではあったが有意義な植物探索が出来た。


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新たに見つかったヒロハハナヤスリ 令和6年4月22日

2024年04月23日 | 山に咲く花
 花仲間がスミレを見に行った際にヒロハハナヤスリと思わしきものを見つけて連絡してくれた。山梨県では現在1ヶ所しか生育を確認しておらず、新たな生育地ということになるであろう。スミレや他の花を楽しみつつ現地に行ってみる。

    倒木だらけの森林軌道跡を行く。

    イブキスミレは葉がたくさんあるが花はもう終わっていた。

    ゲンジスミレも葉はたくさんあるが・・・

    花はもう終わっていた。

    結実しかけているゲンジスミレ。パッと咲いてすぐに終わったようである。

    これはエゾノタチツボスミレだと思うのだが側弁の毛が確認出来ない。

    別株。こちらはしっかりと毛が生えていた。

    白いスミレも終わっていたが・・・

    辛うじて一輪だけ咲き残っていた。

    ウワミズザクラが咲き始めていた。

    これはクロモジであろう。枝が緑色をしている。

    花と葉を見るとカナクギノキとほとんどそっくりである。

    カナクギノキは根元が1本の幹になっているものが多いが、クロモジは根元から分かれて生えるようである。

    ヒロハハナヤスリと思わしきものが生育する林床。たくさん生えている。

    まだ出始めのようで、胞子穂が見えていない。

    ようやく胞子穂が出て来たものがあった。

    葉が胞子穂の茎を抱いている。これはヒロハハナヤスリで間違いないだろう。

 教えていただいたヒロハハナヤスリはまだ胞子穂が十分に伸びておらず、見ごろになるのは1∼2週間先になりそうである。シダの師匠とともに再訪してみたいと思う。


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やっと出会えたハシナガカンスゲ 令和6年4月21日

2024年04月23日 | 渓谷
 天候がいまひとつで午後か夕方には雨が降り出しそうである。折角の1日休みなのだが植物探索に行くかどうか迷っているうちに時刻は10時になってしまった。
 情報をたくさん提供していただいている花博士からさらにビッグな情報を提供していただいた。既に4~5回探索に出かけている南部町に生育しているはずのハシナガカンスゲであるが、全く感触が無く見つかる気がしなくなっていた。ところが、いつも探している場所とは遠からずとも近からぬ場所に生育しているのを確認してきてくれた。これは見に行かないわけには行かない。出発時間が遅くなってしまったが出かけてみる。

    目指すのは渓谷の奥

    南部町らしく、カナクギノキが生えていた。

    花はまだ咲き始めたばかりである。

    ミツバツツジはほぼ満開

    ヒメウツギもほぼ満開

    白い花が鮮やかなヒメウツギ

    苔の岩壁に咲いたタチツボスミレ

    ツルシロカネソウが満開になっていた。

    花が終わっているテンナンショウの仲間。葉が細長い。

    おそらくこれはヒガンマムシグサであろう。

    ホソバテンナンショウ?と思ったが葉軸の別れ方がちょっと違うように見える。

    これは山梨県側では珍しいウメガシマテンナンショウらしい。

    しばしば目にしているやや大型のスゲ、ミヤマカンスゲ。

    鱗片が茶色いものが多く、果胞には毛が生えているはずである。

    こちらはさらに大型で葉の幅が広いカンスゲ

    雌小穂は黄緑色で剛直な感じがする。

    岩壁にやや小型の葉が柔らかそうな感じのスゲが生えていた。

    これこそが再三探しても発見出来なかったハシナガカンスゲであろう。

    想定していたよりも小さかった。生育環境も森の林床に生えると思っていたが岩壁に生えていた。

    先端が雄小穂、その下が雌小穂

    雌小穂は嘴がやや長く、外側に曲がる。果胞には毛が生えていない。

    違うタイプのハシナガカンスゲが生えていた。

    こちらは鱗片が茶色いタイプ

    こんな岩壁にこのように群生しているとは想定外だった。

    近くにはイワユキノシタが群生していた。

    もうすぐ咲きそうなイワユキノシタ

 半ば諦めかけていたハシナガカンスゲだが、花仲間の花博士のおかげで出会うことが出来てとても感動した。生育環境が分かったので今度は別の場所で探せるかも知れない。しかし、ヒメカンスゲやスルガスゲに似ており、一見しただけで判別できるかどうかはまだ全く自信が無い。もっとたくさん見てたくさん勉強しなければならないであろう。


