山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲斐駒ケ岳に沈む月 笛吹市御坂町  平成30年1月31日

2018年01月31日 | 番外編
 折角の綺麗な月が輝いた夜なのに、この月を撮らずにはいられない。日の出から50分も前に甲斐駒ケ岳山頂に沈んで行く月なので甲斐駒ケ岳に露出を合わせると月の紋様は消えてしまう。しかし、今回狙うのは月の紋様を映しながらその中に浮かび上がるシルエット甲斐駒ケ岳である。正確な座標が必要なため、既に3回ほど良さそうな場所が無いかどうか下見に出かけている。早朝4時に起床して、いざ、出発!


    Borg71FL+Teleconverter 570㎜相当のレンズで捉えた月。


    甲斐駒ケ岳のシルエットに月が迫る。


    もう1台のカメラ。100㎜望遠くらい。


    月が甲斐駒ケ岳山頂にかかり始める。


    同上


    月に浮かぶシルエット甲斐駒ケ岳


    同上。予定ではもう少し右寄りだったのだが、電線が邪魔で良いポジションが確保できなかった。


    富士山も良いが形の良い甲斐駒ケ岳も十分に絵になる。


    甲斐駒ケ岳に露出を合わせると月だか太陽だかわからなくなってしまう。


    静かに月は消えて行く。


    同上


    早朝から良い景色を見させていただいた。

 水平線近くに沈んで行く月は夕陽と同じようにオレンジ色に輝く。空気の層が厚くなるために起こる現象であるが、同時に空気の乱れが入るために月の輪郭や紋様がゆらめいて見えてしまう。条件の良い日もあるのだろうが、これはこれで良しとしよう。御坂あたりだと甲斐駒ケ岳の山頂部分しかシルエットにならないが、さらに距離を離してみて甲斐駒ケ岳全体がシルエットになるような月が撮れないものだろうか?いつか、どこかで撮れる日が来るかも知れない。
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現れなかった富士山 まかいの牧場  平成30年1月30日

2018年01月30日 | 月富士
 明日1月31日の皆既月食を前にしてこの日はまかいの牧場付近で夕暮れのパール富士が見られるはずだった。本栖湖のライブカメラをチェックしていると、朝は雲のかかっていた富士山が昼ごろには姿を現し始めていた。これならば行けるのではないかと夕方の朝霧高原に行ってみると、空は真っ暗でなんと雪が舞っている。これでは到底パール富士は無理だろうと思いつつもまかいの牧場に移動してみると、西の空は夕焼けの雲が広がっている。雲の薄い部分もあるのでひょっとしたらとカメラを構えて待つことにする。


    パール富士から5分ほど時間が過ぎた頃に月の影が見えてきた。しかし・・・富士山は全く見えず。


    さらに20分が経過して月がだいぶ高く昇って来た。やはり富士山は見えず。


    場所を移動。なんとなくうっすらと富士山の姿が見える。


    さらに場所を移動してレンズも広角に変える。富士山の裾野が見えてきたが山頂は雲が巻いて姿を現さず。


    その後はまた雲が増えて富士山は姿を消してしまった。

 今日は晴れの予報だったのでパール富士が見られるだろうと期待していたが残念ながら失敗に終わる。朝霧高原道の駅に移動して月を見上げるがほとんど姿を現さず。甲府まで戻ると雲間から月が見えていた。まだ夜の8時を過ぎたばかりなのにかなり高い位置に月が居る。明日の皆既月食はさらに遅い時間に始まるので、もっと位置が高くなるのかも知れない。広角レンズを使わないと富士山と一緒に撮るのは難しそうだ。しかし、その前に明日は今日以上に夕方の天気が悪そうなので、富士山の姿を見ることは難しそうだ。一瞬でも良いので赤い月だけでも見えてくれることを期待したい。
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雲海踊る富士山 雨ヶ岳  平成30年1月28日

2018年01月29日 | 御坂・毛無・天子山系
 昨年は1月29日に訪れて雲海上のダイヤモンド富士撮影に成功した雨ヶ岳だが、今年はダイヤモンド富士の日が週末の良い日に合わず剣ヶ峰寄りのダイヤになってしまう。ならば得意の剣ヶ峰で割れるダイヤを狙ってみようということで雨ヶ岳のダイヤモンド富士を撮影に出かけることにした。撮影場所は山頂を越えてタカデッキ側の笹原の中になるが撮影場所は確保できるはずである。

 前日の夕方に精進湖を訪れて新しいレンズのテスト撮影を行った後、朝霧高原道の駅に移動して車中泊する。氷点下10℃近くまで冷え込むのを想定してシュラフ2枚を被って寝たが以外にもあまり寒くなかった。未明2時に起床して登山口の根原に移動し、3時15分に出発する。朝霧高原道の駅を出発した時はスッキリとした富士山が見えていたのだが、A沢貯水池あたりまで行くと雲が出始め、さらに端足峠まで登ると・・・この空でダイヤモンドは輝くのか?


    A沢貯水池付近から見る富士山。右上に明るい木星が輝く。雲が出始めたきた。


    5時ごろ、端足峠から見る富士山。空に雲が広がり、星の輝きは見えない。ダイヤモンド危うし!

