山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士山麓の森 その後  平成25年6月24日

2013年06月25日 | 番外編
 コアツモリソウの咲く富士山麓の森、気になっている花があり、そろそろ咲く頃ではないかと出かけてみた。気になっているのは花だけではなくて、その先の林道がどこまで続いているのか、そしてその先にも貴重な花があるのかどうか、調べてみたいと思っていた。

 前日の23日、山梨県北西部の某所に花を探しに出かけたのだが、地図を忘れ林道に入るだけでかなりの時間を費やし、さらに取り付き口を探しているうちに林道を抜け出てしまうという大失敗。前年に山上の稜線から見た感じでは草むらの中に車道らしきものが見えたと思ったのだが、その林道沿いにはそれらしき道は無かった。結局は全く山に登ること無く帰って来ることとなり、かなり悔しい思いが残っていた。今日こそはどこかに行かないと腹の虫がおさまらないという感じだった。

 林道脇の広場に車を止めて歩く。花見隊メンバーを楽しませてくれたスズムシソウはもう散っている。コアツモリソウの森はちょっとだけ確認に入ってみると、大部分終わっているがまだ残っている花もあった。そして目的の一つ、まだ咲いていなかったクモキリソウ属の花は・・・OH MY GOD!! 先が食いちぎられている。


    スズムシソウは終焉。昨年杓子山で発見したのはこの状態だった。


    コアツモリソウは手前の花は終わっているが向こう側はまだ咲いている。


    クモキリソウ属の花は・・・せっかく咲いたのに先が食いちぎられている。鹿の仕業だろう。


    一輪だけ残っている花を見ると、予想通りこれはクモキリソウ。初めて見る花です。


    近くにあと2株残っており、無事に咲いて欲しいものです。

 この先の林道はまだ歩いていないのでどこまで行けるのか行ってみる。途中、鹿の踏み跡がたくさんあり、それを辿って森の中に入ってみたが目ぼしい花は発見できなかった。20分ほど歩くと林道は終点になっており、その先は獣道らしき籔道になっていた。それを登って行くと堰堤が3つか4つほどあり、この林道はこの堰堤工事のために作られたものらしい。最後の堰堤から先はかなりの急斜面だが、その先に尾根らしきものが見えるので、登りやすそうな左側の斜面に取り付いて登ると、もう少しで尾根に取り付けそうなところで道らしきものを発見。ところがこれも鹿の踏み跡で、その先の草むらで道は消失していた。この草地はかなり食害がひどく、草の上部はほとんど食いつくされている。陽の当たり易い草地のところまで行ってみると、そこには見たことが無い葉が出ていた。これは・・・!!

    林道終点。この先に堰堤がある。道無き堰堤の脇を強行突破。


    もうすぐ尾根に取り着くというところで道らしきもの発見。ところがこれは鹿の踏み跡。この先の草地で道は消失。


    草地は鹿の食害がひどく、ほとんど食い荒らされている。


    そんな中で奇妙な葉を発見。これは・・・!


    葉は3枚あったが茎は出ていない。今年は咲かなかったか、咲く前に食われたかもしれない。これはクマガイソウの葉。

 その先、稜線に取り付いて上に登り着くとまともな道があった。それを下って元の林道に戻ったが湿った斜面で見事にスリップ転倒し、服もカメラも泥だらけになってしまった。しかし、籔を歩いても何も発見できないことが多い中にあって、今回の葉っぱだけでも発見できたことは大収穫、満足だった。また来年の楽しみが増えた。が、もう一度行けと言われても行けるかどうか??


    こいつはいつになったら咲くのだろう?茎はだいぶ伸びてきた。

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植生の再生はいかに? 櫛形山  平成25年6月22日

2013年06月25日 | 山梨百名山
 櫛形山のアヤメ祭が行われなくなってからもう7年ほど経つだろうか。かつては一面にアヤメが咲き誇ったアヤメ平と裸山だったが、今は柵の中にわずかに残っているだけでほとんど消滅してしまったと聞く。この山は私が登山を始めるきっかけとなったクモマツマキチョウという稀少な蝶がかつて生息していた山だが、植生の変化と乱獲にあい、おそらくは絶滅してしまっている。そして、ホテイアツモリは盗掘によって無くなってしまい、キバナノアツモリソウはアヤメと草むらが消失して土地の保水力が無くなったために枯れて絶えてしまった。さらに、森の中の登山道脇に咲いていたコケイランや、腐生植物のヒメムヨウラン、サカネランなども見られなくなったと聞く。ここ10年ほどでこれほどの変化があった山は少ないであろう。全てが鹿の食害とは言い切れないとは思うが、数年前にアヤメ平全体を保護柵で囲み、鹿の食害から保護する取り組みがなされ、少しずつ植生が戻りつつあるというニュースをローカルテレビで見た。果たしてどれほど戻っているものなのか?そして私を山に導いたあの蝶はまだ飛べる環境にあるのだろうか?