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咲き始めたセンダイタイゲキ 令和6年4月19日

2024年04月22日 | 山に咲く花
 今年のスミレはハズレ年のようで、どのスミレもあまり花を付けておらず個体数も少ない。しかも暖かくなってきたかと思うと春を通り過ぎてあっという間に初夏のような気温となり、スミレの花はあっという間に終わってしまったようである。センダイタイゲキが生育する敷島カタクリロードの一角で昨年多数のゲンジスミレが咲いている場所を発見した。今年はどうだろうか?

    カタクリが花全開

    盛期を過ぎてしまっていたが、今年は花も葉も少ない。

    アズマイチゲはもう花が終わっている。

    周囲の木が伐採されて日当たりが良くなり過ぎた場所のアズマイチゲはだいぶ減ってしまっていた。

    アスファルトの隙間に咲いたアカネスミレ

 
    アカネスミレは小型のものが多く花数が少ない。

    満開のアケボノスミレ

    マルバスミレも例年に比べると数が少ない。

    一株だけヒゴスミレ

    ここが昨年ゲンジスミレがたくさん咲いていた草地。イノシシの掘り返しが凄まじく、今年は一株も見つからなかった。

    センダイタイゲキはさらに生育域を広げてたくさん生えている。

    センダイタイゲキの花


    まだ咲き始めたばかりだが、今年もたくさん生えてくれた。

    たくさん生育するのは良いことだが、他の花がこの植物に侵襲されてしまうのではないかというほどの勢いである。

 期待していたゲンジスミレは周辺も探してみたが一株も見つからなかった。どこかで生きていてくれることを期待したい。


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桜とヒメアマナが満開 令和6年4月16日

2024年04月20日 | 里に咲く花
 先週と同じくこの日も都留方面に出張だった。午後も仕事があったのだが想定していたよりも早く仕事が片付き、午後2時過ぎには終わった。先週は天候が悪かったがこの日は少し風が強いものの、日差しが降りそそいでいる。これならばきっと陽を浴びて花が開いているはずである。急いで移動する。

    川沿いの桜が満開になっている。

    下流側の桜も満開。平日だが人もたくさん出ていた。

    花の咲く場所に行ってみる。ニリンソウは咲き始めである。

    フッキソウも咲き始めたばかり。

    キランソウは満開

    モモイロキランソウもいつもの場所に咲いていた。

    色の濃いモモイロキランソウ

    驚いたのがこの花

    まだほとんどが蕾だが、毛深くて葉は掌状に浅く切れ込んでいる。

    これはカッコソウであろう。当然植栽のものであろうが、よくぞこんなに生えたものである。

    ヤマエンゴサクが満開

    苞葉は細かく深く切れ込んでいる。

    アズマイチゲは陽を浴びて開いてはいるが、盛期を少し過ぎているようである。

    レンプクソウが満開

    緑色の地味な花。花弁が脈打った面白い形をしている。

    目的のヒメアマナは陽を浴びて満開状態。

    いちばん良い時期に訪問出来たのではないだろうか。

    小さくて可愛らしいヒメアマナ

    花は黄色で、個体によっては少し緑味を帯びる。

    ヒメアマナとアズマイチゲ

    林の中にあるフッキソウ大群落はまだ花を咲かせていなかった。

 天候に恵まれたおかげで満開のヒメアマナに出会うことが出来た。今年はたくさん咲いてくれたように思うのだが、場所によっては個体数が減ってしまっているところも見受けられた。満足して甲府に戻った。


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やっと出会えたジロボウエンゴサク 南部町 令和6年4月14日

