山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

パール紅富士 富士桜霊園(富士宮市)  令和2年12月28日

2020年12月31日 | 月富士
 未明に雨が降ったようでほとんど雪が無かった富士山が久し振りに雪化粧した。しかも午後になるとスッキリとした富士山が姿を現した。本日のパール富士は朝霧高原の西の外れ、富士桜霊園である。富士山との距離が近いので月が小さなパール富士になってしまうが、月の出の時間が日没の約2分前で、富士山が赤く染まる時間帯に月が出てくる計算になる。おそらく激込み・・・かと思ったら以外にもカメラマンは10人ほど、しかも皆さん剣ヶ峰の真上に昇って来る月を狙っているようである。当初は私も剣ヶ峰の月を超望遠で狙う予定だったがあまりにも綺麗な富士山が見えていたので予定を変更、なるべく真ん中あたりに来そうなポジションで月の出を待つことにする。


    途中で朝霧高原道の駅に立ち寄る。前夜の雪で久し振りに白い富士山になった。


    月の出の30分前に富士桜霊園に到着。高くなっている展望台の上にカメラを構えるがこの場所は誰も居なかった。


    雲ひとつない好天の富士山。西側にも雲がほとんど無く、これは期待できそうだ。


    夕日に染まってきた富士山


    月が出た。







 こっちが本命の200㎜ズーム。









 久しぶりに見る綺麗な紅富士のパール富士になった。既に今年の年休を使い切っていて、昨年の繰り越し分を使っての今年最後の半日年休であるが、この日は来て良かったと思った。明日もパール富士を追いかける予定ではあるが、良い展望場所が無い事と天候もいまいちであろう。おそらくこれが今年最後のパール富士である

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探索失敗 富士山麓の山  令和2年12月27日

2020年12月29日 | 山梨無名山
 富士山麓の寄生火山で以前に一度だけ見たことがあるスギランという木に着生するシダがあるのだが、その後いくら探しても発見出来ずにいる。最近になって別の寄生火山で花仲間がそのシダを探し出してきてくれた。常緑性のそのシダは木の葉が落ちたこの季節のほうが探しやすい。おおよその場所は教えていただいたのでたぶん見つかるだろう・・・と、望遠レンズをザックに詰め込んで探索に出かける。しかし自宅では妻と娘が年末の大掃除をしていて、少しだけ手伝っていると出発時間が遅くなってしまった。さて、探し出せるかどうか?


    さすがにこの季節は何も生えていない。殺風景な急斜面をひたすら上を目指して登る。


    頂上近くなると傾斜が緩くなって来る。主にブナの森だがまだ細くて若いブナの木がほとんどである。


    山頂到着。既に午後2時を過ぎている。


    山頂は展望が無く、木々の向こうに富士山が少し見える。


    しかしその先の展望地まで行くと目の前に聳える素晴らしい富士山の姿を見ることが出来る。


    午後になってもこれほどスッキリと立つ富士山が見られる日はあまり多く無い。


    さて、現地に到着したが既に午後2時半を過ぎた。登り返して下山を考えると残された時間は1時間有るか無いか・・・。


    スギランが生えているとすればこんな苔の生えた木の上のはず。


    これは冬期で葉を丸めているオシャグジデンダ。


    苔の生えた大きな木の幹を探すが見つからず。


    木の又のあたりが怪しいかと思ったがやはり見当たらない。


    着生しているのはオシャグジデンダばかり。

 双眼鏡片手に木の幹の上の方を探してみたがとうとうスギランは発見できず、時刻はあっという間に午後3時半になってしまった。残念、斜面を登り返して撤退である。

 駐車場に到着した頃にはもう日没を過ぎて暗くなっていた。私の車の横に出発した時とは別の車が止まっており、なんと、今回のスギランを発見した花仲間だった。私の車を見つけて下山して来るのを待っていてくれたようである。詳細な場所を聞いてみると、どうやら探した場所と木は間違っていなかったようであるが、想定していたよりも高い位置に着生していたようである。今度はもう少し時間の余裕を持って探索に行ってみたいと思う。

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オオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダ(後編) 南部町  令和2年12月26日

