山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

春の裏山散策 熊城跡~岩堂峠~兜山界隈  平成27年4月25日

2015年04月29日 | 山梨百名山
 要害山の上にあった要害山城は武田信虎が1520年に築いたと言われているが、その支城として要害山の隣の尾根に熊城が築かれた。現在も城跡の石積みが残っているらしいが、歩く人も無く道は荒れていると聞いた。いつか訪れてみたいとは思っていたがなかなか機会が無かった。

 この日はうーさんと別の山に行く予定だったのだが、車の中で話をしていると、シハイスミレが咲いているところがあると聞いた。ならばそちらの山へ行ってみようということになり、突然の予定変更となった。どうせ行くなら歩いたことが無い場所を、ということで熊城跡を経由して深草観音、岩堂峠、兜山方面へ行ってみようということになった。仕事を片付けてから出発したので、要害温泉を出発したのは午前10時頃になった。


    瑞岩禅寺の前を通って林道に入る。


    荒れているが、これが林道脇の登り口だろう。


    崩落しているところもあるが、何となく道はある。


    「史跡要害山」の杭があるが、ここが主郭部では無さそうだ。さらに上に進む。


    城門跡らしい。


    おそらくはここが主郭部。石積みの跡が残っている。


    さらに進むと、要害山に至る武田の杜遊歩道に抜け出た。

 熊城跡の半藪尾根を抜けると武田の杜遊歩道に出た。ここからはまともな良い道である。深草観音の横を通って岩堂峠に抜ける。深草観音周辺の道沿いにはニリンソウがたくさん、イチリンソウは若い葉の群生は何か所もあるが、花が咲くのは何年か先になりそうだ。


    沢の近くにマルバコンロンソウ。


    白いタチツボスミレ?


    距に少し紫色が残っており、これはおそらくオトメスミレ。


    深草観音分岐。


    岩の上にタチツボスミレがいっぱい。


    この付近のヒナスミレはもう結実している。


    イチリンソウの若葉が群生。蕾を持っておらず、咲くにはまだ数年かかりそう。


    数輪咲いているものも見かけたが、以前咲いていた場所は土砂が崩落して消失していた。


    深草観音付近に咲いていたキケマン。


    深草観音は横を通っただけで立ち寄らず。


    岩堂峠付近に咲いていたヒナスミレ。数輪だけ咲き残っていた。


    岩堂峠。

 岩堂峠で小休止する。8年ほど前に山梨百名山制覇のため兜山に行った時もこの道を使ったはずだが、かなり記憶が薄くなっている。展望台からの富士山のほかはあまり見るべきものが無かったので、もう行かないだろうと思っていたのだがまさかのスミレが咲いているとは驚きだ。うーさんが数日前に歩いたばかりなので確実に見つかるはずだ。


    岩堂峠近くに見たことの無いスミレの葉があった。


    数輪咲き残っていた花。これはイブキスミレ。


    山頂に向かう登山道で見つけたツクバキンモンソウ。


    こんな岩岩の山だったっけ?


    山頂到着。既に午後3時。

 山頂の先にある展望台で食事をとる。そしてまさかのスミレを探してみると・・・あったにはあったが少し時期が遅かった。さらに別の場所を探してみると、驚くような群生があった。これには感動。夕暮れが迫るのも忘れて写真を撮りまくる。


    シハイスミレ。少し時期が遅く、しおれかけているものがほとんど。


    別の場所を探すと、見ごろの株を発見。


    結構たくさん生えている。


    さらに群落を発見。これにはびっくり!


    シハイスミレ


    ヒゴスミレも一株だけ発見。

 うーさんのおかげで存分にシハイスミレを楽しむことができた。下山は6時を過ぎてしまったが、満足な1日だった。兜山から帯那山の界隈はシハイスミレが分布しているようだ。また来年の楽しみが増えた。

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標柱整備とオキナグサ 茅ヶ岳  平成27年4月24日

2015年04月28日 | 山梨百名山
 ゴールデンウィークには大勢の登山客を迎えるであろう茅ヶ岳。昨年の秋に標柱整備を行ってから一冬越してそろそろニスが剥げて痛み始めている頃だろう。混雑する週末を避けて平日午後に整備に行く。オキナグサがそろそろ見頃を迎えているとうーさんから連絡をいただいたので、そちらも見ておきたい。

 大明神林道を短絡しようと思ったのだが、まだ冬季閉鎖でゲートが閉じており、ゲート横の空地に車を止めてその脇の細い道を登る。登山口までは20分ほどかかるが、それでも深田公園の駐車場から行くよりは近い。


    ゲートは冬季閉鎖中で大明神林道には入れない。ゲート手前から登る細い道を使う。


    痛んでいるがニオイタチツボスミレ(だと思う)。


    林道脇に咲いていたアカネスミレ。今年は少ない。


    林道脇の土手はアケボノスミレ天国。


    その中に混じって一株だけ白いスミレ。


    ヒゴスミレ。花は今年初見。あたりを探したがこの1株しか見つからない。


    尾根の入り口のところに咲くヒトリシズカ。今年は少ない。


    防火帯尾根もまたアケボノスミレの天国。


    アケボノスミレ。昨年は極端に少なかったが、今年はそこそこに咲いている。


    アケボノ3姉妹。


    アカネ3兄弟。


    ヒゴスミレを探したが花は見つからず、いつも咲く場所に葉っぱが少しだけ。


    トウゴクミツバツツジは中腹辺りでちょうど満開。


    上部は八分咲きといったところ。向こうに見えるのは金ヶ岳。


    こんな白いスミレが一輪だけ咲いていた。


    葉はまだ巻いている。


    これはおそらくヒメスミレサイシン。御坂山塊では良く見かけるが茅ヶ岳で見るのは初めて。


    5時山頂到着。3時間もかかった(が、いつもの私のペースです)。

 3時間かかって午後5時過ぎに山頂到着した。日が長くなってこの時間でもまだ太陽の位置は高い。さっそく標柱整備にとりかかる。まずはフエルトヤスリでささくれ立ったニスを標柱から剝して磨く作業をするのだが、今回持って行ったフエルトヤスリがいまいちで、強くこすると繊維がどんどん剥げ落ちてしまい、あまり綺麗には磨けなかった。古いほうの標柱はさらに腐敗が進んでいてひび割れが強くなっていた。今度はボンドを持ってきて側面を固めないといけなそうだ。標柱の文字を直し、ニススプレーを噴霧して30分ほどで作業は終了した。