2024年04月19日 | 山に咲く花
 今年になってから本格的に探しているジロボウエンゴサクであるが、それらしき葉は見かけているものの花はまだ見ていない。花が咲いた時に花柄の付け根に付いている苞葉の形を確認しないとジロボウエンゴサクかどうかは確定できない。しばしば情報を提供していただいている頼もしい花仲間が長い林道を探索してきてくれて、ジロボウエンゴサクの生育場所と開花状況を教えてくれた。たぶん満開になっているはずである。

    これか?いや、これはムラサキケマンだろう。

    こっちが探していたジロボウエンゴサク

    ややピンク色がかった薄紫色の可愛らしい花。苞が見えているが切れ込みは無い。

    この場所はあまり個体数は多く無かった。

    さらに別の場所に車で移動する。そこには結構たくさんあった。

    ちょうど満開の良い時期に訪問出来た。


    苞は先端部が尖っていて切れ込みが無い。

    これは間違い無くジロボウエンゴサク

    可愛らしい花は細長いマメの花のように見える。

    葉は2回3出複葉、葉は不規則に2~3裂し、先端部は小さく尖る。

    やっと出会えたジロボウエンゴサクの花

 今年の重要な課題だった花のひとつジロボウエンゴサクに、これまた熱心な花仲間のおかげで出会うことが出来た。何から何までお世話になりっぱなしである。


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初見の樹、カナクギノキ 南部町  令和6年4月14日

2024年04月19日 | 樹木類
 どこに生えているのか全く分からなかったカナクギノキであるが、花仲間が情報を提供してくれて、さらには下見にまで行ってくれて開花状況を知らせてくれた。5月連休ごろに訪問すれば良いのかと思っていたのだがそれよりももっと早い時期に花を咲かせるようである。今頃訪問すれば、おそらく満開の花が見られるはずである。天気も良く、たぶん良い状態のカナクギノキの花が見られるのではないだろうか。

    一般車通行止めの林道を歩いて進む。

    側面から滝が流れ込む。

    ミツマタの群生。花はもう終盤である。

    こちらも終盤のハナネコノメソウ

    ツルシロカネソウは満開

    林道脇の土手に生えていたカナクギノキ。これはあまり大きくない木。

    花が咲いている。枝は茶色いものだと思っていたがこれは緑色で、クロモジとの区別が難しい。

    雄花と雌花があるはずだが、見てもさっぱり分からない。

    林道の法面の上に生えていたカナクギノキ

    花が咲いているがかなり遠い位置である。

    超望遠レンズを取り出す。茎は黄緑色、雄花か雌花かまでは判別できない。

    葉の色が違うものが出ている。

    超望遠レンズで見てみると、花は良く似ているが別物の棘の生えた蔓性の植物がからみ付いているようだ。

    法面の上にはそれなりの数のカナクギノキが生育していた。

    さらに林道を進むとやや大型のカナクギノキが生えていた。

    たくさん花が付いている。

    これも茎は黄緑色である。

    黄色い葯のようなものが見えるが花粉は付いていないように見える。これが雌花だろうか??

    別の木の花。こちらは先端部が黄色い葯が付いている。これは雄花で良いのではないだろうか?

    中くらいの太さの木では幹の縦縞といぼのような突起が目立つ。

    本日一番の大きさのカナクギノキ。背丈は10mを越えている。

    花付きが凄く、今まさに満開状態。

    茎は茶色っぽい色をしていて、これならばカナクギノキと判別が出来る。

    花がたくさん付いている。しかし、どれを見ても雄花に見えてしまう。

    太い木の幹は樹皮が剥がれ落ちている。

 今年の課題のひとつであったカナクギノキはちょうど満開の良い状態の花を存分に観察することが出来た。しかし、雄花と雌花の区別は簡単では無く、見分けるには花を採取して細かく観察しないと難しそうである。花を採取するのは木が可哀そうな気がしてあまり気がすすまない。