 端足峠から天の川が見えるだろうと目論んでいたのだが空に雲が広がってしまい星は見えなくなってしまった。ダイヤモンド富士の撮影はきわめて困難な状況、空気が澄んだ時でないと撮れない剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士はほぼ絶望的な状況である。止めて帰ろうか、という思いもよぎったのだが、富士山は見えているので朝焼けの雲が期待できるかも知れない。ここから先は急登に続く急登となるが、頑張って登ることにする。

 中間点の標高1,400m付近で夜が明け始め、林の中から見る富士山の裾野が赤く染まって来た。富士山が一望できる場所まであと標高差250mほど、しかしまだ見上げるような急登が続く。しかも雪道でなかなかピッチが上がらない。朝焼けの空がいちばん広がった6時50分ごろ、やっと富士山の展望できる尾根まで登り着いた。


    期待していた通りの朝焼けの空が広がった雨ヶ岳。山頂までは標高差であと100mほどだ。


    富士山の中腹には雲が巻き付いて絶景の富士山になった。


    強風が吹き荒れ雲が足早に流れて行く。巻き付いた雲もどんどん形が変わって行く。

 朝焼けの雲が薄くなってきた頃に一旦は山頂を目指したが、剣ヶ峰の裏側に雲が出ており割れるダイヤの撮影は困難である。ならば出来るだけ真ん中に太陽を寄せたほうが良いので、一旦直下まで登ったがまた降りて下側からダイヤを狙ってみることにした。


    もうすぐ富士山頂に太陽が現れる頃だが、この雲ではチカリと輝くダイヤは困難だろう。


    剣ヶ峰左側の雲が円形に近い形で輝いている。おそらくもう太陽が昇っているのだろう。


    もう1台の200㎜望遠。ダイヤモンドは輝かない。


    剣ヶ峰の上に円形の輝き、もう昇っているはず。


    雲から抜け出してようやく太陽が輝き出す。

 ダイヤモンド富士にはならなかったが躍動する雲の上に姿を現した朝の富士山を存分に楽しむことが出来た。三脚を担いだまま山頂を目指すが、振り返るたびに雲と富士山は次々に姿を変えて行き、全く足が進まない。


    躍動する雲海に朝日が差し込む


    躍動する雲と富士山


    日暈


    同上


    やっと山頂。雲が上がってきて富士山は見えなくなってしまう。


    一瞬の富士山頂。三脚を構えて朝食のパンをかじりながらじっと待ってやっと撮影出来た画像。

 山頂に到着した8時半ごろにはすっかり雲が湧き上がって富士山は見えなくなってしまった。じっと待って一瞬だけ見えた富士山頂を捉えた後は姿を現さず、さらには雨ヶ岳にも雲が巻き始めてさながらホワイトアウトに近い状況になってしまう。気温は氷点下15℃近くまで下がっていると思われるが、体中ホッカイロを貼っていたので思っていたほどに寒くは無かった。9時15分に撤収して下山する。

 極寒のこの季節に凍り付くようなダイヤモンド富士を撮ってみたかったがそれは叶わなかった。しかし、頑張って登った甲斐が十分過ぎるくらいにあった雲踊る富士山を見ることが出来た。

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月光の精進湖 ~レンズ撮り比べ~  平成30年1月27日

2018年01月28日 | 星空
 愛用していたCanon超広角レンズがそろそろ使用限界に来ており、既に4度修理に出しているがまた少し光軸がブレてきているようでレンズにガタ付きが見受けられる。新たにTokinaから出されている11-16mm F2.8 という超広角レンズを購入して既に試し撮りは済んでいるのだが、実際のところどうなのだろうか?空気が澄んで冬の大三角形の上に月が輝く夜に精進湖の湖畔を訪れてみた。


    これは以前から使っているCanon18-55mm F2.8 の画像。若干の収差があって辺縁部の星が三角形に写ってしまう難点があるが解像度は十分。


    同じレンズで撮った湖面に映るシリウス。一旦凍った精進湖だがまた溶けてしまっている。


    愛用していたCanon10-22mm F3.5-5.6 の画像。18mm だと画角に入り切らない冬の大三角形を映し込むことが出来る。


    こちらが新しいTokina11-16mm F2.8 の画像。若干フレアが出てしまうが星の写りはあまり変わらないように見える。


    問題なのは月を入れた時の画像である。こちらはCanonのレンズ。


    こちらがTokinaのレンズ。かなり不自然なフレアが出てしまう難点がある。

 Tokinaのレンズは星を撮るには問題無いが月を入れると大きなフレアが出てしまうようだ。月食の撮影に使うつもりだったがこのレンズで果たして撮れるのかどうか?当日2本のレンズを撮り比べることになるだろうが、F3.5と暗めではあるがCanonを使ったほうが無難なように思える。その前に、月食になる1月31日は天候が悪そうである。
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白山岳に沈む地球照の月 山中湖  平成30年1月20日

2018年01月21日 | 月富士
 テレコンバーターを装着したBorg71FL(570mm相当)の望遠レンズを使用しての初めての撮影となる。

 石割山から下山して二十曲峠から眺めた月齢3の地球照の月は山中湖のきららあたりから見ると富士山の山頂右側に沈んで行く。座標をキッチリと合わせて白山岳の真ん中に沈む位置を計算し、既にGPSに登録してある。この日は石割山のキャッツアイと山中湖の白山岳に沈む月の2本立てだったのだ。霞が多いが富士山はなんとか見えている。撮影条件は決して良くないがおそらく写ってくれるはずだ。GPS片手に山中湖のほとりを場所を探してうろつくが三脚を立てるに良い場所がなかなか見つからず、月はどんどん富士山の山頂に迫って来る。さらに初撮りのボーグ天体望遠レンズのセットに手こずり、2台持ち込んだカメラのうち1台しかセットできずに月は白山岳に迫ってしまう。止む無し、カメラは1台のみで撮影する。


    霞む富士山と月齢3の月。湖面に映る月を撮りたかったが良いポジションが見つからず。


    Borg71FLをセットする。月に照準を合わせ、月が流れて変形しないようにシャッタースピード2秒未満で撮れるようにIso感度を調整する。


    白山岳に月が迫る


    白山岳に沈みかけた地球照の月


    白山岳に沈む地球照の月


    あっという間に月は沈んでしまう。


    霞んでいるが、静かな山中湖の湖面


    富士山も霞んでしまっている。これにて撤退。

 初撮りのボーグ天体望遠レンズにしてはまずまず良く撮れたほうだろう。解像度も申し分無いように見える。絞りを改造して割れるダイヤモンド富士や、さらに星、彗星、月光ティアラの撮影等にこれから活躍するであろう。
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雲の中のキャッツアイ 石割山  平成30年1月20日

