山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

夕映えの大雪山旭岳  平成30年9月29日

2018年10月03日 | 日本百名山
 朝一番の大雪山旭岳ロープウェイに乗り約10時間かけて旭岳山頂、間宮岳、中岳温泉、裾合平と周回し、午後4時20分ごろに鏡池に到着した。一日中天候に恵まれて大雪山の素晴らしい景色を楽しんできたが、期待していた紅葉がいまひとつだったことが残念である。さて、ロープウェイの最終便は5時半なのでまだ1時間ほど時間がある。下りて山麓駅で休むことも考えたが折角の好天気、かつ西側の空にはほとんど雲が出ていない。この天候ならばきっと・・・。日没は5時15分ごろのはずだが標高が高い分だけ少し遅くなるだろう。移動時間を考えてギリギリの5時15分まで鏡池のあたりで夕暮れを待つことにする。その前に、ロープウェイ駅までの移動時間をあらかじめ歩いて計っておき、さらに移動し易いようにザックはロープウェイ駅に置いて来た。10分あれば十分に到着できる。


    大雪山旭岳を映す鏡池


    午後5時、太陽が沈み始めて期待通りに旭岳が染まり始めた。


    次第に赤みを増して行く旭岳


    これくらい染まってくれれば上出来。


    時刻は5時15分になった。もう少し待ちたいところだがもはやここまで。三脚を担いでロープウェイ駅に急ぐ。


    夕陽が沈んで行く。


    最後に摺鉢池で撮ったカット。

 あと5分あれば残照の旭岳が見られたであろうが初めて訪れた旭岳でこれだけの景色が見られれば上出来である。これから日が短くなって日没時間が早くなり残照の旭岳が見られるようになるだろうと思っていたのだがそうでは無いようで、ロープウェイの最終時間が5時に変更になるようだ。きわめて幸運な日に訪れたことになる。

 予定通りに5時25分にロープウェイ駅に到着した。鏡池で途中まで並んで写真を撮っていた若者も駅の近くでカメラを構えていたそうだ。さらに一緒にロープウェイに乗られた札幌から来られた方と仲良くなり、帰りのバスも隣に座らせていただき写真談義や撮影地や旭川のおすすめラーメン店などいろいろと情報を提供していただいた。旭川は山頭火ラーメンが有名だが教えていただいた一蔵ラーメンにその日の夜に寄らせていただき、たいへんおいしかった。

 さて、明日は甲府に戻るのだが台風24号が上陸して簡単には戻れなそうである。午後4時半の羽田行き飛行機を予約してあるが着陸できない可能性が高い。午前の便に変更しようとしたがJALは全ていっぱい、ANAがわずかに空席があったので予約しようとしたがスマホに手こずっている間に満席になってしまった。かくなるうえは・・・函館まで移動して新幹線が確実である。翌朝は6時半の札幌行きの電車に乗り12時半の新函館北斗発北海道新幹線に乗り、無事に5時半に東京に到着した。まだ雨も風も穏やかで予約していた4時半の飛行機も無事に飛んだらしい。ところが・・・中央線が午後5時で高尾から先が全面運休になっており高速バスの予約を試みたがそちらも満席である。止む無し、新宿に宿をとって泊まることにする。今度はスマホから無事に予約が取れて一安心・・・とは行かなかった。台風が通り過ぎた翌朝は青空が広がったが中央線は相変わらず全線運休で高尾から先は全く復旧の目途が立っていなかった。止む無し、高速バスを使うことにするがもはや午前の仕事時間には間に合わず休むことになってしまった。新宿バスターミナルには7時半ごろ到着したが10時45分のバスしか取れず、1時ごろにやっと甲府に到着した。免許証を忘れたことから始まり、宿の予約失敗、さらには台風とトラブル続きの北海道だったが大雪山の良い景色も見られたし、講演会の必要ポイント数も取得出来たし、それなりに楽しい旅が出来た。何よりも救いだったのはガラケーからスマホに電話機を換えてあったことだった。これが無ければ天候の変化や電車の乗り換え時間など調べるのに多大な時間を費やしていたことは間違い無く、下手をしたら甲府に戻るのが1日か2日遅れた可能性もある。まだ使いこなせないところが多いがそれでもスマホは今回大いに役に立った。
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大雪山旭岳山頂から裾合平を経て姿見池ロープウェイ駅へ周回 平成30年9月29日 

2018年10月03日 | 日本百名山
 朝一番の旭岳ロープウェイに乗り姿見池駅周辺を散策しながら約4時間かけて旭岳山頂まで登って来た。かなりのゆっくりペース(というよりも写真ばかり撮っていて先に進まず)で登って来たのでほとんど疲れも無い。山頂はそれなりに混雑していたがそれ以上に私を追い抜いて行ったたくさんの登山者たちはどこに行ったのだろう?周回ルートか、あるいは黒岳への縦走ルートを進んでいるのだろう。私はあまり来ることが無い北海道の山を存分に楽しんで行きたいので、下山のロープウェイも最終の5時半と決めていた。どうせ旭川まで戻るバスも夕方6時なのでそれに間に合えば良い。この先も三脚を担ぎっぱなしで間宮岳から中岳分岐方面に向かって進む。