 アヤメ平に直登する北尾根から登り、裸山、山頂を経て中尾根を下り、林道を歩いて戻るという周回ルートを巡ることにした。天候は曇りだが、登り始めの10時ごろにはまだ富士山が見えていた。展望台から登る北尾根ルートは、まだ登山にのめり込んでいない頃に興味本位でアヤメ平まで行ったことがあり、その頃は登山靴を持っておらず、靴底が暑いスノーシューズで歩いた記憶がある。アヤメ平までの道のりが果てしなく遠く感じ、何度も引き返そうと思いながらもようやくたどり着いた。そしてその年2度目に登った時にあのクモマツマキチョウと運命的な出会いをしたのだった。しかし、その後はもうあの蝶とは出会っていない。

    展望台からの眺め。左が金峰山・奥秩父山塊、右が大菩薩連山。


    階段道を行く。どんより曇り空でシャッタースピード遅く、1日中撮影に苦労した。しかも担いで行った新しい三脚は故障して使用不能。


    樹木見本林のような看板がつけられている。


    森に入れば足元にギンリョウソウ


    ピンボケ&まだ蕾だが、この葉っぱはおそらくツバメオモト。かつてはカモメランが咲いていたそうだが、発見できず。


    イチヤクソウだが、蕾が紅色がかっており、おそらくはベニバナイチヤクソウ。


    クサタチバナがたくさん咲く。そしてバイケイソウもたくさん。


    思い出すのはこの階段。初めて来た時にこの階段を見て引き返そうと思ったのだが、ここからは10分に一度の休憩を入れてヘトヘトでアヤメ平までたどり着いた。


    鹿の食害と思われるシダ類を食べた痕跡。


    アヤメ平到着。相変わらずサルオガゼが出迎えてくれる。


    柵の張られたアヤメ平

 森の中や草むらの中を捜索しながら2時間かかってアヤメ平に到着した。柵の手前にある草むらの中を歩いてみたが、そこは鹿の糞だらけで、すっかり鹿たちのサロン場と化しているようだった。目ぼしい花は見つからない。柵の扉を開けて中に入ると、以前とはずいぶん違った景色が広がっていた。地面を覆いつくしていた草がほとんど無くなっており、まるで放牧地のようだ。アヤメは全く見当たらない。

    放牧地のような草むらに変わってしまったアヤメ平。キンポウゲはかなり咲いている。


    探していたもののひとつがこれ、クモマツマキチョウの食草ミヤマハタザオ。結構あるが、陽が当たり過ぎて幼虫がひからびてしまいそうだ。クモマツマキチョウは3年がかりで羽化する蝶。


    シダや草がもっと生い茂っていた記憶がある。

 アヤメ平避難小屋の前で昼食をとるが、マジックライスが出来上がる15分間の間にその先の様子をうかがいに、カメラだけ持って散策に行ってみる。こちらも同様に牧草地のような草むら、しかし、キンポウゲはたくさん咲いている。そして、以前から植生保護のために柵が張られていた場所を見ると、その中は以前と同じように草がたくさん生い茂っていた。やはり、鹿の食害によって植生が変わってしまったと考えて良いのだろう。今となっては遅いが、あの稀少なキバナノアツモリソウもこのような柵で覆っていてくれたら、あるいはアヤメが減少してきたもっと早い段階でアヤメ平全体を柵で囲んでいてくれたら、と嘆くばかりである。

    キンポウゲはたくさん咲いている。


    手前が柵に囲まれていない場所、向こうが柵に囲まれていた場所。植生の違いは明らか。


    こちらが柵の外


    こちらが柵の中。かつてのアヤメ平はこんな野草が生い茂っていた場所で、この野草の中にキバナノアツモリソウが身を隠すようにひっそりと咲いていた。

 食事後、今度は双眼鏡を片手に蝶を探す。クモマツマキチョウはモンシロチョウやスジグロシロチョウよりもひとまわり小さく、脆弱な翅で桜の花びらが舞うように飛ぶので、遠くから見ても比較的容易に判別することができる。それらしい飛び方をする1頭を見かけたので追いかけて双眼鏡で確認するが・・・残念ながら小型のスジグロシロチョウだった。その他にはそれらしいものは飛んでいない。1時間半ほどアヤメ平で時間を費やしたが、とうとう姿は見られなかった。次の目的地、裸山に向かう。