 別の場所も覗き込んでみる。

    ツルシロカネソウが満開でたくさん咲いていた。

    こちらのスミレも咲いているのではないかと期待したが、まだ葉っぱだけだった。

    ミヤマカンスゲが穂を伸ばしている。

 コミヤマスミレはまだ咲いていなかった。コミヤマカンスゲは果胞が成熟し始めている。何度か探索したが見つかっていないハシナガカンスゲもそろそろ見ごろを迎えるのではないだろうか。今年はたぶん出会えるのではないかと期待している。


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花探索あちらこちら 令和6年4月13日

2024年04月18日 | 甲斐百山
 武田健康の杜の植物観察会は午前中で終わった。午後は気になっている花を何ヶ所か、あまり歩かないで済む場所に見に行ってみる。

 まずは何度か見に行っているイヌノフグリを懲りずに見に行ってみる。たぶん結実した実が見られるはずである。
    イヌノフグリ まだ花が咲き残っている。

    大部分は花が終わっている。

    見たかったのは結実したこの実。毛が生えていてまさに犬の〇〇タマ。

 次にまだ花は咲いていないであろうが、カヤランの様子を見に行ってみる。
    カヤランが着生している渓谷沿いの木

    今年も大株が着生している。

    丸い蕾がたくさん付いている。開花まであと2週間くらいだろうか、今年も期待できそうである。

 次に沢沿いに咲くハナネコノメとコガネネコノメを覗いてみる。

    沢に咲くハナネコノメソウ

    そろそろ終盤のはずだが、まだ葯が残っている。

    コガネネコノメソウはちょうど満開

    ヤマエンゴサクは咲き出したばかりである。

    苞には切れ込みがあるが、3裂ではなく細かく切れ込んでいる。

 さらに個体数が少なくて咲いてくれるかどうか毎年気になっている黄色いアマナを見に行ってみる。

    今年も咲いてくれたキバナノアマナ

    個体数は昨年とほぼ同じ。咲いているのは5~6株くらいである。

    華奢なキバナノアマナの花

    茎が弱く、花が咲くと自力で立っていられない。

    虫が吸蜜にやって来ていた。

 山梨県に生育しているエンゴサクの仲間はヤマエンゴサクとジロボウエンゴサクの2種類ではないかと思っていたのだが、キンキエンゴサクというのもあるらしい。苞の切れ込みが多いものをキンキエンゴサクとしているようだが、そういう目でエンゴサクを見てみると山梨県はほとんどキンキエンゴサクになってしまうのではないだろうか。では本物のヤマエンゴサクはどこにあるのだろうか?そもそも分ける必要があるのかどうかも疑問である。

 天気が良く花たちも春の日差しを満喫しているようだった。効率良く花探索が出来たのではないかと思う。


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武田の杜植物観察会に参加 令和6年4月13日

2024年04月17日 | 山に咲く花
 武田の杜で植物観察会(勉強会)があるとの連絡を花仲間から受け、当日参加でも良かったようだが事前に申し込んで参加してきた。十数名の植物好きな人たちが集まって講師の先生に解説を受けながら桜の花を中心に武田の杜を歩いて巡った。本日は特別に許可をとってくれてあり、桜の木の枝を一部採取して花を手に取って観察することが出来た。

