山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

今年は咲かないのか? ○○○丸

2012年06月28日 | 山梨無名山
 平成24年6月24日

 この山にアツモリソウが咲くという話はずいぶん前から聞いていた。年によっては登山道のすぐ脇に咲いたこともあったと聞く。昨年も連絡をいただいたのだが、日程がとれずとうとう行かずに終わってしまった。そして今年こそはと、花期が遅れているのを計算に入れて、かつ花の師匠からおおよその場所を聞いて山に向かった。


    ロープの張られた草地の中を双眼鏡で探す。

 梅雨の真っ最中で空は曇り空だが、なんとか夕方までは持ちそうだ。登山口の駐車場には車が5~6台、しかもほとんどが山梨ナンバーだ。おそらく、目的は私と同じくアツモリソウだろう。双眼鏡を首にぶら下げて、注意深く草むらを観察しながら歩くが・・・見つからない。それらしき葉っぱは全てスズランかキボウシの葉だ。


    キンポウゲの群落


    葉が似ているが、これはスズランの葉。


    スズランはもう終焉。


    ササバギンラン。花はまだ咲き始めたばかりだったが葉はそれなりに発見できた。

 稜線を歩いていると私と同じように双眼鏡を首からぶら下げている女性4人組とすれ違う。お互いに一見して花探しとわかったようで、話をすると、今年は一株も見つからないそうだ。この日、周辺を3往復して探した人と出会ったそうだが、やはり見つけられなかったらしい。3年前に来た時はそちらに2株、こちらに1株、その向こうにも何株か咲いていたと教えてくれた。双眼鏡と、さらに300㎜ズームレンズを付けたカメラで探すが、花はおろかそれらしき葉すら見つけることができない。


    この草地を再三探したが見つからず。


    大きなミツバツツジの木。花はもう終わっている。


    ズミももうすぐ終わり。

 ロープの途切れる林から草地の脇まで下りて同様に探すが空振り。さらにロープが張られていない草地を細い踏み跡をたどって下りてみたが、それらしきものは全く見当たらなかった。


    草地の中で見つけたのはこの花くらい。


    ムラサキ(たぶん)  根が紫色で、染料や薬に使われるそうだ。

 普通に歩けば2~3時間の行程だが、4時間以上も山をうろつき、とうとう1株も出会えなかった。花の師匠、サクラスミレさん、ヨッシ-と、時期を変えて探しているが、今年は発見した人がおらず、咲かなかったと思われる。盗掘とは思いたくないが、鹿の食害の可能性は多分にあると思う。午後3時を過ぎた頃から霧が立ち込め、小雨がぱらつき出す。雨が降り出すぎりぎりの午後4時、下山。


    霧に巻かれたヤマツツジ

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花見つからず 杓子山

2012年06月19日 | 山梨百名山
 平成24年6月18日 

 16日に行われた「大人のためのプラネタリウム」上映会の後、ヨッシ-隊のメンバーが集まってイタリアンレストラン「BOBOLI」で食事会を行った。7月連休の山行をどうするかの相談をしたが、ひとまず予定は2泊で白馬岳、宿泊は半分テント、半分山小屋、食事は山小屋にお願いしようということで調整することになった。このレストラン「BOBOLI」は超おすすめなお店で、イタリアで修行して来たシェフの味は何を食べても絶品だ。ついつい食べ過ぎてしまう。そして週が明けた18日の月曜日、内科受診の予定になっていたので、採血をしてその値を見ると・・・驚くべき中性脂肪の値!正常値の3倍以上もある。これはもう歩くしかない。曇り空だが雨はなんとか大丈夫そうなので、花の師匠からいただいた情報の、あの花を探しに杓子山に向かう。
 まずは山頂へ。不動湯先の林道ゲートで車を止めて歩き、ハングライダー発射場に到着すると、ちょうど一機が飛び立つところだった。この発射を見ながら休憩し、そしてまた山頂目指して登る。