    午後5時を過ぎても陽の位置は高い。ずいぶん日が長くなった。


    ニススプレー作業後の標柱と金峰山。


    古いほうの標柱は側面がさらに朽ちて金属棒が一部露出してしまっている。ボンドで固めないとさらに水を含んで朽ちてしまう。


    うっすらだが富士山も出迎えてくれた。左下は太刀岡山。


    下山途中で見つけたエイザンスミレ。今年は少ない。


    ヤマエンゴサクも少しだけ。

 午後6時少し前に下山を開始。足元の花を見ながら下りたが、そろそろ薄暗くなってきて探しにくくなってきた。エイザンスミレは見つけたが今年は数が少なく、ヒナスミレは見つけられなかった。コガネネコノメは咲き始めていたが、もはや暗くて写真は撮れず、途中からヘッドライト点灯し、午後7時10分、駐車した場所に戻った。

 もうひとつの目的だったオキナグサ、ほぼ満開だったが、午後の遅い時間だったためか、花はしぼんでしまっていた。


    今年も咲いてくれました。


    茅ヶ岳のオキナグサ。


    午後の遅い時間だったので、残念ながら花はしぼんでしまっている。


    今年も鹿の食害はまぬがれたようだ。しかし、全体として数が少ない。

 例年だと5月連休ごろに見頃を迎えるオキナグサだが、今年は若干早かったようで、おそらく5月に入ると少し元気を無くしている頃だろうと思われる。鹿の食害に遭わずに咲いてくれたことは喜ばしい。これからも無事に咲いてくれることを願う。
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奥帯那山のヒナスミレ  平成27年4月22日

2015年04月27日 | 番外編
 蝶と虫のブログではかなり有名人である虫林花山師匠は、かつてはスミレオタクだった。まだ花にあまりのめり込んでいなかった頃、スミレの写真を撮っては虫林師匠のところに持って行き、鑑定していただいていた。この日の昼休み、出張で私の職場に来られていた虫林師匠のところを訪れていろいろ情報をいただいたところ、クリスタル林道の水ヶ森界隈にかなりの数のフモトスミレがあると教えていただいた。花見隊で訪れた先日の帯那山界隈の状況から見てそろそろ咲いているのではないだろうか? 水ヶ森は帯那山の裏側にある独立峰のようにこんもりとした山である。林道を車で行けば山頂まで1時間ほどで到着できるはず。まだ未踏の山だし、さっそくその日に行ってみることにした。

 帯那山の林道を進むと、残念ながら帯那山入り口のところでゲートは冬季閉鎖になっていて通れない。ならば歩いて・・・と思ったが、林道から見る水ヶ森は遥か彼方で林道歩きだけで1時間は軽くかかってしまう。時間は既に午後3時を過ぎているし、今回は無理そうだ。帯那山から奥帯那山の界隈を散策することにした。


    帯那山の入り口のところで林道は冬季閉鎖中。水ヶ森まで距離があり、本日はあきらめてこの界隈を散策する。


    林道脇の土手はアケボノスミレの天国。


    アケボノスミレ


    このあたりは色の濃いものが多い。


    ちらほらとアカネスミレが混じる。


    市境界の林を通って帯那山山頂に向かう。これはヒゴスミレの葉だと思うが。


    帯那山のアヤメが咲く草地。まだ何も咲いていない。


    帯那山山頂


    山頂の桜はほころび始めたばかり。ここの桜の木は病気らしく、一部の枝しか花が咲かない。

 帯那山の草地から山頂を通り過ぎ、その先の三角点がある帯那山の最高点、奥帯那山に進む。何度も訪れている帯那山だが、展望の無い奥帯那山まで行くのは今回が初めてである。登山道の両脇にはヒナスミレの葉がたくさん出ているがまだ花が咲いていない。


    奥帯那山に行く登山道の脇にはヒナスミレの葉がたくさん。


    根元を見てみると小さな蕾が付いている。花が咲くのはこれからのようだ。


    山頂近くでようやく数輪咲いているのを発見。


    奥帯那山山頂。

 山頂でザックを下ろし、休憩しながら周辺の森の中を探してみると、日当たりの良い斜面ではちょうど見頃を迎えたヒナスミレがあちらこちらに咲いていた。


    日当たりの良い斜面に咲いていたヒナスミレ。


    ヒナスミレ


    どっさり咲いているというわけではないが、結構数はある。


    ピンクの花弁が可愛らしいヒナスミレ。

 さらにその先に進むと防火帯の尾根があった。GPSでは道が表示されていないが、反対側は昇仙峡近くまで行けそうな感じがする。時間は5時を過ぎたので、防火帯の尾根から林道に下り、ゲートに戻った。林道脇はこれまたスミレがたくさん咲いており、日当たりの良い林道脇ではヒナスミレがちょうど見頃を迎えていた。


    防火帯の尾根を下りて林道に出る。


    林道脇に咲いていたヒナスミレ。


    ヒナスミレのブーケ


    このスミレが一株だけ。ハート形でまだ完全に開いていない葉、薄い毛が生えている。


    これはたぶんエゾアオイスミレだと思う。昨年もこの近くで一株だけ見つけたが、花は終わっていた。(間違っていたら教えてください。)


 スミレの中では少し早い時期に咲くヒナスミレだが、帯那山山頂界隈では5月連休ごろが見頃を迎えそうである。
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魅惑の御堂ルート(廃道)を行く 篠井山(後編)  平成27年4月19日

2015年04月24日 | 山梨百名山
 天気予報では午後3時ごろから雨の予報だったが、午前11時ごろから時折雨がぱらつく空模様となった。山頂まで残り0.7km、標高差300m付近まで到達したのが午後1時35分、そろそろ雨足が強まって来る可能性があること、山頂までまだ1時間以上かかるので、廃道ルートだけに下山に要する時間に不安がある。さらに雨が降ると高濃度食塩水や消毒用アルコールの効果が薄れるのでヤマヒルにやられるリスクも上がる。さっさと昼食をとって1時45分下山にとりかかる。

 足場の悪い谷のトラバースはザイルを木にひっかけて通過した。5mザイルを2つ折りにして木にかけるとギリギリの長さしか無い。さらに谷に下りるガレた斜面もザイルを使った。谷に下り立ったところで少し強い雨が降り出し、ザックカバーとカッパを取り出したところすぐに止んだ。人の入らない谷の中をうろついてみると、ハナネコノメがたくさんあり、苔生した岩の中からツルシロカネソウやツルネコノメが顔を出している。どの花もみずみずしくて生き生きとしている。