    ソメイヨシノが満開の武田の杜駐車場

    天気が良くて富士山が見えている。

    ヤマザクラと富士山

    ニオイタチツボスミレが満開になっていた。ゲンジスミレは終わっていた。

    さて、定刻に桜の観察会(勉強会)が始まった。

    まずはヤマザクラ。この桜は花の開花と同時に赤茶色の葉を展開させる。

    ヤマザクラの花柄は無毛、萼は本来は全縁なのだが、これにはわずかに鋸歯がある。こんなヤマザクラもあるのだろう。

    次はオオシマザクラ

    花を展開すると同時に黄緑色の葉を展開する。花はやや大き目である。

    オオシマザクラの花柄は無毛、萼には鋸歯がある。

    今度はカスミザクラ。花期は少し遅く、まだ咲き始めたばかりである。花と同時に葉を展開する。

    カスミザクラの花柄は有毛である。萼は全縁。

    これはオオシマザクラであろう。なんとなく遠目でも区別出来るようになった、気がする。

    ヤマザクラと南アルプス

    これはマメザクラの仲間と思われるが・・・

    花がやや小さい。

    花柄は有毛で萼は全縁、萼の先端部が急に細くなり今まで見てきたサクラとは形が違う。


    次に八重桜の仲間。これらは植栽のものである。

    薄ピンク色の八重桜

    花弁の辺縁が細かく分かれている。

    萼は全縁。これはショウゲツという種類と思われるがイチヨウとの区別が難しい。

    こちらは花の色が濃い八重桜

    カンザン(関山)という種類の八重桜と思われる。

 他にフゲンゾウ(花の中央にある「変わり葉」が太くて象の鼻や牙に似る)とウコン(緑色の花が咲く)の木があったのだがまだ開花していなかった。

 間違って認識したものや聞き漏らしたものも多数あると思うが、苦手な桜の木の勉強には十分過ぎるくらいの勉強会だった。まだ葉の形は観察しておらず、今後の課題であろう。

    これは後日南部町で見つけたウコンと思われる八重桜


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トウゴクサバノオが満開 令和6年4月11日

2024年04月16日 | 山に咲く花
 午後の仕事を早急に終わらせてトウゴクサバノオが生育する場所に向かうが、歩き始めたのはもう午後3時近くになってしまった。この花は陽が陰ってしまうと花を閉じてしまうので、もうギリギリの時間であろう。他に探したい花もあるのだが見つかるかどうか?

    例年ならばもう柴焼きが済んでいる頃だが、まだ焼き払われていない。

    キスミレが咲き始めていた。

    トウゴクサバノオ。時間が少し遅くなってしまい花が閉じてしまっている。

    だが、日が当たっている場所のものはまだ辛うじて花が開いていた。

    それなりの数があるのだが、固まって咲く花では無い。

    この場所のトウゴクサバノオは薄黄色をしている。

    トウゴクサバノオの花

    日陰のところは花が閉じてしまっている。

    探し物はこれか?

    たぶんエンゴサクの仲間だと思うが、花が咲いていない。これはヤマエンゴサクか、それとも探しているジロボウ??

    こちらはたぶんジロボウエンゴサクの葉だと思うのだが??花が咲いていないと分からない。

    これは少し葉が大き目。アズマイチゲの葉ではないかと思う。

 トウゴクサバノオも見たかったのだが、探していたのはジロボウエンゴサクである。たぶんこのあたりに生育しているのではないかと思うのだが、それっぽい葉は見つけたのだが花が咲いておらず確定は出来なかった。3~4週間後に再訪できれば良いのだが、時間がとれるかどうか?


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ゲンジスミレが咲き始めた 北杜市明野 令和6年4月9日

2024年04月14日 | 山に咲く花
 桜の開花が1週間ほど遅れたようにスミレの開花も遅れている。おそらくはハズレ年ではないかと思っている。この日は午前中いっぱい雨が降っていて、都留市に出張だったのだが午後の天候の回復はあまり望めなそうだったので甲府に戻ることにした。すると、午後2時を過ぎた頃から西の空に青空が見えるようになってきた。ならば、北杜市明野に咲くゲンジスミレに会いに行ってみよう。まだ時期が少し早いかも知れない。

    咲き始めたばかりのヒトリシズカ

    シュンランは背丈を伸ばして花を全開の状態


    林の中に結構な数が咲いていたシュンラン

    ゲンジスミレは葉はたくさん見かけるが花はあまり咲いていない。

    これはまだ蕾である。

    こちらはおそらく閉鎖花で花を咲かせないのではないかと思う。

    雨と風で花弁が傷んでしまったようである。

    こちらは開花したゲンジスミレ。葉が傷んでいる。

    花の中を覗き込んでみる。側弁に黄緑色がかった毛が生えている。

    まだ咲き始めたばかりのゲンジスミレ

    沢に下りてみる。

    ヤチボウズが生えていた。

    おそらくこれはタニガワスゲであろう。

    気になっていたこの白いスミレ。まだ蕾が多い。

    雨と風で花弁が傷んだようである。

    紫色のほうのスミレがだいぶ入り込んできていた。いずれは白花が無くなってしまうのではないかと心配である。

 ゲンジスミレはまだ咲き始めたばかりで花数が少なかった。見ごろは1~2週間後ではないかと思う。アカネスミレの白花、コボトケスミレは生育範囲、個体数ともだいぶ減ってしまったように見受けられる。かつてはほとんどが白花だったところに原種の紫色のアカネスミレが入り込んできており、交雑して白花が無くなってしまうのではないかと心配である。


