山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

開花の遅れているアズマシャクナゲ、八丁平から大日岩へ

2010年06月02日 | 八ヶ岳・秩父山系
 平成22年5月30日 天候曇り

 今年は桜の開花は例年より早かったが、その後冷気が続き、クモイコザクラを初めとする花の開花は例年から2週間近く遅れている。かつ、山中間からの情報によると今年は花がハズレで、シャクナゲの花芽はほとんど付いていないという。果たしてどうなのか?瑞牆山周辺のアズマシャクナゲも気になるのだが、もうひとつ気になる花の調査目的で、山頂には登らず、瑞牆山界隈を周回してきた。
 さほど急ぐ必要もなかったのだが、5時半に目が覚めたので早々に準備して出発し、7時半には瑞牆山荘のところの駐車場に到着した。今日はまともに登山道を歩こうという気は最初から無い。まずは登山道を進んでクリンソウの咲く湿地帯を過ぎた後は登山道を左に逸れて道無き林の中(といっても薮ではない)を斜めに登り、ミツバツツジやヤマツツジの咲き具合を見ながら林道に登り付く。この林道をそのまま進むと、昨年見つけた稀少種カモメランが咲く場所があるのだが・・・その場所に薮をかき分けて入ってみたものの、葉っぱすら見つけることができなかった。シャクナゲがまだちらほらとしか咲いていないところを見ると、時期的に早かったのもあるだろうが、今年も咲いてくれるのかどうか、絶滅危惧種に指定されている稀少な花だけにいつも心配である。

    瑞牆山のクリンソウ


    カモメランの葉っぱ  花は咲いていなかった。知らないと踏んでしまうので、足元に気をつけながら慎重に歩く。

 林道に戻ってそのまま進み、今度は山の斜面を流れてくる水の流れに沿って急斜面を登って行く。この流れの上には知る人ぞ知る稀少種カモメランの群生地がある。しかし、話を聞くと以前に比べると数が激減しているそうだ。葉っぱも花も小さく、気をつけないと踏んでしまうかもしれないので、足元を十分に見ながら慎重に斜面を登って行く。しかし、咲いているのはタチツボスミレばかり、カモメランは一株も咲いていなかったが、葉っぱは数株確認できた。まだ時期が早かったのだが、しかしたくさんあるというわけではない。
 富士見平に登り付き、ここで水を汲んで小休止して瑞牆山の方向に進む。小川山登山道の分岐のところでいつものようにアズマシャクナゲの林を見に行くが、まだほんの少ししか咲いていない。噂通り、花芽が少ししか付いておらず、やはりハズレ年のようだ。小川山登山道を進み八丁平を目指す。天鳥川上流の造林小屋跡地のところは、時期が良いと一面にシロバナノヘビイチゴとキバナノコマノツメが咲いてそれはそれは春らしい情景に出会えるのだが、今回はまだほんの少しだけキバナノコマノツメが咲いているだけだった。

    瑞牆山と小川山分岐部のアズマシャクナゲ  霧の中に浮かぶように咲くシャクナゲをイメージしていたが、花が少なかった。


    天鳥川上流部(造林小屋跡地付近)。キバナノコマノツメやシロバナノヘビイチゴがたくさん咲く場所。


    途中で雲が晴れ、垣間見えた瑞牆山

 川を渡って八丁平に10時到着。ここでザックを降ろし、この上にあるアズマシャクナゲ林、秘密の撮影場所に向かう。途中の登山道沿いに一輪も咲いていないことから、まだ時期が早くて咲いていないのは想像がついたが、花芽があるのかどうか確認したかった。大きな岩を目印にして林の中に突入するが・・・その場所に行き着かない。岩の上に乗ると、眺望の良いシャクナゲ林が広がっていたはずだが・・・無い。戻って別の岩の横から再突入するが、やはりたどり着けず、3カ所目でようやく行き着いた。1時間近くもシャクナゲの薮をかき分けて歩く結果になってしまった。予想通り花は咲いておらず、木の先を見るとやはり花芽は少ない。初めてこの場所を訪れた平成18年6月のシャクナゲがいちばん色が濃くて良かった。

