山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ツインタワーを見に行こう!職員を連れて茅ヶ岳へ 

2010年11月02日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成22年10月17日 天候曇り時々晴れ

 茅ヶ岳のツインタワーを再建した後、お手伝いいただいた末木さんがいろいろと標柱保護のために手配してくださり、登山口に「もう標柱を壊さないで」という看板を立ててくれたり、補強の金具を打ち込んでくれたりと、多大な協力をいただいている。ここまでやられると、犯人もそう簡単には今度の標柱には手が出せないだろう。心配しているのは初代の標柱で、探し当てた時からもうだいぶ朽ちてしまってボロボロになっていた。さらに腐って崩れ落ちてしまうかもしれないので、定期的にニスを塗ったりボンドで固めたりという管理が必要だ。今回当院の職員希望者と、職員の娘さん(5歳の女の子)を連れて標柱整備を兼ねて茅ヶ岳に登った。中腹の急斜面と上部の岩場は5歳の子供には難しいかもしれないので、補助ザイルを準備して行く。

    5歳の女の子を含めて総勢6人で出かける。


    女岩の水場で休憩

 集まったのは私を含めて総勢6人、1人は高校時代に山岳部所属していたが、そのほかは全くの初心者だ。林道まで車を乗り入れて深田公園からのコースを40分ほど短絡して出発、とにかく疲れないようにいつもに増してゆっくりと歩く。通常2時間少々のコースを3時間半かけて登ろうというプランだ。女岩水場まで3回の休憩を交えつつ1時間20分で到着。問題はこの先の急斜面と稜線に取り付いてからの岩混じりの道だ。ひとまず補助ザイルを準備するが、深田久弥慰霊碑の場所まではザイル補助無しに手を引いただけでほとんど自力で女の子は登って来た。その先の岩場は少しばかり歩幅が足りない場所があり、ザイルで補助して下からも押し上げてもらって越え、11時半、予定通りの3時間半で無事茅ヶ岳山頂に到着した。

    山頂直下で振り返って見る富士山


    全員無事到着。ランチタイム。

 振り返れば雲の中に富士山が立っていた。南アルプスも、八ヶ岳も、金峰山も霞んではいるがなんとか見える。みんな満足の様子だった。ゆっくり昼食をとった後標柱整備をはじめる。末木さんが大変良く管理してくれていて、標柱基部には石が積まれ、裏には新聞記事の切り抜きコピーと標柱を壊さないでという文字をパウチして針金で止めてあった。そういえば、女岩水場のマグカップも4個に増えていたし、この山の整備に本当に尽力されているのは末木さんだろう。本当に感謝である。私たちは持っていったボンドスプレーをまず朽ちかけている初代標柱に吹きかけてもろくなった部分を補強後、ニスとラッカーのスプレーを吹きかけてきれいに仕上げてきた。山頂には15人ほどの人たちが入れ替わりで登って来たが、この標柱のいきさつを話して標柱の保護をお願いした。(私のブログの名刺も配らせていただきました。)

    標柱整備のためまずボンドスプレー、ついでニス、ラッカースプレーをかける。


    整備した標柱とともに記念撮影。持っている看板は末木さんが作ってくれた新聞切り抜き等のパウチ。


    隣の金ヶ岳はもうすぐ紅葉盛期を迎える。八ヶ岳は最初は見えていたが雲隠れしてしまった。

 さて、またまた問題の下山だ。最初の下りが急斜面だが、岩場の少ない尾根道を下る。枯れ葉が落ちていて滑りやすい斜面をスリップに注意しつつ、女の子の手を引きながら慎重に下る。急斜面がもうすぐ終わるというところで後方を歩いていた女性の1人がスリップして転倒、膝を捻挫してしまう。なんとか歩けるが痛そうなので、テーピングを施して持っていた荷物を他のメンバーで分担して担ぎ、なんとか歩いて下山する。さらにトラブルが続く。中腹の平らな道になったところで休憩すると、女の子が腹痛を訴え出した。そして横になったと思ったら嘔吐し始めてしまったのだ。あと1時間はかからずに車のところまで行けるが、これ以上歩かせるのは無理だろう。おんぶして下山するしかない。ザイルを束ねておんぶ紐にして、体重17kgの5歳の女の子を背負って下りる。私の重いザックは同行した女性2名が分担して担いでくれた。(おそらく1人15kg近い荷物になったのではないだろうか。)私と女の子の母親は一足先に下山して車の後部座席に女の子を寝かせ(途中ですっかりすやすやと眠りについてしまった)、また戻って残り3人を迎えに行くが、さほど心配するほどでもなかったようで、3人で楽しそうにガールズトークしながらちょっと危ない岩場の下りを無事に越えて下りてきた。午後4時半、全員無事に駐車場に到着。
 6人中2人にトラブルが起こると対処が大変だが、幸いにして今回はザイルやらテーピングの準備やらと装備を持っていたこと、そしてメンバーに恵まれたことで全員無事に下山できた。この山は山の神様が私たちを守ってくれている、標柱探しの一件といい、今回の件といい、そういう気がしてならない。
コメント (8)
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