2018年01月21日 | ダイヤモンド富士
 晴れるには晴れたが気温が上がって空気が淀んでいる。霞が多くて富士山にも雲が巻いている。しかし、石割山でキャッツアイが見られるのはこの日だけだ。夕方気温が下がって富士山が見えるのを期待して山中湖方面に移動する。甲府を出たのが午後1時過ぎだったので到着が遅くなり時刻は2時半になってしまった。もはや石割神社から登ったのではダイヤの時間に間に合わず二十曲峠からのルートしか選択肢が無くなってしまった。しかも着替えたりレンズの選択をしたりしているとあっという間に時刻は3時を過ぎてしまった。毎度のことながら急がねば・・・!


    二十曲峠から見る富士山。雲が巻いているがだいぶ少なくなってきた。


    中腹から見る富士山。山頂が姿を現している。


    あのいちばん上に見える鉄塔まで登らねば。まだ時間はあるが急がねば!


    3時55分山頂到着。約45分で到着した。山頂は霜が解けてドロドロ状態。


    霞んではいるがなんとか富士山は見えている。ダイヤの時間まであと15分ほど、急いでカメラをセットする。

 1月の石割山ダイヤの季節に全く雪が無い年も珍しい。山頂は霜が解けてドロドロ状態になっており滑らないように慎重に歩く。ダイヤまであと15分ほど、富士山の山頂は見えているがかなり霞んでいる。2台のカメラを急いでセットして準備完了。1台は露光を減らすためにPLフィルターを装着する。こうすることで霞が多くても光が拡散せずに太陽の撮影が可能となる。


    富士山山頂に夕陽が迫る。


    一応は石割山のダイヤモンド富士


    同上。もう1台のカメラ。


    着地したが・・・しかし次第に雲が昇り始めてしまう。


    さて、キャッツアイはどうなるのか?雲が上がってきたが・・・


    白山岳はもうほとんど雲の中。太陽のシルエットはくっきりと見える。


    雲の中に透けて見える白山岳のシルエット


    同上


    雲の中のキャッツアイ。


    トリーミング。撮影には成功したが・・・


    雲に巻かれて富士山だか何だかわからなくなってしまった。


    ほぼ撃沈のキャッツアイ。


    太陽が隠れて数分後に富士山が現われた。

 キャッツアイになるほんの数分間だけ皮肉なことに富士山の山頂が雲に隠されてしまった。ほんの数分タイミングがずれていれば、雲に巻かれた富士山に沈む劇的なキャッツアイになっていただろうが残念。写真とはこんなもので、あきらめずに撮り続けていればきっとそのうちにもっと劇的な猫の目を見られる日が来るだろう。


    夕焼けを待つがあまり焼けず。


    霧が増えてきた。これにて下山。


    中腹から見る富士山。少し空気が澄んできたように見える。


    二十曲峠展望台からの富士山。三日月が輝き始めた。


    二十曲峠駐車場から見る地球照の月と富士山。

 以前に二十曲峠の上からテスト撮影しておいた甲斐があってキャッツアイの軌道としては上出来だったが、雲が出てしまったり霞がかかってしまうのは仕方がないことである。キャッツアイの撮影軌道はほぼ正確に計算できるようになったので、これからいくらでも撮影の機会はある。昨年末からの割れるダイヤとキャッツアイ撮影は格段の進歩を成し遂げた。今度は距離を少し離して丹沢の山から狙ってみたいが、日程と撮影場所を合わせるのに苦労しそうだ。



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富士山の裾野に昇る細月と土星・水星 精進湖  平成30年1月15日

2018年01月15日 | 星空
 未明の東の低空で現在土星と水星が接近している。13日に精進湖の上にある精進山に撮影に出かけたが朝焼けの明かりの中でうっすらと輝いている程度で肉眼では確認できず満足な撮影は出来ていない。おそらく精進山よりも300mほど標高が低い精進湖の湖畔からだともっと見えにくいであろう。しかし、この日の朝の良いところはこの接近した土星と水星の他に月齢28の細月が接近しているということである。上手くすれば、富士山の裾野でこの3つが接近している画像が撮れるかも知れない。早起きは苦手であるが見逃せない朝である。

 4時に目覚まし時計をかけて前夜10時半に床に就いたが、睡眠薬を飲んでも全く寝付けず結局眠りについたのは12時を過ぎた頃だった。目覚ましの音で目を覚まし、眠い体をたたき起こして精進湖に出かける。先客が数人おり細月を狙っているようだった。ここのところ冷え込みが強くなった精進湖は半分以上が氷結している。5時10分ごろに到着したがまだ月は昇って来ていなかったが、2台のカメラのセットが終わった頃に月が姿を現した。


    未明の精進湖。富士山の上にさそり座が頭を持ち上げており、上空には明るい木星とその斜め左下に火星が輝く。


    間もなく月が昇り始めた。


    手前のグリーンの色はヘッドライトの明かりが入ってしまったため。


    登り始めた月齢28の細月


    さらに土星が登って来た。夜明けの明かりの中に入って見えにくい。


    ズームをかけると月の下にうっすらと土星の輝きが見える。


    さらにその下には水星が登って来た。


    さらにズームをかけると、地球照の月の下に土星と水星が輝いているのがわかる。


    富士山と一緒に撮ろうとするとほとんど見えなくなってしまう。


    広角レンズで木星、火星、土星、水星の4惑星揃い踏みで撮ろうと目論んだがやはり撮れない。


    あっという間に水星と土星の輝きは朝焼けの中に吸い込まれて消えて行く。


    地球照の月

 ズームをかけて月と土星、水星を撮影することは容易だったが、広角で富士山と一緒に撮ることは露出がうまく合わずうっすらとしか写ってくれなかった。うまくすれば天の川も写るのではないかと思ったのだが、こちらも朝焼けの光に負けてしまって写らない。

 しかし、この日のドラマは星の輝きが消えた後だった。


    消えかかった細月の下にモヤモヤとした雲が湧き始めた。


    次第に大きさを増して朝焼けに染まり始めた。


    翼雲とでも言うのだろうか?


