山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ダケカンバ越のダイヤモンド富士再び 雨ヶ岳へ  平成29年1月29日

2017年01月29日 | 御坂・毛無・天子山系
 秋の雨ヶ岳ダイヤモンド富士はカメラの設定を失敗していまいちのダイヤモンド富士になってしまった。今回はリベンジで冬の雨ヶ岳を訪れた。

 コースタイムでは3時間半くらいであるが、私の足ではどう見ても4時間はかかる。ダイヤの時間が7時20分ごろ、逆算すると3時半までには歩き始めないと間に合わない可能性がある。目覚まし時計を未明1時半にセットして夜の8時には布団に入り込んで寝る。この日は早朝から朝霧高原にダイヤモンド富士撮影に行っていたおかげで1日中眠く、すんなりと寝付くことが出来、予定通り1時半に起きて出発した。空には雲が多く、星が時折雲の隙間から見える程度だ。これで大丈夫なのか?富士山が見えないのではないかという不安がよぎったが、雲海の上のダイヤを狙うならばこんな天気の日でなければ見られないし、凄い写真とダメな写真はほんの紙一重ということは身に染みてわかっている。登らなくて後悔するよりも登ってガッカリするほうが遥かに益しで、次に繋がる。ここは勝負、3時15分に静岡側の根原から端足峠経由で雨ヶ岳を目指す。


    4時45分、端足峠到着。空には雲が多く、その後富士山は雲に巻かれてみえなくなってしまった。

 気温は低かったが風が無く、オーバージャケットを着て歩くと汗をかく。端足峠で衣服を調整して、いよいよ雨ヶ岳への急登にさしかかる。雪道ではあるが適度に雪が締まっていて、軽アイゼンの掛かりが良くてほとんどスリップしない。順調に1500m小平坦地まで1時間で登り、その頃から空が明るみ始めて富士山が見え始めた。裏側に大きな雲が出ているが、富士山は山頂が綺麗に見えている。少しずつ雲が小さくなっているようで、小平坦地から先の更なる急登を登って富士山の見える尾根まで到着すると、富士山の裾野には雲海が広がっていた。ここで三脚とカメラをセットし、担いで撮り歩きながら山頂を目指す。


    6時半、富士山の見える尾根筋に登り着いた。富士山の裾には雲海が広がり、空の雲はだいぶ小さくなった。


    裾野の雲が朝焼けに染まり、富士山の山頂は雲から抜け出して見えてきた。    


    雲海に浮かんだ朝富士


    富士山の上に出た雲が朝日を浴びて輝いた。

 よし、今日はいただき!とこの時は思ったのだが、山頂に到着する直前に何度も失敗している霞んだ雲が雨ヶ岳山頂に流れ始めた。竜ヶ岳でも何度も苦い思いをしているが、今日は竜ヶ岳よりも300mほど標高が高い雨ヶ岳だ。見下ろす竜ヶ岳は既に雲に覆われているが、ここならばなんとか・・・祈るように山頂に到着した頃には願いが通じたのか雲は消えてくれた。ダイヤの時間まであと10分ほど、秋はタイマーリモートコントローラー任せで失敗したので、今回は自分でシャッターを切ることにして、もう1台のコ・ボーグはサブカメラとして並べてセットし、おまけのつもりでシャッターを切るようにした。裾野に雲海が広がってくれたうえに空には適度な雲が出てくれた。何度も訪れている雨ヶ岳ダイヤモンド富士撮影の中で、一番良い条件が揃った。


    念願だったダケカンバ越しのダイヤモンド富士、もうすぐ始まる。今度は慎重に!


    いよいよ始まったダイヤモンド富士。山頂の薄雲で光は弱いが、これはこれで良し。


    ダケカンバ越しのダイヤモンド富士。今度はきっちりと。


    撮れました。


    雲上の富士山とダイヤモンド


    場所を変えて。
    

    雲海を照らす朝日


    素晴らしき朝に感謝。

 頑張って登った甲斐があって、毛無山塊のダイヤモンド富士では今までで最高の景色に出会うことが出来た。朝霧高原での撮影とは比べものにならないような満足感と達成感にひたることが出来た。この自己満足感こそが次の山への意欲と期待を抱かせてくれるのであろう。
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剣ヶ峰のダイヤモンド富士 再び朝霧高原へ  平成29年1月28日

2017年01月29日 | 番外編
 昨年から蓄積したデータがあるので、朝霧高原からだと天候条件さえ良ければおそらく確率的に90%以上で剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影は可能なレベルに到達した。しかしティアラと呼ばれる多重分割はなかなか難しい。前回のデータを解析して今回はその時よりもやや右寄りのポジションでダイヤを狙ってみた。行き先は富士宮道路沿いよりも若干距離を離して、東海自然歩道沿い、A沢貯水池の近傍である。


    本日の撮影地。雪原の向こうに富士山が見える。


    しかし、この日は霞が多く、チカッと光芒が出るダイヤの撮影は難しい。


    600㎜レンズセット完了。


    左右ほぼ同時に光が現われ出した。


    右が3分割、右が2分割くらいになっていると思うが、この日は空の霞のため光り方が弱い。


    さらに左にはもうひとつ小さな光。


    剣ヶ峰の真ん中に太陽の頂部が現われたが、この日は輝いてくれなかった。


    もう融合している。


    こちらが220㎜コ・ボーグレンズ。ピカリと六角形の光が2個出現。


    さらに右側に小さな光がもう1個。


    あっという間に終了。


    雪原を照らすダイヤモンド富士

 位置的にはあと3~5m左寄りで良かったのではないかと思う。しかし、ここまで来るともはや運試しというよりもどこまで割れて満足するかという問題になってくるような気もする。ティアラの達人の話では、富士山に出来るだけ近付いたほうが撮り易い(多重分割しやすい)と言っていたが、そう言われるとへそ曲がりな私はもっと距離を離して撮ってやろうと思ってしまう。まだしばらくはこの界隈のダイヤ撮影の機会があるので、さらに追跡してみたい。

 天気も良いことだし、今後の撮影地偵察を兼ねて、まだ歩いたことが無い根原界隈の東海自然歩道を散策してみることにした。


    A沢貯水池は飲料水を貯めているので、人の立ち入りは禁止されている。しかし、心無きカメラマンの仕業か、フェンスにはところどころ穴が開いている。


    その穴から撮影している私もゲスカメラマンの一人だろう。


    以前から訪れてみたいと思っていた根原吊り橋。


    お~っ、これは・・・意外とショボい。


    吊り橋を入れて富士山が撮れないかと場所を探したが、良い場所は無い。


    草原からの眺望


    護岸工事現場からの眺望


    良く出来ている東海自然歩道。しかし、折角作ったのに歩く人がどれだけ居るのか?