    大雪山旭岳山頂。間宮岳・黒岳方面に下るが、そちら側はザラついたスリップしそうな急斜面だった。


    雪渓と旭岳山頂を振り返る。緩そうに見えるが結構急斜面である。


    ゴツゴツした山は熊ヶ岳。間宮岳はその裏側になる。裾野の平坦地がキャンプ指定地になるようだ。


    旭岳を振り返る。北海道最高峰だが裏側から見ると穏やかな山容である。


    熊ヶ岳(右)と旭岳(左)


    左が忠別岳、右がトムラウシ山。真ん中のピークは化雲岳の北東側にあるピーク。少し霞が強くなってしまった。


    稜線の間宮岳・中岳方面(左方向)と松田岳・北海岳方面(右方向)の分岐。黒岳はどちらからでも行ける。


    平坦なピークの間宮岳。ここで休憩(といっても写真を撮りながら休憩してばかりいる)。


    間宮岳から見る御鉢平。


    角度を変えて中岳分岐付近から見る御鉢平。


    中岳分岐に到着。

 中岳分岐に12時到着。ほぼ予定通りの時間である。このあたりの稜線は歩く人が少ないのか、それとももう皆さん通過した後なのか、あまり人に会わなかった。中岳分岐を左折して中岳温泉を経由して裾合平に向かう。


    沼の平に続く稜線、比布岳(右)と安足間岳(左)


    裾合平を見下ろす。雄大で美しい景色が広がる。


    硫黄の臭いがしてきたと思ったら下に人だかり。これが訪れてみたいと思っていた中岳温泉。


    岩の間から熱い温泉が湧き出しており、川の水と混ざってちょうど良くなる。


    足湯を楽しんでいるお嬢様たちを後ろから無許可隠し撮り(失礼しました)。手だけ洗って先に進む。


    黄緑色の苔が生えた岩


    間もなくチングルマの海が広がる裾合平に到着。広大なお花畑が広がる。


    青空を映す青い池塘と比布岳山塊。


    綿毛のチングルマと旭岳


    チングルマの海は至るところで広がっていた。花の咲く季節に訪れてみたい。


    綿毛になったチングルマ。向こうのナナカマドはほとんど赤く染まらずに葉が散ったらしい。


    少しだけ残っていたチングルマの紅葉。しかし期待していたナナカマドはほとんど散っておりしかも葉が茶色い。今年は外れだったようだ。


    咲いていた花はこれだけだった。


    遅咲きのミヤマリンドウだと思う。この季節に見られただけでもラッキーである。


    もう終わってしまっているがエゾオヤマリンドウだと思う。咲いていれば素晴らしい景色だっただろう。


    大雪山旭岳を映す鏡池。美しい風景である。


    さらに隣の摺鉢池。

 摺鉢池まで来るともう姿見池ロープウェイ駅は目の前である。時刻は午後4時20分、下車して山麓駅でゆっくり休むことも出来るのだがいずれにしてもバス時間は午後6時である。青空が広がる好天気、かつ日が沈む西側の空にもほとんど雲が出ていない。待っていればきっと見られるはず・・・。1日中天候に恵まれて素晴らしい景色を見て回ってきたがきっと最後にもっとドラマチックな景色が見られるだろうと期待して、ロープウェイ最終時間に間に合うギリギリの5時15分まで鏡池で待つことにする(続く)。
    


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旭岳ロープウェイを使って大雪山旭岳へ 北海道  平成30年9月29日

2018年10月03日 | 日本百名山
 前日に美瑛町の青い池を訪問してから旭川空港乗り換えで旭岳温泉行の最終バスに乗り夕方の5時30分に旭岳温泉に到着した。本日の宿はまだ使い慣れていないスマホを使って初めて予約してみたのだが、確定までしたはずだったのに・・・確認メールを職場のパソコン宛にしてあったのが失敗だった。宿まで行ってネット予約した者だと伝えたが予約が取れていなかったのである。宿のパソコンを借りて自分のメールを開いてみると、予約に失敗したようで確認メールが届いていなかった。もはや旭川に戻る最終バスの時間には間に合わない時間である。宿が取れなければタクシーで旭川空港か美瑛駅まで戻って旭川に帰るか、はたまたビバークシートを被ってロープウェイ駅軒下でビバークするか?なんとか頼み込んで部屋を用意していただき、一家6人で泊まれそうな大きな和室に一人で泊めさせていただくことになった。ここに泊まれなければ明日の登山は難しくなり山頂無しの観光巡りになってしまったであろうが、泊めてくれたホテルに大感謝である。これで朝1番の6時半の旭岳ロープウェイに乗ることが出来る。

 バイキングの夕食をこれでもかというくらいに腹に詰め込み、10時には眠りにつく。明日の天気予報は晴れ、早朝には星が輝いていることを期待して目覚まし時計は4時半にかける。目が覚めたのは4時を少し過ぎた頃だった。薄明の空に星がちらほらと見えてはいるが薄雲がかかっているようで美しい星空にはなっていなかった。星空の撮影はあきらめて部屋に戻って休み、5時にホテルを出て周辺を散策しながらロープウェイ駅に向かう。