    富士吉田の町に向かって飛び立ったハングライダー

 登山道を進めばたやすく登れる杓子山だが、ふと見れば直登できそうな尾根道が真直ぐに続いているのが見えた。たぶん、これは旧道、しかし踏み跡のようなものもついている。どうせ今日は花探しで籔歩きするだろうから、ついでにこの道の捜索も・・・ということで、この直登道を登る。急登だがペンキサインがついている。上部では少々籔っぽくなってはいるが普通に歩ける。そして抜け出たところは、ちょうど樹林帯が切れるあたりの山頂近くの登山道に合流した。足元に気をつけながら歩いたが、目ぼしい花は見つからなかった。


    左が通常の登山道。真直ぐに行く切り払われた草原のようなところを登った。

 ひとまず山頂到着。ヤマツツジが開花し始めており、山頂裏側ではレンゲツツジが真っ赤に咲いていた。アヤメも咲いている。休憩後、目指す林のほうに進んで中を探す。ジグザグに歩いて標高差で100m近い範囲を探したが見つからず、一旦山頂に戻って花の師匠に電話する。どうやら林を間違えたようだが、私が探しまわったところにあってもおかしくない環境だった。


    杓子山山頂。ヤマツツジが咲き始めている。


    山頂裏側に咲いていたレンゲツツジ


    アヤメ


    山頂に咲いていたヤグルマソウ(さくらすみれさんに教えていただきました。)

 時間はもう6時近くになってしまったが、花の師匠に詳細に教えていただいた林に入ってみると・・・やはり見つからない。しかし、それらしき葉は見つけることができた。花は盗掘を避けるために摘まれているか、あるいは動物に食べられてしまったかのように不自然に無くなっている。それらしきものはこれだけ。来年こそは花に出会えることを期待する。


    林の中を右往左往する。先日アツモリソウを見つけたような環境の草むら。道のように見えるのは鹿による獣道。


    生えていたのはこの花、クサタチバナ。(さくらすみれさんに教えていただきました。)


    林の中で見つけたランらしき葉。花は終わっているか、誰かに摘まれたか、動物に食べられたか・・・不自然。
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初見参、アツモリソウ  平成24年6月15日

2012年06月16日 | 番外編
 富士山写真の師匠から情報をいただいた。1株だけだが、毎年アツモリソウが咲くところがあるという。時期的に見ごろになっているだろうが、週末は天気が悪そうで、その後の日程もどうなるか・・・強行して金曜日の午後に行くことにした。
 富士五湖を見下ろすこの山は、富士山の絶好の展望台でもある。山頂到着は5時近くになってしまう。
 

    霧の湧き上がる富士山

 情報をいただいた場所に行くには山頂を越えなければならず、時間が時間だけにここは休憩せずに目的地に向かう。そして草むらの中を注意しながら探すが・・・あったのは盗掘ではないかと思われるような穴が一つ。これはもう盗まれた後なのではないかと、半ばあきらめかける。


     盗掘と思わしき穴。動物が掘ったものとは思われない。

 山頂に戻りかけた時にピンク色の花が目に入る。近付いてみれば・・・お目当てのアツモリソウだ。しかも3株咲いている。初めて見る花に感動し、情報をいただいた富士山写真の師匠に電話する。いつもは1株だけらしいが、3株咲いているのは増えたのだろうと言っていた。存分に写真を撮らせていただき、あたりを散策したが、葉も含めてこの3株しか見つけられなかった。


    アツモリソウ


    同上


    同上

 こんな花に本当に出会えるとは思ってもいなかった。情報をいただいた師匠に感謝だ。周辺は鹿の踏み跡がたくさんあり、食害が心配だ。稀少植物は人間だけでなく動物にも狙われている。これからもずっと咲いてくれることを願う。
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富士見平小屋に写真荷揚げ  平成24年6月14日

2012年06月15日 | 番外編
 平成24年6月14日

 先日瑞牆山を訪れた際に富士見平小屋に寄らせていただき、小屋主さんとお話しした際に写真を飾っていただけるとのことで、近日お届けすることを約束した。登山口まで取りに来てくれるとのことだったが、ここはトレーニングがてらに背負って持ち上げることにした。週末は上映会の予定あり、天候も悪そうなので平日午後の空き時間に荷揚げすることに当日決め、出発。
 3枚の額入り写真を補助ザイルで念入りにザックに固定する。この時にもやはり三脚は持って行かないと落ち着かない。重さはいつものテント装備とあまり変わらないが、しっかり固定したつもりでも体が揺れると額も揺れて背負いにくい。