2020年12月29日 | シダの仲間
 山梨県にはオオバノハチジョウシダは生育しているがオオバノアマクサシダは生育していないと思っていたのだが、今年オオバノアマクサシダの生育が確認された。そこで生育が確認された場所を植物の博士に教えていただき訪問してみると、それらしきシダは容易に発見できた。しかし良く見ると2種類のシダが生育しているようである。それではこの2種類はどこがどう違うのだろうか?林道を歩いていると同じような環境のところに生育しており、最初は良く判らなかったが帰り道でじっくりと観察してみるとその違いが分かってきた。


    オオバノハチジョウシダと思わしきシダ。


    こちらがオオバノアマクサシダと思わしきシダ。この2つは良く似ており、生育環境もほぼ同じである。


    幼体だが、これはおそらくオオバノアマクサシダ。周辺に生えていた成長した個体はオオバノアマクサシダと思われるものだった。

 良く似たこの2種類のシダ、どこがどう違うのか?観察してきてだんだん区別できるようになってきた。


    こちらがオオバノハチジョウシダと思われる個体。


    同じくオオバノハチジョウシダ。


    最下羽片の下向き第一小羽片は大きなものではさらに切れ込んでいる。しかし小さな個体では切れ込んでいないものが多い。


    注目すべきは頂羽片のすぐ下に出る羽片の形。上向きの小羽片と下向きの小羽片はほぼ同じくらいの長さか、上向きが若干短い程度である。


    こちらが典型的なオオバノアマクサシダの個体。


    第一羽片の下向き最下小羽片は切れ込んでいないか、根元近い部分がわずかに切れ込んでいる程度。


    そして一番の違いは上のほうにある羽片の形。上向きに出る小羽片が明らかに下向きの小羽片よりも短いか、あるいは発育していないものもある。

 成長した個体ではおそらくこの上向きと下向きの小羽片のバランスで見分けることが出来るだろうと思うが小さな個体では難しいかも知れない。今回はオオバノハチジョウシダの幼体は確認出来なかったが、ひょっとしたら白い筋が入っているかどうかで見分けが付くのかもしれないが、それは今後の課題である。


    季節を変えて訪問するときっとまた新しい出会いがあるだろう。

 また来年の春に訪れてみたいと思う。

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オオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダ(前編) 南部町  令和2年12月26日

2020年12月28日 | シダの仲間
 オオバノハチジョウシダは山梨県県南部に生育している南方系のシダで、山梨県絶滅危惧Ⅱ類の少しばかり珍しいシダである。一方、オオバノアマクサシダは山梨県では報告が無かったのだが、今年初めて生育が確認された。しかし、このオオバノアマクサシダとオオバノハチジョウシダは形が良く似ているうえに生育環境もほぼ同じようなところに生育している。12月初旬に南部町の渓谷を散策してオオバノアマクサシダと思わしきシダを見てきたが、画像を見直してみるとオオバノハチジョウシダと思わしきシダも写っている。さて、この2種類はどこがどう違うのだろうか?今回はもう1ヶ所で生育が確認されているオオバノアマクサシダが生える場所を訪問してみる。


    林道脇のスペースに車を止めて教えていただいた場所を探すと容易に見つかった。


    傷んでしまっているが、これはオオバノアマクサシダだろう。


    林の中を探索してみると、似ているが少し違う形のシダが見つかった。これはオオバノハチジョウシダなのだろうか?

 まだ見慣れていないのでそう簡単に見分けがつけられるわけではなさそうである。さらに林道の奥に探索に入ってみる。


    橋を渡って林道の奥に入る。初めて探索する渓谷沿いの林道である。


    いろいろ他のシダが生えている。これはオニカナワラビか、それともミドリカナワラビか?


    葉軸中央部の鱗片を見ると黒っぽい。これはオニカナワラビのほうだろう。


    こちらはハカタシダ。


    コバノイシカグマ。この界隈には比較的生育しているようである。


    クラマゴケ


    マクロ撮影。葉の形が先尖りの卵円形。


    これはイワヘゴではないか?ソーラスは付着していない。


    真っ黒な細い鱗片が密生している。やはりイワヘゴのようだ。


    林道脇に生えていたこのシダはオオバノアマクサシダなのか?