    標高1,100m付近から見上げる篠井山。


    谷のトラバース。ほとんど踏み代が無くつかまれるところも無い。右上の木にザイルをひっかけて通過する。


    谷に下り立つ。見上げる篠井山山頂方面。


    カンボジアのタプローム遺跡を思わせるような木の根。


    岩の上に苔の生した谷。


    ハナネコノメがたくさん。


    ツルネコノメ。みずみずしくて元気いっぱい。


    苔の中から顔を出すツルネコノメソウ。


    イワボタン(だと思う)。


    谷間に咲くツルシロカネソウ


    ツルシロカネソウ


    県によっては絶滅危惧種に指定されているミツバコンロンソウ。


    ミツバコンロンソウ

 登る時は本来の谷をトラバースするルートを使ったが、この道は崩落しそうで脆く歩きにくい。大きな尖った岩のある尾根に取り付けないものかとルートを探っていると、斜め上に登る細い踏み跡がありそれを辿ると容易に尾根道に出ることができた。足元に気をつけながら尾根道を進むと、小さな白い花が2種類咲いていた。


    まだ咲き始めたばかりの小さな花、ヒメイワカガミ。後ろに見えるのは篠井山。


    苔の上に小さな白いスミレ。


    フモトスミレ。5輪ほど咲いていた。

 その先は危険個所は無いのでヤマヒルに気をつけながらひたすら下るだけだ。登って来る時にスギ植林帯の上部で合流する境界見出し標の付いた尾根を発見した。そちらは笹が刈り払われていて真直ぐな歩き易い尾根だった。おそらくはフェンスの張られた植林広場あたりで合流するだろうという予想で、境界見出し標尾根を下りてみた。15分ほど下ったところでGPSの位置を確認してみると、予想とは全く違う方向に進んでいることがわかる。どうやら別の場所に抜けてしまうらしい。尾根を外れて道無きスギ植林帯の中を横切って下りて行くと、下に白い草地が見え始め、フェンスのある植林地に抜け出た。


    境界見出し標の尾根。真直ぐな手頃な傾斜の尾根道で歩き易い。しかし、そのまま進むと別の場所に出てしまうようだ。


    マメヅタがびっしりと付着した木。


    GPSで位置を確認し、下にちらりと見える草地に向かってスギ樹林帯の中を横切って下りる。


    朝通過したフェンスのある植林地に抜け出た。

 問題なのはこれからだった。登りでルートがわからなかったので、今度は尾根に付いたルート通りに下って行く。3.0kmの看板を確認したので道は間違っていないはずなのだが、沢に下りたところで倒木だらけ、ルートが崩落してしまっているようで右岸を見ても左岸を見てもルートが見つからない。沢筋を下るにも倒木が多過ぎて苦労しそうだ。止む無し、対岸の尾根に取り付いて尾根筋を下り、無事林道に抜け出た。出たところは登山口から100mほど上のところだった。入り口のところにあった3.2㎞看板とはかけ離れた場所なので、別のルートがあると思ったほうが良いだろう。


    下り立った沢は大荒れ状態。赤テープが巻き付けられているので道は間違っていないと思うのだが・・・


    右岸も左岸も道は見つからない。右手の尾根に取り付く。


    こんなところにエビネが・・・なんて感心している場合じゃない。


    抜け出た沢の入り口。どう見ても道は無い。


    向こうに見える車の先が登山口。100mほど上に抜け出た。

 時間は午後4時20分。山頂に行かずに折り返して正解だった。結局は朝間違えて登った尾根のほうが下りて来たルートよりも遥かにましだった。4時半に駐車場に到着し、ヤマヒルが付いていないかどうか服を全て着替えてチェックしたが、付いたのは撃退した2匹だけだった。

 前編で述べた嶺朋クラブメンバーが見つけて来たとんでもない(あまりとんでもなく無いかも知れない)花とはこれ。絶滅危惧種カイコバイモ。


    健気に咲いていました。


    甲斐の姫君カイコバイモ。


    少し時期が遅かった。花はしぼみ始めてしまっている。


    この山で発見されたのはおそらく初めてだと思う。


    カイコバイモ


    既に結実している株も見られた。

 山梨県では思親山が有名だが、その他に信仰の某山にあるのが知られているのみ。この山にあるという報告は見たことが無く、山梨県内では3ヶ所目といういうことになる。残念ながら少し花期を過ぎてしまっていたので、来年また訪れてみたいと思うが、体力・気力・技術を要するルートだけに気合を入れないと登れない。



    今回歩いた(と思われる)ルート。GPSログではないので若干狂っています。(GPSデータは花を探した場所がわかってしまうので、公開できません。)
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魅惑の御堂ルート(廃道)を行く 篠井山(前編)  平成27年4月19日

2015年04月22日 | 山梨百名山
 西側にある奥山温泉側の登山口がメインルートとなっている篠井山は、そちらから登ると標高差700mほどの手軽な登山となる。しかし、東側の御堂という集落から登る古いルートは標高差1000mほどの厳しい登山、しかもこのルートは崩落地や藪があちらこちらにあり、現在は廃道ルートとなっており、新しい国土地理院の25000分の1地図からもルートは消滅している。このルートを昨年の春山岳会嶺朋クラブのメンバーが登り、とんでもないものを(それほどとんでもなくは無いかもしれないが)を見つけて来た。まさか、この山にもあったのか、是非確認に行かなければと、リーダーだった小池さんはじめ、会のメンバーの方から情報をいろいろと聞き、準備を進めて来た。この日を逃すとおそらくは花の時期は過ぎてしまう。

 この山はヤマヒルが多い山で、そろそろ活動し始めている頃だろうし、昨年も2人ヒルにやられたと聞いた。ヒル対策に高濃度食塩水と調整した消毒用アルコール液、虫よけスプレーを持って行き、さらに崩落地を越えるために残地用5mザイル1本と20mザイル1本を持って行く。行けるならば山頂まで行きたいが、花を探しながら写真を撮りながらの登山なので、行けるところまで、ということになる。

 朝6時に自宅を出発し、2時間少々で登山口まで行けるだろうと思っていたのだが、御堂の集落への道が良くわからない。カーナビの地図では林道がうまく表示されず、南部の町を車でウロウロすることとなり、最終的にはカーナビでは無くて登山用GPSを使ってナビし、ようやく登山口に到着した。時間は9時近くになってしまう。(花がたくさんあり、写真多量なので前編・後編に分けます。)


    御堂バス停脇の広場に駐車する。見上げる篠井山はゴツゴツの険しい山。


    道標がある。かつてはまともなルートだったのだろう。


    ここが入り口。


    入って3.2㎞の看板。しかし、いきなりここでルートがわからない。小さな枯れた沢を渡って向こう側の尾根を登る。


    道は無く、明らかに間違った場所を登っているが、GPSで見ると上で目的の尾根に合流するはず。急斜面を真っ直ぐ登る。


    登り着くとまともな道に合流し、すぐにフェンスのある植林地に出た。予定していたルートだ。


    フェンスの外周に沿って進む。このあたりはミツマタが多いが、少し時期が遅い。


    ミツマタ越しにうっすらと雲を被った富士山が見える。


    その先はスギの植林帯。


    足元の花を探しながら進むと、鮮やかな白い斑が入った葉っぱあり。


    葉の裏側が茶色い。これはフイリゲンジスミレの葉。花が咲いていなくて残念。


    杉林の中で葉っぱはたくさん見かけたが花が見つからなかったヒナスミレ。ようやく咲いている花に出会えた。


    1.8㎞の看板。予定のルート通りに順調に進んでいる。

 杉の樹林帯上部、1.8㎞看板を過ぎたあたりで一休みしてザックを下ろすと、右足のスパッツに例の吸血虫が這っていた。左足を見ると靴の脇にも1匹ついている。高濃度食塩水を再三噴霧してあるためか、虫の動きは躊躇しているかのようにかなり遅い。消毒用アルコースを取り出して噴霧するといずれの虫も一撃でもんどり打って地面に落下した。アルコールの撃退効果は抜群である。杉の植林帯を抜けたあたりから急登が始まる。