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甲斐駒ケ岳の朧細月 甲府市舞鶴城公園 令和6年4月10日

2024年04月13日 | 星空
 日中は澄んだ青空が広がっていたのだが、午後からは薄雲が広がってしまった。本日は月齢1の細月とポン・ブルックス彗星が接近している日なのだが、薄雲に阻まれて彗星を撮影するのは難しそうである。しかし、細月ならばなんとかなるかも知れない。本日は甲府市舞鶴城公園から甲斐駒ケ岳の上に沈む細月が見られる日であるが、おそらく町灯りがかなり邪魔するのではないだろうか。だが望遠レンズで甲斐駒ケ岳山頂だけを捉えれば写るかもしれない。ザックに望遠レンズ2本とカメラ機材を詰め込み、公園散策とは思えないような重装備で舞鶴城公園に向かう。

    薄雲が広がった西の空。月が見えておりその左上には木星が輝いている。

    城壁のサクラの上に輝く細月と木星。ポン・ブルックス彗星はその間の月寄りの位置に居るはず。

    城壁の上の展望台に到着。やはり町灯りが明る過ぎる。

    甲斐駒ケ岳の上には厚めの雲がかかっている。これで月が写ってくれるかどうか?

    月と木星を狙って撮影してみる。雲に阻まれて不鮮明である。

    しかしトリーミングしてみると、左上に彗星らしきものがボンヤリと写っていた。

    明る過ぎる町灯りにかき消されて甲斐駒ケ岳が見えない。

    しかし、甲斐駒ケ岳に月が近付くと・・・

    月明かりで甲斐駒ケ岳が見えてきた。

    甲斐駒ケ岳にかかる月齢1の細月

    もう1台の望遠レンズ装着したカメラ画像

    甲斐駒ケ岳の朧細月

 想定していたよりもはっきりと細月が甲斐駒ケ岳に沈むところを捉えることが出来た。しかも位置がイメージした位置にドンピシャリで沈んでくれた。春霞に邪魔はされたが、逆に幻想的な甲斐駒ケ岳と細月を眺めることが出来て満足だった。
 夜景の景色や桜の花たちを撮影しながら撤収である。

    南側の景色。電波塔の脇にうっすら富士山が見える。

    北側の景色。マンションとYBS放送の建物

    夜桜満開の謝恩碑

    夜桜と天守閣」

    同じく夜桜と天守閣

 なかなか幻想的な甲斐駒ケ岳の朧細月と舞鶴城公園の夜桜を楽しむことが出来た。なかなかスッキリした夕空にはならず、ポン・ブルックス彗星は十分に観察できずに終わってしまいそうである。


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イヌノフグリを再訪する 甲府市 令和6年4月8日

2024年04月12日 | 里に咲く花
 先日発見した甲府市のイヌノフグリは天候が悪くて寒い日だったので花が開いていなかった。この日は雲が多いが日差しが差し込む穏やかな天候である。夕方からは雨が降るらしいので、天気が持っているお昼過ぎの早い時間にイヌノフグリを再訪してみる。