    分岐点に出て、こちらは朝霧高原道の駅に至る道。抜群の富士山の眺望だが、残念ながら一般車はこの場所には入れない。


    朝霧高原道の駅に至る途中で左に入る。この界隈はどこからでも富士山の眺めが抜群。


    高台に登る。カシワの木と富士山


    廃屋と富士山

 ふもとっぱらに至る中間点あたりで折り返して根原の駐車場に戻った。2時間半ほどの散策だった。朝霧高原道の駅の西側は広大な草原が広がり、抜群の富士山の眺望が得られることが分かったが、残念ながら一般車は入れないのでもし撮影に行くならば歩いて行かなければならない。とはいっても、30分も歩けば良い場所が確保できる。



   
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絞り改造コ・ボーグの威力 朝霧高原  平成29年1月26日

2017年01月26日 | 番外編
 前日も朝霧高原を訪れて剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士を狙ったが、到着時間が遅かったうえに改造絞りを搭載したコ・ボーグ36EDの焦点が合焦せず、カメラのセットが完了しないうちに太陽が昇ってしまった。職場に戻ってから鏡筒の長さを調節し、甲斐駒ケ岳を試写してみてほぼ合焦することを確認して今回の撮影に臨んだ。うまく調整できていれば六角形の光芒が出るはずである。

 中ノ倉展望台から下りて急いで朝霧高原の撮影地に向かう。太陽が現れるまでの時間は15分しか無く、GPS片手に座標点を探して急いでまずコ・ボーグをセットする。今度はきっちりとピントが合う。さらにもう1台、ボーグ67FLにエクステンション装着して600㎜にしたレンズ装着してセット。ちょうどセットが終わったと同時に剣ヶ峰から太陽が現れ出して、急いでシャッターを切り始める。


    600㎜レンズセット完了。剣ヶ峰が光っていると思ったら直後に太陽が現れた。


    光が4つ出ている。位置的にはあと3~5m右で良かったかも知れない。


    この日は雪煙が少なく好条件だった。この時点で右側から光が出て欲しかった。


    光が融合、そして・・・


    右側からも光芒が出現。剣ヶ峰右側の凹凸でも細かく光が割れる。


    二つ割れのダイヤモンドはこれで成功。この時には左側の凹凸からも小さく光芒が現われている。


    左右の光が融合。


    こちらが新たに使い始めた改造絞り搭載したコ・ボーグ36EDレンズ。見事にキラリと輝く六角形の光芒が出た。


    小さく2つ目のダイヤの輝きが出現。


    たぶん、もう光が融合しているのだろうが、見事な六角形ダイヤが2個。


    もう完全に融合している。

 以前にもボーグ67FLレンズのほうで六角形改造絞りを装着してみたことがあったのだが、その時はシャープな六角形にはならず、ダラリとした光になってしまった。今回はまかいの牧場付近で月光ダイヤモンド富士撮影の際にお会いしたティアラの達人からアドバイスをいただいて改造を施してみた。見事な六角形光芒にはなったが、やや不自然なようにも見えなくは無い。この日は輝くダイヤ撮影には好条件が揃ったのでこのような大きな光芒が出たが、いつもこうとは限らないので、光が弱い時にはちょうど良い光芒になるのかも知れない。しばらくはこの絞りを使ってダイヤを追いかけてみたい。


    本日の撮影地からのダイヤモンド富士。


    雪原を照らして昇るダイヤもなかなか良い。 

 剣ヶ峰で多重に割れるダイヤモンド富士、ティアラの撮影までだいぶ迫ってきたように思う。あとは運試しのようなものではないだろうか。    
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本栖湖に昇る細月 中ノ倉展望台  平成29年1月26日

2017年01月26日 | 番外編
 月例27の細い月が早朝に昇って来るこの日、以前から訪れてみたいと思っていた本栖湖と富士山の展望台、中ノ倉展望台に登ってみた。

 富士山の裾野から月が昇って来るのが5時20分ごろ、5時に本栖湖駐車場に到着できるように自宅を4時前に出発し、予定通りに到着したまでは良かった。準備していざ登ろうという時に前日歓送迎会で食べ過ぎて強烈な腹痛を起こす。急いでトイレに駆け込んで出てくれば、もう月が昇って来ている。キラキラと輝いていた星も薄明の空に消え始めていた。急いで展望台に登るが、思っていたよりもこの展望台は遠く、到着した頃にはもう月は地球照の時間を過ぎてしまった。


    中ノ倉展望台の途中で見る細月。月が昇り始める前は星空が綺麗だったが、この時間にはもうだいぶ消えてしまった。右上の木の間に輝くのがさそり座アンタレス。


    同じ場所から見る富士山と地球照の月。


    20分ほどで中ノ倉展望台に到着した。最上段から見る本栖湖と富士山。月は富士山より高い位置まで昇っていた。


    展望台は階段状に数段撮影地が整備されている。一番下の段からだと木に邪魔されず本栖湖全体が見渡せる。


    地球照の時間はもう終わっていた。


    光の筋が現われ、もうすぐ日の出。


    富士山の裾野から朝日が昇る。


    別の位置から見る日の出


    後ろ側には白根三山が見える。

 予定ではもう少し早い時間に到着して星空の撮影も考えていたのだが、毎度のことながら朝は弱く時間に間に合わなかったうえに腹痛も重なって星の輝く時間には到着できなかった。そろそろ夜明け前に天の川が見えてくる時期となる。いつかこの場所から再挑戦してみたい。足早に下山して次の撮影地に向かう。
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久しぶりの朝霧高原ダイヤモンド富士  平成29年1月25日

2017年01月25日 | 番外編
 昨年朝霧高原で再三割れるダイヤモンド富士に挑戦し、かなりの高確率で剣ヶ峰で2つに割れるダイヤの撮影は成功するようになった。昨年集積したデータを再度解析して、おそらく割れるダイヤの撮影はさほど難しくないはずだが、ティアラとなると富士山との距離の問題があり、もう少し検討する必要がある。

 本日狙うのも剣ヶ峰で割れるダイヤだが、虫林師匠が虫を撮影するために購入したコ・ボーグ36EDという天体望遠レンズを半年前から借りており、これに改造絞りやスリムフラットナーという収差補正レンズなどを搭載してようやく撮影が出来るような装備になった。このレンズは焦点距離200㎜(スリムフラットナー装着すると220㎜になる)だが、特徴はレンズの構造が単純なのでフレアが出にくいこと、そして現在使っているCanon70-200mmレンズに比べてきわめて軽いということである。このレンズが使えるなら200㎜望遠はこちらに変えて登山時の荷物の軽量化が可能となる。しかし、いくつか不安があり、装備を加えたことで鏡筒の長さが変わり、ピントが合ってくれるかどうかが心配だった。職場で試したところでは大丈夫そうだが、実際はどうなのか?