    さらに大きさを増してクラゲ雲になった。


    朝日昇るクラゲ雲


    朝焼けの面白い雲の変化を楽しむことが出来た。

 冷え込んだ寒い朝だったが、早起きして出かけるに十分な景色に出会うことが出来た。

 この日の雲の変化は5秒間隔のタイムラプス撮影を行っており、繋ぎ合わせれば動画として楽しむことが出来る。機会があったらスライド上映会か何かの折に供覧したいと思う。
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鳥ノ胸山ダイヤモンド富士  平成30年1月14日

2018年01月15日 | ダイヤモンド富士
 昨年は雲に阻まれて失敗した鳥ノ胸山ダイヤモンド富士の再写に出かけた。仕事を片付けて座標の確認などを行っているとあっという間に時間は午後の1時になってしまう。中央道を使って都留インターまで移動し、登山口のグリーンロッジに到着したのは2時半過ぎ、林道の拡張工事が行われていて若干登山口が変わっていた。ここから鳥ノ胸山山頂までは標高差約500m、1時間半くらいの行程だが、ダイヤの時間は確か4時半ごろだったはず、急がないと間に合わなくなってしまう。


    グリーンロッジの登山口からひと登りして林道出合いの登山口に到着。


    樹林帯の中の緩やかな登りが終わると、いよいよこの山の試練が始まる。


    急登。


    さらにまだ続く急登。


    手前の1,120mピーク付近で鳥ノ胸山山頂が見えてくる。


    これが山頂に至る最後の登り、と思ったが・・・


    まだ登りがあった。G‐Shock! 時計では無くてまだ登るのかとグレートショック!!


    山頂到着。これで3度目か?

 休憩無しで1時間15分で到着、時間は4時5分だった。まだ時間は十分にある・・・と思ったが、それにしては太陽の位置が富士山に近い。GPSに時間と座標を登録してあったはずなので確認しようとするが・・・前日間違って消去してしまったようで登録されていない。1台のカメラのセットが終わり、もう1台のカメラをセットしていると、あっという間に富士山山頂に太陽がやって来てしまう。お決まりの時間の記憶違いだ。


    4時5分山頂到着。まだ20分以上あると思っていたが、あっという間に太陽は富士山山頂に近付いて来た。


    先にセットした300㎜。


    こちらが200㎜。なんとか間に合った。


    その前に、普通にダイヤを撮影しておく。とりあえずは昨年撮れなかった鳥ノ胸山ダイヤをゲット。


    白山岳に太陽が沈んで行く。


    狙うは鳥ノ胸山からのキャッツアイだが・・・


    ショボい。


    1mほど左位置だった200㎜のほうは完全に外れた。


    本日は失敗。

 登録したはずの座標は確か展望地から10~15mほど右に寄ったところの林の中だったはずで、ひょっとしたら富士山山頂が見える場所があるのではないかと目論んだのだが良い場所は見つからなかった。今回の結果は成るべくして成った結果なので仕方ない。とりあえずは鳥ノ胸山のダイヤモンド富士の撮影には成功したが、1台は広角レンズで撮影して良かったのではないかと反省している。

 ダイヤが終わったところで軽食でもとって下山しようと思ったのだが・・・ザックの中を探すと食事が入っていない。準備しておいたのに焦って出てきたために車の中に置き忘れてきたようだ。またまたG-Shock!! 仕方なし、さっさと下山しようと機材を片付けて歩き始めると・・・空が染まって来た。また戻って三脚をセットしてしばし夕焼けの空を眺めて下山となった。


    焼け始めた富士山の空


    綺麗な筋状の雲が流れた。


    美しい鳥ノ胸山の夕暮れ。


    名残り惜しい気もしたが、腹が減ってきたのもあって下山する。

 今回はキャッツアイ撮影ならなかったが、そのうち軌道が合う日が来るだろう。急登の試練があるが、短時間で登り着ける低山なので機会を見てまたチャレンジしたい。
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二十曲峠のキャッツアイ  平成30年1月13日

2018年01月14日 | ダイヤモンド富士
 二十曲峠といっても写真家が集う場所では無く、そこから少し石割山のほうに登った中腹から狙ったものである。日中少し雲が湧いたもののおおむね良好な天候だったので眠いのを我慢して二十曲峠まで運転し、1時間ほど仮眠してから現地に向かう。二十曲峠には若干のカメラマンが集っていたがこの場所でのダイヤモンド富士は既に終わっていて、太陽は白山岳を外れて右に沈んで行くはずだ。今回訪れる場所はおそらく良い視野が撮れる場所が無いはずで、林の隙間から狙うことになるだろう。


    二十曲峠から見る富士山と太陽


    現地到着。もう少し左に寄りたいが富士山の見える場所はここが限界。


    300㎜試し撮り。


    こちらは200㎜。


    とりあえずはダイヤモンド富士


    夕陽が富士山山頂に差しかかる。


    さて、どうか?