    夜明けの空に輝く月


    お世話になったホテルベアモンテ。泊めていただいて本当に助かりました。


    朝もやのかかる旭岳温泉


    旭岳ロープウェイ駅と旭岳

 ロープウェイは6時半に始発の予定だったが6時前には既に20人ほどの乗客が並んでおり、始発時間より30分ほど早い6時に動き出した。朝一番のロープウェイに乗って旭岳に出発である。


    ロープウェイの窓越しに見る旭岳と紅葉の森


    ロープウェイ姿見池から見る旭岳。偶然にも帰りのロープウェイとバスでご一緒した方が写り込んでいた。


    凍り付く池。山麓はもう氷点下になる。


    チングルマの紅葉と噴煙を上げる旭岳


    姿見の池と朝日

 朝日の昇る姿見の池を見たところで本日のコースを考える。時間は十分にあるので黒岳までの縦走も可能であるのだが・・・今回の最大の目的は紅葉の旭岳である。裾合平側のナナカマドの紅葉を期待しているのだが、この日の出の角度だとこれから裾合平に向かっても逆光になってしまうだろう。むしろPLフィルターの効果が期待できる午後3時ごろのほうが撮影には適している。天気はきわめて良好だし、夕方まで持つはずだ。先に旭岳に登り、間宮岳を経由して中岳分岐から裾合平に下りる周回コースを選択する。まず目指すのは旭岳山頂である。


    眼下に雲海が広がった。


    見下ろす姿見の池


    トムラウシから十勝岳の稜線。いつかは歩いてみたいコース。


    十勝岳連邦。紅葉はいまひとつのようだ。


    旭岳を見上げる。薄雪を被った右側が山頂。姿見の池あたりから見える尖ったピークは左側の山。


    噴煙のあがる谷を見下ろす


    同上


    見上げる旭岳山頂。


    黄色い苔の生えた岩


    トムラウシ山から十勝岳の稜線と眼下に広がる美しい谷


    トムラウシ山を遠望。紅葉しているがいまいちに見える。


    ここを登れば旭岳山頂。


    山頂到着。

 さほど急な傾斜も無くちょっと心配していた雪もほんのわずかでアイゼン装着無しで全く問題無かった。三脚をずっと担ぎっぱなしで写真を撮りまくって登って来たため、到着は10時になった。


    これから向かう間宮岳から中岳方面。


    向こうの黒いゴツゴツした山は白雲岳。

 前日までの曇り空が嘘のように晴れ渡ったこの日は山を楽しむにはこれ以上無いというほどの絶好の天候となってくれた。急いで歩くのはもったいない。旭岳山頂まで4時間かけてゆっくり登って来たこともあるのだが、さほど厳しいルートも無くほとんど疲れも無し。賑わっている山頂は苦手なので記念撮影して休憩せずに間宮岳側のルートに進む(続く)。
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夕映えの那須岳茶臼岳 姥ヶ平  平成28年10月14日

2016年10月16日 | 日本百名山
 この週も学会なるもので宇都宮に出張となった。単位取得のための講習が午前に入っており、さらにもうひとつ特別講演を拝聴して出発したのはお昼近くになってしまった。那須岳ならばロープウェイを使えばとりあえず茶臼岳山頂までは行ける。さらにこの日は十三夜の明るい月があるので、夜中に下山するのを覚悟ならば三本槍まで行けるのではないかと考えたのだが甘かった。ロープウェイ駅の遥か手前でロープウェイ待ちの交通渋滞に入ってしまう。何時にロープウェイに乗れるか全く予想がつかず、あきらめて沼原側に回り込んでみることにした。悪路と思いきや、一部が未舗装の他はきわめて良い道が沼原の駐車場まで続いていた。時間は午後1時半を過ぎており、頑張れば茶臼岳の山頂までならなんとか日没前に着けるかどうかというところだ。とりあえず行けるところまでということで出発する。


    登山道入り口のところに咲いていたハハコグサ。アキノハハコグサかと思ったが毛が少なく上部であまり枝分かれしていない。これは遅咲きのハハコグサ。


    良い道が伸びている。


    姥ヶ平を目指していたはずだが、この看板は南月山方面の道標。ここで地図とGPSを確認、どうやら違う道を来てしまったようだ。

 姥ヶ平を回って牛首に行くはずだったのだが、どうやら道を間違えたらしい。昭文社の地図ではJAふれあいの森というところから姥ヶ平方面に行く道は書かれていないが、GPSを見ると道があるらしい。ということで、この看板の裏側にある細い道をたどって草地と湿原が広がるJAふれあいの森に行ってみた。


    JAふれあいの森の草原。レンゲツツジがたくさん生えている気持ちの良い草地で、向こうには大倉山の山塊と振り返れば南月山が見える。


    水路の脇は湿原になっていた。春にはいろいろな花が咲きそうだが、鹿の糞がたくさん散乱している。

 気持ちの良い草原を進んで行くとやがて樹林帯に突入し、そこで道は消失した。GPS片手にルートを探すがそれらしきものは無く、さらに背丈以上もある笹薮に突入してしまった。枯れた沢に出くわしたのでそこを下りるが両側から笹がかぶさっている藪には変わりない。GPSで位置を確認しながら、笹の大藪をかき分け踏み付けながら最短ルートを50mほど突き進んで正規の登山道に抜け出た。服は笹の葉っぱだらけ、かなりの体力を消耗してしまった。歩いている人が居たならば、熊か何かが出てきたかとびっくりされたことだろう。まさか山梨県外の山で、しかも那須岳で藪漕ぎするとは思ってもいなかった。


