山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

Light down Kofu city 

2011年03月29日 | 南アルプス
 平成23年3月17日

 毎年9月か10月にLight down Kofu valleyという行事が行われる。これは明るい甲府盆地の明かりを消してかつては見えていた星空を取り戻そうという主旨で行われているもので、甲府市内の愛宕山にある県立科学館に集まって星空の観察会が催される。2回ほど参加したがいずれも天候は曇り、かつ、あまり甲府市民は関心が無いようで、町明かりはほんの少ししかライトダウンされなかった。もっとも、山の上から見ているとわかるのだが、いつも霞がかかっている甲府盆地からでは、たとえ全ての明かりをライトダウンしたとしても星空が見えるようになるとは到底思えない。しかし、少なからず期待してしまう。ひょっとしたら天の川が見えるかも知れない。ひょっとしたら南の低空に輝くあの星、カノープスも・・・。
 甲府駅前で内輪の送別会が予定されていたこの日、甲府市は計画停電が夕方6時20分から行われることになっていた。7時から予定されていた送別会に少し遅れてしまうが、甲府駅から徒歩10分ほどの場所にある舞鶴城公園の高台に行き、Light downを待った。同じことを考えている星空愛好家がいるようで、東側にある愛宕山山頂には明るいライトが点灯し、人が集まっているようだ。予定の6時20分を過ぎたが明かりは消えない。今日はやらないのか?と思った6時40分、明かりが消えた!と思ったのだが、それは中心街の向こうの住宅地一部だけだった。甲府駅周辺は電車の関係で停電しないとは聞いていたが、甲府市中央の飲食店街あたりも全く消えていない。官公庁や山梨中央銀行本店などがあるかららしいが、それにしても明るい甲府の街。拍子抜けしたLight downだった。

    計画停電前の甲府市


    停電後の甲府市。市街地の向こう側が少しだけライトダウン


    停電を見に来ていた男女。西側は全く消えていないようだ。


    甲府駅北側。マンションは電気が消えたと思っていたが、ただ部屋の明かりが少なかっただけのようだ。


    北西側(湯村方面)も消えたのかどうかわからない。

 この日は明るい月が昇っていたこともあって星空観察には向いていなかったのだが、空気は比較的良く澄んでいて、オリオン座と冬の大三角形ははっきりと見えた。しかし、本当の星降る空を取り戻すには、一時的な停電ではなくて消費エネルギーを減らし、地球温暖化を止めなければきっと戻ってこないのではないだろうか。

    記念碑の上に昇ったオリオン座と冬の大三角形


    同上。別の角度から。


    城壁の上に昇った明るい月


    向こうのマンションは月光、城壁は町明かりに照らされている。明るい甲府市の明かり。
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テスト3 夜間歩行 湯村山から白山(しろやま)

2011年03月22日 | 番外編
 平成23年3月13日

 東北地方太平洋沖地震の後だっただけに、さすがに大手を振って山に行く気にはなれない。12日の土曜日は1日中テレビに張り付いて津波の被害の凄さと福島原子力発電所の成り行きを見守っていた。13日も同様。計画停電のニュースがテレビで放映され、私の勤務する病院も翌朝から停電区域に入っていたので対策会議の招集がかかるかもしれないと自宅待機していたが、全くその気配なし。2日間も何もせずにテレビに張り付いているのも不健康、ならば近場の山にということで、甲府市内の湯村山から白山(八王子山)へ夕暮れ時を狙って歩いてみることにした。

    鉄塔のある南側尾根を湯村山に直登


    ところどころわかりにくいところがあるが、一応ペンキマークがついている。


    湯村山から見る富士山

 緑ヶ丘運動公園を3時半に出発。カメラは愛用のEos40Dを職場に置いてきてしまったため、数年ぶりに以前使用していたEos kiss Xを持って行く。ただ、このカメラはライブビュー機能が無いので夜の撮影には向かず、かつ電池残量がわずかしかない。近場の山(というかハイキングコース)なのでとりあえずこのカメラで良しとしよう。湯村山には車が走れるような立派な遊歩道がついているが、その他にもあちらこちらから登山道が延びている。遊歩道を左に逸れて送電線の立つ南側尾根に取り付き、直登する尾根道を行く。鉄塔の脇を通り、30分ほどで湯村山に到着した。富士山側の斜面は木が切り払われていて眺望が開けている。風が強くて空気が澄んでいるほうではあるが、何となく春霞がかかったようなすっきりしない眺望だ。