    一応はキャッツアイだが予想通り左眼が大きい。


    同上


    立ち位置がここしか無く、これは止む無し。


    こちらが200㎜。


    とりあえずはキャッツアイ撮影成功ということで。


    少しだけ影富士。

 失敗というよりも今回は想定していた通りの結果と言って良いだろう。場所が無いだろうと思っていたので、これくらい撮れただけでも良かったのではないかと思う。

 今回の撮影は来たるべき石割山でのキャッツアイ撮影のための布石である。この距離での太陽軌道を確かめておきたかった。あとは天候にさえ恵まれれば・・・昨年は撮れなかったキャッツアイが撮れるのではないかと思う。
    
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木星・火星と月の並ぶ未明 精進山  平成30年1月13日

2018年01月14日 | 星空
 平成30年1月7日未明に火星と木星が最接近し、横並びした絶好の撮影チャンスだったのだが、朝霧高原から富士山山頂に姿を現すのが未明3時と早く、起きられずに見逃してしまった。その後徐々に2つの惑星は位置を変えて現在木星の左下に火星が輝いている。そして1月11日頃から今度はその接近した木星と火星に細い月が加わって未明の空を賑わせている。さらにはこの日1月13日は東の低空で土星と水星が接近して横並びになっているはずだ。精進湖からでも見えるはずだが高度を上げて上から見下ろしたほうが有利である。ステラナビゲーターから見る画像では一番の見ごろは早朝6時ごろと推定されるので、5時半に精進山到着を目指して精進湖を4時半に出発して登る。


    未明5時45分ごろの精進山から見る月と星空。さそり座の腕のあたりに月が輝いている。


    右上のいちばん明るい星が木星、その左下が火星。肉眼では確認できなかったが富士山の左裾、オレンジ色の朝焼けの中に土星と水星が二つ並んでいる。


    新調した11‐16㎜ f2.8 の広角レンズ。撮影した5時55分ごろにはもう空が明るみ始めていて土星と水星は写らなくなっていた。


    薄明が始まり星の輝きが消えて行く。低空の土星と水星はほんの10分ほどしか写っていなかった。


    薄明の空に輝く月


    同上


    もうすぐ日の出を迎える。


    富士山の裾野からの日の出


    同上


    もう1台のカメラ

 狙っていたのは木星、火星、月、土星、水星と4惑星に月が加わった豪華ショットだったのだが、想定していたよりも土星と水星の位置が低くて輝きが少なかった。一応撮れるには撮れたので良しということにしよう。

 時間はまだ7時半だ。折角なのでしばらく登っていない三方分山を越えて下山することにしよう。


    隣の展望台から見下ろす精進湖と富士山。眺望は良いがこちらは切り立っているうえに足場が狭くて怖い。


    久しぶりの三方分山山頂。


    逆光で富士山はいまいち。霞も出てきた。


    しかし木で太陽の光を減光してやれば撮れないことも無い。


    凍り付いた精進湖。

 精進湖沿いの道路をテクテクと歩いて写ば写ばに到着。ザックを担いだままお邪魔させていただき、ここでちょっと早目の昼食をいただく。

 愛用していたCanon10-22mm超広角レンズはしばし故障しており既に4回修理に出している。使用頻度が高いうえに山に持って行ってしばしぶつけているのでそろそろ限界である。同じクラスの星撮り用の明るいレンズを探していたところ、Kenkoから11‐16㎜ f2.8 というレンズが出ていることを知り、月末の月食撮影に間に合うように購入した。これで広角レンズと望遠レンズの両方を取り揃えたことになる。77㎜径のレンズ前面にNDフィルターを装着したところ星にピントが合わず不良品ではないかと思ったのだがフィルターを外すことできっちりとピントが合った。フィルターの相性もあるようだ。画像周辺の星の歪みが少なく、良いレンズなのではないかと思っている。これからの広角星撮り用の新しい武器が加わった。
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ボーグ天体望遠レンズの工夫 ~光芒を出すためのフィルターの細工について~

2018年01月11日 | 番外編
 剣ヶ峰や白山岳で割れるダイヤモンド富士、さらにはティアラ撮影のために私が愛用しているのがボーグ天体望遠レンズである。Borg36ED という200㎜望遠のレンズは主にEosM2に装着して使っており、八角形の光芒はこちらのレンズのほうが綺麗に出る。そしてもう1本が Borg67FL(300mm相当) に Canon Extender を装着して600㎜望遠で使用している。こちらのレンズは光芒が出にくいうえにExtender との相性が悪いようで若干ピントが甘くなってしまう。来たるべき月食の追尾撮影のためには高解像度の望遠レンズが必要なこともあって、さらに高解像度の割れるダイヤモンド富士撮影目的で新たに Borg71FL(400mm相当)にteleconverter がセットになっている570㎜相当のレンズを購入するに至った。手の内を明かすようではあるが、これを機会にレンズの絞り改造について書きたいと思う。

 ボーグ天体望遠レンズはカメラメーカーのレンズと違って基本的に組み立て式である。レンズの種類によって鏡筒部分(レンズからカメラまでつなぐコネクターの部分)の長さを変えてレンズを組み立て、その中に絞りやヘリコイドと呼ばれるピント合わせの部品を装着する。さらに鏡筒の後方にレンズ収差を補正するためのフラットナーという補助レンズや焦点距離を延ばしてより望遠にするためのテレコンバーターを必要に応じて装着する。


    Borg71FLに1.4倍Teleconverterを装着して焦点距離570㎜に調整した新レンズ。


    組み立て式のBorgレンズ。左下がレンズ本体、上が鏡筒部分、下がヘリコイド(ピント合わせ部品)と改造絞り。

 絞りは別売で売っているのだが、羽根の枚数が多い完全円形絞りで割れるダイヤモンド富士の光芒を出すにはあまり向いていない。光芒が出るのは絞りの羽根の枚数に依存しており、古い6枚絞りのレンズだと6方向の光芒が出て8枚絞りだと8方向の光芒が出る。では9枚絞りだとどうなるのか?実は奇数絞りの場合はその倍の18方向に光芒が出る。三角形の絞りだと6方向の光芒が出るのである。私が愛用しているのが8方向に光芒が出る8角形絞りであるが、これは黒い画用紙を切り抜いて鏡筒の中にはめ込んで使用する、手製の改造絞りである。