    八丁平  来るたびに開けてきているように(踏み跡がしっかりとしているように)感じる。


    アズマシャクナゲ林  花はまだ咲いておらず、花芽も少ない。


    平成18年6月に訪れた時の同じ場所。この年のシャクナゲは色が濃くてきれいだった。

 八丁平に戻り、ザックを背負いなおして大日岩に向かう。初めて八丁平に来た平成18年6月の時は、大日岩に向かう道はツガの中の細い薮道だったが、今はすっかり切り開かれて明瞭な広い道になってしまっていた。ちょっと寂しい気がした。それでも、このルートを歩く人は少ないので、途中にはこの山塊らしいツガの森やシャクナゲの林が残されていた。このルートは大日岩を左に巻きながら岩の中腹に出る道だった。以前に金峰山側からこの道に来たことがあるが、その時は先に進まず大日小屋側に降りてしまったので、これでようやくこのあたり周辺のルートがつながったことになる。時間は11時50分、ここで昼食をとり、大休憩する。空はどんより曇り空だったが、時折雲を巻き付けた瑞牆山が姿を現してくれた。この場所に一晩泊まり込んで瑞牆山とその上に輝く星を撮影したら・・・などと考えつつ一人のんびりと昼食をとり、あとは一気に下山。午後1時45分、駐車場に到着した。

    奥秩父の森、ツガ林


    奥秩父の森、シャクナゲ林


    大日岩から見る金峰山


    雲の巻きつく瑞牆山


 シャクナゲはハズレなのだが、機会があれば今シーズンもう一度シャクナゲのシーズンに瑞牆山あたりに登ってみたいと思っている。
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ユキワリソウ咲く錦滝と日向山  平成22年5月30日

2010年06月02日 | 南アルプス
 平成22年5月30日 天候晴れ時々曇り

 残雪の甲斐駒ヶ岳と夜の星空の撮影を考えていたのだが、生憎の曇り空、かつ前日は日直の業務があったため、日帰りで日向山を訪れた。この季節に日向山を訪れる理由は、新緑と残雪の甲斐駒ヶ岳が美しいというだけでなく、麓の錦滝に咲く雪割草を見るのが楽しみでもある。

    新緑と残雪の甲斐駒ケ岳


    ユキワリソウ咲く錦滝  滝の両側の岩に張りつくように咲いているのがユキワリソウ.

 暗いうちに自宅を出発するつもりで4時に目覚ましをかけ、一旦は目を覚ましたものの、あまりの眠さに二度寝入りしてしまい、気が付けばもうすっかり夜が明けた6時。急いで荷物を準備して出発し、登山口の矢立石に着いたのは8時になってしまう。錦滝に日が当たって撮影に良い光が射し込むのは午前中なので、まず林道を進んで錦滝に向かう。45分ほどで錦滝に到着、さっそく滝の下に行ってみると、目的のユキワリソウはちょうど満開の見頃だった。今回で3度目となるユキワリソウとのご対面だが、今年は例年よりもたくさん咲いているように見えた。時期が良かったせいだろうか。

    ユキワリソウと滝の流れ


    ユキワリソウ咲く


    ユキワリソウ

 存分に撮影後、錦滝横の急登りの登山道を登って日向山雁ヶ原に向かう。最近ちょっとしたトレーニングを始めて1か月ほど経過し、その成果が果たしてあるのかどうかを試してみたいということもあった。しかし・・・決して楽には登らせてくれず、やはり山登りは辛い。それでも雁ヶ原まで45分ほどで登り着くことができた。

    錦滝から日向山雁ケ原に向かう途中にある鞍掛山への分岐.新しく看板が設置されていた.


    日向山雁ヶ原  直登している人がいたが,登山道は左側にある.

 いつもならばゆっくり休憩するところなのだが、足にあまり疲れを感じず、ザックを降ろすことなくそのままそこそこに撮影を済ませて一気に下山を開始した。10時に山頂を出発、50分で登山口に到着、その間ほとんど休憩無しで一気に降りてきた。

    雁ヶ原の岩と盟主雨乞岳


    雁ヶ原と八ヶ岳

 最近やっているトレーニングはスピードアップのためではなく、長時間歩いても疲れない、休んですぐに回復するような持久力アップのためのトレーニングである。これから迎える高齢期に備えて、早くは歩けなくとも三脚とカメラを担いで目的の山まで登って行けるだけの体力を付けて行きたいと考えている。アンチエイジング、というにはまだ早いが、それに向けての備えである。まだ成果が出たかどうかはわからないが、体重5kg減量し、以前よりも休憩を入れずに長時間歩けるようになったような気はする。今年こそは、あの難峰笊ヶ岳に再度登りたいと思っている。(トレーニングについてはいずれ記事に書きたいと思っています。)
コメント (3)
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