    ではこれは?答えは後ほど。


    さらに林道を奥に進む。


    橋の上から見下ろす渓谷。水量はあまり多く無い。


    振り返れば富士山の見える場所があった。この季節の雪の無い富士山は奇怪に見える。


    林道終点には大きな堰堤があった。越えて上流を覗いてみる。


    石がゴロゴロした渓谷。登れそうな感じはするが、本日はここで折り返す。

 さて、オオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダはどこがどう違うのだろうか?帰り道でじっくりと観察してみることにする。

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剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士はまたしても・・・ 富士川町林道  令和2年12月26日

2020年12月28日 | ダイヤモンド富士
 先日の12月18日に撮影に出かけた富士川町林道からの剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士であるが、薄霧に阻まれて光芒が出ず失敗に終わっている。冬至で折り返した太陽が再び同じ場所でダイヤモンド富士になるのは前日とこの日の2日間である。天気予報、天気図、雲画像から見てこの日の朝は狙い目である。早起きして撮影に出かけてみる。


    ダイヤ20分前の富士山。雲は無くスッキリと晴れ渡り、これはイタダキ、とこの時は思っていた。


    ところが、ダイヤ10分ほど前から富士山の裏側に雲が流れ始め、山頂裏には霞が出てしまった。これはピンチ!


    ダイヤが始まった。少し右に寄り過ぎたようだ。


    そしてまたしても・・・霞に阻まれて上方向の光芒が出ず、太陽の輪郭が見えてしまっている。


    両側に太陽が出て割れてくれたが・・・


    残念ながらまたしてもダイヤは輝かず。


    もう1台のカメラもほぼ同様である。








    ダイヤではなくてキャッツアイ、いや、モグラの目になってしまった。

 残念ながらまたしても2つのダイヤモンドは輝いてくれなかった。この場所の剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士は来年以降に持ち越しとなってしまった。また頑張りましょう。


    剣ヶ峰ダイヤモンド富士。それなりに輝いてくれたが残念。

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白山岳で割れるダイヤモンド富士、今度こそは・・・ 富士川町高下  令和2年12月23日

2020年12月23日 | ダイヤモンド富士
 前夜から空が晴れて素晴らしい星空となった。衛星画像や天気図から見てもこの日の朝はダイヤモンド富士の狙い目である。寝不足の日が続いていて疲れ気味ではあるが、ここで撮らずしていつ撮るのか?目覚ましを5時半にかけて早起きし、再び富士川町高下に向かう。どこかのテレビ局でこの高下からのダイヤモンド富士を放映したらしく、撮影場所に到着すると駐車場は7割ほど埋まっていた。それでも楽勝で撮影場所は確保でき、朝日が富士山白山岳に昇って来るのを待つ。


    本日も空が晴れて霞は無く、風が無いうえに富士山の雪が少なくて雪煙は舞っていない。


    これはイタダキだろう。


    今度こそ、フォーカスが狂わないようにしっかりとフィルターを固定して時を待つ。

 前回は1,140㎜望遠にフルサイズカメラを装着して撮影したが富士山が画角いっぱいになって窮屈さを感じた。そこで今回はシステムを変えて、570㎜望遠にAPS-CサイズのEos80D、200㎜ズームに2倍エクステンダーを装着して400㎜にしたものをフルサイズのEosRPに装着してみた。今度はあまり画像に窮屈さを感じない。


    こちらが400㎜にEosRP。白山岳の左側に太陽が現れた。


    今度は右側からも光が現われた。


    綺麗な二つ割れダイヤモンド富士撮影に成功


    さらに真ん中の部分が輝き出す。


    融合。


    もう1台の570㎜望遠にEos80Dを装着した画像。今度はあまり窮屈さを感じない。

 以下は連写画像である。










 きっちりと割れて多分割してくれた白山岳ダイヤモンド富士。今までで撮影した中でいちばん良かったであろうが、少しばかりシャッタースピードが遅く露出オーバーになってしまったのが反省点である。


    本日も素晴らしき輝きを放ってくれた高下のダイヤモンド富士。


    良い景色を見せていただきました。

 これにて今年の高下ダイヤは満足して終了、と言いたいところだが、天候に恵まれればきっとまた来てしまうだろう。写真好きの性というものであろう。

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オベリスクに輝く木星と土星 北杜市明野  令和2年12月22日

2020年12月23日 | 星空
 前日に続いて本日の夕方も木星と土星が接近している。カシミール3Dで鳳凰山地蔵岳の上あたりに沈んで行く場所を探し、北杜市明野に行ってみる。初めて訪れる農道からの撮影で、場所が確保できるかどうか心配だったが2ヶ所目の登録地点で良い視野が確保出来た。しかし到着時間が遅く、カメラ2台をセットするのに少しばかり慌てる。