    愛用している手製8角形絞りを鏡筒リングにはめ込んだもの。


    8角形絞りを使用して夜景を撮影したもの。


    8方向の綺麗な光芒が出る。

 それでは、この絞りを別の形に変えてみたらどうなるのだろうか?もっと綺麗な光芒が出せるのではないかと細工を試みてみた。


    試作してみた手製絞り。左下が武田菱型、左上が四方菱型、右が八角円型の絞り。


    まずは武田菱型。8方向では無くて変形の4方向光芒になってしまった。


    では菱型の方向を4方向に変えたらどうなるのか?確かに8角形の光芒にはなるがシャープさが無い。


    筋の多い8方向光芒、さらに最大の欠点はピントがしっかりと合わないこと。ファインダーを覗いてみると光が4つに分かれて見えてしまう。


    八角円型絞りだと、8方向の光芒が出るがシャープでは無い。


    明るい光だと拡散してしまっている。

 いろいろと試してみたが、今回作成したフィルターの中ではオーソドックスに8角形絞りを入れたほうがきっちりと、キリリと光芒が出るようだ。当面はこの8角形絞りを使うことになるのであろうが、さらにはレンズの前方に装着する変形絞りも実験中である。雪煙に阻まれたダイヤモンドでも工夫すれば光芒が出せるのではないか?と、いろいろと試案・工夫している最中である。
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割れるダイヤモンド富士 総集編  平成30年1月

2018年01月06日 | 番外編
 平成28年1月から取り組み始めた剣ヶ峰や白山岳で光が分割するダイヤモンド富士であるが、昨年の年末から今年の年始にかけて蓄積してきたGPSとカシミール3D軌道データを見直して次々に撮影成功するに至った。全ては過去に地道に蓄積してきたデータからの成果、かつ天候に恵まれたことが大きい。過去の画像を振り返って総括してみたい。


    平成28年2月、4度目の朝霧高原で初めて撮影に成功した剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士

 この割れるダイヤモンド富士撮影に取りかかった当初は、カシミール3Dでおおよその場所は見て行くもののGPSに座標を転送する手段がわからず、だいたいこの辺り、という感じで撮影していたがことごとく失敗した。3台のカメラを10mおきにセットしてそのうちの1台が捉えたのがこの画像である。この後はおおよその軌道計算が出来るようになり、さらにカシミール3Dのバージョンを新しくしてGPSとのデータのやり取りが可能となり、2本の三脚を使えば8割以上の確率で割れるダイヤの撮影が出来るまで技術が向上した。さらに天体望遠レンズの絞りを改造することで六角形や八角形の光芒が出せることをしり、レンズの改造にも着手した。

 平成28年12月から撮影場所を変えて、富士山からの距離を離して富士川町高下での白山岳で割れるダイヤの撮影を試みる。しかし距離が離れた分だけ空気の透明度が悪く、霞や雲に阻まれて割れるには割れるが7回通って満足出来るものは一度も撮影出来なかった。


    平成28年12月、高下から撮影した親子ダイヤモンド富士。左の光が大きく立ち位置があと5~10m右だ。この年はこれが限界。

 平成28年12月下旬からステージを変えて竜ヶ岳を攻める。こちらも割れるには割れるが左右が均等には割れてくれず、満足なものは撮れずにシーズンが終わってしまう。


    平成29年1月、竜ヶ岳から撮影した剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士。完全に左が大きい。

 これらの敗退の記録は過去のブログに延々と書かれている。しかし、決してあきらめることは無かった。ティアラなる多分割するダイヤモンド富士を実際に撮影している人が居るのだから、絶対に撮れると信じて、その後も朝霧高原やその上の雨ヶ岳、毛無山にも足を運んだ。そして遂に、田貫湖の近くでティアラなる多分割ダイヤの撮影に成功するに至る。


    平成29年4月、小田貫湿原で撮影に成功した多分割ダイヤモンド富士「ティアラ」。


    同上

 4月下旬にスライド上映会を予定していたので、その会になんとかティアラの画像を間に合わせることが出来た。

 春から夏、秋にかけては雲が多くてダイヤモンド富士の撮影には不向きなことと植物の観察や調査が忙しくなり一旦休止となるが、11月からまたシーズンが始まる。まずは行きやすい朝霧高原から撮影が始まり、12月下旬から課題だった高下に連日足を運ぶ。昨年のデータから割り出した軌道を使って撮影するがずれている。数回修正してちょうど冬至にあたる12月22日、やっと満足の行く画像を撮ることが出来た。


    平成29年12月21日に高下から撮影した白山岳で割れるダイヤモンド富士。わずかに軌道が左にずれていて、左の光芒が大きい。


    軌道を修正して翌日の12月22日、やっと満足できる白山岳ダイヤモンド富士撮影に成功。この画像が山梨日日新聞に掲載された。

 さて、次は竜ヶ岳だ。一度撮影に出かけたが完全に外しており、そこから軌道を再計算して撮影に臨む。計算上では剣ヶ峰の尖った左右から光芒を出すことが可能なはずだ。昨年から数えると5度目の竜ヶ岳でようやく撮影に成功した。