 ダイヤの時間は7時50分ごろなので6時半ごろに自宅を出発。20分前くらいには到着できるだろうと思ったのだが、思ったよりも市街地の車の流れが悪いうえに、精進湖線で前を大きな工事関係の車が走っており全くスピードが上がらない。結局ダイヤの10分前到着となってしまい、急いでまずコ・ボーグレンズを装着したカメラをセットする。ピントを合わせようとするが、想定していた通り富士山までの遠距離だとピントが合わない。止む無し、せっかく六角形の星型に光芒が出るように細工した絞りをはずしてようやくピントが合った。さらにティアラ狙いでもう1台のカメラに600㎜を装備しようとしていると、隣で三脚を立てていたカメラマンがシャッターを連写し始めた。富士山を見ると、もうキラリと太陽が出始めてしまっていた。タイミングが遅れながらも、コ・ボーグ装着したカメラのシャッターを切りまくり、もう1台は時間に間に合わずあきらめた。


    改造絞りを外してピントが合ったコ・ボーグ36EDレンズ。解像度は問題無し。


    もう1台のカメラを準備しているうちに太陽が現れてしまい、慌ててシャッターを切る。まずは左から光が出現。


    次のカットでは右からも光が出現して、剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影に成功。


    しかし絞りが入っていないので、チカッというダイヤでは無くてだらりと光が出てしまう。


    予想通り、フレアやゴーストはあまり出ないようだ。


    光が強くなると、全く出ないというわけでは無い。このような赤い色が出るのが不思議である。

 昨年蓄積したデータが役に立って三脚1本だけでも割れるダイヤの撮影は出来るようになった。今回使用したコ・ボーグ36EDレンズは鏡筒の長さを工夫するか、あるいは鏡筒の中に細工を加えるなどの工夫をして、チカリと六角形に輝くダイヤの撮影に再挑戦したいと思う。
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丹沢おまけのハイキング(?) 岳の台へ  平成29年1月22日

2017年01月24日 | 圏外編
 丹沢のヤビツ峠までやって来た本来の理由はこの岳ノ台から見る未明の富士山だった。この山の上から見ると、富士山のほぼ中央の位置にあのオリオン座大星雲が沈んで行き、距離的にもヤビツ峠からさほど遠くない(はず)なので追尾装置や天体望遠レンズ等、機材を担ぎ上げるにも都合が良い(と考えていた)。未明2時ごろに富士山頂にオリオン座大星雲が沈んで行くので、ヤビツ峠を深夜12時に出発する予定だったのだが、日没を過ぎた頃から空に雲が出て星が見えなくなり、中止となってしまった。

 しかし岳ノ台までそう簡単に行けるものなのだろうか?それと、座標がきちんと合っているのだろうか?望遠レンズで星や彗星を狙う際は位置のずれは致命的になることがある。さほど疲れてもいないことだし、時間もまだ早いし、大山から下山してそのまま岳ノ台まで行って確認してみることにした。ネット上の記事では菩提峠まで縦走して周回するコースで2時間くらいと書かれていたので、山頂までは1時間はかからないだろうと見ていたのだが、さてどんなものか?


    岳ノ台入り口。ハイキングコースと書かれているが、いつも騙されるこの「ハイキング」という言葉。なんとなく不安がよぎる。


    階段になったコースを登って一旦平らになってまた登り。上に建物が見えたので、思ったより近いなとこの時は思った。


    東屋に到着。しかし、周辺を見回しても富士山の眺望が無い。何で???

 20分で東屋の立つピークに到着した。ここが目指す岳ノ台だと信じていた私は、思ったより近いなと思ったのだが、おかしなことにこのピークは樹林帯の中で眺望が悪く、富士山が全く見えない。GPSを取り出して位置を確認すると、ここは岳ノ台にに向かう途中のピークで、まだ半分くらいしか来ていないことがわかる。その先の道はグッと下ってその向こうに見える山の先に岳ノ台山頂がある。だいぶ心が折れて帰ろうかと思ったのだが、時刻はまだ10時半で、時間はたっぷりある。スローピッチでとにかく行ってみることにする。


    コルにぐっと下って向こうに見えるピークの裏側が岳ノ台山頂。


    直登では無くて草地の中を右に巻いてその向こうの緩い尾根を山頂まで登る。


    トレースはあるが、日陰の斜面は雪が積もっていて簡単には登らせてくれない。


    山頂到着。ゆっくり歩いてきたが、それでも入り口から50分ほどで到着できた。


    下が休憩所、上が展望台になっている、良く出来た建物。


    展望台から見る富士山。周辺の木が邪魔になって決して眺望が良いとは言えない。


    ズームをかければ富士山とオリオン座大星雲の撮影には問題無いが、そのほかに撮るものがあまり無い。


    早朝登った大山はすぐそこに見える。

 場所的に丹沢の山並から相模湾の夜景までぐるりと見渡せる場所かと思っていたのだが、期待したほどの眺望は得られなかった。広角レンズで星空と山並を撮影するならばやはり大山まで登らないとダメなようだ。眺望を確かめてGPSログを記録して小休憩して下山した。


    帰り道の登り返しは辛いので、林道をちょっと短絡させていただきました。
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丹沢の富士山 冬の大山へ 平成29年1月22日

2017年01月23日 | 番外編
 今回の目的は大山では無くてこの近傍の山から見る富士山と赤い星雲だったのだが、前日の夕方に神奈川県秦野市に到着した頃には空に雲が広がってしまい、星空の撮影は難しくなってしまった。目的地を大山に変更して早朝5時に起床して準備し、出発しようとしたのだが、下調べが不十分でヤビツ峠からの登山道入り口がわからない。GPSを片手に登山口まで行くが、そこにある道標には大山を示す表示が見当たらない。蓑毛側の下山道に進んでみると少し行ったところに左の尾根に登る道が分岐しており、それを登ると大山に至る尾根に乗り上げた。下山してきてからわかったのだが、登山口はバス停のすぐ後ろに立派な道がついており、暗い中を探したのでまさかそんなところに登山口があるとは思わなかった。