    本日は明野の農道からの撮影。到着した頃にはもうすっかり真っ暗。急いで2台のカメラをセットする。


    鳳凰山と木星・土星。前日よりは少し離れたように見えなくもない。肉眼ではひょうたん型に光っているように見えた。真ん中の黒い部分は特殊フィルターの影。


    200㎜ズーム。まず1台をセット。こちらのカメラはインターバル撮影であとは星が沈むまでお任せ撮影にする。


    オベリスクに迫る2惑星


    オベリスクの上をかすめて木星と土星が通過する。


    オベリスクの右脇に沈んで行く。


    もう1台は570㎜望遠。木星でフォーカスを合わせる。


    オベリスクにいちばん近付いたありでエクステンダー装着してみたが・・・暗くてうまく撮れなかった。これは失敗。


    エクステンダー外す。焦って最初のカットはブレてしまった。


    オベリスクの右に沈んだ木星と土星

 地蔵岳オベリスクと木星・金星を超望遠で撮影しようという試みだったが、予想していた通りレンズが暗くて点状に星を輝かせるのは難しかった。今の装備で星を撮るには570㎜望遠が限界であろう。本日は簡易赤道儀に載せて追尾も考えていたのだがセットする時間が無かった。またの機会にチャレンジしてみたい。


    明野から見る南アルプスの星空。夏の大三角形が輝いていたが、月明かりと町灯りで天の川は見えなかった。


    農道と八ケ岳


    フロントガラスに映る月

 この日の夕方から深夜にかけてこぐま座流星群が極大を迎える頃だったが、この流星群は流れる数が少ないうえに月明かりが邪魔して条件が悪い。撮影に臨むほどの元気も無く、これにて撤退する。

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接近した木星と土星が輝く富士山  令和2年12月21日

2020年12月23日 | 星空
 387年ぶりに接近した木星と土星が本日と明日の夕空で最接近する。肉眼では1つに重なって見えるほどに接近するらしい。これを逃すわけには行かない。カシミール3Dとステラナビゲータの2つのソフトを使って計算すると、富士山山頂で輝かせるには石割山の山頂が良さそうである。この日の午後は内科受診のために年休をとってあり、早めに診察をしてもらって午後3時に甲府を出発して二十曲峠に向かう。着いたのは4時半ごろでさっそく準備して石割山山頂に向かう。木星と土星が富士山山頂の上で輝くのは6時ごろで6時15分には沈んでしまう。十分に間に合う時間ではあるが、カメラのセッティングの時間を考えるとあまりゆっくりもしていられない。


    4時40分ごろに二十曲峠を出発。止まっている車は1台だけだった。カメラマンは山中湖あたりでこの接近した2惑星を狙っているのだろうか?


    御正体山とアースシャドウの空


    中間点の鉄塔から見る富士山。これほどの好天に恵まれるとは幸運である。


    肉眼でも見えるくらいにうっすらと木星が輝き出した。


    5時40分、石割山山頂到着。


    富士山の上に木星と土星が輝くが、近眼と乱視の私の目で見ると光が1つか、なんとなくひょうたん型に見える程度だった。


    月の位置はだいぶ離れている。富士山のライティングにちょうど良い。

 予定通りに1時間ほどで石割山山頂に到着した。同じことを考えている星空マニアが居るかと思ったが誰も居らず、山頂は一人で独占である。カメラ2台をセットするが、普通の200㎜ズームレンズは割合と楽にフォーカスが合わせられるがボーグ570㎜はF値が大きく暗いのでなかなかフォーカスが合わせられない。町灯りで合わせると微妙に星のフォーカスがずれるため、手製の特殊フィルターを装着して木星がいちばん光芒を放つところでフォーカスを合わせる。Iso感度をいろいろ調節してみたが、Iso6400くらいにしないとシャッタースピードが長くなり星が流れてしまう。4~6秒でシャッターを切れるように調整して富士山頂の画角の中に木星と土星が入ってくるのを待つ。