    右手の笹薮を突き抜けてルートに出た。


    紅葉には早いようだが、ダケカンバは色付かずに散ってしまっている。


    三斗小屋温泉分岐の手前で那須岳の茶臼岳が見えてきた。


    ひょうたん池の分岐に到着。


    那須岳の眺望が素晴らしい。

 苦節約2時間、3時40分に姥ヶ平のひょうたん池分岐に到着した。那須岳の茶臼岳が大迫力で迫り、牛ヶ首の脇からシューシューと音を立てて噴煙が上がっているのが見える。頑張れば日没までにギリギリで茶臼岳の山頂までは行けそうだが・・・しかし、そこまで行ってしまうと一番良い日没の時間にこの素晴らしい景色が見られなくなってしまう。西の空に雲は無くこの秋晴れの空、あと1時間も待てばきっと夕焼けに染まる紅葉の斜面が見られるはず。山頂をあきらめてひょうたん池から姥ヶ平の界隈で日没を待つことにした。


    ひょうたん池から見上げる紅葉の那須岳


    ひょうたん池と紅葉の那須岳。風も無くこのうえなく素晴らしい景色、抜群の撮影条件が整った。


    茶臼岳と紅葉を映すひょうたん池


    秋晴れの抜群の風景。花見屋から写真家に戻ったような気分。


    三本槍岳方面


    ベンチがある姥ヶ平の広場


    日没が迫る茶臼岳。少し染まってきた。


    シューシューと音を立てて噴煙を上げる茶臼岳

 時間は午後4時50分を過ぎた。もうすぐ日没を迎える頃、赤い夕陽が那須岳を照らし、那須岳の岩の斜面や紅葉の木々が真っ赤に染まった。このうえない素晴らしい景色を目にすることが出来た。写真ではその美しさは表現できないように思う。


    日没間近、那須岳が真っ赤に染まった。


    夕映えの茶臼岳


    木々も赤く染まった。


    男鹿山塊に沈んで行く真っ赤な夕陽

 わずか10分ほどでこの夕焼けのショータイムは終わってしまい、日が暮れた。この時間にここに居たのは私だけだったのだが、日没後に三脚を担いだ若者がひょうたん池のほとりにやって来た。茶臼岳を越えてここまで来たそうで、撮影が終わったらまた山を越えて戻るという。凄い人がいるもんだと思ったが、同じ場所に居る私も似た者通しなのだろう。この日は十三夜の月が日没後に茶臼岳あたりに昇って来るはずだ。カシミール3Dで位置と時間を見て来なかったのだが、おそらくこのひょうたん池あたりで山頂付近に出てくるだろうと思う。冷え込んできた夕暮れ過ぎにダウンジャケットを着込んで二人で写真談義をしながら月の出を待つ。午後5時半過ぎ、牛ヶ首から立ち昇る噴煙が白く輝き出した。そして遂に月が姿を現した。


    日没過ぎの茶臼岳とひょうたん池


    牛ヶ首から立ち昇る噴煙が輝き、月が昇り始める。


    茶臼岳に現われた月。予想よりも右側から現れた。


    月と茶臼岳を映すひょうたん池。狙っていたのはこのダブルムーン。


    立ち昇る噴煙に茶臼岳の影が投影されている。

 午後6時まで粘ったところで私はこの日の撮影を止めて撤収したが、若者はまだ粘るそうでお先に失礼させてもらった。深夜まで頑張れば、今度は茶臼岳の上にオリオン座と冬の大三角形が昇って来るはずだ。その頃には月が高く昇って茶臼岳を照らし、幻想的な写真を撮ることが出来るはずだが、今日はそこまで根性が無い。月光に照らされた夜道を木の根っこにつまづいて転ばないように気を付けながらテクテクと沼原駐車場に戻った。


    三斗小屋温泉分岐の上から振り返って見る月光の茶臼山

 山頂には立てなかったが、それ以上に素晴らしい景色を眺め、写真に収めることができたと思う。花のシーズンが終わり、これからは星空を含めて写真撮影のシーズンになると思う。
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秋の四阿山へ  平成28年10月11日

2016年10月16日 | 日本百名山
 学会と10月連休を利用して北アルプスの山に星撮りに出掛ける予定を立てていたのだが、残念ながら連休の天候は思わしくなく星が出てくれそうもない。そこで予定変更して山梨に戻る途中で四阿山に立ち寄ってみることにした。10月9日、一旦は菅平牧場の駐車場まで行ったのだが、山の上は真っ黒な雲におおわれていて今にも降り出しそうな雰囲気だ。しかも時間はもう11時になる。突然の予定変更で地図も持って来ていないので、コース状況を聞くために群馬のお嬢様のところに電話すると、本日は東北遠征から帰宅して自宅休憩中との事。四阿山は根子岳周回して6時間ほどの行程らしい。順調に歩いて下山は午後5時か6時ごろになるが、この空模様では途中でどうなるかわからない。この日はあきらめて、群馬のお嬢様のところに立ち寄らせていただき、ガスト山に行くことに変更し、ご馳走してもらったうえにおみやげまでいただいて山梨に戻る事となった。