 裸山もかつてはアヤメで山が紫色になるほどたくさん咲いた場所だが、私が初めて訪れた8年前にはもうすでにだいぶ少なくなっていた。こちらも保護柵で囲まれており、柵の中は一面のキンポウゲお花畑になっていた。アヤメが再生するかどうかは難しいが、このような花が増えることによって地面の保湿力が改善し、植生が蘇って来る可能性は高い。今後に期待したい。

    裸山。保護柵でお花畑が守られている。


    保護柵の中は一面のキンポウゲお花畑。


    キンポウゲお花畑


    隅のほうにアヤメが少々。


    裸山山頂。櫛形山越しに富士山が見えるはずだが、この日は雲隠れ。

 小休憩後、今度は櫛形山山頂に向かう。ここから先は天然のカラマツ巨木が立ち並ぶ櫛形山の見事な原生林になる。

    山梨の森百選、櫛形山の天然カラマツ原生林


    山頂付近の天然カラマツ


    櫛形山山頂。ここを踏むのは2度目。

 櫛形山山頂に到着したのは午後2時50分。空はますます暗い雲で覆われるようになり、今にも雨が降り出しそうだ。休憩せずに下山を始める。ほこら小屋を経由して中尾根を林道に下山する。森の中は薄暗く、花が探しにくかったことがあるが、目ぼしい花は見つからず、期待していたコケイランは発見できなかった。ほこら小屋まで下りるとこのあたりは空が明るく、雨は大丈夫そうだ。小屋の前でゆっくり休憩して、林道まで下りる。

    きれいなほこら小屋。中もきれいに清掃されている。


    ほこら小屋前の草地。かつてはここも草繁く、キンポウゲがたくさん咲いていた記憶がある。


    林道に下りる。あとは45分ほど林道を歩いて展望台の駐車場へ。


    林道脇に咲いたヤグルマソウ


    キツリフネが1本


    展望台の近くの林道から雲のかかった富士山が見えた。


 かつては花の宝庫だった櫛形山はすっかり変わってしまい、現在は植生再生に向けての取り組みがなされている最中である。元通りに戻るとは今の状況では考えにくいが、今後に期待したい。対処が遅れたのが残念であるが、これはこの山に限ったことではない。茅ヶ岳のオキナグサも同様に鹿の食害で絶滅の危機に瀕している。地元の知人の話では、かつては金ヶ岳側のガレ地にも咲いていたのだそうだが現在では消滅してしまっている。山梨県庁に報告したが予算が無くて対処できないとの返事だった。櫛形山のアヤメのようにならないように、なんとか対処を考えて行きたい。
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クリンソウ咲く富士見平&写真荷上げ  平成25年6月17日

2013年06月18日 | 番外編
 5月連休にお邪魔した瑞牆山山頂の一夜は、富士見平小屋の方々、そしてレスキュー隊の皆様にたいへんお世話になった。写真をお届けすることを約束しており、先週末に行きたかったのだが天候と仕事で行けず、天候に恵まれたこの日、午後の予定をキャンセルして写真を担いで富士見平小屋に向かった。

    瑞牆山荘駐車場。観光バスが3台、上はどれだけ混雑しているのだろうか?


    登山道脇のクリンソウ群落。今年はかなり少ない。


    本日の荷物は写真5枚とアルバム1冊。カッパは自宅に忘れてきたが、三脚だけは持っていないと落ち着かない。

 必ず立ち寄るクリンソウ群生地は、今年は例年の半分ほどしか咲いていない。そしてもう1か所、カモメランの咲く場所に立ち寄ってみるが、こちらもなかなか花が見つからない。大きな葉が出ているのは確認できたが、花茎が出ておらず、こちらも今年はハズレらしい。3株ほど咲いているのを発見したが、いずれも花が少ししおれかけていた。

    ようやく咲いているカモメラン発見。手前に同じくらいの大きさの葉があるが、花茎が出ていない。


    カモメラン。昨日の御坂山塊のものに比べると色が薄くて脆弱に見える。


    葉はたくさん出ているのを確認。今年はこちらもハズレ。

 もうすぐ富士見平小屋というところで、中学生の団体とすれ違う。その数、100人は超えるだろう。どうやら瑞牆山に登ったらしいが、これほどの大人数、山頂には入りきれなかっただろう。皆礼儀正しく、道脇で待っている私に「こんにちわ」と挨拶して元気に下山していった。1時間半かかってようやく富士見平小屋に到着した。