    富士山頂にかかり始めた木星と土星。ズームして捉えるときっちり2つ写る。


    200㎜ズームに星撮り用前面装着型の手製特殊フィルターを装着。


    富士山頂で輝く木星と土星


    着地。ダイヤモンド木星土星富士が完成。


    もう1台の570㎜望遠レンズ試し撮り。良さそうではあるが本日の主役は木星と土星。


    もう1度木星でフォーカスを合わせ直し試し撮り。特殊フィルターの効果も良さそうである。


    木星と土星が富士山山頂に近付いて来た。






 まあ、それなりに撮れたかと自己満足である。シャッタースピードをもう少し速くすることが出来れば良いのだが、これ以上Iso感度を上げるとノイズが多くなってしまう。赤道儀に乗せて追尾してコンポジットという方法もあるにはあるが、出来れば1ショットで撮ってみたい。朝のダイヤはフォーカスが甘くて失敗したので、今回は気を付けながらきっちり撮れたと思う。

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富士川町高下の白山岳で割れるダイヤモンド富士  令和2年12月21日

2020年12月22日 | ダイヤモンド富士
 本日は冬至である。冬至の頃の白山岳で割れる高下ダイヤモンド富士は何度も撮影に挑戦しており、立ち位置もほぼ把握していて撮り易いといえる。しかし問題なのは撮り慣れていたEosM5が故障してしまいいちばん撮り易かったカメラとレンズが使えないということである。Eos80DにCanonのズームレンズ装着して撮影に挑むが、普通に撮ってもなかなか綺麗な光芒は出てくれないために前面装着型の手製特殊フィルターを装着する。しかしこのレンズでうまく機能してくれるのかどうか、撮ってみないと分からない。さて、どうなりますか?


    雲が無く空気が澄んでいる。絶好のダイヤモンド撮影日和。


    前面装着型特殊フィルターを装着して試し撮り。この時はきっちりとピントが合っていたのだが・・・


    ダイヤ間近になって連写を始めると、何故かフォーカスが狂ってしまっている。レンズには触れていないはずだが操作を誤ったか?

 以下、フォーカスが甘いが久しぶりに綺麗に割れた白山岳ダイヤモンド富士である。








 そしてもう1本の1,140㎜超望遠で捉えた白山岳で割れるダイヤモンド富士。センサーにゴミが入ってしまったがご勘弁を。









 気象条件が悪く昨年は一度も撮れなかった白山岳で割れるダイヤモンド富士だが今年は初回で綺麗に割れてくれた。しかし、フォーカスがずれたのは痛恨の失敗である。前面装着フィルターがうまく咬み合わず、セロテープで止めたため、連写を開始した時にずれてしまった可能性がある。使い慣れない機材の使い始めではしばしこのような失敗をやらかしているので、今後は注意して撮影に臨みたいと思う。思ったよりも綺麗な光芒が出てくれたことは収穫であるが、シャッタースピードが1/8000でこれ以上速く切れないことが難点ではある。


    いつもの円形に写るダイヤではなくて富士山が消えてしまうほどの輝きを放ったこの日のダイヤモンド富士。

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何たることか!竜ヶ岳ダイヤモンド富士  令和2年12月20日

2020年12月22日 | ダイヤモンド富士
 冬至を含めた3日間は竜ヶ岳山頂のいちばん端のところから剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士を見ることが出来る特別な3日間である。空が晴れて空気が澄んだこの日、早朝3時半起きで甲府の自宅を出発し、5時前に本栖湖キャンプ場を出発して山頂を目指す。本日は体調が良いのかザックが軽く感じる・・・とこの時は思った。


    富士山の左裾から金星が昇って来た。本日はこの金星を見ながら山頂を目指す。


    東屋展望台付近から見る未明の富士山と金星。本日は時間に余裕があるので途中で撮影しながらゆっくり登る。


    金星が富士山の山頂上に昇ったが、もはや夜明けの光で消えそうである。


    7時15分ごろに山頂に到着した。ダイヤの時間は7時39分、カメラをセットする時間は十分にある。

 さて、山頂に到着して場所を確保し、カメラ2台をセットしようとザックを開けると・・・何ということか!もう1台のカメラが入っていない。レンズと三脚を担ぎ上げて来たのに肝心のカメラが入っていない。どうりでザックが軽いわけである。1台のカメラで撮ることになるが、幸いにして光芒が出やすいほうのカメラが使える。そちらのカメラをセットして、折角三脚を2本持って来たのでもう1本の三脚で山頂の様子を撮っていると・・何??