 翌日の10日も天候いまいちで1日中自宅で寝て過ごし、天候回復した11日、再び四阿山を訪れた。前日寝すぎた事もあって早朝4時に目が覚め、菅平牧場駐車場には6時半に到着した。7時に出発、牧場の草原に朝日が差し込んで気持ちが良い。


    朝7時、人気の山だけあって既に駐車場は8割埋まっている。


    朝日が昇る。


    草原に朝日が差し込み気持ち良い。


    ノコンギクがいっぱい。


    ここから入山し、まずは四阿山山頂を目指す。


    沢を渡る。


    これはクルマバソウか? 沢沿いに群生。


    イワカガミがいっぱい。この先も葉っぱだけたくさんあった。


    笹の中の道を登る。


    笹に埋もれて種になったヤナギラン。

 美しいシラカバの森を抜けると視野が開けて浅間山から湯の丸の山塊が見えるようになってきた。しかし残念ながらこの日は雲がかかってしまい、山容は見えなかった。登って行くと、ガンコウランやコケモモが生える岩の間から突然オコジョが姿を現した。カメラを構えようとした途端に岩の中に隠れてしまい撮影はならなかった。この時に私の前を歩いていた男性もこのオコジョを目撃し、その後はずっとこの方と一緒に四阿山、根子岳と行動を共にすることとなった。地元の方でこの山域にはたいへん詳しく、すっかりガイドをしていただく形となった。


    浅間山の山塊が見え出したが雲がかかってしまった。


    向こうがこれから登る四阿山(右の奥)と根子岳(左)。まだ結構遠い。


    マツムシソウ


    これはショウジョウバカマか?あるいはネバリノギランか?


    紅葉したイワカガミ。


    ガンコウランの実


    ミツバオウレン


    ほとんど咲き終えてしまっているが、この山はマツムシソウがいっぱい。


    紅葉していればきっと素晴らしい景色だっただろうが、シラカバは色付かずに散ってしまっている。


    山頂付近は木道の階段になっていた。ガスっているうえに風が強い。


    四阿山山頂。人がいっぱいで食事は少し戻った広場でとる。

 途中から案内をしてくださった地元の方はCanon Eos80Dを購入されたばかりだそうで、見せてもらうと操作性はほとんど私の持っているEos7Dと変わらない。絞りの話や星撮りの話をしていると時間の経つのも忘れてすっかり話し込んでしまった。四阿山に登るならば滝のある裏側の米子瀑布側から登ってみたいと思っていたのだが、この方はそちら側のルートにもとても詳しく、神社があってかつては硫黄の採掘を行っていたこと、診療所があったことなど教えていただいた。そちらのルートは1日で歩くには距離が長いので、もし歩くならば根子岳の避難小屋を利用させてもらうことになるだろう。沢沿いを登るルートなので、こちら側とはまた違う植生が楽しめるのではないかと思う。

 昼食をとった後に根子岳に向かうが、ここからは樹林帯の中の急下りになっていた。そしてまた登り返し、急登では無いが結構辛い。


    四阿山から見る根子岳。右手に浮かんでいるのは妙高・火打ヶ岳だと思う。


    一瞬だけ雲海に浮かんだ北アルプスの山並を見ることが出来た。


    コルから振り返って見る四阿山(左側が山頂)。


    根子岳への登り。結構辛い。


    面白い堆積岩から出来ている根子岳山頂付近の岩。


    層状になった大岩が露出している。


    岩に着いているのは枯れてしまっているが、おそらくダイモンジソウ。


    崩落地を見下ろす。


    米子瀑布の谷に雲海が広がった。遠く見える三角錐は志賀高原の笠岳。


    根子岳山頂

 根子岳山頂で休憩し、米子瀑布側のルートを確認する。霧で霞んで眺望は得られなかったが、天気が良ければ北アルプスの山並がずらりと見えるはずだ。きっと星の撮影にも抜群の場所なのだろう。


    ガンコウランがいっぱい。あっちに北アルプスが見えるはずなのだが・・・。


    ここにもヤナギランがいっぱい。


    上では枯れていたが、牧場付近ではまだ咲いていたリンドウ。


    タチフウロ?アサマフウロ?

 8時間かけてゆったりペースで四阿山・根子岳を周回した。案内していただいた地元の男性(名前を伺うのを忘れてしまいました)のおかげであまり疲れることも無く会話を楽しみながら存分にこの山を楽しむことが出来た。

 この山の界隈はニホンカモシカが生息しているそうで、そのためニホンジカが少なく食害にはあまり遭っていないように見受けられる。ニホンジカの好物のヤナギランやマツムシソウが多く見られるのはそのためであろうが、気になるのは笹がだいぶはびこってしまってきていることだ。地球温暖化とともにこれから増殖してくる植物は笹ではないかと予想している。根をはびこらせて増殖する笹は刈ってもすぐに生えてくるので今後は鹿以上に手強くなってくるのではないかと考えられる。



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今年の紅葉はいまひとつ 草津白根山  平成28年10月7日