    大きなミツバツツジ。右側にうっすらと富士山が見えたのだが・・・


    薄紫色のスミレの群落


    ナガバノスミレサイシン


    残り1.2km付近で道が左右に分かれる。左に行くと大きな岩にぶつかって先に進めないから右に進めと言われていたが・・・帰りは左側から下りて来た。


    ミツバツツジが満開。向こうに目指す篠井山山頂付近が見える。


    沢に向かってトラバース。テープがあるが道はかなり不明瞭。


    トラロープが張ってあり、沢に下り着く。


    沢の中に道標が立っている。それほど古くは無さそうだ。

 下り立った沢の中は大きな岩の上に苔が生した素晴らしい景観であるうえに、花がたくさん咲いていた。踏まなければ進めないほどのハナネコノメ、苔の中から顔を出すツルシロカネソウ、ツルネコノメなどなど、この場所で半日は潰せそうな素晴らしい谷だった。

    ハナネコノメがあちらこちらにたくさん。その中にツルネコノメが混じる。


    イワボタン(だと思う)


    ツルシロカネソウ


    ?


    ヤマエンゴサク


    ユリワサビ


 しかし、このルート登攀の核心部はここから先である。


    登山道の看板


    向こう側には看板と赤テープがある。ガレた急斜面を強引に登る。帰りはザイルを使った。


    いちばん怖かったのがこの谷のトラバース。踏み代がほとんど無いうえにつかまるところも無い。落ちれば谷底にまっしぐら。


    看板が現れる。上にはロープが張られている。登り口以外は全くルート間違いや道迷いも無く旧ルートを忠実に辿っている。


    残り0.7㎞、標高は1100m付近。おそらくはあの上が山頂と思われる。

 標高1100m、山頂まで残り0.7㎞、標高差で300m地点まで登って来た。時間は午後1時40分、この先は情報によると笹の大籔になっているらしい。あと1時間半くらいで山頂に到着できるであろうが、時間は午後3時になってしまう。下山で道迷いを起こす可能性があること、時折雨がぱらついていて、回復する様子は無いことを考えると、ここで折り返したほうが無難である。登るよりももう一度あの谷の中の景色を存分に楽しんでから下山したい。ここで昼食をとって下りることにした。(花満載の後編に続きます。)




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帯那山のスミレ散策 花見隊集合  平成27年4月18日

2015年04月20日 | 山梨百名山
 前日の4月17日湯村山界隈を散策し、エビネの開花はまだ2週間先だろうと予想していたのだが、その日の夜8時ごろメールが入った。「湯村山に花見です・・・」とみちほさんからの連絡だ。すかさず電話をかけると、sanaeさんとも連絡をとってもう甲府に向かっていて、甲府で車内泊だという。キンラン、ギンランも咲いておらず、スミレも少ない今の湯村山はあまり見るべきものが無く、まだ訪れるには早いと告げたのだが、もう甲府に集まるのは決まっているらしく、るたんさんも参加するとのことだ。どこか良いところは無いかと考え、選んだのがこの帯那山である。林道を山頂直下まで行くと10分ほどで山頂到着してしまう山だが、今回散策するのはそちら側では無く、帯那町側の林道からのあまり知られていないマイナールートを周回する。湯村山よりも標高が高いのでスミレの時期にはまだ早いと予想されるのだが、うまくすればゲンジスミレやヒゴスミレに出会えるかもしれない。


    昨年は看板が無くなっていたが、また取り付けられたようだ。あまり知られていない帯那山マイナールート。


    入り口付近に咲いていたエイザンスミレ。今年は数が少ない。


    ヒナスミレはもう終わりかけていた。こちらも数が少ない。今年はスミレはずれ年のようだ。


    崩れた土の斜面に咲いたアケボノスミレ。


    タチツボスミレもあまり咲いていない。


    おそらくエゾアオイスミレだと思うのだが・・・アケボノかもしれない。

 メンバーとは分かれて昨年ゲンジスミレを発見した急斜面にトラバースして立ち寄ってみたが・・・花は咲いていない。裏が茶色い葉があるが、その葉は見るからにフイリヒナスミレの葉に見える。では昨年見たものは本当にゲンジスミレだったのか?と心配になって来た。だいぶ探したが典型的なゲンジスミレの葉は発見できず、斜面を上に登って林道に登り着き、花見隊メンバーと合流した。


    林道の斜面に咲いていたのはアカネスミレ。例年より少なく、時期もまだ早い。


    アカネスミレ

 山頂には行かず、電波塔のところの広場で昼食をとる。折角山梨まで来てくれたのにたいしたものが見せられず申し訳なかったのだが、別ルートを下山する途中で思いもよらぬスミレを先頭のトシちゃんが発見した。


    紫色鮮やかな小さなスミレ。初めて見るスミレで、なんじゃこりゃ~??と眺めていると・・・


    後からやって来たみちほさんがこれはシハイスミレだと教えてくれた。


    シハイスミレ。花の色が感動的に美しい。


    葉の形も図鑑通り。こんな高級なスミレは近場の山には無いと思っていたので、感動した。


    帯那山にはこんなスミレが咲くとは驚き。


    色の濃いアケボノスミレ。


    葉の裏が黒く、花の色も濃いスミレ。シハイとアケボノの混合かとも思ったが、やはりアケボノスミレのようだ。


    アカネスミレ。


    周回して桜の咲く展望地に戻る。向こうには富士山。

 山は本当に歩いてみないとわからないものだ。昨年はゲンジスミレ、今年はシハイスミレという、しばしば訪れている帯那山ですら存在を知らなかった花がたくさんある。今回はほとんど期待していなかっただけに、シハイスミレの収穫は大きかった。

 帰ってから昨年発見したゲンジスミレの画像を確認してみたが、葉の先端が円みを帯びており、ゲンジスミレで間違い無さそうだ。ゲンジとヒナと両方咲いているということなのか、それともたまたまヒナスミレに似たゲンジスミレの葉だったのか?花が咲いてみないと真相はわからない。再訪の必要がありそうだ。
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咲き始めたエビネ 春の湯村山界隈散策  平成27年4月17日

2015年04月20日 | 番外編
 そろそろ湯村山界隈のスミレとギンラン、キンランが咲いている頃だと思う。エビネにはまだ少し時期が早いと思うのだが、偵察を兼ねて湯村山界隈を散策してみた。


    緑ヶ丘運動公園の八重桜と新緑の湯村山界隈。


    シャガが咲いている。


    ガマズミ


    ニホンタンポポ(カントウタンポポ)。本日出会ったタンポポの中にセイヨウタンポポは無かった。


    かつて湯村山城があったこの山は石垣の跡が残っている。


    イカリソウがちょうど見頃。


    ギンランはまだ芽吹いたばかり。稀に蕾を付けたものがある。


    ?