    光芒が出やすい200㎜レンズをセットする。レンズだけそのままにしてカメラ本体を外し、山頂の様子を撮影するが・・・


    数カット撮ってこの画像を撮ったところでカメラに異変が・・・どうなってるの??

 ダイヤモンド富士まではあと10分ほどである。ところが、山頂の様子を撮影していたところ、カメラのシャッターを切ったところで突然カメラ電源が切れてしまう。電池切れか電池が凍り付いたかと思って変えてみたが電源が入らない。レンズを外してみるとシャッタが下がったままで止まってしまっている。何たることか!シャッターユニットの故障か、あるいは電気系統の故障か?温めればなんとかなるかと思いポケットや手のひらでカメラを温めてみるがとうとう回復せずダイヤの時間を迎えてしまう。使えるのはスマホのカメラのみ、これで割れるダイヤを撮るのは困難である。


    ここからはスマホで撮った画像。ダイヤだけを撮るならばこれでも十分に行ける。


    もうすぐダイヤ


    剣ヶ峰が光ったが割れるダイヤを撮るほどの解像度は無い。


    折角のダイヤ撮影日和だったのにこれしか撮れず残念。


    まあ、こんなこともあるさ。


    一応、剣ヶ峰のダイヤモンド富士は撮りました。


    敗退感がいっぱい。食事もとらずにさっさと下山する。

 風が無く雪煙は舞っておらず、空気が澄んで絶好の割れるダイヤモンド日和だった。冬至前後の3日間が良いのは笹薮をかき分けずに撮影場所が確保できるという大きなメリットがあり、この3日間を逃すとあとは視野が確保しにくい登山道沿いか笹薮の中での撮影となってしまう。こんな良い日にカメラを1台忘れるうえにもう1台が故障するとはなんという日なのだろうか。さっそく故障した愛用のEosM5はカメラのキタムラに修理をお願いし、出来上がるのは年明けになってしまうだろう。これも修行、また次を頑張りましょう。

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コタニワタリ(チャセンシダ科)

2020年12月18日 | シダ類
 渓谷沿いの潤湿な林床や岩壁に生育する常緑性のシダである。葉は単葉で披針形、葉身基部は心形でで側面は耳状になることが多い。大きな個体では葉の側面は波打っている。葉質は厚く表面は光沢があり、裏面のソーラスは線上で長く、中軸に広い角度で付く。日本では長野県、新潟県など北側寄りの地域に生育しており山梨県が南限である。身延町の1ヶ所でのみ生育が確認されていたが大菩薩・小金沢連峰方面でも発見された。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR)  2017年環境省なし


    コタニワタリ 平成2年11月 身延町で撮影


    生育していた斜面が崩落して絶滅したかと思われたが同じ水系で生育を確認した。


    線状の大きなソーラス。中軸に対して広い角度で付く。


    渓谷を見下ろすコタニワタリ


    大菩薩・小金沢連峰方面で発見されたコタニワタリ。平成2年12月撮影。


    同上 大株が護岸工事の施されたセメントの壁に着生していた。


    下側から見るソーラス

 新たな場所で発見されたことから、他の場所でも生育している可能性が出て来た。

 ➡山梨県の絶滅危惧のシダ類一覧に戻る

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~


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富士川町林道からの剣ヶ峰ダイヤモンド富士  令和2年12月18日

2020年12月18日 | ダイヤモンド富士
 富士川町高下からのダイヤモンド富士は冬至を間近に控えて見ごろを迎えている。撮影に行こうと思った日があったのだが、朝の寒さと眠気に負けて行けず仕舞いになっている。今朝も空が晴れてライブカメラでスッキリした富士山が見える絶好のダイヤモンド日和となった。眠気を堪えて撮影に出かけるが、本日向かったのは高下では無くてさらにその上にある林道である。カシミール3Dを使っての計算が間違っていなければ、展望地から剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士が見られるはずである。