    レンゲツツジ咲く富士見平小屋。来るたびに綺麗になって行く富士見平小屋。


    見事に咲いたレンゲツツジ

 あいにく小屋主さんは留守で、小屋には鍵がかかっていた。荷揚げしたことを伝えようと電話をかけようとしたのだが、登録しておいたと思っていた小屋の電話番号が登録されておらず、iモードで探そうとしても電波が悪くつながらない。止む無し、写真とアルバムは小屋の扉にくくりつけておくことにして、下山後に連絡をとることにした。

    扉にくくりつけた写真とアルバム

 帰り際に、小屋主さんから教えていただいたクリンソウの群落地に立ち寄らさせていただいた。ロープを越えて入るので、本来は小屋主さんの許可をいただかないと入ってはいけない場所なのだが、後に連絡することにしてそっと森に入り、斜面を下ると・・・下に小さな水たまりが見えた。その周辺に、あっと驚くばかりのクリンソウ大群落!これは凄い!!

    小さな水たまりの周辺にクリンソウ大群落


    クリンソウ!


    クリンソウ!! ちょうど見頃。

 登山道脇の群生地が嘘のように、こちらはたくさん咲いていた。しばらく眺めさせてもらい、下山する。


 下山後、アウトドアショップエルクに立ち寄り、小屋主さんに連絡をとってもらう。すると、本日は甲府に来ているとのことで、エルクまで来てくれるとのことだ。20分ほど待つと、奥様とともに小屋主さんがいらっしゃった。いろいろと小屋での面白いエピソードを聞かせていただき、盛り上がっていたが、エルク閉店時間を20分以上も過ぎてしまったので、話も尽きないのだがここでお開きになった。某花の情報もいただいたのだが、今年はもう遅そうだ。また来年のお楽しみに。

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カモメラン満開 御坂山系の某山  平成25年6月16日

2013年06月17日 | 山梨無名山
 噂やブログでは聞いていたが、御坂山系に咲くカモメラン、見てみたいと思っていた。そしてまた、某ブロガーからメールをいただき、おおよその場所を教えていただいた。きっと今頃見頃を迎えているに違いない。

 15日(土)は午前中の仕事で遅くなってしまい、午後からは雨の予報だったので行けず、16日(日)は珍しく早朝5時に目を覚ましたがあいにくの雨。しかし、午前中のうちには雨があがってきそうだ。寝なおして8時に再び起床、小雨がまだ降っているが準備して出発する。目指す御坂山系の山近くまで行くと、山には雲がかかって小雨がまだ降っていた。カッパを着てスパッツを付けて入山する。きちんとした登山道があるのだが、勝手知ったる御坂山塊なので、今回は沢を登って尾根に取り着き、山頂まで尾根を直登するルート(といっても道は無いが)を行ってみることにする。

 細い沢は入り口だけ道が付いているように見えたがすぐに無くなる。探しているカモメランは、瑞牆山や八ヶ岳では水の流れる近くに咲いているので、沢伝いのほうが見つけられるのではないかと考えた。少し歩くと、沢の脇一面に広がるフタバアオイの群落があった。しかし、残念ながらカモメランは見つからない。

    沢の脇に広がっていたフタバアオイの大群落


    フタバアオイ。花はもう終わっている。

 獣道をたどって右手の尾根に取り着くが、途中にはヤブレガサがたくさん群生していた。葉をストックで避けながら花が無いか探すが、残念ながら見つからない。尾根を山頂に向かって真っ直ぐに登って行くと、右下に登山道が見えてきたが、これを使わずに尾根を直登する。

    レンゲショウマの群生。この山にはたくさんある。


    こちらはヤブレガサの大群落


    ツルシロカネソウ


    霧の巻くヤブレガサとユキザサの森


    ユキザサの群生。こういう森を見ているだけでもこの山は十分に楽しめる。

 尾根を右に左にとジグザグ登りしながら花を探すが、残念ながら一株も見つけることができない。斜面が平らになったところで、先ほどとは反対側の左側から来る登山道に合流した。山頂に向かって登山道脇の草をストックでそっとかき分けながら歩いて行くと、赤紫色の花をようやく発見した。探していたカモメランだ。周囲にまだ花の咲かない小さな葉が出ているかもしれないので、十分に注意しながら近付くと、周辺を含めて3株咲いていた。