    フデリンドウ


    フジの花が咲き始めた。


    ツクバネウツギ


    ヤマツツジ


    かつてはたくさん咲いていたアケボノスミレだが昨年・今年とまばらにしか咲いていない。


    アケボノスミレ

 ルートの無い籔を登ってエビネのある場所に行ってみると、まだ固い蕾のものばかりだ。数は昨年よりも少ないように感じる。一株だけ、咲き始めたものがあった。


    道沿いのものはもう終わっていたが、短絡した藪の中にはシュンランが咲いていた。


    シュンラン


    エビネはまだ固い蕾。


    もうすぐほころびそうな株。


    一株だけ咲き始めたものがあった。


    湯村山界隈のエビネ


    まだ咲き始めたばかり。


    接写。

 近場の山だが、まだ歩いていないコースがたくさんある。今回はいつもとは違うルートを歩き、さらに林道から先の東に延びる尾根を下りてみた。水の流れるそちらのコースはヒトリシズカがたくさん咲いていた。そして両側の斜面にはイカリソウもたくさん咲いていた。山頂には至らずにところどころ藪を踏みながら、湯村山界隈を周回して戻った。


    こんな道があったのか。初めて歩く。


    ナルコユリか?


    チゴユリ


    ヤマツツジがたくさん。


    神社に出た。その先はすぐに林道。


    林道を横切ってアオダモの咲く尾根道を進む。途中で道は無くなるが、すぐ下に人家が見える。


    出たところは緑ヶ丘運動公園の奥にある石碑がたくさん立ち並ぶ場所だった。



    ハンショウヅル(?)


    キンラン、ギンラン、エビネなどは2週間後くらいが見頃になると思われる。

 春の湯村山界隈、桜は例年通りに咲いたが、スミレを含めて他の花は開花が1~2週間遅れているようだ。昨年のスミレは雪の影響で少ないのだろうと思っていたが、今年も昨年と同様にかなり少ないのが気になるところだ。



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ちょっと立ち寄り 花咲く武田の杜遊歩道  平成27年4月12日

2015年04月15日 | 番外編
 阿梨山・興因寺山周回して下山後、嶺朋クラブ総会の会場に向かうのだが、少しだけ時間があるので途中にある武田の杜遊歩道に立ち寄ってみた。そろそろイチリンソウが咲いている頃だろう。サンダル履きのまま、カメラと三脚だけ持ってちょっと覗いてみる。


    イカリソウがたくさん咲いていた。


    イカリソウ


    紫色鮮やかなアカネスミレ。


    アカネスミレ


    ホタルカズラはまだ咲き始めたばかりの新鮮な花。


    ホタルカズラ


    カキドオシ


    キュウリグサ。確かsanaeさんのブログでアップされていた気がしたが、なかなか名前が出てこず、ネット検索してようやく判明。


    キュウリグサ。ヤマルリソウをふたまわり小さくしたような可愛らしい花。


    元気なタチツボスミレ。


    イチリンソウ群落。見頃を迎えているが、昨年より花付きは悪い。


    イチリンソウ。見頃を迎えているが、日が陰ってしまったので花はしぼんでしまっている。

 滞在時間はほんの15分ほどだが、この場所は訪れるたびに凄い花の宝庫だと感心させられる。湯村山を含めてこのような花の宝庫を抱える甲府市は恵まれた環境にあるとつくづく思わずにはいられない。

 会合には10分ほど遅れてしまったが、会が始まる前になんとか到着できた。うーさんから情報をいただいたが、正規ルートからは外れるが籔の中では無い場所にもエビネがあるそうだ。あと1~2週間で咲き始めるだろうから、訪れてみたいと思う。

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あのスミレは咲いているだろうか? 幸潤院白砂尾根から阿梨山・興因寺山周回  平成27年4月12日

2015年04月13日 | 山梨無名山
 2年前の春にヒゴスミレを探して幸潤院から阿梨山・帯那山と散策し、群生している場所を見つけることができた。その後その場所はどうなっているのだろうか?そろそろ咲き始めている頃ではないだろうか。今回は昭文社地図に示されているルートでは無く、隣の風化花崗岩で出来た白砂の尾根を登ってみることにした。ここは所属山岳会嶺朋クラブ顧問の上野厳先生おすすめのルートで、取り付き口は道が不明瞭だが尾根まで登ってしまうとルートがあると聞いている。白砂尾根というのは正式な名称ではなく、私が勝手に付けた名前である。あしからず。


    桜咲く幸潤院。2年前に歩いたのは幸潤院の後ろ側に見える尾根。今回は別尾根を登る。


    しだれ桜と南アルプス。右端に見えるのが農鳥岳。


    駐車場の向こう側の斜面を適当に登る。すぐに尾根筋に出る。


    尾根筋にはまともな道がある。


    15分ほど登ると花崗岩の白砂と岩が混じった展望地に出る。ここからの眺望は抜群!


    見下ろす幸潤院と南アルプス。


    白砂と岩の彼方に南アルプスの眺望。


    白岩と富士山。


    大岩と南アルプス。


    幸潤院と反対側の眺望。帯那町の家並と大正池、その向こうに富士山が見える。

 天候も良く、春はなかなか姿を見せてくれない富士山も見ることができた。初めて訪れる場所だが、すっかりお気に入りの場所になった。地図に載っていないバリアンスルートで、ほとんど知られていない場所でもこんな良いところが甲府市内にはある。30分ほど景色を楽しんで先に進む。