    荷揚げする額入り写真3枚を固定したザック

 花も探さずに今回はひたすら荷揚げ、だが、小屋に納めるものなので途中の里宮神社に寄って挨拶して行く。写真は自分で頑張って撮って来るものでは無くて、山の神様からのご褒美だと思っている。山を愛し、山の素晴らしさを表現しようと頑張って山に登った時、山の神様が祝福とご褒美に良い景色を見せてくれるのではないだろうか。だから、写真は山の神様に感謝をこめて、登山者が喜んでくれるところに飾っていただくのが一番良いと思う。


    マムシグサと新緑の森


    里宮神社


    水場到着。ここに来るとほっとする。


    荷揚げ完了!

 途中3回ほど休憩したが、1時間15分ほどで富士見平小屋に到着した。荷物を下ろしていると作業服とヘルメットを被った若者3~4人が下りてきた。てっきり測量かルート整備の作業員と思っていたらそうではなく、山頂直下で滑落事故があり小屋主さんに救助を依頼されて行く途中だった一般登山者だった。この日は既に瑞牆山に登って来たそうだが、体力がありそうな若者だったので救助を引き受けたそうだ。しかし、途中でヘリコプターが救助に向かうこととなったので、連絡を受けて引き返して来たそうだ。感心な若者たちである。


    山頂付近で救助にあたるヘリコプター

 小屋の前で休憩していた5人組の方をお誘いして、林道経由で一緒に下山する。お目当ては瑞牆山展望台から見る瑞牆山、そしてカモメランだ。先日は蕾だった花はほぼ全開、ちょうど見ごろとなっていた。ついでにクリンソウ群落地も回ってきたが、こちらも花が咲き始めていた。


    カモメラン全開


    同上


    咲き始めたクリンソウ


    クリンソウ


 今回荷揚げした写真は以下の3枚。(1枚は手元のパソコンにデータが無いので、後日アップします。)


    奥秩父の森、アズマシャクナゲ林

 山梨百名山制覇を目指して平成18年6月に訪れた小川山八丁平付近のシャクナゲ林です。富士見平からのルートは長く、道が不明瞭なところもありますが、人が少なく静かな山行が楽しめます。シャクナゲ林のドームになっており、上から撮影できる場所はないかと籔をかき分けて探した場所ですが、意外と登山道のすぐ近くでした。



    金峰山五丈岩と甲府盆地の夜景

 平成20年3月の強風吹き荒れる中を登って撮影した1枚です。山梨県山岳連盟の平成23年カレンダーに採用していただいたものです。五丈岩の右横に写っている山は白根三山、右から北岳、間ノ岳、農鳥岳です。


(写真は後日アップします。)
    千代の吹上と白雪の金峰山

 初めて冬の金峰山に行った時の写真です。新雪が膝上まで積もっており、先行していた2人は樹林帯の中腹でリタイア、さらにもう1人のこのあたりに慣れているベテランの登山者は樹林帯を抜けて眺望が開けたところで引き返し、私一人、その上まで行こうとしましたが、この眺望のところまでであきらめました。雪の着いている千代の吹上の岩は、なかなかお目にかかれません。


 富士見平小屋にお立ち寄りの際は是非ご覧ください。
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アズマシャクナゲと花散策、瑞牆山  平成24年6月10日

2012年06月12日 | 山梨百名山
 毎年恒例のようになっているシャクナゲの季節の瑞牆山・小川山界隈だが、今年もその季節がやって来た。ピンク色の美しいアズマシャクナゲもお目当てのひとつだが、そのほかにクリンソウ、カモメラン、そして瑞牆山ではなかなかお目にかかれないクモイコザクラを見るのが今回の目的だ。前日に引き続いてsanaeさんご夫婦、みちほさんご夫婦、そしてヨッシ-隊メンバー2人を加えて計7人で瑞牆山を目指す。
 8時に瑞牆山荘のところの駐車場に到着すると、もう駐車場は満杯で一台も止めるスペースが無い。大型バスも駐車している混雑様で、止む無く道端に3台縦列して車を停める。8時20分出発、まずはクリンソウの群落に行く。例年ならばシャクナゲの咲く頃には見ごろを迎えているクリンソウなのだが、今年は雪解け水が冷たいのか、ようやく葉が出てきたところで、まだ花芽は出ていなかった。