    ようやく発見!カモメラン。

 しかし、ブログで見てきたものよりも数が少ない。周辺を探すがそこしか見つからず、うろついていると三脚を担いだ4人連れの人たちがやって来た。見つけたカモメランを見せて、もっとたくさん咲いているところは知らないかと尋ねたところ、最初は渋っていたが危険な人ではないとわかっていただけたようで、群生地を教えてくれた。そこには・・・こんなにも咲くものなのかと驚くほどたくさんのカモメランが咲いていた。

    教えていただいた場所のカモメラン


    カモメラン。後ろにずらりと群生。


    カモメラン


    カモメラン!

 山頂に立ち寄り富士山を眺めると、この日は雲におおわれ、時々姿を現すが山頂はすっぽりと雲の中だった。昼食をとって下山だが、どちらのルートを選ぶか迷ったが、先ほど場所を教えてくれた人たちが登って来たルートには探したが無かったと言っていたので、別ルートで下山することにした。少し下ったところで踏み跡を発見。雨の後で湿っているので踏み跡がわかりやすい。入ってみれば、そこにもカモメラン。その先にも、右にも左にも・・・このあたりはカモメランが群生していた。そして、おそらくは見つけられないだろうと思っていた腐生植物のランにも出会うことができた。

    雲におおわれた富士山


    まだまだカモメラン!!


    こっちにもカモメラン!!!


    そんなところに咲いて大丈夫か?カモメラン!!!!

 他にもたくさん撮影したが、天候が悪い上に森の中なので、大半がブレブレの写真となってしまった。そしてもうひとつ探していたのがこれ。腐生植物ヒメムヨウラン。保護色なので見つけづらく、数も少ない。周辺も探したが、見つかったのはこの3本のみだった。

    ヒメムヨウラン


    若干花が痛み始めているが、精巧な造りをした花。


 満開のカモメランに出会え、そしてまず発見は困難だろうと思っていたヒメムヨウランにも出会うことが出来た。小雨の中を登った甲斐があったが、それ以上に、山の神様の恵みに感謝したい。
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探しものは? 芦川スズランの森  平成25年6月12日

2013年06月17日 | 番外編
 芦川スズランの森はコースが整備され、花の盛期には観光バスが何台もやって来るほどの有名なスポットだ。私がこの森に行ったのはもう8年も前のこと、初めて釈迦ヶ岳に登った後だったか、あるいは黒岳の登山口を偵察に行った時だったかに立ち寄り、おいしい蕎麦とコンニャクを食べた記憶がある。こんな人気スポットの中に珍しい花が咲くという噂を聞いた。しかし、その花は数年前に知人の花の達人が探しに行ったが見つからなかったらしい。探し当てるのは相当困難と思われるが、行ってみることにする。

 どんよりとした曇り空だったが、甲府市内では雨は降っていなかった。芦川まで行くと、山は雲に覆われており、小雨が降っていた。カッパを着てスパッツをつけてスズランの森に入る。入り口で3人の観光客とすれ違ったほかは森の中は誰もおらず、私一人の貸し切りとなる。カメラ片手にズームレンズを望遠鏡代わりにして草むらの中を覗くが果たして・・・。

    クサタチバナと売店。この日は平日、しかも雨でお客さん少なく売店は休み。


    グンナイフウロ。もう散り始めています。


    スズラン。若干遅く、あまりたくさんは咲いていない。


    スズラン


    マイヅルソウ


    ササバギンラン。結構数はあるが、こちらも若干遅い。


    アヤメ


    アヤメ


    クサタチバナ群生

 森の中を1周半、さらに林の中の登山道から籔を横切って林道に抜け、今度は正規の道を下りてきたが脇道(獣道?)があってまたまた籔に突入。カッパが暑くて汗だく、かつ、籔歩きでズボンは泥だらけ、背中は葉っぱだらけ。そしてまた森に戻って1周。しかし・・・探しものは見つからず。ひょっとしたら無いのかも、あるいは今年は咲かないのかもしれない。