 出発したのは5時45分ごろになってしまう。道路が凍結していたので最初から軽アイゼンを装着して登ったが、中腹の標高1,000m弱のあたりまではさほど凍った箇所は無かった。日の出の頃に富士山展望地まで登りたかったのだが、もはや間に合いそうもない。


    ヤビツ峠の上にある展望地から見下ろす秦野市の夜景。


    樹林帯の中で夜が明けてしまう。木の隙間から見る朝焼けの富士山。


    1時間15分ほど歩いてようやく富士山が見えるところまで登って来た。二ノ塔・三ノ塔の尾根越しに大きな富士山が立つ。


    朝焼けの時間には間に合わなかったが、迫力は十分。ここから先は三脚を担いだまま登る。


    富士山の反対側には秦野市の町と相模湾、右手には伊豆半島が見える。


    凍り付いた雪道だが、トレースはしっかりと付いていた。

 大山ケーブルカー側からの登山道に合流する少し手前で、ようやく富士山がすっきりと見渡せる展望地に出た。丹沢主脈尾根の向こうに見える富士山の景色が素晴らしい。


    塔ノ岳から丹沢山、蛭ヶ岳に至る丹沢主脈尾根と富士山。


    御坂山塊や毛無山とは全く違う眺望の富士山だが、意外と近く見える。


    鳥居をくぐる。


    その先にも富士山の眺望。周辺の木々が若干邪魔だが、紅葉や樹氷になっていれば・・・。


    阿夫利神社


    神社の脇から振り返れば富士山の眺望。


    山頂の大木と朝日に輝く相模湾


    大山山頂


    山頂を越えてその向こう側にある電波塔。


    電波塔の向こう側はこれまた素晴らしき丹沢の山並と富士山の眺望。


    三ノ塔と富士山


    立ち位置を変えて山頂に立つ木と富士山


    塔ノ岳と尊仏山荘


    蛭ヶ岳山頂は樹氷になっている。あそこまで行けば更なる絶景が広がっているだろうが・・・遠過ぎる。


    200㎜望遠レンズで見る富士山。このくらいの大きさならば、富士山と星を撮影するには十分。あとは位置的な問題だけ。

 今回の目的はまだ登ったことが無かった大山に登ってみたいということもあったのだが、それよりも今後に向けて富士山の眺望と大きさ、さらに展望地のGPS座標を確認しておきたかった。目的は十分に達成できたが、それ以上に素晴らしい眺望を楽しむことが出来た。これだけ富士山から距離が離れると、夕暮れのダイヤモンド富士はきっと真っ赤な夕陽が沈んで行くのだろう。時間と機会が合えば訪れてみたい。そして富士山の上に輝くであろうあの赤い大星雲も、いつかは撮影してみたい。



 

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夕暮れダイヤモンド富士 大平山  平成29年1月21日

2017年01月22日 | 番外編
 ここのところ割れるダイヤモンド富士ばかりを追いかけていたが、今回はオーソドックスにほぼ中央に沈むダイヤを狙って、大平山を訪れた。富士山ライブカメラをチェックするとお昼ごろには山頂に雲が巻いていたが、これはおそらく気温が上がり過ぎたためで、夕暮れ近くなって気温が下がって来ればおそらく雲は晴れてくるはずだ。河口湖あたりまで行くと予想通りに富士山頂が姿を現しており、太陽の周辺を流れて行く雲の辺縁が少し色付いている。うまくすれば彩雲が撮れるのではないかと考え、大平山へのルートは富士山を見ながら登ることができるホテルマウント富士側から長池山、飯盛山を経て山頂に至るルートを選択する。ダイヤモンド富士の時間は午後4時ごろ、このルートならば1時間半あれば余裕で大平山に到着できるはずだ。登山道入り口近くの道路脇スペースに車を止めて2時15分に出発する。


    長池山から見る富士山。雲を追いかけながら長池山から大平山を目指す。


    車を運転しながら見る雲はもっと色付いていたのだが・・・すっかり雲が消えてしまい、色も薄くなってしまった。


    長池山を越えて飯盛山への登り。


    飯盛山山頂。


    若干木が邪魔になるが、ここからの富士山の眺めもなかなか良い。


    露出が明るいと彩雲はあまりわからないが・・・


    露出を暗くすると色付いているのがわかる。しかし、もはや小さな彩雲しか出ず。


    鉄塔の立つ大平山までもうひと登り。

 午後3時半に大平山山頂に到着した。先客が一人おり、既に三脚を立ててスタンバイできている。私も2本の三脚を立てて準備完了、するとさらにもう一人、重い三脚を担ぎ上げてきたカメラマンが加わり、さらに若者が4人ほど登って来て総勢7~8人でのダイヤモンド富士撮影会となった。


    大平山から見る富士山と山中湖。太陽が富士山の山頂に傾く。


    彩雲が現われているが完全に逆光。太陽をカットしてもフレアはカットできず。


    太陽がこの位置まで来るともはや彩雲のみを捉えるのは困難。


    もうそろそろダイヤの時間。


    山頂に太陽が沈み始める。


    同上。


    空気が澄んでこの日はチカッと輝くダイヤになった。


    ほぼ中央に沈むダイヤモンド富士の撮影に成功。


    こちらのカメラは露出オーバーで上方向への光が出ず。折角の景色だったのにちょっと残念。

 彩雲の撮影は思うようにはならなかったが、ダイヤモンド富士の撮影には成功した。石割山から大平山の界隈を含めて山中湖周辺のダイヤモンド富士は何度も撮影に来ているが、ほとんどの場合は霞や薄雲に阻まれてこのようにチカッと輝く夕暮れのダイヤにはなってくれなかった。なかなか良い景色が見られたと思う。


    雲が出ていれば夕焼けまで待ってよかったが、あっさりし過ぎている。これにて下山。


    誰も歩いていない裏側の林道をプチ雪中行軍トレーニング。
  
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彩雲流れる富士山 端足峠から竜ヶ岳へ  平成29年1月18日