    平成29年12月17日竜ヶ岳から撮影した剣ヶ峰ダイヤモンド富士。割れてはいるが完全に右が大きく、こんなはずでは無かったと頭を抱える。


    平成29年12月23日剣ヶ峰の左右から光芒が出て多分割する剣ヶ峰ダイヤモンド富士撮影に成功。


    上のトリーミング画像。


    さらに平成30年1月1日再訪。同じ軌道で多分割に成功。

 こうして、2年越しの課題であった高下ダイヤ、竜ヶ岳ダイヤとも年末年始で一気に片付けることが出来た。出来過ぎだった年末年始だが、天候に恵まれたことが大きかった。

 そしてさらに、撮りたいと思っていたキャッツアイの撮影にも成功した。


    忍野村農道公園からのキャッツアイ。富士山との距離が近いこの場所で撮れれば、同じような軌道で他の場所も撮れるはず。


    神奈川の県境近い鳥井立からのキャッツアイ。昨年は失敗しているので、1日日程をずらして撮影に出かけ成功した。


    高尾山からのキャッツアイ。昨年は冬至の頃が良いだろうと出かけてみたが雲に阻まれ失敗。軌道を再計算して今年は撮影に成功した。

 これにて、課題だった剣ヶ峰、白山岳で割れるダイヤモンド富士、さらにはキャッツアイの撮影にも成功した。全ては過去の失敗からのデータ蓄積と解析による成果、さらに天候に恵まれて神様が微笑んでくれたことによるものだ。一気に片付きすぎてしまい拍子抜けした感が無きにしもあらずであるが、もっと綺麗な画像が撮れるはずなのでこれからも追いかけて行きたいと思う。

 

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スーパームーンのパール富士 十枚山  平成30年1月2日

2018年01月03日 | 月富士
 山梨県と静岡県の県境にある十枚山は、山梨県側ルートは標高差1,000mほどの急登が続く難峰である。かつ、林道が悪路で登山口まで行くのも大変だ。しかし、静岡県側まで回り込む時間を考えると、山梨県側から登ったほうが時間は早い。しかしこの季節はおそらく・・・車で南部町にある林道を訪れてみたがやはり冬季閉鎖されている。静岡県側に回り込むことにするが地図を忘れてきてしまい、十枚山登山口を探すのに一苦労してしまう。十郎木バス停から橋を渡って席の沢に入り、中ノ段の十枚山登山口を目指す。確か登山口は標高900mくらいで、標高差800mを登れば十枚山山頂に至ると記憶していたのだが・・・登山口の駐車場に到着するとそこは標高600mくらいしか無い。その先は農道で一般車の立ち入りは禁止されている。つまり、その駐車場から300m登ってようやく十枚山登山口ということだ。これは大誤算だ。山頂までの標高差は1,100mもあるということだ。4時間くらいかかるのではないだろうか?心が折れかけたが、時刻はまだ12時半、パール富士の時間は5時25分ごろだ。十分に間に合う時間である。もしこの日がスーパームーンという特別な月で無かったならば、おそらく止めたであろうが、月が最も地球に近付いて大きく見え、かつ15夜という特別な日なので、大変なのを承知で午後1時から山頂を目指す。


    コンクリートのジグザグな農道をひたすら歩く。距離が長く、登山口まで50分かかり、既にクタクタ。


    やっと十枚山登山口。手帳の切れ端で登山届を出す。


    ここからは植林帯の中の急登をひたすら登る。


    枯れ沢の急登。ところどころロープが張られている。暗闇の中を下山する時に最も注意が必要な場所。


    まだまだ続く急登。日没が迫る。


    やっと見えた山頂。もう日没の時間だ。


    山頂到着直後に日没を迎えてしまう。

 想定していた以上に急な登りだった。4時50分、約4時間かかってようやく山頂に到着だ。山頂には月を見に来たというテント持ちの地元の方が一人居た。山頂は木が伸びて以前より富士山の眺望が悪くなっていたので、笹の斜面を下ってみたが斜面がきつくて三脚を立てるに良い場所が無く、山頂に戻って木の間から見える富士山を狙うことにした。笹の急斜面の登り返しで太ももが攣ってしまったうえに、スリップして腹這いに転倒するというおまけまでついた。


    木が邪魔だがまともに三脚が立てられる場所はここしか見当たらない。


    月が出てきた。ここまで距離が離れると空気の層が厚くなりオレンジ色の月が昇って来た。


    しかし、写真で撮るとそのオレンジの色は表現できない。


    肉眼ではこれに近い色だった。白山岳に昇った折角の月だったのに微妙にピンボケで撮影失敗。


    広角レンズで撮影したこちらの画像のほうが実際の月の色に近い。


    オレンジ色のパール富士


    スーパームーンのパール富士


    オレンジ色の美しき輝き。月の紋様も肉眼でははっきり見えたが写真では写らず。


    写真ではなかなかうまく表現できないものである。


    月が山頂を越えた。


    駿河湾の町灯りも美しい。右にはオリオン座が昇って来ている。

 月が山頂を越えたところでこの日の撮影は終了する。肉眼で見る今回の月は金色の月とはまた違う、オレンジ色の月だったのだが、残念ながら写真で表現することは出来ず、実際の肉眼で見る月のほうが格段に美しく感動的だった。登るに苦労したが十分に登って見る価値がある月だった。

 夕方の月の出の頃だけ、強く吹いていた風が止んでくれた。おかげであまり寒くは無かったが、風が強かったらダウンジャケットとカッパだけでは耐えられなかったかも知れない。山頂直下は雪があり、そろそろ凍り付いてスリップし易い時間帯なのでチェーンアイゼンを装着して慎重に下る。急斜面なのでとにかく転倒しないように、使えるロープは全て使って下る。道の不明瞭な場所はGPSに頼るが、使ったのは分岐のように見えた1ヶ所のみ、しかも中腹で衛星信号を拾わなくなり役に立たなくなってしまった。GPSに完全に頼った下山はやはり危険でしっかりと道を確認しながら登ることは必須である。転倒も道迷いも無く、8時20分、無事に駐車場に到着した。

 今回は美しいオレンジ色の月が見られたことも良かったのだが、登りも下りも厳しく危険なのを承知のうえで山に登った自分自身のチャレンジ精神を湛えたいと思う。
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新年のダイヤモンド富士 富士川町林道  平成30年1月2日

2018年01月03日 | ダイヤモンド富士
 年末から割れるダイヤモンド富士ばかり狙っていたが今回は普通に真ん中から現れるダイヤモンド富士である。元日もこの場所が第一候補だったのだが、竜ヶ岳に行ったのでこの日に訪れることとなった。元日よりもこの日、1月2日のほうがより富士山の中央に来るのだが、富士川町高下よりもさらに距離が遠いこの林道からだとなかなかチカッと輝くダイヤは撮れない。空気が澄んだこの日だったが、予想通り富士山の山頂は雪煙が多い。


    本日狙うは真ん中あたりから出るダイヤモンド富士。オーソドックスなダイヤ狙いだ。なんとなく影富士。


    雪煙が多い。ボーグ300㎜レンズは絞りを改造してみたが効果はどうなのか?