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1966カルテット横浜公演と病院新築記念式典

2013年06月10日 | 番外編
 sanaeさん、みちほさんたちと合流が決まっていた6月8日、9日でしたが、その2週間前に病院新築記念式典の余興をやってくれと依頼を受けました。日程は6月8日、既に集結が決まっていましたがおめでたい行事だけに断るわけには行かず、軽い気持ちで引き受けました。勝手知ったる病院職員の前で、いつもやっているスライド上映会をやれば良いのだろうと思っていましたが、数日後の担当事務員との打ち合わせでビックリ!。式典に参加するのは職員がメインでは無くて、山梨県内主要病院の病院長や事務長、関東地区主要社会保険病院の皆様、さらに山梨大学学長や山梨県医師会会長など、凄いメンバーばかりだということを知りました。これは今まで使っていた映像をさらに高画質で編集しなおさないといけないということになり、1週間かけて3本の映像を編集しなおしました。それは、世界遺産登録間近な「山梨の名峰から見る富士山」、山上の移り行く四季を描いた「南アルプス 春夏秋冬」、そして「八ヶ岳に咲く花たち」です。プロジェクターの解像度によって映像が全く変わってしまう星空はこの時は出さないつもりだったのですが、予備で「空架ける天の川」も準備しておきました。

 さて、映像はできましたが、残るは苦手な解説とトークです。八ヶ岳や南アルプスの山の歴史を調べたり、八ヶ岳と富士山の背比べの昔話を調べて原稿を書きましたが、いまひとつ。考えても良いセリフが浮かんできません。こんな時は考えないで気分転換。ということで、当直明けの6日(木曜日)、横浜の関内ホールで開催される1966カルテットの演奏会に行くことにしました。なにせニューアルバム「HELP!」発売翌日のコンサートですから、かなり気合が入っているに違いありません。一人だったのでキャンセルのあった前から7番目中央の好座席に座ることができました。



    1966カルテット 江頭美保、花井悠希、松浦梨紗(リーダー)、林はるか





 予想通りの力の入った素晴らしい演奏会となりました。プログラムもありましたが、披露した曲はプログラムを無視してニューアルバムからの曲を中心に、心に響く演奏を楽しめました。何よりも勉強になった(参考になった)のはリーダーの松浦さんの機転の利いたトークでした。お客様の反応を見ながら次々と笑いをとるようなトークを切り出して来る素晴らしいトークにすっかりハマりました。私も次の記念式典でこういうふうに話せたらと思いました。

 さて、式典当日、会が始まるのは5時からですが、プロジェクターと音声確認のため私は3時に会場入りしました。パソコンから映像を出力するとここで問題が発生。パソコン上ではフルサイズで映像が見られますがプロジェクター出力すると画面が小さくなってしまいます。止む無くパワーポイントに映像を張り付けて出力しますが、これによって折角の高画質編集した映像がDVDと同じくらいの画質に低下してしまいます。まあ、それも仕方無し。病院長挨拶とお客様の祝辞が終わり、いよいよ私の出番となりました。セリフは再三練習してきましたが、会場の雰囲気を見ると難しい話を聞いてもらえるような様子ではなく、練習したセリフは全て捨ててできるだけ簡単に説明します。そして予定の富士山、南アルプスを上映したところで、3本目は八ヶ岳を止めて空架ける天の川に変更しました。これが良かったようで、あまり見たことが無い山上の天の川の情景に、会場から「これはすごい!」というお言葉をいただきました。こういうことが出来たのはあのコンサートに出かけて刺激をいただいたからこそです。良い演奏や映像はそれを引き立てるトークと会場のお客様に合わせた機転の良さがあってこそ引き立つものだということを改めて感じました。


 新築記念会で上映しました「空架ける天の川」をYou-Tubeにアップしましたのでご覧ください。曲は1966カルテット初代ピアノ奏者の長篠央子(ようこ)さん(現在アメリカセントルイスに在住)奏でるビートルズの曲「Across the Universe」です。この曲を聞くたびに山上を流れる天の川の情景を思い浮かべており、いつか映像と組み合わせてみたいと思っていました。音楽は不要という方はフォトチャンネルでお楽しみください。


空架ける天の川(You-Tube)



空架ける天の川(フォトチャンネル)



 こういう記事はアメブロの「ヨッシーのブログ」で扱うはずだったのですが、1日の訪問者が多くて20人ほどしかおらず、こちらでアップさせていただきました。下記のブログランキングアップにもご協力いただけると幸いです。


 紅白歌合戦を目指します。お願いしますポチ
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花見隊プラスα大集結 石割山  平成25年6月9日