    これから登る阿梨山の尾根。右端の奥あたりが阿梨山になるのだろう。


    ミツバツツジがほぼ満開。


    途中道が不明瞭になる場所があるが、尾根通しに登れば良い。


    フイリヒナスミレの葉かと思ったが、裏を見ると茶色い。これはゲンジスミレの葉。


    ミヤマウズラの葉。標高600~700m付近の低山でもこの花は見られるようだ。


    その先で群生する場所を発見した。このあたりにはかなりの数があるようだ。


    尾根の正規ルートに出た。ここからは明瞭な道。


    このあたりの斜面に10株以上咲いていたはずだが・・・鹿の足跡が多数、しかしヒゴスミレは葉っぱすら見つからず。時期が早かったようだ。


    タチツボスミレもまだ咲いていない。


    ヒナスミレの葉。


    このスミレは? ニオイタチツボカと思ったが葉っぱの様子がちょっと違う。まだ葉が開いておらず、正体不明だが、後に正体がわかる。


    阿梨山山頂はこの上。


    阿梨山山頂。なだらかなピークで眺望は無い。


    小さな看板が付いている。ほとんど知られていないマイナーピーク。


 ルートの途中にヒゴスミレの群落地があったのだが、まだ時期が早かったようで葉っぱすら発見できなかった。そのあたりは鹿の踏み跡が筋状に多数付いており、食害で消滅してしまった可能性も無きにしもあらずである。しかし、まだタチツボスミレが蕾を付けていない状況を見ると、まだ咲いていないと見たほうが良いだろう。こんな近場の低山にもミヤマウズラの葉がたくさんあったのには驚いた。スミレ探しや、途中でルートを外れて別斜面をうろついたりしていたので、阿梨山まで3時間半もかかってしまい、時間は午後1時を過ぎてしまった。阿梨山の先のピークから脚気石神社への尾根を直下りする。


    阿梨山の先にあるピークから脚気石神社に下りる道。道標は無いがテープが付いている。


    このあたりは伐採の真最中らしい。斜面の下のほうからチェーンソウの音が聞こえてくる。


    地図のルートは途中から沢に下りるようになっているが、テープがあるので尾根を直下りする。


    沢に出た。あまり歩かれている様子は無く、荒れている。間もなく右岸に林道が現れる。


    沢沿いで見つけた薄紫色のスミレ。


    唇弁の脈絡と薄紫色の花弁がとても美しい。特徴的な葵の御紋の葉っぱ、アオイスミレ。


    林道脇にもちらほらと咲いていた。


    葉っぱを見れば、まだ開き始めで丸まっている。先ほど稜線で見かけたスミレと同じものであることがわかる。正体はアオイスミレだった。


    林道は荒れていて、途中は沢のようになっていた。


    脚気石神社。祭りが行われているらしく、子供を含めて人が大勢集まっていた。

 脚気石神社には1時間ほどで到着した。時間は2時15分、4時半の会合に間に合わせるためには、向こう側の興因寺山を周回できるかどうかギリギリの時間になってしまった。目的は興因寺山ではなくて、その先にある白砂の尾根、金子峠から興因寺山に行く時に見える白い岩地に以前から行ってみたいと思っていた。興因寺山は昭和池側からだと簡単に到着できるので、おそらくは時間に間に合うはずだ。問題なのは白砂の台地から下りるバリアンスルートだが、距離も短いし、籔もそれほどでは無いはずだ。


    昭和池。興因寺山は池の向こうに見える山のすぐ裏側。


    鉄塔の立つ興因寺山。


    興因寺山山頂。休憩せずに先に進む。


    道は左に曲がっているが、ここを曲がらずに直進する。なんとなく踏み跡が途中まであったが、急斜面のところで消失。


    あるはずの白砂台地が見当たらず、GPSで位置を見ながら左方向に下りると沢に出てしまった。ここには道(らしきもの)がある。


    林道に出る。どうやら尾根を間違えたらしい。

 踏み跡があったのでこの尾根と思って踏み込んだのだが、1本向こうの尾根だったようで目的地の白砂台地にはたどり着かず、沢筋から林道に出てしまった。作戦失敗。あとは菜の花と桜が咲く帯那町の中をテクテクと歩いて幸潤院の駐車場に戻った。


    帯那町の桜はちょうど満開。


    菜の花畑と桜。向こうに見える山はカイイワカガミが咲く白山界隈。


    駐車場に戻る。もともとはルートの取り付き口がここにあったのだろうが、荒れてしまっている。

 午後3時半幸潤院駐車場に到着。三脚を出して写真を撮らなかったこともあるが、興因寺山から先は意外と時間がかからなかった。



  
    今回歩いたルート。


 ほとんど歩く人がいないマイナールートの上に、さらにバリアンスルートを歩いたので誰にも会わなかった。静かな山歩きを楽しみたい人には超おすすめルート、特に幸潤院白砂尾根は眺望が良くおすすめである。目的のスミレは出会えなかったので、機会があれば再訪してみたい。ゲンジスミレも。


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まだ早かったフイリヒナスミレ 甲府市北部の山  平成27年4月6日

2015年04月07日 | 番外編
 高尾山をはじめとする各地でヒナスミレが咲いているという記事を見かけるようになった。先日訪れた高川山でも数は少なかったが咲いていた。そろそろ咲いているかもしれない。

 今回訪れる甲府市北部のは標高1200~1300mほどあり、例年だと4月下旬ごろに見頃を迎える。そこにあるのはほとんどが(全てと言っても良いかもしれない)フイリヒナスミレで、普段見ているヒナスミレに比べるとひとまわり大きくてゴージャスである。周辺にはエイザンスミレもたくさん咲くので、もし交配種が見つかるとすれば甲府市内ではこの山域がいちばん怪しいとにらんでいる。夕方からは雨の予報だが、空模様を見る限りではなんとか持ちそうなので、午後から出発する。


    駐車場周辺の花壇ではスイセンの花が満開


    こちらはクリスマスローズ


    登山道に入るとヤマエンゴサクが咲き始めたばかり。


    これはトウゴクサバノオか? 何度も来ているが見覚えが無い。


    ニリンソウの葉。まだ蕾は見えない。


    タチツボスミレの葉と思って撮ったが、良く見れば葉に毛が生えている。これはおそらくケマルバスミレ。


    お目当てのフイリヒナスミレはようやく葉が出たところ。完全にフライング。

 残念ながらお目当てのフイリヒナスミレはまだ葉っぱが出始めたばかり。この山域はスミレの時期にはまだ早く、タチツボスミレすらまだ咲いておらず、エイザンスミレは葉っぱすら見つけることは出来なかった。やはり4月下旬ごろが見ごろになるのだろう。沢が流れているのでそちらに下りてみると、ハナネコノメが咲いていた。


    綺麗な沢の流れ。ここはほとんど人が入らない。


    沢の脇の岩に小さな白い花が咲いている。


    ハナネコノメソウ。


    一斉に、というわけではないが、ひっそりと咲く可愛らしい花。


    ハナネコノメソウ


    まだ蕾のものがたくさん。


    ここのフイリヒナスミレはスギ・ヒノキ植林の林床に咲く。


    良く見れば蕾が付いていた。

 予想外に早く天候が崩れ始めてしまい、3時半ごろからパラパラと雨が降り出した。林の中だったのでさほど濡れなかったが、回復する様子は無いので小降りのうちに撤退することにした。