2016年10月12日 | 日本百名山
 長野市で学会なるものが開催されて参加してきたが、折角の好天なのに学会会場に1日中居るのはとてもではないが耐えられない。午前中の講演を聴講してから短時間で登れそうな草津白根山を訪れてみた。この山は現在有毒ガス発生の危険があるため、芳ヶ平方面の入山は規制されており、ロープウェイ山頂付近にある弓池やその界隈の駐車場も駐車禁止となっている。さらに志賀高原から白根山を越えて草津に抜ける草津白根道路も交通規制があり、夕方5時以降は通行できなくなっている。従って簡単に登るには白根火山ロープウェイを使うのがいちばん手っ取り早く、1周するだけならば3時間もあれば十分である。しかし、それではちょっと物足りないので下りはロープウェイを使わずに富貴原ノ池を回って山麓駅に戻るコースをとることにした。


    白根火山ロープウェイさんろく駅。一気にこれで標高2,020mまで昇る。


    右手に見える芳ヶ原方面は入山禁止。


    現在地からコマクサ畑、中央火口を経て左回りに展望所、鏡池に至るルートを歩く。


    向こうに見えるスキー場の裏側に回り込むように進む。


    スキー場のリフト。ここを右に進む。


    あちらに見えるのは横手山方面。


    整備の行き届いた登山道の脇にはいろいろな高山植物が咲く。赤い実をつけたゴゼンタチバナ。


    紅葉し始めた葉もある。


    群生しているこの葉は?


    どうやらシラタマノキ。


    おそらくイワカガミの葉。このルートはあちらこちらに群生している。


    ひと登りすると中央火口に到着。向こうに見える岩の上が展望所。


    コマクサはこの斜面に咲くらしい。


    ツツジの紅葉と中央火口


    ミネズオウ、コケモモ、ガンコウランが一緒に生えている。


    展望所付近は整備された階段になっている。


    展望所到着。山頂ではないが、どうやらここで日本百名山を登ったことにしているらしい。


    展望所の方位版。正面に見える三角錐は鼻曲山と浅間隠山、右手の山塊は湯の丸・烏帽子岳らしい。山梨県外に出ると全く山の同定が出来ず。

 ロープウェイ山頂駅から1時間とかからずに展望所に到着したが、出発時間が遅かっただけに早目の下山しないと午後5時の通行規制時間に間に合わなくなるかもしれず、ここは休憩せずに鏡池まで進むことにする。少し進むと右下に透明度の高い鏡池が見えてきた。池のほとりで一休みする。


    鏡池が見えたきた。


    鏡池のほとり。池に映る紅葉を期待していたが、今年はあまり染まらずに散ってしまったようだ。


    透明度が高く、対岸の景色を綺麗に映す鏡池。PLフィルター使用。

 鏡池で存分に写真を撮りながら20分ほど休憩して出発する。コイワカガミの大群落を横目で見ながら道を進むと、ロープウェイ山頂駅と富貴原ノ池の分岐に出た。荒れた道かと思いきや、富貴原ノ池に至るルートは笹が刈り払われたばかりの綺麗な道になっていた。


    分岐点。ここを富貴原ノ池経由殺生方面に進む。


    富貴原ノ池が見えてきた。こちら側も紅葉はいまいちで、シラカバが色付かずに散ってしまっている。


    富貴原ノ池


    富貴原ノ池、別角度から。

 富貴原ノ池に3時に到着した。このルートは全く人がおらず、至って静かなルートだった。4時半までには楽勝で山麓駅に到着できそうなので、ここで30分ほど大休憩する。富貴原ノ池は水草が生えたとても良い雰囲気の池だが、池のほとりまで近付けないのが残念である。


    笹原とシラカバの林。下に見えるのは草津温泉。


    殺生河原が見えてきた。


    硫黄の臭いがする。この場所は立ち止まり禁止になっている。


    これにて1周。

 4時20分に山麓駅に到着した。ロープウェイ駅の情報では1週4時間の行程と聞いていたが、2つの池で三脚を出して撮影に時間を費やしたので、約4時間半の行程となった。紅葉していればおそらくあと30分は余計に時間がかかたであろうが、今年は夏の暑い時期が長かったうえに台風がいくつかやって来たために紅葉はいまひとつのようだ。あまり登った気はしないのだが、日本百名山をひとつゲットした。

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アマギシャクナゲとブナの森を訪ねて 天城山皮子平と万三郎・万二郎岳  平成27年5月24日

2015年05月25日 | 日本百名山
 今年のシャクナゲは花付きが悪いと聞いているが、まだ訪れたことが無い天城山はずっとシャクナゲの季節に訪れたいと思っていた。万二郎・万三郎岳のみを周回するのならばそれほど時間もかからないであろうが、以前から注目していたのは天城縦走路の途中にある皮子平(かわこだいら)というブナの森だ。ここには天城山系で最大級のブナの巨木があるらしい。行くならばこの場所も訪れてみたいのだが、天城高原ゴルフ場から皮子平を往復すると距離的にも時間的にも天城山脈縦走よりも厳しいコースとなってしまう。朝早立ちするには近場に前夜泊する必要があり、前日沼津に宿をとって行くことにする。