    烽火台を通り過ぎて白山(しろやま)に向かう


    整備された石畳の道。左奥に見えるのが目指す白山。


    あずま屋と白山山頂


    白山手前のピークから見下ろす甲府盆地。甲府市街の眺望はこちらのほうが優れている。


    あずま屋と夕陽

 武田信玄の烽火(のろし)台を通り過ぎて白山に向う。石畳の整備された遊歩道を歩き、2つほどコブを超えると白山と呼ぶにふさわしい花崗岩の白砂が混じる道となる。左側にあずま屋が見え、そのすぐ上が八王子神社のある白山だ。裏側の千代田湖から歩くとほんの10分か15分で到着してしまう山頂だが、ここからの甲府盆地の眺望、特に夜景は素晴らしい。知る人ぞ知る甲府盆地の夜景と富士山撮影の名所なのだ。途中あちらこちら寄り道したこともあり、5時半に白山八王子神社到着。ちょうど南アルプスに夕陽が沈むところだった。

    白山山頂に立つ八王子神社


    南アルプスに沈んだ夕陽


    夕陽に染まった富士山

 おやつを食べながら暗くなるのをじっと待つ。富士山が少しだけ赤く染まり、陽が落ちて少しだけEarth shadowの空に染まった頃、町明かりが灯り始める。すっかりあたりが暗くなり、肉眼では富士山が見えにくくなった6時10分過ぎ・・・恐れていた痛恨の電池切れ。電池を抜き取って服で良く拭いて再写してみるが、シャッターは切れるものの記録するまでに電池切れとなってしまう。あきらめて撤退。

    少しだけ染まったEarth shadowの空。町明かりが灯り始める。


    夕暮れの富士と甲府盆地

 6時20分、登って来た道をヘッドライト点灯して戻る。夜は登るよりも下りるほうがつまづきやすいので気を使うが、以前と比べてあまり勘が狂ったような様子無く、問題なく歩けそうだ。最後に立ち寄った湯村山山頂、なんとか3カット撮影したものの、ピントが合っておらずボケた写真になってしまった。富士山も写らない。

    湯村山から見る甲府の町明かり。残念ながらピンボケ、富士山も見えず。

 丸2ヶ月間山を休んだが、山歩きの勘はあまり狂っていなそうに感じる。残るは加重テストと長距離歩行。ひとつひとつチェックしつつ、できる限り以前の状態に戻して行きたいと思う。
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テスト2 斜面とロープ、釈迦ヶ岳

2011年03月14日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成23年3月6日

 体調をチェックする時、久しぶりに山に登る時は決まってこの山に登る。先日積翠寺から甲府駅を往復して普通の荷物ならば担いでも問題なさそうだったので、今度は釈迦ヶ岳に行ってみることにした。登り慣れたこの山だが、西側の急登りを行くと山頂直下にロープ場が2ヶ所あり、少しだけアルペン気分が味わえる。

    林道の向こうに見える釈迦ヶ岳


    中腹から見る富士山

 道端に車を止めて12時半から傾斜のある林道を歩き始める。腕のしびれは相変わらずだが、首を押し上げるとひとまずは軽快する。10~20分おきに首の運動を繰り返し、約50分で順調に稜線分岐にたどり着く。ここからが岩場とロープ場になる。急斜面で真直ぐに上を見上げると覿面に腕がしびれ出すのでなるべく上を見上げないように、見るときは体を斜めにして見上げるとなんとかなる。心配していたロープを握る時の左手の感覚と力加減だが、この程度のロープ場ならば全く問題なかった。

    山頂直下のロープ場  この程度ならば全く問題なし。

 午後2時、山頂到着。日曜日なのに珍しく誰もいない。富士山には笠雲がかかり、夫婦地蔵がこの日はいつも以上に笑顔で出迎えてくれたかのように見えた。低山ならばなんとか登れるくらいまで回復した。合掌して感謝せずにはいられなかった。

    釈迦ヶ岳山頂に立つ碑


    夫婦地蔵と笠富士

 初めて山に登り始めた頃の自分を思い出す。どこの山に登るのも全く初めてで、行くたびにアウトドアショップエルクに立ち寄ってはコースと装備のことを聞いて登った。初めて釈迦ヶ岳に登ったのはヤマツツジの咲く6月の午後だった。いちばん楽そうなコースを選んでどんべい峠から登った。下山し始めた時に雲の中から富士山が姿を現し、また引き返して夢中で写真を撮った。あれからもう6年近くが経つ。その後、何度この山のピークを踏んだことだろうか。そのたびに新たな感動があった。今回の故障のために、ひとつひとつ体をチェックしながら、また初心に帰って新たな気持ちで山に取り組めるような気がする。復活にはほど遠いが、少しでも登れるようになったことがうれしい
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テスト1 積翠寺梅畑Day & Night