2017年01月18日 | 御坂・毛無・天子山系
 この日は端足峠で剣ヶ峰のダイヤモンド富士になるはずだった。根原から行くのならば1時間少々で到着できるだろうと見て、6時に根原から登るはずだったのだが、駐車場の入り口を後続の車にあおられてうっかり通過してしまい、車を回すに良い場所が無く結局は朝霧高原道の駅近くまで行って戻ることになってしまう。出発したのは6時15分、ダイヤになる時間が7時43分なのでなんとか間に合うかどうかという時間になってしまった。A沢貯水池の分岐点で車のタイヤの跡に導かれて直進するところを右の道に入ってしまったのが失敗だったのだが、この時は道を間違ったとは思わずにそのまま進んでしまった。植林帯の中に道が続いているはずだがそれらしき道が見当たらず、さらに進むと雪の中に踏み跡があったのでそれを辿って行くと沢の中で踏み跡は無くなってしまっていた。あとにして思えば、あれは人の踏み跡では無くて鹿が水を飲みに行った足跡だったのだろう。GPSで現在地を確認すると本来のルートよりも東の沢の中に入り込んでいた。もはや戻って正規のルートを歩きなおすほどの時間的な余裕は無く、そのまま沢を登って尾根に取り付いてその上にあるはずの東海自然歩道まで強行突破を試みる。しかし、脛から膝のあたりまである雪に苦戦してなかなか足が進まず、東海自然歩道に抜け出て端足峠の分岐点に到着したのは7時10分になってしまった。ここから端足峠までは標高差で200m強、時間にして40分から50分くらいだろう。急げば間に合うか・・・と必死に登るが、先ほどの強行突破で既に足が疲れてしまい、思うように進まない。標高差にして残り50m弱、あと10分かからずに端足峠というところで足元に朝日が射し出してしまう。残念、間に合わず。剣ヶ峰に昇って来た太陽を林の中から眺めながら、ここで初めての休憩をとる。あとはゆっくりと目的地まで登る。


    残月と雨ヶ岳


    A沢貯水池付近から見る富士山。この時は道が間違っているとは全く思っていなかった。


    端足峠到着は7時50分。10分遅かった。


    本日は端足峠から少し竜ヶ岳側に寄ったこのポジションから剣ヶ峰で割れるダイヤを狙うはずだった。

 この日はカシミールで計算した軌道では剣ヶ峰で割れる可能性がきわめて高いポジションだったうえに、雲や雪煙が無く撮影には絶好の条件だった。残念、気分がへこんだが、収穫無しで帰るのも悔しい。端足峠から竜ヶ岳のルートは10年くらい前に一度歩いただけで、GPSのログも記録していない。ここは今後のために富士山の展望地をチェックしながら竜ヶ岳まで登ってみることにした。


    展望地をチェックしてGPSに記録しながら竜ヶ岳を目指す。


    端足峠コルから見上げる竜ヶ岳。


    残月と雨ヶ岳


    階段が整備されているが、この日はほとんど雪に埋もれていた。


    富士山展望地はあるが、窮屈な場所ばかり。


    道幅は場所によって狭く、本栖湖キャンプ場からのルートに比べると歩きにくい。


    裏側に見える南アルプス。


    年末・年始に何度も通った竜ヶ岳裏側の笹原に到着。


    太陽の位置はだいぶ高くなった。しかし、良く見ると雲の辺縁が色付いているような??

 1時間少々で竜ヶ岳裏側の笹原に到着、ここは年末・年始に割れるダイヤモンド富士撮影に何度も訪れている場所だ。ザックを下して休憩し、富士山を眺めていると・・・なんとなく流れてくる雲が色付いているように見える。鮮やかな虹色とは言えないものの、雲によってははっきりと色付いているのがわかる。


    やっぱり色付いている。


    鮮やかとは言えないが、彩雲。


    富士山頂が隠れてしまったが、大きな雲が色付いた。


    見上げる太陽と彩雲


    彩雲流れる富士山


    太陽が富士山から離れ、彩雲も終わり。

 30分ほど富士山の上を流れる彩雲を追いかけて下山となる。山頂には立ち寄らず、帰りはまともなルートを歩いて下山したが、少しばかり足が痛くなった。

 この日はうまく行くだろうと思って挑んだ剣ヶ峰ダイヤモンド富士だったが、いろいろ重なって失敗となってしまった。しかし、登ったなら登ったなりのご褒美があるもので、今期2度目の竜ヶ岳から見る彩雲を楽しむことが出来た。大満足とは言えないが、ほぼ満足。
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月光ダイヤモンド富士 朝霧高原  平成29年1月16日

2017年01月16日 | 星空
 パール富士は月が円く写ってこそパールだと思うが、今回撮影に出かけたのは円い月では無くてダイヤモンド富士のように月の光が拡散して輝く月光ダイヤモンドである。日没前後の月を撮るとパールになるが、日没後1時間以上を過ぎた満月に近い月を撮影すると光が拡散してダイヤモンドのようになる・・・はずだが??

 前日は夜の8時ごろに田貫湖でダブル月光ダイヤモンド富士になるはずだったのでライブカメラを見ながら待機していたが、空模様が悪く精進湖線の途中まで車で行って引き返してきた。この日も朝から富士山は雲隠れしていてほとんどあきらめていたのだが、日没近い時間になってから富士山にまとわりついていた雲が飛んで山頂が姿を現した。パソコンで本日の撮影場所を探してGPSに転送して、夜7時に出発。狙うのは月光ティアラだったが、座標点の場所3ヶ所はいずれも富士山の眺望が得られず、かつ富士山頂の裏側に雲が出ていて割れる月光ダイヤモンドの撮影はほとんど無理な状況だった。場所を変えて良さそうなところを探すがなかなか見つからず、月の昇る10分前にようやく撮影場所を確保して急いでカメラをセットする。本日の月は月齢17で、上部が欠け始めている。