    クリンソウ群落はまだ葉っぱだけ。


    新緑がすがすがしい瑞牆山低部の森

 次にカモメラン生息地に行く。2ケ所のうちの最初の場所はほとんど知っている人がおらず、見に来ている人に会ったことが無い。森に入って抜き足差し足、花が咲かず葉っぱだけのものもあるので、足元に十分注意しながら探すと、新鮮な2株をまず発見。さらに周辺を探すと、10株近い花を見つけることができた。そのほかに葉だけのものがだいぶ見つかり、これからまだ咲きそうだ。ここで30分ほど撮影会を行い、さらにもう1ヶ所の生息地に行く。こちらはまだ時期が早く、蕾の株数株を見つけるに留まったが、葉はたくさん確認できた。広範囲に探せば他にもあるのだろうが、踏み荒らすのは避けて登山道に戻る。今回のゲストは花好きな人たちばかりで、花の保護にも理解を示してくれる人たちなので、花に配慮しつつ足元に気をつけながら散策した(つもりだ)。


    可憐に咲くカモメラン


    カモメラン2株

 富士見平の小屋に到着したのは10時半を過ぎてしまう。2時間以上もかかったことになるが、その半分は花の観察と撮影に費やしている。普通の登山に来た人たちならば、このペースにはうんざりしてしまうだろうが、今回のメンバーはそうではなく、目的は山頂では無く花を楽しむことで一致している。私が単独登山で花を探しながら歩くのが今回とほぼ同じペースだが、それにつきあってくれる人はほとんどいない。しかし、今回は全く違和感無く、焦ることも無く、存分に撮影しながら歩けることが本当に楽しい。ヨッシ-隊の若手2人は登りたいタイプの人たちなので、先に山頂に行ってもらうことにして、ゲストと私の5人はゆっくり花探ししながら登る。天鳥川のところで既に時間は11時半となり、ここで昼食にする。


    天鳥川下降点付近のアズマシャクナゲ。もうすぐ満開。


    アズマシャクナゲと雲巻く瑞牆山


    達磨岩付近のシャクナゲ

 花と山の話題もさることながら、髪の毛が薄くなった男3人はそちらの話題でボケまくる。道端に咲いていたボケの花を撮影していると、「ボケたハゲがボケを撮っている」とか、「頭の上に後光が射している」とか、「上から撮ると反射するから下から撮ってくれ」とか、そちらの話題で盛り上がり、大笑いしながら道を進む。天鳥川から先が急登りとなるが、中腹辺りまでシャクナゲの花が咲いていたが上部はまだ咲いていなかった。オオヤスリ岩の根元付近はコイワカガミの群落があるが、こちらはまだ蕾で、咲いているものはほんの数輪しか無かった。例年よりも2週間近く遅れているようだ。


    中腹のコヨウラクツツジとシャクナゲ


    コイワカガミはまだ蕾。数日で咲きそうだ。


    コイワカガミと見上げるオオヤスリ岩

 登山道を左右に逸れながらあの花を探すが、葉だけは見つけられるものの花が見つからない。すると、先行していたsanaeさんが登山道脇に咲いているのを見つけてくれた。瑞牆山では数が少なく、なかなか間近ではお目にかかれないクモイコザクラだ。以前に見つけた場所は土砂が流れて花が無くなってしまっており、間近で見るのは3年ぶりになるだろう。なつかしい親友に出会ったような気分だ。


    瑞牆山のクモイコザクラ

 山頂直下で先行した2人と合流する。1時間ほど待ったらしく、山頂に登らないで下山したのではないかと心配していたらしい。そしてまた裏道を通って瑞牆山山頂へ行く。山頂到着は午後2時20分、6時間かけて登ったことになる。お昼時間を等に過ぎ、山頂はだいぶ空いて来ていた。全員で記念撮影し、一段下の岩峰脇にあるテラス状のところで休憩する。