 早朝4時に起きて天城高原ゴルフ場駐車場に向かう。5時半に到着すると車が5台ほど止まっており、テント泊が2組いた。既に出発している人たちもいるようだ。天候はあいにくの小雨混じり、カッパを着て5時50分出発する。


    天城高原ゴルフ場の登山口。


    小雨混じりの天候、森の中は暗い。ヤマツツジが彩る。


    四辻。だが分かれているのは3方向。シャクナゲコース(涸沢分岐方向)に入る。

 四辻で右の谷に進み、シャクナゲコースに入る。人があまりいないうちにシャクナゲの写真を撮ろうという目的なのだが、小雨混じりのこの空模様では訪れる人は少なそうだ。途中の大きなヒメシャラが林立する森は見事だったが、枯沢分岐付近にあるアマギシャクナゲは花付きがきわめて悪いうえに既に時期を過ぎていた。


    ヒメシャラの林立する森


    大きなヒメシャラの木。


    涸沢分岐点。


    涸沢分岐付近のアマギシャクナゲはほとんど花が付いていない。


    しかもアマギシャクナゲはもう終わっている。


    咲き残っていたアマギシャクナゲ


    アマギシャクナゲ。


    涸沢分岐から上部の森はブナが主体となる。


    ブナ林の中を進む。


    ミツバツツジは見頃を少し過ぎた頃。


    万三郎岳下の分岐点。天城縦走路に進む。

 9時半に万三郎岳下の分岐点に到着した。空は相変わらずどんよりしているが、この頃には雨が上がっていた。そのまま天城縦走路に入り、皮子平を目指す。隣の小岳を越えるとその先は急下りとなる。ここをまた登り返すのかと思うと少しばかり気が重くなる。標高差で約300m下り、スタート地点の天城高原ゴルフ場とあまり変わらない標高1,100m地点まで下りて皮子平に入る。


    天城縦走路小岳付近。ブナの香りがただよう森を進む。


    天城縦走コース、小岳から見る万三郎岳。


    万三郎岳山頂付近を彩るミツバツツジ。 


    下に海と島(?)が見える。小岳付近から。


    ヘビブナに立ち寄る。


    ヘビブナ。さながら森の妖怪。

 皮子平には人がいないだろうと思ったのだが、以外にも途中の道で10人近い人たちとすれ違った。東皮子平には天城山最大級のブナの大木があり、これに会ってみたかった。午前11時半東皮子平到着。既に訪問者は帰った後で、私一人で独占状態となる。写真を撮りながら昼食をとる。ここから西皮子平までは15分ほど、往復で30分のはずなので、ちょっと立ち寄るつもりだったのだが、皮子平のブナ林を少し歩いてすぐに足が止まってしまう。大きなブナが立ち並ぶ森の中にまだ幼いヒメシャラの木がたくさん生育している。今までに出会ったことが無い不思議な森の景色が広がっていた。しばらく味わっていなかった自分が森の中に取り込まれて森と一体化したような感覚、神様の懐に入り込んだような感覚を味わうことができた。


    東皮子平の天城山最大級のブナ大木。


    太い根元の部分。木の保護のために周辺にロープが張られている。


    皮子平の森。


    ブナの森の中にヒメシャラの木がたくさん生えている今までに出会ったことが無い不思議な森。


    双子のブナの木。


    苔の生したブナの大木。


    国で保護している皮子平の森。


    おそらく天然のヒノキ林。


    西皮子平。どうやらワサビ田があったらしい。


    ひょっとして出会えるかも知れない着生植物。しかし見つかったのはノキシノブなどのシダばかり。

 結局1時間以上もこの森を存分に楽しませてもらい、午後1時に皮子平を出発することとなる。もう誰もいないだろうと思ったら、これから八丁池に縦走する人に5~6人すれ違った。小岳に登り返し、万三郎岳に戻る。


    万三郎岳山頂付近のミツバツツジ。


    このあたりが小岳から見たミツバツツジ群生地だろうが、展望できる場所が無い。


    万三郎岳山頂。


    山頂下のアマギシャクナゲ。ショボい。


    万二郎岳の途中に咲き残っていたアマギシャクナゲ。 


    花付きはかなり悪い。


    アマギシャクナゲ。


    万二郎岳手前のピークへの登りにはハシゴが数本ある急登。


    向こうに見えるのが万二郎岳。また下って登り返し。


    歩いて来た万三郎岳と縦走路を振り返る。


    万二郎岳山頂。


    山頂にはアセビの大木がある。


    万二郎岳直下のガレ地から見る景色。下に見えるのは菷木山、向こうに見えるのは大島。

 万三郎岳は午後2時半に通過したが、万二郎岳に向かう途中でこれから登って行く10人ほどの団体さんとすれ違った。万三郎岳と万二郎岳の間にはまだアマギシャクナゲが咲き残っていたが、花付きはかなり悪かった。万二郎岳とその手前のピークへの登り返しは標高差こそあまり無いものの、結構な急登で辛かった。万二郎岳午後4時20分、駐車場には午後5時半に到着。