    富士山頂に棚引く雲が月光で白く光っている。月の出はもうすぐ。画像が青っぽいのはホワイトバランスを白熱電球にしているため。


    雲の中に月が現われた。ダイヤモンド富士のようにチカッとは輝かないが、光が拡散してダイヤモンド富士のように写る。


    月光ダイヤモンド富士。ゴーストは邪魔だが、このレンズの性能なので止む無し。


    雲の上まで月が昇ったところ。面白いのはゴーストに月の紋様が映っているところ。


    露出を変えると写り方もだいぶ変わる。このくらい輝かせれば月光ティアラや割れる月光ダイヤモンド撮影も可能なのではないかと思う。


    こんな暗闇に昇って来る月も悪く無い。


    600㎜望遠で捉えた月の登り始め。ピントが甘いが、ブレてもいる。シャッタースピードが遅いのでカメラとレンズの固定方法を考えなければならない。


    月齢17の月は上部が欠けていて光り方がいまひとつに見える。月齢15か16あたりのほうが良さそうだ。

 長焦点のレンズを使った時の固定方法や、月齢による月の形の変化など、割れる月光ダイヤモンド富士撮影に向けていろいろと課題が見えてきた。1ヶ月後にまたチャンスがやって来るので天候に恵まれることを願う。

 大寒波がやって来ているためにこの日の朝霧高原は-10℃まで冷え込んでいた。しかし風が吹かなかったためにさほどの寒さは感じなかった。おそらく湖の湖面も静かなはずだ。月光のダブル富士山撮影には絶好の条件なので、精進湖に立ち寄る。そしてもうひとつ、試しておきたいことがある。


    月光のダブル富士。半分凍り付いた湖面に綺麗に富士山が映っていた。ホワイトバランス白熱電球。


    同上、縦位置。オリオン座と冬の大三角形がもう高く昇ってしまっていて、富士山の上に目立った明るい星が無かったのはちょっと残念。


    200㎜望遠、Iso5000、F2.8、2sec で撮影した富士山。月明かりに照らされて富士山はかなり明るく写る。


    こちらが全く同じ条件で撮影したオリオン座大星雲。シャッタースピード3秒以内ならば画像の流れはあまり気にならない。


    若干明るさを調整してこの2つを貼り合わせる。おそらくはこんな感じで富士山とオリオン座大星雲を写すことが可能だろうと思っている。

 富士山の上に輝くオリオン座大星雲の撮影はもう2年くらい前から考えており撮影地もほぼ確定しているのだが、高下と竜ヶ岳でダイヤモンド富士撮影に四苦八苦している間に朝霧高原での撮影時期を逸してしまった。これは今年の秋まで持ち越しか、あるいはもし時間がとれるなら、沈むオリオン座大星雲を丹沢まで撮影に行くことになるかも知れない。問題なのは富士山の明るさとオリオン座大星雲の輝き方のマッチングで、闇夜では無くて月明かりで若干富士山が浮かび上がるくらいのほうが良いのではないかと考えているのだが、これも撮ってみなければわからない。アンドロメダ大星雲も含めて、この撮影も今後の課題である。
 


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新たな撮影への挑戦、月光ティアラは撮影可能か? まかいの牧場  平成29年1月12日

2017年01月12日 | 星空
 月齢15を過ぎて日没後1時間以上が経過してからの月を使って、月光ダイヤモンド富士の撮影はさほど難しくは無い。月光ダイヤモンドが撮れるのならば、剣ヶ峰で多重分割する月光ティアラの撮影も可能なのではないかとずっと考えていた。しかしそれにはいくつかの難関がある。その一つはシャッタースピードである。ダイヤモンド富士ならばシャッタースピードを速くして秒速4コマ以上撮影しても問題は無いのだが、真っ暗な中に昇って来る月はIso感度を上げたとしても1秒以内で撮るのは難しい。かつ、星のように輝く星型に撮影するには絞り込むことも必要になる。もうひとつは月の形だ。月齢15は満月だが、月齢16、17と進むにつれて月は欠け始め、特にティアラ撮影に不可欠な右上部のほうから欠けてくる。おそらく、ティアラ撮影に適しているのは月齢15から17までと考えている。

 この日は日没後1時間ごろに朝霧高原まかいの牧場あたりで月齢15の満月が富士山頂に昇って来るはずだ。例のごとくカシミール3Dで軌道を計算して剣ヶ峰の真ん中から現れる位置をGPSに転送する。座標点に行ってみると、若干木が邪魔にはなるものの200㎜以上の望遠レンズならば問題無さそうだ。近くであまりお目にかかったことが無い大砲のようなレンズをセットして月の出を待っているカメラマンが居たので話を聞いてみると、その方は朝霧高原のティアラ撮影の達人で、レンズの絞りの工夫の仕方や撮影場所のヒント、カシミール3Dの軌道のずれなどいろいろと教えていただいた。月光ティアラは撮影したことが無いそうで、今後挑戦してみたいと言っていた。

 Borg300㎜にエクステンション2倍を装着して600㎜にして剣ヶ峰を狙うが、セットする時間が遅くなってしまい暗闇の中でピントを合わせたので全くピントが合ってくれない。もう1台は200㎜レンズで絞りを開放にして撮影してみた。Borg
のほうはブレを防ぐために三脚を低くして先端部を近くにあったガードレールの上に乗せて固定した。


    赤く焼けた富士山。月の出まであと約1時間。


    Borg300mm+extension×2、ピントが若干甘いがこれ以上合わせられず。


    Canon200㎜試し撮り。こちらはきっちりとピントが合ったが、その後はスローシャッターだったために押すたびにブレた画像になってしまった。


    ほぼ定刻に月が現れ始めた。剣ヶ峰の右側がチカッと光るのが肉眼で見えた。改造絞り装着、Iso3200、シャッタースピード2.5秒。


    さらに右からも光が出て分裂したが、上に出た雪煙のため光が拡散してしまい、綺麗な月光ティアラにはならなかった。


    たぶん、4分割か5分割くらいになっていると思う。


    もう光が融合している。


    完全に月が出た。


    200㎜望遠レンズ。


    もう月が出ているはずだが、こちらでは全く割れない。絞らないと光が拡散してしまってチカッと光らないようだ。


    完全に月が出ている。

 雪煙が上がっていなければ、おそらくはBorgレンズのほうで分割する月光ティアラの撮影に成功していたのではないかと思う。しかし、撮れたとしてもそれはピント合わせがいまいちの不完全な画像だったであろう。もうひとつ収穫だったのは、太陽と違って月の軌道はカシミール3Dでほぼ正確に割り出せるということだ。これは山中湖で白山岳に沈む月を撮影した時にほぼ確認済みだった。この月光ティアラの撮影が本当に可能かどうかはまだわからないが、理論的には可能だろうと考えている。まだ挑戦は始まったばかり。


    剣ヶ峰のシルエットと十五夜の月も狙っていたが、最後までピントが合わず。
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富士山頂に現れたC/2016 U1 ネオワイズ彗星 ふもとっぱら  平成29年1月5日