    山頂直下、蕾のアズマシャクナゲと隣の岩峰。茶色いテラス状になったところで休憩した。


    見下げるオオヤスリ岩


    ひとまず山頂到着。といっても山頂はおまけで、それよりも花の収穫が大きかった。


    山頂の林の中に咲いていたタケシマラン

 午後3時15分、下山開始。相変わらずのボケとハゲの話題で大笑いしながら楽しく下山する。富士見平で休憩し、小屋のご主人に挨拶し、私の写真を今度持ってくることを約束した。近々、金峰山五丈岩と甲府盆地の夜景(平成23年山梨山岳連盟カレンダーに採用された作品)と八丁平のアズマシャクナゲの森の写真を富士見小屋に届けたいと思っている。


    瑞牆山のアズマシャクナゲ。下山時のほうが花が開いて綺麗に見えた。

 林道を歩いて途中の瑞牆山展望台に立ち寄り、瑞牆山をバックに記念撮影する。皆さん満足気な顔だった。一時はヘッドライト点灯して下山になるかと思ったが、まだ明るい6時過ぎに瑞牆山荘到着した。


    瑞牆山をバックに記念撮影(瑞牆山林道脇の展望台にて)


    存分に楽しませていただきました、瑞牆山。来年もたくさん花が咲きますように。

 遠路お越しいただきましたsanaeさん、みちほさん、2日間おつきあいいただき、ありがとうございました。自分のペースで歩き、心行くまで撮影を楽しめる数少ないメンバーだと思います。次の機会を楽しみにしております。
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八ヶ岳南沢のホテイラン  平成24年6月9日

2012年06月11日 | 山梨百名山
 群馬県、および神奈川県からお客様をお迎えして花を見に行くことになった。お目当ては絶滅危惧種ホテイラン、森に咲く可憐な妖精だ。私が知っている場所は2ケ所だけ、そのひとつの南沢は写真家の新井和也さんが中心となって保護活動が行われていて、生息地にはロープが張られて踏み込めないようになっている。しかし、さすがは写真家がやっているだけのことはある。ホテイランがうまく撮影できるように配慮されており、接写が可能な位置にロープが張られている。さらに、一株ずつ調査の札が刺されているが、これも撮影の邪魔にならないように花の位置から30~50㎝ほど離れた位置に刺してある。
 仕事の都合で早立ちはできず、9時半に甲府出発、お客様2方は既に小淵沢界隈に到着している。小淵沢道の駅で一組と待ち合わせし、私の車に乗り換えて美濃戸に向かいそこでもう一組と合流する。その2組とは・・・先日茅ヶ岳をご一緒したsanaeさんご夫妻、そして初めてお会いするみちほさんご夫妻だ。(いずれも私のブログにリンクしてあります。)空模様がいまひとつで、普通ならばカッパだろうが、今回は登山ではないので傘を持って出発。その前に・・・車を運転しながら嫌な予感が・・・三脚は積んであるがカメラが・・・案の定またやってしまった。カメラを持ってくるのを忘れた。なので、三脚を置いて出発するが、あれが無いと何か自分のザックでは無いような違和感がある。


    南沢に咲くホテイラン

 やや時期を過ぎているのではないかと心配していたが、ちょうど良かったようで20株以上のホテイランに出会うことができた。カメラを持たない私を可哀そうに思ったsanaeさんが、予備のコンパクトデジカメ1台を貸してくれ、それで撮らせていただく。しかし、いつもの一眼レフとこれは全く別物で、軽い分ブレやすく、ほとんどがブレて使い物にならない写真ばかり。(予想通りでした。)


    ホテイラン


    ホテイランの葉。来年は4株まとめて咲いてください。

 思ったよりもたくさん咲いていたホテイラン。しかし、2株や3株並んで咲いているものは無く、おそらくは花数が少ないのだろう。
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山梨県立科学館スペースシアターで上映会を開催します。

2012年06月06日 | 番外編
 平成24年6月16日(土) 山梨県立科学館(愛宕山)スペースシアターに於いて、「美しい写真と音楽と星の時間」というテーマで、上映会が開催され、私も参加させていただくこととなりました。



 
 以下が予定されているプログラムの内容です。

 まず、本日画像を提供して下さった3名の写真家の紹介。
(出演者 3名挨拶)