2013年06月10日 | 山梨百名山
 2週間前の杓子山は素晴らしい花見山行となった。そして今回再び、今度は杓子山の隣、石割山に行くことになった。前回の花見隊メンバーに加えて嶺朋クラブメンバー、ヨッシー隊、のぞむ君、さらにるたんさんと、超豪華メンバー総勢14名となった。さて、皆さん、我ら花見隊のペースに付いてこられるかな??(速過ぎて・・・ではなくて遅過ぎてです。笑)

 9時半に石割神社赤鳥居に集結したメンバーは、準備体操もそこそこに10時、赤鳥居をくぐっていざ出発。いつもなら息咳切って長い階段を必死に登るところだが、今回は最初から階段脇の右の斜面左の草むらを目を凝らして探しながら歩く。もちろん人気の石割山だけあって続々とやって来る登山者は、草むらの中を覗き込む異様な集団を見て頭のおかしい人たちだと思ったに違いない。あの階段を登るだけで費やした時間は・・・40分!!

    総勢14人という大集団。石割山目指して出発。


    階段中腹の石碑と美しいクジャクシダ

 階段上の休憩地までは皆さまなんとか花見隊におつきあいして下さいましたが、さすがに遅過ぎるピッチにギブアップのようで、ここからは先に行ってもらうことにする。その後も花見隊他、鈍足隊はコースタイム全く無視で林道を歩き、時に林道を外れて旧道の通る左の林、右の林と笹や草の茂る道をかき分けて歩き、石割神社でようやく先行隊に追いつくが、すぐに先行隊は出発。山頂で待っていてもらうことにする。そしてほぼ想定していた時間通りの12時半、石割山山頂に到着した。コースタイムの2倍をかけて登る花見隊、こんな登山に読者の皆様はお付き合い出来ますか?おかげでいろいろな花に出会えました。

    蕾のヤマツツジ。今年のツツジははずれだが、この木の花付きはまずまず。


    この山にもスズムシソウ。みんなで目を凝らして探してみるものです。


    驚きの腐生植物、なんじゃこりゃ~? 


    これは花が散ったヤマウツボ。杓子山のサカネランに続いて大発見です。


    花が少し咲き残っていたヤマウツボ


    山頂付近に咲いていたアヤメ


    キンポウゲ(ウマノアシガタ)

 山頂でゆっくり食事しながら山談義。そして参加していただいた皆様からたくさんの果物や漬物やお菓子などの差し入れをいただき、山に登ったのに体重増加の私でした。ここで、数人の参加者は先を急ぐために下山し、残りのメンバーで記念撮影してから平尾山を経由して下山した。

    標柱を担いで下山しようとするのぞむ君・・・ではなくて


    記念撮影のために立てかけてあった山梨百名山標柱をちょっと拝借。


    ナルコユリ


    ホウチャクソウ


 石割神社赤鳥居に下山したのは午後3時、まだ時間が早い。人数が多いので行くかどうか迷ったのだが、折角県外からはるばる来てくれたゲストの方たちもいることだし、私の踏んだ跡を歩くという条件で、森を荒らさないように足元に細心の注意を払ってもらい、コアツモリソウ咲く富士山麓の森に踏み込んでみることにした。

    コアツモリソウ。2週間前よりも咲いている。


    首を曲げてごめんなさい。ちょっとだけお顔を拝借。


    これはどんな花が咲くのだろうか?穂が少し伸びている。

 30分ほど森の中をそっと散策させていただき、本日は解散となった。ご参加いただきました皆様、ご満足いただけましたでしょうか?


 山梨にはまだ私の知らない森や花がたくさん眠っている。むしろ、私がこのブログで紹介しているのはほんの一部でしか無いだろう。情報を提供してくださっている花の師匠やブロガーの皆様には心から感謝したい。そして、むやみに踏み込んで森を荒らさないように、大切に見守りながら森を守って行きたいと思っている。
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ユキワリソウとクモイコザクラ 尾白川錦滝から鞍掛山へ   平成25年6月1日

2013年06月05日 | 山梨無名山
 日向山の先にある倉掛山・大岩山界隈はかつて登山道が整備されておらず、細い踏み跡を赤テープ頼りに歩く静かな山歩きができるルートだったが、最近は看板が取り付けられ道標も立って人も多く入るようになったと聞く。駒薙から大岩山方面には2度行っているが、途中で左に分かれる鞍掛山にはまだ登っていない。ここは甲斐駒ケ岳の絶好の展望台になっている。そして途中の岩場にはこの季節にクモイコザクラが咲くと聞く。