    青空が見え日差しが降りそそぐ穏やかな春の日。桜もご機嫌に満開である。

    しだれ桜も満開

    前回は花が咲いておらず何だか分からなかった花

    正体はどうやらノミノツヅリだったようである。

    下部の真ん中あたりに咲いていたのはタチイヌノフグリであろう。

    イヌノフグリが生えている石垣。春爛漫といった感じである。

    天気が良いので今度は花が咲いている。

    結構たくさん咲いてくれたイヌノフグリの花

    小さな花をマクロレンズで接写

    いちばんの大株主

    盛期は過ぎているようだが、それでもたくさん花を咲かせていた。

    小さな株もそれなりに生えていた。

    小さくて可愛らしい花。撮影するのはなかなか大変である。

 イヌノフグリは一斉に花を咲かせるのではなく、どうやら少しづつ花を咲かせる花期の長い花のようである。この花も天気が悪いと虫が飛ばないので花を開かないようである。今日はたくさんの開花した花を見ることが出来てとてもラッキーだったと思う。


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侮るなかれ積翠寺東山 令和6年4月7日

2024年04月12日 | 山梨無名山
 昨年見つけた花を確認するため自宅から近い東山の中腹あたりまで行くつもりだったのだが、途中で気が変わって山頂まで登ってみることにした。登りで使ったルートはおそらく現在はほとんど歩く人が居ないであろう西側からの直登ルート、そして下山はこれまた現在はほぼ廃道になっていて、通行止めになっているルートである。10年くらい前に何度か歩いているはずなのだが、ほとんど記憶にない。さて、無事に歩けますかどうか?

    農道脇のスペースに車を止めて歩き出す。ここはかつて畑だったのだろうが現在は植林地になっている。

    途中から道が無くなり、歩き易そうな斜面を適当に上に向かって登る。

    ところどころ林業の軌道跡のようなものがある。登って行くと武田の杜遊歩道に出る。

    遊歩道沿いではミツバツツジが満開である。

    カイイワカガミの群生

    花はまだ咲き始めたばかりだった。

    そこそこに花が付いているが当たり年とは言えない。

    カイイワカガミの花

    遊歩道から尾根に取りつく。テープが付いているが歩かれている様子はほとんど無い。

    途中の平坦地にある境界見出し標

    クロモジが満開になっていた。

    クロモジの花。枝が緑色で光沢がある。

    道は無いが広い尾根をひたすら登る。ずっと赤テープが付いている。

    傾斜が緩くなると間もなく平らで広い東山山頂に到着。

    今度はまともな登山道を北側に向かって下る。

    途中の分岐点。道標が完全に壊れている。GPSで位置を確認して左に折れて進む。

    そのすぐ下にある道標も壊れている。下に落ちている道しるべの案内板も全くあてにならない。いちばん歩けそうな左側のルートに入ってみる。

    いきなりの倒木。またいで通り過ぎる。

    時折まともな道があるのだが・・・

    ほとんどが道だか斜面だか分からないような道。転倒とスリップに気をつけながら進む。

    抜け出たところは・・・思った通りロープが張られていて通行止めになっていた。

    道標に通行止めと書いてある。確かに、行かないほうが無難である。

    カタクリが咲いていた。

    満開の積翠寺の桜を見ながら車に戻る。

 4時間ほどの散策だったが道が悪かったので結構足に堪えた。10年くらい前に歩いた時はもっとまともな道だったはずだが、斜面の崩落や倒木でだいぶ荒れてしまっていた。修理する人も居ないのであろう。

 さて、今回見に行ったのはオオヤマカタバミという花である。葉に特徴があって、先端部に角がある三角形をしている。

    オオヤマカタバミの葉。3枚で葉の先端部が角ばっている。

    葉はたくさんあるのだが花が見当たらない。

    やっと見つけた小さな花

    これは蕾なのか、それとも終わっているのか?

    別の花を発見

    しかしもう終わっていた。

    花弁が散っている花を発見。葉はまだ展開していない。

    残念ながら訪問するのが少し遅かったようである。

 オオヤマカタバミの花期は4月と書かれている本やネット情報が多いが、3~4月と書かれているものもある。地域によって差があるであろうが、甲府市界隈ではおそらく3月下旬に咲いているのではないかと思う。葉を展開する前に花が咲くようである。葉はたくさん出ていたが花数はとても少なく、見つかったのは1ヶ所の谷筋のみだった。探せば要害山の周辺にもあると思うのだが、それほどたくさんあるものでも無さそうである。来年は花期を逃さずに花を見に行ってみたいと思う。


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