 今日はこの3名が撮影した写真と共に、山梨から宇宙まで旅をしてゆくというプログラムです。

 ①甲府のスカイラインから日没
 ②山梨から見える星の特徴<杉原>
 ③ライトダウン
 ④吉野さん お気に入りの写真1枚
  <山梨の山の魅力と写真への思い>
 ⑤DVD上映
  緯度変化→南十字星
 ⑥沖縄のスカイライン
 ⑦小野さん お気に入りの写真1枚
  <南国の魅力と写真への思い>
 ⑧スライドショー
 ⑨星空解説
 ⑩平野さん お気に入りの写真1枚
  <星への魅力と写真への思い>
 ⑪星の写真 
 ⑫ユニビューで宇宙へ
 ⑬あまの川
 ⑭地球に戻る
 ⑮翌日の朝まで日周


 終了18:00ごろ


 いつも私がやっている上映会は音楽に合わせて映像を流すだけですが、今回は宇宙まで旅する壮大なプログラムの中の一部として映像を流します。私の今回上映予定している映像は「星のささやく森」、もし森に妖精が住んでいたら、きっとこんな星空を見上げているのだろうというイメージで編集したものです。曲は最近私の超お気に入り、1966カルテットという若手女性演奏家が奏でる「Let It Be」です。もう1本は山の上から見る夜の山梨県の美しさを堪能していただくため、「月光の情景」をリメイクします。(現在作成中です。)曲はジャズのゴールデンディスク賞を受賞した寺井尚子さんの妖艶漂うヴァイオリン演奏、「ジャズワルツ(原曲はショスタコービッチのワルツ2番)」です。お楽しみに。
 ちなみに、大人のためのプラネタリウムなので、小学生の入場は原則お断りですが、父兄同伴ならば前方の座席を特別に準備してくださるとの事です。
 皆様のご来場、お待ちしております。
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クモイコザクラ咲く八ヶ岳地獄谷  平成24年6月2日

2012年06月04日 | 番外編
 先週は尾白川のユキワリソウを見に行った。そしてもうひとつ、この季節に咲く可憐な花、クモイコザクラに無性に会いたくなった。予定ではUさんと2人で鶏冠山だったが、当直明け2日目にどっと疲れが出て、とても早起きできそうもない体調になってしまう。難峰鶏冠山は中止させていただいた。そしてクモイコザクラを見るに良い場所を探すが、例年山岳連盟の花調査が地獄谷に行っているのを思い出す。工事のために美しが森のところで林道は閉鎖されているが、2~3時間もあれば出合小屋まで到着できるはずだ。未だに冬のスタッドレスを履いている愛車のタイヤをノーマルタイヤに変えた後、八ヶ岳美しが森に向かう。
 午前11時、美しが森駐車場に到着。レンゲツツジやヤマツツジの季節には若干早く、駐車場は余裕で停まれた。川俣林道に進むと、予想通りゲートが閉じていて車は乗り入れできない。林道を道端に咲いている花を見ながら進むと、お決まりのタチツボスミレの他にニョイスミレ、フモトスミレ、ニオイタチツボスミレなどが咲いていた。水の流れる側溝の脇にはサンリンソウも咲いていた。

    閉鎖されている川俣林道


    ニョイスミレ


    ノジスミレかと思ったが、葉を見なおしてみるとニオイタチツボスミレ。

 林道脇にコケの生い茂る森が広がっているところがあり、ホテイランが咲く環境に似ているので、荒らさないようにそっと入ってみると、もう実を結んでいるヒメイチゲがぱらぱらと生えている。そっと進んでみると、イチヨウランが数株咲いていた。双眼鏡を取り出してその先を観察すると、イチヨウランらしきものは数輪見られたが、赤紫色の花は見当たらず。八ヶ岳東側は来るたびにホテイランを探しているが見かけたことが無く、南麓とこちら側では植生が異なるようだ。

    苔生した森


    結実しているヒメイチゲ


    ひっそりと咲いていたイチヨウラン


    イチヨウラン

 さらに林道を進むと八ヶ岳横断歩道と交差する。この道は美しが森から天女山に至る遊歩道で途中に天然記念物のオオヤマツツジの木がある。昨年一度歩いているが、赤岳からキレット・権現岳・三ツ頭を越えて歩いてきたヘトヘト状態で、川俣川を横切ったこと以外はほとんど覚えていない。川俣川林道を歩く人は見かけなかったが、遊歩道を歩いている人はたくさんいた。