 数日前からこの山に行こうと思っていたところ、相棒の植田さんも行くと言っていた。しかし、私の出発時間が不確定なために別々に行くことになった。7時過ぎ、矢立石の日向山登山道入り口に行くと、既に手前の駐車場はいっぱいで、ゲート近くの道脇に車を止める。植田さんの車が無いところをみると、おそらくは下の竹宇駒ケ岳神社から登っているのだろう。まずは林道を進み、錦滝に向かう。

    ヤマツツジと甲斐駒ケ岳


    錦滝とユキワリソウ


    滝の脇に咲いたユキワリソウ


    正面からユキワリソウ


    ユキワリソウ


    滝の近くに咲いていたミヤママンネングサ(だと思う)

 今回は300㎜までズーム可能なレンズを持って行ったが、デジタルカメラはやはり赤系統に弱く、どうしても花の色が紫色がかってしまい撮影が難しい。
 30分ほど錦滝で時間を費やし、いよいよ日向山への急登りとなる。何度も登っている道だが、何度登っても苦労する急登だ。雁ヶ原手前で左に分かれる鞍掛山方面への分岐があり、そちらに進む。日向山からの道と合流するコルを過ぎるとまた道は急登に変わる。上部の笹籔はかつて踏み跡があちらこちらにあって赤テープ頼りに登った記憶があるが、今ではすっかり普通の登山道になっている。

    タガソデソウ  林道脇にもちらほら咲いており、この山では良く見かける。


    登山道には看板が数か所に付いている。道もわかりやすくなった。


    笹籔の中に隠れていたツバメオモト


    ツバメオモト


    見下ろす日向山雁ヶ原


    まだ花が咲いていないが、マイヅルソウの大群落

 急登を登り切ると傾斜が緩くなり、ところどころで鳳凰山や富士山の眺望が開けるようになる。さらに進むと花崗岩の露出した展望台のようになったところがあり、そこからは甲斐駒ケ岳、鳳凰山、富士山を一望することができる。そこを過ぎると間もなく、駒岩という鞍掛山と大岩山の分岐点に到着する。

    鞍掛山越しの甲斐駒ケ岳


    鳳凰山の裾野に見えた富士山


    展望岩から見る甲斐駒ケ岳、鳳凰山、富士山(右から)


    ミツバツツジは花付きがいまひとつ。


    駒岩の鞍掛山分岐。かつては小さな看板しか無かったと記憶しているが、今では立派な道標が立っている。

 11時、駒岩に到着。錦滝を8時に出発したので3時間かかったことになる。ここで軽食をとって出発しようとしたところ、鞍掛山から戻って来た植田さんに出会った。予想通り、竹宇駒ケ岳神社から登り日向山を越えて来たそうだ。しかも、矢立石出発時間は私と10分ほどしか違わない。さすがに週3~4回山を歩いている植田さんは速い!(いや、私が遅すぎるのだろう)。駒岩で待っていてくれるというので、2時間は見ておいてくれと言って私は鞍掛山に行く。一旦は激下りとなり、その下の岩にはお目当てのクモイコザクラが満開だった。

    途中に咲いていたコイワカガミ


    キバナノコマノツメがちらほら


    ミツバツツジと甲斐駒ケ岳


    クモイコザクラの咲く岩


    満開のクモイコザクラ


    クモイコザクラ 上品なピンク色


    クモイコザクラ

 その先は見上げるような激登りとなる。ところどころロープを頼りに登ると、登り切った少し先に眺望の無い鞍掛山山頂があった。甲斐駒ケ岳の展望台はそこから10分ほど先にある。

    鞍掛山への激登り


    鞍掛山山頂


    鞍掛山展望台と甲斐駒ケ岳


    甲斐駒ケ岳と黒戸山


    残雪の甲斐駒ケ岳


    山頂にある石碑? 壊れた社のようにも見える。

 足がへばってしまい、待っている植田さんには悪いがここでしばし休憩させてもらう。そして駒岩に戻ったのは午後1時半、往復に2時間半もかかった。

    帰りにもクモイコザクラ

 帰り際に天候が良ければ日向山に立ち寄る予定だったが、次第に空は雲が広がってどんよりしてきた。日向山には立ち寄らず、錦滝に下りて林道を行き、矢立石のゲートには午後4時に到着した。


 鞍掛山はいつか行かねばと半分義務感に駆られていた山だった。お目当てのクモイコザクラはちょうど良い時期に見ることができたが、その他の花はあまり出会えなかった。いつか、あの展望台から甲斐駒ケ岳の上を流れる天の川を眺めてみたい。
コメント (6)
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