2017年01月06日 | 星空
 夕暮れ時は 0045P本田・ムルコス・パイデュシャーコヴァー彗星、夜明け前には C/2016 U1ネオワイズ彗星と、10等級より明るい2個の彗星が楽しめる時はそう滅多にあるものでは無い。しかし、いずれの彗星も7等級程度と明るいものでは無いため、風景と一緒に撮影するのは難しい大きさである。前者は既に3度撮影に成功しており、やはり思っていた通りに小さくて、富士山と一緒に撮影してもあまり絵にならなかった。後者のほうは当初予想していたよりも光度を上げているとの情報をネットで見かけたのだが、果たしてどんなものだろうか?5等級まで明るくなるのではないかという嬉しい情報もある。

 行き先は朝霧高原ふもとっぱら。早朝5時半ごろに富士山頂に姿を現すはずで、すぐに夜明けになってしまうので今回は追尾せずに富士山頂に現れたところを待ち伏せ撮影である。風が強くて寒い朝だったが、その分空気が澄んで星がすっきりと見える。


    200㎜望遠レンズ。予定時間に現れず、時間を間違えてもう昇ってしまったかともっと上のほうを探していたら、数分遅れて富士山頂に姿を現していた。


    薄明の空に小さな緑色の点が写っている。7等級有るか無いか、本田・ムルコス・パイデュシャーコヴァー彗星よりも小さく見える。


    これ。


    どんどん高度を上げて行き、


    あっという間に薄明の空に消えて行く。


    撮影出来たのはわずかに20分間。

 想定していたよりも小さかったネオワイズ彗星、やはり富士山と一緒に撮っても絵にならない。近日点に近付くにつれて高度を下げて撮影は難しくなり、山の上からの撮影も考えてはいたのだが、この大きさだと面白い画像にはならなそうだ。次にやって来る彗星に期待しよう。ちなみに、300㎜レンズは捉えきれなかったうえに風でブレて全て失敗。


    薄明のふもとっぱらの富士山。強風で水面にさざ波が立ち、木の枝も揺れている。
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剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士 竜ヶ岳最終章  平成29年1月3日

2017年01月04日 | 山梨百名山
 納得できる画像は撮れていないが、前日のシルエットダイヤモンド富士を除けば竜ヶ岳から撮影した剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士は2戦2勝、白山岳で割れるダイヤの撮影には昨年末に成功しており、失敗したのは雷岩の1回だけである。昨日の剣ヶ峰の裏側に出た太陽のシルエットから見て、修正軌道はほぼ正確なはずだ。今回は自信を持って撮影に臨んだ。のだが・・・??

 いつものように早朝5時から竜ヶ岳山頂を目指す。この日は登山者が多く、自分のペースでは歩きにくく、後続の登山者には出来るだけ道を譲って歩く。休憩せずに東屋まで行くと1時間15分ほどで到着しており、いつもと5分くらいしか遅れていなかった。ここで三脚にカメラをセットして担ぎながら登る。


    東屋から見る富士山。雲が無く風も無く、割れるダイヤ撮影にはこのうえない天候となった。


    雪煙もほとんど出ていない。この時点では今日はいただきだと思っていたが。


    綺麗な影富士が出たが、南アルプスには雲がかかってしまった。

 山頂への平坦地まで登ったあたりで追い抜かれたグループの中に、私の職場の職員が混じっていた。山頂でダイヤモンド富士を見るらしいが、山頂は笹薮が高くて富士山の裾野が隠れてしまうため、例年撮影している秘密の(?)笹薮展望地を案内し、さらに山頂を越えて影富士が見える場所を案内して本日の撮影地に入った。この日のポイントは富士山の裾野が笹に隠されてしまうものの、三脚を高めに構えて200㎜以上のズームをかければ撮影には全く問題無い。準備しているとるたんさんも現地に到着した。カメラ2台をセットして準備が完了したのはダイヤになる直前になり、少しばかり焦った。


    富士山の中腹から下は笹に隠れるが、三脚を高くしてズームをかければ問題無し。しかし、この三脚を高くしたことが後に失敗の原因となる。


    ほぼ座標点通りのポジション、雪煙も少なく、抜群の条件が整った。


    光った!と思ったが、予定していたよりも左側から出た。


    しかし、このポジションでも剣ヶ峰左側の凹凸で3つに割れている。


    600㎜レンズで捉えた画像では、5本の筋が出ている。おそらく5分割ダイヤ。しかし、予定ではこの時点で右側からも光が出ているはずだった。


    さらに筋が増えて6本。自分ながらにこの画像は凄いと思うが、右からも出ていないと納得が行かない。


    右から光が現われて割れるダイヤモンド富士の撮影は成功。


    しかし、右の光が予定よりも小さい。 


    あと5mくらい右だった。


    ひとまず、剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影は成功した。

 もうわずかに右寄りだった。これで3戦3勝、シルエットダイヤも含めて成功率は100%、確かに割れるには割れたが・・・全く納得はしていない。


    今回の撮影ポイントから再計算した太陽軌道。

 本日の撮影地からの太陽軌道を再計算してみると、予定していた軌道よりも左に寄っていたことがわかった。原因は登録していたポイントよりも数メートル後ろ側のポジションだったこと、そのために軌道がやや左にずれ、さらに高度も数メートル高くなったうえに三脚も高く構えたために誤差が生じたということだろう。悔しいので翌日もみちほさんご夫妻を誘って竜ヶ岳を目指したのだが、登り出す前の時点で空に雲が広がっていて中止となってしまった。竜ヶ岳山頂付近で剣ヶ峰から太陽が昇るのは1月5日まで。無念の最終章となった。登れるかどうかはわからないが、剣ヶ峰のダイヤモンド富士は雨ヶ岳から毛無山の山塊にステージを移すことになる。さらに過酷な登りと撮影になるだろう。その前に、白山岳と雷岩はまだしばらく竜ヶ岳で楽しめるので、そちらの撮影を行ってみたいと思っている。
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月と金星が接近した夕暮れ 山中湖  平成29年1月2日

2017年01月04日 | 星空
 前日高指山でズーム撮影した月は見事にピンボケで撮影に失敗した。本日は再挑戦ということになるのだが、一番の目的は愛用している天体望遠レンズBorg67FL(300mm)のフラットナー調整である。フラットナーとはレンズの周辺収差を補正するためにレンズ後方に装着する2枚目のレンズで、昨年末に彗星を撮影した際に周辺の星が流れて変形しており、このフラットナーの調整がうまく出来ていないことがわかっている。