 まだ時期が早かったフイリヒナスミレ。他の葉も探したが、交配種らしき葉は見つけられなかった。4月下旬か5月に再訪してみたい。

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山梨にもあったカタクリ群生地 むすび山から高川山へ  平成27年4月4日

2015年04月06日 | 山梨百名山
 今夜は皆既月食になる日だというのに朝からどんよりした雲が空を覆った。天気図、雲画像から見て夕方一瞬だけチャンスがあるかも知れない。天気予報でも夕方6時、7時は晴れマークがついている。皆既するのは夜9時ごろなのでひょっとしたら・・・と期待を持ちつつ、夕方5時までには甲府に戻れるような山を歩いてみることにした。ヒナスミレの咲く高尾山が魅力的だったが、往復時間を考えるとあまりゆっくりと廻ることは難しそうだ。インターネットであちらこちらのページを見ていると、山梨県でもカタクリが群生している山があることを知った。その山の名前はむすび山、大月市にある山だ。山頂までは15分か20分くらいで行けるらしいが、そこだけ見るのでは面白くない。少しコースが長くなるが、大月の駅からむすび山を経て高川山まで行くルートがあり、のぞむ先生のブログでも紹介されていた。大月駅から高川山までのコースタイムは3時間半ほどだが、例の如く花の写真を撮りながらウロウロしながら歩くと、おそらくは5時間ほどのタイムになるだろう。初狩駅に下山するなら、下りは1時間半ほどで着くはずだ。9時にスタートすれば、余裕で5時に戻って来られるはず。いつもならば車で行くのだが、駐車場が不確定なので今回は電車を利用することにした。

 特急かいじを使って大月駅には9時に到着した。甲府では曇りだったのだが、大月はあいにくの小雨だった。上着だけカッパを着てザックカバーをかけ、足元はスパッツで固めて出発する。他にも何組か登山スタイルのグループがいたので、同じむすび山方面かと思っていたのだが、そちらに行く人たちは見当たらなかった。国道20号線を甲府方向に歩き、橋を渡って大月市立病院を目指す。病院のすぐ裏側に立つ山がむすび山である。


    大月駅はあいにくの小雨。カッパとザックカバー、スパッツを装着する。後ろに見えるのは岩殿山。


    桜と大月市立病院。病院の後ろにおむすびのように飛び出しているのがむすび山。


    登り口に咲いていたイカリソウ。


    タチツボスミレはこの後もしばし出現。


    ニオイタチツボスミレ


    ヒトリシズカ。その他にまだ蕾のジュウニヒトエがたくさん。


    10分ほどでむすび山のカタクリ群生地に到着。咲いている。


    マムシグサと一緒にカタクリが群生。


    山一面がカタクリ群落。


    しかし、しおれ始めたものが多く、1週間ほど遅かった。


    見上げるカタクリの花。


    まだ新鮮なものもたくさん残っている。


    愛らしいカタクリの花。


    見下ろすカタクリの斜面と大月の街。


    ベンチが設置されたむすび山山頂。


    この穴は井戸か?と思ったら・・・


    大月航空監視哨の跡だった。

 むすび山のカタクリと40分ほど戯れ、山頂でゆっくり休憩していると、時間は既に10時20分になってしまった。ここからは左手に田野倉の町並と右手には中央道と滝子山の山並を見ながらの稜線歩きとなる。足元に何か面白い花でも咲いていないかと注意しながら歩くが、あるのはタチツボスミレばかり。稜線は登ったり下ったりの繰り返して、一向に高度を稼げないダラダラの道がしばらく続く。


    左手に見える田野倉の街。


    登ったり下ったりを繰り返す稜線の道。新緑はまだ始まったばかり。


    目立つ赤い花が咲いていた。


    ウグイスカグラ。


    花咲トンネルの真上、ヤマツツジがほころび始めていた。下に見えるのは富士吉田方面に延びる中央道。


    山桜。見上げる高川山山頂には雲がかかっている。


    見頃のヤマザクラ。


    中央道花咲トンネルを越えたところが天神峠。祠が立ち、道が横切っている。


    天神峠付近で見つけたシュンラン。まだ地上に顔を出したばかり。


    センボンヤリ。


    イチヤクソウ。付いているのは昨年の穂。

 天神峠を過ぎたあたりからやっとまともな登りになる。ロープが張られた急斜面やさらに上では岩のゴロゴロしたところもあるが、至ってまともな道で歩き易い。雨でスリップするのを心配していたが、ちょうど良いおしめり程度で、ぬかるんだ場所は無かった。


    ロープの着いた急斜面。(あまり急に見えませんが結構急です。)


    岩ゴロゴロの尾根。やっとまともな登山。


    山の斜面に大きなタムシバの木が2本。距離が遠くて木が邪魔になり、あまりうまく撮れない。


    山の斜面を探してみると、ヒナスミレがぽつぽつ。


    ルート上にも少し咲いていた。


    本日の一番の収穫はこれか? 色黒のアケボノ君、クロバナアケボノスミレ。アケボノも含めてあったのはこの一輪だけ。


    出始めたばかりのヤブレガサ。


    これを登れば山頂!と思ったのだが・・・


    登ったところで直角に曲がって、高川山山頂はその先だった。


    やっと到着、高川山山頂。誰もいない。

 まだ時期が早いのか、咲いているスミレはほとんどタチツボスミレばかりで、ヒナスミレを数輪と(クロバナ)アケボノスミレを一輪見つけただけだった。午後1時45分、ようやく高川山山頂に到着、予想通り5時間弱かかった。これだけ時間をかけて歩いたのに追い抜いて行った人は誰もおらず、このルートを登る人は少ないようだ。下りて行く人とは10人くらいすれ違った。天候が悪いこと、時間が遅いこともあって、山頂は誰もいなかった。さらに人気者だった仙人犬ビッキーが2010年に逝去したことから、以前よりもこの山に登る人は少なくなったかも知れない。

 昼食をとってゆっくり休んで下山する。以前に登った時は男坂を登って女坂を下りたので、少し遠周りになるが今度は沢コースを下りてみることにした。こちら側のコースはエイザンスミレがほころび始めたところだった。