    ダイヤまであと10分ほど。山頂周辺が輝き出す。


    富士山はスッキリと見えていて空気の透明度は良いように見える。しかしこの光りの広がり方は?嫌な予感がする。


    ダイヤが始まった。


    割れているように見えるが、上側に光芒が出ない。


    やはり・・・裏側に薄雲があるか、空気が淀んでいるか。チカリと輝くダイヤにはならない。


    剣ヶ峰に昇るダイヤモンド富士


    それでもダイヤはダイヤだ。


    一番光芒が出やすいボーグ200㎜レンズ。


    少し右に寄った剣ヶ峰ダイヤになってしまった。それでも、空気の条件が良ければチカリと光ったはずだ。


    残念ながらダイヤモンドは輝かず。


    570㎜望遠。


    こちらは全く光芒が出ず。


    太陽の輪郭が見えてしまっている。ほとんどキャッツアイ。


    残念。

 今日は絶対に行けると思って早起きしたのだが残念ながら思ったようなダイヤにはならなかった。富士山との距離が遠くて空気の層が厚いため、少しでも霞が入るとなかなか輝いてくれない。昨年も同じような現象に悩まされ、チカリと輝く満足の行く割れるダイヤは一度も撮れずに終わっている。年内いっぱいくらいが高下、この林道とも割れるダイヤ撮影のチャンスである。条件が揃ってくれること、そして早起きできることを願いたい。

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細月と木星・土星が接近 忍野農道  令和2年12月17日

2020年12月18日 | 月富士
 午後4時には忍野農道でのキャッツアイ撮影を終えて一旦機材を撤収した。同じ場所でも富士山山頂あたりに沈む細い月は撮影出来たのだが、次の撮影は試してみたいことがあって出来るだけ富士山に距離が近いほうが良い。しかし、花の都公園近傍では良い撮影場所が無く、忍野農道付近で少しだけ富士山に近い位置に移動する。他にも7~8人のカメラマンがダイヤの撮影にやって来ていたが、皆考えていることは同じでダイヤが終わっても帰る人は居ない。3台のカメラの設置は終わったが陽が沈むと一気に冷え込んできた。午前の仕事を終えたまま普通のスラックスを履いて撮影にやって来たのだが足元が寒くて耐えられない。車のエアコンをかけて暖をとりながらカメラと車を行ったり来たりの撮影となる。それでも撮影の時は寒さが辛く、登山靴を履いてスパッツを付けてなんとか足元の寒さを防ぐが、それでも耐えきれないほど寒い。


    富士山に棚引く雲が夕日に染まった。雲が広がって来ることを恐れていたが、どうやら大丈夫のようだ。


    本日試してみたいこととは、この小さく見える鳥居のところに月を沈めて鳥居のシルエットを浮かび上がらせようという試み。


    トリーミングした山頂の鳥居。しかし思っていたよりも左のほうに鳥居がある。これは計算してきた位置では月の軌道が合わないのでは?

 航空写真から見た鳥居の位置はもっと白山岳に近い位置にあるように見えた。そして鳥居を大きく撮るには出来るだけ位置が富士山に近いほうが有利、かつ鳥居が隠れ無い角度でなければならない。山中湖のほとりが良いのだがなかなか良い月の日に晴れなかったり日程が合わなかったりと計画倒れになっていた。まずはどんな感じなのか、本日は試し撮りである。


    暗くなるにつれて木星と土星の輝きもはっきりと見えてきた。


    富士山頂に迫る月


    富士山頂の月と接近した木星・土星


    もう1台のカメラ。


    富士山頂に輝く月と木星・土星


    月が富士山に着地。


    半分沈んだ月。しかしその位置は・・・鳥居から完全に離れている。


    さて。こちらが富士山頂にかかる月を超望遠レンズで捉えたもの。鳥居は画像の真ん中下の方に位置している。


    しかし月が着地した場所は・・・完全に鳥居の右側。


    月の端っこが鳥居にかかるかと期待していたのだが完全に外れた。

 素晴らしい輝きの月と木星・土星の接近だった。先日の月と金星の接近といい、ここのところ良い天体ショーを続けて見ることが出来てラッキーである。細い月を大きく撮るのはレンズの性能に大きく左右され、現在使っているボーグ570㎜に2倍のエクステンダーを装着するとF値が10くらいの暗いレンズになってしまうため、どうしてもIso感度を2000以上まで上げないと撮影が難しい。600㎜以上の明るいレンズは高価なので今のレンズで工夫をしながら今後も撮影に挑みたいと思う。今回は大幅に位置がずれたが、これは立ち位置を決める際の鳥居の位置情報が間違っていたためで、次に挑戦する時はきっちりと位置を修正して撮影に挑みたいと思う。