    八ヶ岳横断歩道と交差する。

 さらに林道を進むが、この先は誰も歩いていなかった。クモイコザクラが目当てで行く人が少しはいるだろうと思っていたのだが、通常の人はこの谷には入らず、沢登りかバリアンスルートを歩く上級者しか入らない場所だけに、あまり知られていないのかもしれない。このあたりは鹿の食害が酷く、木の幹を保護するために防護網巻かれている林が見かけられた。そして砂防工事が行われているところに到着する。右側にある大きな岩を見ると、お目当てのクモイコザクラが咲いている。

    防護網が巻きつけられたカラマツ林


    網が巻かれていない場所は鹿の食害で木の幹はひどい状態になっている。


    砂防ダム工事現場


    右側(左岸)の水がしたたる大岩。ここにクモイコザクラが咲く。


    クモイコザクラ咲く岩


    クモイコザクラ


    それほど大きな花ではなく、指先よりひとまわり大きいくらい。

 ここで昼食、大休憩する。対岸の岩場も調べたが、そちらにもたくさん咲いていた。

 これで半分は目的を達成した。しかし、小屋はどこにあるのだろうか?地図では林道沿いにあったように思ったのだがそれらしきものは無い。さらに進むと、砂防堤を越えたところで林道は終わり、河原を歩くようになる。ちょうど一人下山してきた作業員らしき方と出会ったので、小屋までどのくらいか聞くと、まだ1時間くらいかかるという。思ったよりも小屋までは遠いらしい。時間はもう午後2時半をまわっている。しかし、この先にクモイコザクラがたくさん咲いていたと聞いたので、4時まで歩いて折り返すこととして、先に進むことにする。

    その先にもクモイコザクラがたくさん咲く。

 砂防ダムの脇には道を示す矢印がつけられており、その印やテープサインに沿って沢を何度も渡り返し進む。確かに、その先は両岸の岩にクモイコザクラが咲いており、砂防ダムの隙間にもたくさん咲いていた。途中の岩場には群生してたくさん咲いていた。

    砂防ダム脇につけられた道を示す矢印。


    こんなところにもクモイコザクラ。


    クモイコザクラだが、ここに咲くものはずいぶん葉が大きい。


    クモイコザクラがたくさん咲いていた岩。


    クモイコザクラ群生


    地獄谷の沢。ところどころ道がわかりにくいところもあるが、テープや目印がついている。


    沢の向こう岸に目印。

 そして午後3時40分、出合小屋に到着。掘っ立て小屋のように見えるがしっかりした小屋で、中には薪ストーブが設置されており、使用するには全く問題無い。小休憩後、もう半分の目的、それはツルネ尾根への取り着き口だ。小屋の先に進むと赤岳沢と本沢の看板はあるがそのほかは何も道標はない。本沢の上流に向かって左側の尾根がツルネ尾根のはず。登れそうなところは・・・と、露出した松の木の根っこを踏んで急斜面を登ると、赤テープ1個発見。さらにその上に行ってみると、半籔コギ状態ながら先までテープがついている。しかし、道と言えるようなものではなく、獣道状態だ。今後登る機会があるかどうかはわからないが、ひとまずルートは発見できた(と思う。登ってみなければその先どうなっているか・・・)。

    出合小屋。外見は掘っ立て小屋だが中はきれい。普通に使える。


    赤岳沢と本沢を示す道標

 4時20分、下山開始。下りはあまり写真も撮らずに下り、30分ほどで林道終点に到着した。登りの時とは別の岩にクモイコザクラがたくさん咲いているのを発見し、三脚を立ててまた撮影を始め、20分ほど時間を費やす。あとはひたすら林道を歩き、美しが森6時10分到着した。


    存分に楽しませていただきました、雲居小桜様。来年もたくさん咲いてください。


 日が延びてまだ明るかったので、ついでに美しが森に立ち寄る。ここの道は観光化され、全て木道になっていた。山頂には展望台の建物があるが、この時間には既に閉鎖されている。誰もいない山頂のベンチでゆっくり休み、薄暗くなってきた頃に駐車場に下りた。午後6時50分、駐車場到着。