    女坂ルートを途中で左に曲がって沢ルートを行く。


    水が少しだけ流れている沢に下り立つ。


    エイザンスミレがほころび始めていた。


    バイケイソウの葉。


    ヨゴレネコノメソウ


    途中から林道に合流。初狩駅が見えて来た。

 午後3時半に初狩駅到着。幸いにして降られたのは大月駅を出発した10分ほどの時間だけで済んだ。カッパやザックカバーを仕舞い込み、3時51分発の鈍行で甲府に戻った。


  
    今回歩いたルート。


 風呂に入って夕方7時ごろに甲府駅に行くと、ちょうど信玄公祭りの出陣の儀式が行われているところで、凄い人だかりになっていた。出陣の行列は見えそうも無いので、焼鳥屋で食事しながら空の様子を伺っていたが、空は一面雲に覆われて、全く月が出そうな気配が無い。皆既する10分前に下見しておいた天守閣下で三脚を構えたが、残念ながら月は姿を現さず、今回も不発に終わってしまった。残念。


    この構図で赤い月が天守閣上あたりに出るはずだったのだが。残念ながら厚い雲に隠れて月は出ず。

 次はいつになるのやら。いつかは赤い月を綺麗に撮ってみたい。

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甲斐の君開花  平成27年4月1日

2015年04月02日 | 番外編
 先日は越野の君が咲いているのを見て来たが、もうひとつの甲斐の君のほうも気になる。おそらくはまだ若干早いのではないかと思うのだが、いつ行けるか、予定が全く立たない状況なので、空いた時間に行ってみることにする。午後からは雨の予報だが、空を見ると降っても大降りにはならなそうなので、傘を持って行くことにする。


    カタクリはまだ固い蕾。一輪も開花していない。


    キクザキイチゲもほとんどが蕾。


    一部開花している。


    開花したキクザキイチゲ。

 甲斐の君も保護色で越野の君よりひとまわり小さく、良く目を凝らさないと見つからない。毎年訪れている場所に行き、足元に気をつけながら探すと・・・咲いている。今年は例年よりも小振りに見える。


    日の当たる草地にそっと咲いている。


    甲斐の君(かい・こ・ば・いも)。


    下から接写。地味で恥ずかしがりやな可愛らしい顔つき。


    越野の君よりも花が開き、花弁に角が無い。


    こちらはまだ開花し始めたばかり。


    固まって咲いている。手前には若葉も出ている。


    踏み込まないように、200mm望遠で撮影。


    別角度から。

 別の斜面も探したが、やや日当たりの悪いそちら側はまだ早いらしく、一株も見つけることができなかった。途中で小雨が降り、山頂へは行かなかったが、反対側のピークへの踏み跡が以前よりも明瞭になっていたので、興味本位でそちら側に登ってみた。杉の植林帯で、残念ながら甲斐の君を含めて目ぼしい花には出会えなかった。向こう側の斜面に伐採地が見え、おそらくは林業作業の人たちの踏み跡なのだろう。

 越野の君と同様、甲斐の君もごく限られた場所にしか咲かない貴重な花、静岡県では天然記念物に指定され、移動も売買も禁止されている。これから1ヶ月くらい、楽しませてくれそうだ。


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4月4日皆既月食を前に甲府市街の撮影地探訪  平成27年3月30日・31日

2015年04月01日 | 星空
 昨年10月の皆既月食は甲府から観察することは出来ず、残念な思いをした。今度こそは・・・と意気込んではいたものの、天気予報はあまり芳しく無く、おそらくは今回も不発に終わってしまうだろう。出来れば富士山の上空で皆既した赤い月を撮りたかったが、おそらくは絶望的である。もし富士山が見えなかった時はどうするか?昨年は舞鶴城公園まで戻って皆既直前の月を数カット撮影できたが、やはりロケハンして撮影イメージを描いておくことは必要である。ちょうど甲府市街の桜は満開を迎えている。桜を前景に赤い月を撮るのも有りだろう。


 3月30日

 この日の月の位置は月食の時よりもかなり高く、東寄りの位置にある。まずは桜を前景にしたイメージで、ちょうど見頃を迎えている武田神社から円光院界隈を散策した。


    武田神社のお堀。空に輝くのは金星。


    反対側。ここならば水面に映る赤い月が撮影できるかもしれない。しかし、通り過ぎる車のライトが邪魔になること、そしてもうひとつ。


    こちらは水面に映る金星を狙ったもの。強風でも無いのに湖面が揺れる。その正体は・・・水面を泳ぐ鴨!


    護国神社付近の電灯近くにある桜。白色電灯は桜の色が真っ白になってしまい不自然。


    護国神社の石灯籠と月。ポジションは悪くないが、可も無し不可も無し。あまり面白くない。


    円光院の桜。この桜の上に昇る月を撮れるはずだが、やや暗いかも知れない。


    こんな感じか?しかしこれにも問題があり、風で揺れたらブレブレの写真になってしまう。


    このしだれ桜はなかなか良い雰囲気。


    ズームでこんな感じで月を入れて・・・と思うのだが、実際にはこの裏側からでないと月は視野に入らず、逆光になってしまう。

 桜を前景にするイメージで歩いてみたが、これは!という場所は残念ながら見つからない。


 3月31日

 この日の月も月食の月より高い位置になるが、夕方7時前後は皆既した月の少し上に位置するイメージになる。この日は風の影響を受けない甲府駅夢小路界隈の建物と舞鶴城公園を歩いてみた。


    甲府駅北口にある建物。何の記念館かは知らないが、悪くは無い。


    その近くにある城門。街灯の明かりが上にあってフレアが出てしまう。


    天守閣の屋根だけならば撮れるが、面白く無い。


    夢小路で一番絵になるのがこの建物。情緒といいライティングの強さといいなかなか良い。


    上部だけ切り抜くにも良いのだが、問題は道路脇で車がしばしば通過し、ライトでフレアが出てしまう可能性があること。


    舞鶴城公園の天守閣。唯一200mm望遠レンズが使える可能性がある場所。しかし、左側のライティングが強過ぎる。


    縦位置でも良い構図で納まりそうだが、ここも道路脇であること、さらに問題なのは信玄公祭り当日で人が大勢出ているかも知れないということ。


    舞鶴城公園の桜は満開。花見客がたくさん訪れていた。


    ここからは花見。桜を透かして見る月。


    舞鶴城公園南側の桜。


    街頭で照らされた桜。


    城壁と夜桜


    記念碑


    記念碑と夜桜


    城壁と記念碑


    昨年月食の月を撮った城門。

 撮影地はまだ決めていない状況ではあるが、その日の天候と状況によって臨機応変に対応するつもりである。

 富士山が出ていれば本栖湖界隈、富士山が見えなければ甲府市街、風が無ければ桜もあり、風があれば夢小路か舞鶴城公園天守閣、ということになるだろう。しかし、一番の問題は月が見えてくれるかどうかだ。天気が良ければカメラ1台は赤道儀に乗せて追尾、1台は弱拡大で月食の満ち欠け全時間撮影、もう1台で自由に撮りまくるという撮影を考えていたのだが、一瞬のチャンスを狙っての一発勝負ということになりそうだ。
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