2011年03月08日 | 番外編
 平成23年3月4日

 左手の痛みはだいぶ改善し、一日の半分はしびれも無く過ごせるようになってきた。平地での1~3時間のウォーキングは週2~3回行なってはいるものの、果たして1.8kgの三脚と装備を担いで大丈夫なものなのか?週末のこの日、甲府駅前で飲み会があったので、車を積翠寺の自宅に置きに帰り、三脚とカメラを持って東側農道から武田の杜遊歩道を経て会場の甲府駅まで歩いてみた。リュックは登山用ではなくていつも職場の往復の時に使っているものだが、30Lは入るやや大き目のもので三脚が装着できる。水と軽いおやつ程度で余計なものは入っていないので登山装備に比べると軽いには軽いが、それでもカメラを入れると7~8kgの重さにはなる。普通に歩けば4kmほどの行程だが、農道から武田の杜遊歩道を経由すると6kmくらいになるだろう。午後3時半に自宅に車を置き、首と左腕の調子を見ながらいざ、出発。左腕がしびれるにはしびれるが、さほど酷くは無く、痛くなった時は首を前傾させながら頭を手で上に持ち上げると改善することがわかってきたので、痛くなったら頭を持ち上げ、また痛くなったら持ち上げと、その動作を繰り返しながら歩く。リュックの重さはほとんど気にならず、少しの肩への負荷ならば問題にならなそうだ。

    積翠寺を流れる相川は、先週河川清掃が行われたばかり。


    積翠寺の梅畑1


    積翠寺の梅畑2


    青空に映える梅の花


    大根と梅の花

 ちょうど梅の花が咲いている季節だが、暖かかったり寒かったりと陽気が不順で、いまひとつパッとした咲き方ではない。久しぶりのカメラのシャッター音が心地良く、楽しい。梅畑の中の道を右に左に、斜面を上ったり下りたりと、まともな道を歩かずに農道周辺をウロウロしながら歩く。東側の斜面に上る農道があり、その先には武田の杜遊歩道があるはずなので(なければ薮をかき分けて進むつもりで)上って行くと、植林した杉の林の中に林業作業道と思われる明瞭な道があった。これを辿ると、予想通り、あっという間に武田の杜遊歩道に合流した。これを南(甲府駅の方角)に進んで行くと躑躅(つつじ)ヶ崎園地という立派なあずま屋が立つ広場に出た。このあたりは以前に植物園側(愛宕山側)から歩いたことがある。甲府盆地が一望できる眺めの良いところだが、ちょうど愛宕山に邪魔されて富士山は見えないようだ。

    躑躅ヶ崎園地とあずまや


    躑躅ヶ崎園地からの甲府盆地と南アルプスの眺望

 一休みして今度はまだ歩いたことの無い武田神社へ下りる道を進む。遊歩道というだけあって整備されたきれいな道を進むと、右側にちょっとした展望地がありそこに立ち寄ってみると、「躑躅ヶ崎と竜華の峰」という解説が書かれた看板があり、祠が立っていた。その向こうには竜華池(りゅうがいけ)があり、この場所は武田信玄があずま屋を設けて景観を楽しんだ景勝地だったらしい。そこを過ぎると間もなく竜華池の堤に到着し、道を隔ててすぐ先が武田神社になっている。