 早朝から竜ヶ岳に登って寝不足のため、下山後まず石割の湯に立ち寄って汗を流した後、少し仮眠をとることにした。ところが、石割の湯に行ってみるとこの日はボイラーが故障したそうでお湯の温度が37℃くらいまでしか上がらないらしい。係員に紅富士の湯に行くようにすすめられたが、既に眠気がMAXでもう運転したく無く、ぬるま湯でも良いのでここで入らせてくれと頼んで入浴することになった。確かに湯船の湯はぬるかったがシャワーの湯は普通に使えて、なにしろ入浴しているのが私一人だけという贅沢なお風呂に入らせていただいた。1時間半くらい、大いびきをかいて眠らせてもらい、4時半ごろに山中湖きららに向かう。そこにはみちほさんご夫妻が待っていた。


    月と金星が接近した山中湖の夕暮れ。湖面が揺れず綺麗なダブル富士になった。


    富士山頂に輝く月と金星。

 みちほさんがニューカメラの設定をいじりながらこの景色を撮影したが、おそらくあちらのカメラでもこれと変わらないか、それ以上の景色が撮影出来たことと思う。

 さて、本番はこちらだ。フラットナーを取り外してみると、300㎜のところで固定したはずのダイヤルがずれて最大になっていた。山に持ち運んだ際にダイヤルがずれていたらしい。こちらを調整し直して、簡易赤道儀スカイメモSに搭載して撮影してみた。


    月モードで追尾して撮影した月と金星。地球照の部分がかなりクリアに描出できる。


    オリオン座大星雲。簡易赤道儀でこのくらい描出できれば上出来。細い2本の筋は人工衛星。


    本田・ムルコス・パイデュシャーコヴァー彗星。Iso1250, 30sec追尾。ピントが若干甘いが、彗星の尾も少し描出されている。流れている景色は富士山。


    追尾中に小さな流星も写っていた。時期的には四分儀座流星群か?

 さらにIso感度を3,200まで上げてシャッタースピードを1秒以内に調整して富士山白山岳に沈んで行く月を捉えてみた。


    富士山に月が差し掛かったところ。


    富士山白山岳のシルエットと地球照の月


    白山岳に月が沈んで行く。この時に月の明るい部分がダイヤモンド富士のようにチカッと光るのではないかと考えたのだが、そうはならなかった。

 今回の月はあたりがもう真っ暗になってから沈んで行く月齢3.8の月だが、もう少し明るい時間に沈む月であれば富士山全体の形を描出しながら細い月を捉えることが可能である。さらに条件を変えれば、地球照の月光ダイヤモンド富士の撮影が出来るのではないかとも考えている。フラットナー調整後は周辺の星も流れておらず良好な状態に調整出来たようだ。

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朝焼けの空 竜ヶ岳  平成29年1月2日

2017年01月03日 | 山梨百名山
 元日は素晴らしい晴天に恵まれ、この日も晴天のはず・・・だったが、精進湖を通過したあたりで見る富士山には雲がかかっているように見える。本栖湖キャンプ場の駐車場に到着して空を見上げると雲が広がっていて星はまばらに見えるだけだ。これでダイヤモンド富士を見ることが出来るのか?かなりの不安があったが、山頂あたりで合流する予定ののぞむ先生は既に出発している。引き返すわけには行かず、5時過ぎに竜ヶ岳山頂を目指して出発する。

 休憩ベンチの展望地まで行くと富士山のシルエットが見えてきた。形ははっきり見えているがやはり空には雲がかかっている。休まずに東屋まで行くと、富士山の上に出た雲に朝焼けが始まっていた。三脚を出してセットしようとすると・・・その横に見慣れた格好と背丈の男性が・・・のぞむ先生がこの景色を激写している最中だった。


    東屋休憩所から見る朝焼け雲の富士山。


    一旦は消えかかった朝焼けだったが、その後2度焼け。激焼けの空になった。


    平坦地まで登ると、本栖湖に雲が湧いていた。

 三脚を担ぎながらこの激焼けの空を撮影しながら山頂を目指して行くと、山頂の手前あたりから雲が湧き出した。最初は少し湧いてはすぐに流れて消えていったが、ダイヤモンド富士の時間が近付くにつれて雲の湧く時間が長くなってきた。山頂を越えて本日の剣ヶ峰ダイヤモンドの場所に到着し、笹薮を少しかき分けて展望の良い場所を確保する。しかしその頃には、富士山は隠れている時間のほうが長くなってしまった。


    本日の撮影地に到着したが、下から雲が湧き上がって来た。富士山裏側に出た雲も晴れず、割れるダイヤは絶望的。


    肝心な時間は雲が湧き上がりダイヤモンド富士自体を見ることも難しい。


    そんな状況の中で奇跡的に撮れた剣ヶ峰の真後ろに現れた太陽のシルエット。


    まるでパール富士のようだが


    これは月では無くて太陽。


    あまりお目にかかれないシルエットダイヤモンド富士を見ることが出来た。

 おそらくこの日に竜ヶ岳でダイヤモンド富士の撮影に成功した人はほとんど居なかったはずだ。このような状況の中で、剣ヶ峰と太陽のシルエットを撮影した貴重な画像を撮ることが出来た。さらに修正した座標からの割れるダイヤモンド富士軌道がほぼ合っていることも確認できた。


 山頂に戻って休憩。カメラ機材以外はほとんど持って来ていない私は、のぞむ先生から入れ立てのドリップコーヒーやどら焼きをご馳走になってしまった。下山時に、雲が湧いて冷え込んだ山頂周辺は道が凍り付いていたが、雲が湧かなかった下部は朝日が当たって霜が溶け、泥沼状態になっていた。何度か滑りそうになったが転倒せずに無事下山した。


    東屋の展望台に到着した頃には雲が晴れてスッキリとした富士山が姿を現した。しかし反面、登山道は泥沼状態。

 下山後はお正月恒例の、精進湖のほとりにある喫茶店「写ば写ば」に立ち寄って反省会を行った。食うかいさんも合流して、私の㊙月星ノートを公開した。このノートは高下で撮影したダイヤモンド富士の太陽軌道や、2年後までの目ぼしい山の上で撮影できるパール富士の日程などが書き込まれている。近いうちに星見隊+αのメンバーでパール富士撮影に行く日が来るかも知れない。
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