    太陽が現れた。だが、思ったほどシャープな光芒は出ず。


    雪煙に邪魔されたこともあるのだが、改造絞りの効果はいまいち。もう一工夫必要なようだ。


    一方のキャノンレンズは綺麗に八方向の光芒が出る。


    好みによるかも知れないが、虹色のゴーストとフレアが出てしまう欠点(長所?)がある。


    こういうダイヤも悪く無い(と思う)。


    新年のダイヤモンド富士をゲット。

 昨日も一緒だったのぞむ先生と撮影に出かけたが、既に車が3台止まっていた。しかも有名人ばかりが集っていた。そのうちの一人のS君は南部町佐野峠で会って以来、約2年ぶりの再会となる。彼は私のことをあまり覚えていないであろうが、その時に初めて天体望遠鏡を使って撮影している人を見かけ、衝撃を覚えた。私がボーグ天体望遠レンズに手を出すようになったのもこの方に出会ったからこそであり、あの出会いが無ければ割れるダイヤの撮影もままならなかったであろう。私にとってはいわば恩人である。撮影後にファミリーレストランでの食事にお誘いして、しばし写真談義をして有意義な時間を過ごすことが出来た。彼はさらに新たな撮影の取り組みをしていた。同じレベルの撮影は困難であろうから、参考にさせていただきながら別の方向で撮影に挑んでみたいと思う。

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元日に昇る月 思親山  平成30年1月1日

2018年01月03日 | 月富士
 早朝から竜ヶ岳に登り、ダイヤモンド富士を見てきた。樹氷が美しく、ダイヤも素晴らしき輝きを放ってくれてこの日の運はこれで尽きてしまったのではないかと思った。しかし、この日の本命は朝のダイヤでは無くて夕方昇って来る月だった。下山後精進湖のほとりにある喫茶店写ば写ばでのぞむ先生と待ち合わせし、昼食をとりながら夕方の打ち合わせをする。冬型の気圧配置となったこの日だったが意外と暖かく、いつもならば凍えながら撮影しているこの時期の竜ヶ岳ダイヤもダウンジャケットを羽織っただけで全く寒く無い。気温が思ったよりも高く、雲が出てしまうのではないかと心配しながら、思親山の登り口である南部町の佐野峠に移動する。

 午後1時に佐野峠到着すると、既に3~4台車が止まっており、三脚も立てられている。パール富士の時間は午後4時40分ごろ、日没約10分前という好時間である。2時半から登り始めれば十分なのでまだだいぶ時間がある。その前に、反対側に延びる林道がだいぶ伐採が進んで展望が良くなっていたので、どのあたりまで眺望が効くのか下見に出かける。そして午後2時から林道経由で思親山に登る。普通の登山道を登ったほうが早いのだが、この林道沿いにも富士山展望地があるはずなのでその場所の下見をしておきたいために、故意に林道経由で登った。林道の中では、反則技を使って三脚を立てているカメラマンを数人見かけた。


    林道終点から見る富士山。


    あまり歩かれていないこちら側の登山道は痛んでいて歩きにくい。しかし、富士山の眺望は良好。


    思親山山頂から見る富士山。

 1時間少々かかって山頂到着し、想定外に道が荒れていたために疲れて汗をかいた。尾根道を来たのぞむ先生は先に到着して既に撮影の準備が出来ていた。上空と富士山の裾野に雲が出ているが富士山山頂にかかる雲は無く、空気が澄んでいて良いパール富士が見られそうだ。3時半ごろにるたんさんも到着し、本日のメンバーが揃った。他に2人のカメラマン、さらにもう1人加わって総勢6人で月の出を待つ。


    300㎜望遠。この視野でも良いのだが・・・


    剣ヶ峰の上に昇る月を拡大して捉えるためにエクステンション装着して600㎜で狙う。

 陽が西の山並に沈み、富士山が赤く染まり出した。ワクワクしながら月の出を待つ。想定していた通り、紅富士の時間に月が剣ヶ峰の左から現れた。


    昇って来ました。紅富士の時間に昇る月齢14の月。


    狙い通りに剣ヶ峰の上に登って来た。


    剣ヶ峰に昇る月。本日いちばん撮りたかったカットがこれ。


    紅富士に昇る月。もう1台の200㎜レンズ。


    月は静かに剣ヶ峰を越えて富士山から離れて行く。


    剣ヶ峰に昇るパール紅富士


    300㎜に変える。月は少しずつ金色に輝き出す。


    わずかな時間の違いで月の色は変わる。


    黄金の月昇る


    残照富士と黄金の月


    夕焼けの空に輝いた月

 富士山から月が離れた頃にはもう富士山に露出を合わせると月の紋様は消えてしまう。本日ここまで、ヘッドライト点灯して下山する。

 元日から朝、夕と素晴らしいダイヤとパールに巡り合えた。出来過ぎの年初めである。めでたしめでたし、今年も良い年であることを願う。


 追記:山梨日日新聞に今回の画像を投稿したところ、電子版のほうに記事を掲載してくださいました。

    「紅富士と月、くっきり競演
 
 興味があればご覧ください。
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