    竜華の峰 かつて武田信玄のあずまやがあった景勝地。


    南アルプスに夕陽が沈む。武田通り沿いの公園から。

 武田通りをテクテクと歩いているところで鳳凰山に陽が沈み、職場に到着したのが6時少し前、2時間半ほど歩いたが、ほとんど疲れなし。小休憩して甲府駅に向かい、宴会が始まる。いつもはアルコールは飲まないのだが、この日は車が無いので最初から日本酒冷や酒、最後まで日本酒で、口元がもつれるほどに飲んだ。
 11時、宴会終了。さて、帰宅。普通ならばタクシーだろうが、ここはまた歩いて帰ることに。3次会は少しアルコールを控えて歩けるだけの酔いを醒ましておいた。甲府駅から武田通りをテクテクと武田神社まで行ったが、酔いよりも眠くて仕方ない。ベンチで休憩、よほど横になろうかと思ったが、ここで寝たら最後、絶対朝まで目が覚めない。下手をすると永久に目が覚めないかも・・・と考えつつ、なんとか寝ずにまた歩き出す。相川一号公園を過ぎたあたりで県道をそれて細い道を右折、どこに行くか・・・それは昼間下見しておいた農道の梅畑だ。実は、この日担いで行った三脚は昼間写真を撮るためではなくて、夜12時ごろに西に傾いた冬の大三角形とオリオン座を梅の花と一緒に撮るために持って行ったものだ。車道を曲がったつもりだったのだが、道を進むとやがて田んぼのあぜ道になり、さらには道が無くなってしまい田んぼの中。1本曲がるところを間違えたらしい。適当に行けば向こうの道に出るはずだと強行突破すると、今度は小川に出くわし、それを越えると人の家の裏庭に出てしまい、こそこそと通り抜けてようやくまともな道に出た。

    梅畑と冬の大三角形 時間が遅く、オリオン座はもう沈んでしまっていた。甲府盆地の空は白く霞んで濁っている。


    梅の花と星空  いちばん明るい星はこいぬ座プロキオン。2段階フォーカス撮影でこの程度は写せる。

 このあたりで時間は12時、オリオン座はもう半分沈んでしまっている。農道の梅畑に入り、昼間見ておいた場所を探しながら、本日初めて三脚(1月1日、茅ヶ岳以来の三脚を立てた本格的な撮影)をセットする。前景の梅の花と遠景の星空に同時にピントを合わせるのは通常ならば不可能である。パンフォーカスといって、町明かりなどの遠景にピントを合わせると撮れるには撮れるが、決して鮮明な画像とはならない。そこで本を参考に試してみたかったのが今回の撮影だ。まず遠景にフォーカスを合わせてレンズダイヤルの位置を確認、今度は近景の梅の花にピントを合わせ、フラッシュを焚いて撮影後、先ほどの遠景の位置にフォーカスを合わせ直して星空を写すという、2段階フォーカスによる撮影法だ。Iso感度を上げて撮影するので、通常のフラッシュだと白飛びしてしまうのでティッシュやハンカチで光量調整が必要だ。初めて試みと、ちょっと酔いがあったのだが、それなりに写るのはわかった。しかし、ダイヤルを回す時にやはりカメラがブレるようで、星が点になっていない映像が多かった。三脚を低くしてしっかり固定しないとダメなのかもしれない。

    梅の花と北斗七星  ブログではわかりにくいが、拡大すると星がゆがみ、若干ブレている。

 今回はあくまでもテスト、体も撮影も。夏までには高い山に登れるように体を作りなおし、高山植物咲く夜のお花畑をこの方法で表現してみたいと思っている。
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月光の情景 朧月夜~祈り~

2011年03月07日 | 番外編
 葉加瀬太郎編曲の「朧月夜~祈り」に中島美嘉が詩を書き加えて作られたこの曲、もともと名曲ながら、この人が歌うとこれほどまで­に味わい深い曲になるものかと感動した曲です。各地で撮り歩いた月光の風景を集めて、この素晴らしい曲に負けないようにと編集し­てみましたがいかがでしょうか。

月光の情景 for YT.mpg


 さて、ここのところ登山ができないので「山と花と星の奏でる音楽会」で上映した映像を編集してYou Tubeからアップしていますが、使用している曲が著作権上不都合なものもあるようで、いつまでお届けできるかわからない状況です。不適合とわかり次第ページごと削除させていただきますのでご了承ください。
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雪の華~樹氷の情景~

2011年03月03日 | 番外編
 タイトルと同じく中島美嘉の「雪の華」の美しい曲に合わせて樹氷の情景を集めて映像にしてみました。私の大好きな曲です。

雪の華~樹氷の情景~ for YT.mpg


 地球温暖化の影響か、最近なかなか樹氷にならない三ツ峠、年末年始を山上で過ごした八ヶ岳小泉口、年に数回雪景色になりますがなかなかこのような美しい樹氷にはならない甲府市積翠寺、富士山外輪山で最も標高の高い毛無山の樹氷の情景を編集してあります。
 例年ならば2月の毛無山山塊ダイヤモンド富士がこの季節の恒例山行なのですが、未だ左手の病状が思わしくなく、2ヵ月も山に登らず、またカメラのシャッターすら切っていない状態です。ようやく左手に力が入るようになってきて、筋力を戻すためのトレーニングができるようになってきました。4月には低山ならば荷物を軽くして行けるかもしれません。
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