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忍野農道からのキャッツアイ 令和2年12月17日

2020年12月18日 | ダイヤモンド富士
 この日の夕方は細い月と木星・土星が接近して南西の空に沈んで行く日である。木星と土星は約20年ごとに接近するらしいが、12月21日に最接近するこの2つの惑星はこれほど接近するのは800年ぶりらしい。この2つの惑星に月が接近したこの日の現象を逃すわけには行かない。その前に、折角忍野まで行くのだから久しぶりに白山岳に沈むキャッツアイを狙ってみた。3台のカメラをセットして撮影に臨む。


    まずは70㎜で撮影した画像。


    白山岳に夕陽が沈む。


    なんとなく双子になっている太陽


    少しだけ影富士


    いつもの改造絞りを入れたBorg200mm


    双子になっているが・・・


    右が大きいキャッツアイ。若干右に寄り過ぎたようだ。


    あっという間に終わり。


    Borg570mmにフルサイズのEosRP。もうすぐキャッツアイだが・・・


    これも猫の目??


    少し右に寄り過ぎてしまった。2秒インターバルで撮影したら肝心のところが写っていなかった。失敗。


    久しぶりに狙うとたいていは失敗するものだが、これだけ撮れていれば上出来。

 ほぼGPSに登録してきた場所から撮影したが、立ち位置が少し右に寄ってしまい均等なキャッツアイにはならなかった。しかしこれは撮ってみないと分からないので止む無しである。まあ、これだけ撮れていれば上出来、天候にも恵まれた。陽が沈むと細い月が肉眼で見えるようになってきた。場所を変えて月と木星・土星の撮影に挑む。

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自宅のベランダから見るふたご座流星群 令和2年12月14日

2020年12月18日 | 星空
 竜ヶ岳から下山して職場に立ち寄り、撮影データをパソコンに落としてカメラの電池を充電して自宅に帰ったのは午後4時になった。6時ごろから一旦寝て10時に目を覚ます。この日の深夜から明け方にかけてが今年のふたご座流星群が最も観察し易い時間帯である。目を覚ましたがまだかなり眠いうえに体がだるい。さっそく富士山ライブカメラをチェックするが予想していた通り富士山は雲に隠れてしまっている。外に出て空を見上げると、星は見えているものの雲が多い。この日に流星群を撮るならば明朝のダイヤモンド富士を含めて富士川町高下に行こうと決めていたが富士山が見えないうえにこの空模様では撮影はままならない。明日は普通に仕事があるのでその体力も考えて、ここは自宅のベランダからふたご座流星群を狙ってみることにした。1台は甲府の町灯りを入れた視野で固定、もう1台は簡易赤道儀に乗せて冬の大六角形を追尾してみる。雲が多いうえに町灯りと近くにある街灯の明かりが邪魔して条件は良く無い。セットしている間に流星が流れて行くのが見える。30分ほど空を眺めて3個くらい流星を見ることができ、そのうちのひとつは固定したカメラの視野に流れてくれた。セットしたままであとはカメラにお任せで寝ることにする。


    甲府盆地の町灯りを入れて固定したカメラ。大きな流星が左側を流れたが町灯りに飲まれて薄くなってしまった。


    その後3時間ほど撮影したが写っていたのはその1個のみ。この視野には大きな流星は流れなかった。


    もう1台の簡易赤道儀に乗せて冬の大六角形を追尾した画像。


    冬の大六角形


    ふたご座の右を流れた大き目の流星


    プロキオンの左を流れた流星


    カペラをかすめて流れた流星

 3時間で約10個の流星が写っており、それらをステライメージというソフトでコンポジットしてみるが、画像の収差が大きいことと雲が流れて流星が隠れてしまうことで全くうまく行かない。止む無し、不自然にはなるがフォトショップを使って合成してみる。


    ステライメージで流星の写っていた7枚をコンポジットするが、流星が見えなくなってしまった。収差も大きい。


    比較明合成。これもいまいち。ソフトを使い慣れていないこともある。


    フォトショップで流れた流星を切り抜いて合成する。不自然ではあるがこのほうが流星の流れる様子が分かる。


    ふたご座の少し上あたりにある放射点から流れて来る様子が分かる。

 ふたご座の放射点から流星が流れてくる様子は昨年も試してみたが失敗に終わっている。追尾していてもレンズの収差が大きく出てしまうのが分かってきた。綺麗な放射画像を撮っている人たちはどうやっているのか、不思議である。またチャレンジしたいと思う。

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