    美しが森山頂


    レンゲツツジは一部だけ咲いており、ほとんどが蕾。ヤマツツジは蕾が少し膨らみ始めている。


 想定外に時間がかかった(それほど遠くないだろうと思って途中で寄り道や写真撮影し過ぎた)が、以前から見に行きたかった地獄谷出合小屋界隈を調べることができて良かった。それにしても、クモイコザクラがこんなに咲いているとは思わなかった。
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八ヶ岳南麓のホテイラン  平成24年5月31日

2012年06月01日 | 番外編
 花仲間のHさんがホテイランを見に行くと言っていたので、その情報を聞くべく、お昼過ぎに電話してみると・・・
 「今、小淵沢にいる。南沢のホテイランが見ごろになっている。16本見つけた。」との話だ。
 本日は当直明けだが、珍しく昨夜はあまり起こされること無く比較的良く眠れた。夕方からにわか雨の予報ではあるが、なんとか持ちそうな空模様だ。では、行ってみよう、南沢ではなくてもうひとつの秘密の場所へ。
 林道を行かずに沢沿いを歩いてみると、細い道がついていた。清流の川岸に白い花の群落あり。ニリンソウかと思いきや、これは葉の付き方が違う。サンリンソウだ。周辺にはイカリソウも咲いていた。

    沢沿いに咲いていたサンリンソウ。


    ニリンソウは茎から直接葉が出るのに対して、サンリンソウは茎から分岐して葉が出る。


    先日の日向山でも見た花だが、名前わからず。
    
 このまま沢沿いを歩けば目的地に行けると思ったのだが、この沢は目的地とは別の沢で、林道からどんどん離れてしまう。林を横切って林道に戻り、素直に林道を歩いて再び林に入って秘密の場所に行く。足元にはコケが生え、タチツボスミレ、バイカオウレンなどが咲いている。獣道のような踏み跡を、森を傷めないように、花を踏まないように、そして何よりもお目当てのホテイランを踏まないように細心の注意を払いつつ、そっと歩く。ホテイランは花が咲いていなくとも葉だけ出ていることがある。最近は目が慣れてきて、葉の区別もできるようになってきた。そして双眼鏡で探しつつ進んで行くと・・・発見。まずは2株。

    森の中に可憐に咲く妖精ホテイラン。


    同じ株。側面から。


    もう一株はもう終わりかけている。後ろの白い花はバイカオウレン。

 さらに同じように差し足忍び足で、まるで泥棒のようにそっと歩いて行くと・・・4~5株、あるいはそれ以上固まって咲いている場所を発見する。近付いて写真を撮ろうとすると、その横に日付の付いたマークが付いているのに気付く。12 5/30とは、昨日のことだろう。調査が入っていると思われる。葉だけの株にも全てマークがついている。おかげで花を発見するのは容易だが、逆に言うと盗掘者も簡単に花を見つけられることになる。来年までマークをこのままにしておくとしたら、雪や雨で流れて山のゴミにもなりかねないという気がする。この場所はあたりを傷めつけないように、全て手持ちで撮影した。

    発見、新鮮なホテイラン。横にマークの札が刺してある。


    別株。これはもう終焉。


    こちらもしっかりマークあり。周辺には小さな葉だけ出ているものもあり、それらにもマークが付いていた。

 さらに進んで行くと、マークの付いていない新鮮な2株を発見。こちらは周辺に別の葉が出ていないことを確認の上、三脚を立ててしっかり撮影した。

    この株は背が高くてすらっとしている。


    近くに咲いていたもう一株。

 もう少し先まで調べようと思ったのだが、ここで強烈な腹痛が襲う。まさか、こんな神聖な場所で催すわけには行かず、ここで撤退することにする。

    タチツボスミレの群落。


    紫がかった花が鮮やかだったので別のスミレかと思ったが、葉がやはりタチツボスミレ。

 今年も咲いてくれたホテイラン。当たり年だった2年前に比べると並んで咲いている株が無いことから少ないのだろうが、数が減っているわけでは無いように見受けられた。調査と保護は大いにやっていただきたいが、山の中に異物を残して行くのはちょっといただけない気がする。
コメント (7)
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