    四辻付近はヤマツツジが見頃を迎えていた。午後5時になるともう森の中は薄暗い。


 アマギシャクナゲは予想していたよりもさらに少なくて残念だったが、今回の一番の目的はブナの森だった。ヘビブナや巨木も良かったが最も感動したのは皮子平のヒメシャラの若木が林立するブナ森だった。いずれはヒメシャラが成長して今とは違う様相を呈するようになるのだろうが、その途中の過程にある珍しい森なのだろう。これだけのブナの森を抱えている天城山系ならば、今回出会えなかったあの着生植物がきっとどこかで生き残っていることだろう。



    今回歩いたコース。 累積標高差1,011m、沿面距離13.4km。 
 
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固有種咲く早池峰山(後編)  平成26年6月27日

2014年07月07日 | 日本百名山
 12時少し過ぎた頃に早池峰山山頂に到着すると、10人ほどの登山者が食事休憩中だった。途中でかなりの人に追い抜かれたので、多くの人たちは既に下山して行ったと思われる。裏側(北側)に行くと、そこには大岩のゴロゴロした間にお花畑が広がっていた。そちら側は休憩している人は一人だけ、登りながら途中で花談義して一緒だった人だった。盛岡在住の方で、この地域の山や花情報に詳しく、岩手山のコマクサが素晴らしいこと、秋田駒ケ岳の黄色いスミレがたくさん咲くことなど、いろいろ情報をいただいた。


    早池峰山山頂と避難小屋(中央の赤い屋根の建物)。



    山頂裏側。露出した岩の間にお花畑が広がる。


    山頂のお花畑①


    山頂のお花畑②

 1時近くまでゆっくり休憩して小田越への尾根道を下ることにする。時折青空が見えるが、ほとんどが雲の巻く曇り空だが、おかげであまり暑く無く過ごし易い。まずは木道の整備された稜線を下降点まで進む。


    木道の整備された尾根道。雪が残る。


    木道脇のコバイケイソウの葉とショウジョウバカマ


    お花畑

 下りの尾根道は沢沿いの道に比べると傾斜は緩いが、岩がゴロゴロ、しかも蛇紋岩でできた滑り易い岩なのでスリップに要注意だ。有名な長い2段ハシゴ場があるが、さほど難しい場所では無い。こちらは広大なハイマツの斜面が広がり、登山道脇にはミヤマシオガマやハヤチネウスユキソウ、ミヤマオダマキなどの入り混じって咲くお花畑が広がっている。そして、振り返れば蛇紋岩の圧倒的な岩肌。早く下山しようなどという気にはとうていなれない。


    見下ろす小田越尾根道。下に小さく白く見えるのが小田越小屋。


    蛇紋岩の岩壁。凄い迫力。


    有名な2段ハシゴ場


    山頂方向を見上げる。


    広大なハイマツの斜面が広がる。


    ハヤチネウスユキソウ。こちら側にもたくさんある。


    岩の間にミヤマオダマキの群落


    ミヤマオダマキ大株


    岩の間のお花畑


    見下ろす蛇紋岩の岩山


    振り返って見る蛇紋岩の岩山


    樹林帯に入る直前で見たマルバシモツケ。昨年の北海道遠征以来に出会う花。


    樹林帯の中でツバメオモト


    大きな葉のマイヅルソウ群落


    小田越小屋到着。

 午後2時45分ごろ小田越小屋に到着する。小屋の前に山岳パトロール隊の連絡係の方がトランシーバを持ってパトロール隊と連絡をとっていた。こちらの山も盗掘と鹿対策のために気が抜けないようで、その後続々とパトロール隊員たちが下山してきた。10人ほどいたのではないだろうか。私も山梨県のレインジャー隊として少しだけ同じような業務に携わっているだけに、苦労がわかる。

 休憩してアスファルトの林道を歩いて河原の坊駐車場に戻る。山頂でお会いしたパトロール隊の方に、林道脇にも花が咲いていると聞いていたので、花を楽しみながら、写真を撮りながら楽しみつつ歩く。


    道のかたわらにハクサンチドリが普通に生えている。


    こちらはノビネチドリ。


    ズダヤクシュ


    ハクサンチドリ群生


    ベニバナイチヤクソウ


    一瞬目を疑った。こんなのが道の傍らに・・・ 


    コ*ケ*イ*ラ*ン


    午後4時、河原の坊駐車場に到着。

 固有種満載の早池峰山を存分に楽しんだ1日だった。他にも稀少な固有種が多々あるらしいが、一度歩いただけでそう簡単にお目に出来るものではなさそうだ。いつかは今回出会えなかったヒメコザクラ、そしてこれからたくさん咲くであろうナンブトウウチソウにも出会ってみたい。しかし、遠いこの山、きっと定年後でなければ来る機会は無いだろう。
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固有種咲く早池峰山(前編)  平成26年6月27日

2014年07月07日 | 日本百名山
 至仏山や谷川岳と同様に蛇紋岩というアルカリ性の高い特殊な岩が露出している早池峰山は、この山固有の花が咲くことで知られている。特にハヤチネウスユキソウは有名で、この花を見るために多くの登山者が訪れる。そろそろ咲いている頃だろうが、今回私が見たいのはそちらではなくて、ヒメコザクラというサクラソウの仲間の白い花だ。若干時期が遅いかもしれないが、運が良ければ出会えるかもしれない。

 早朝4時起きで出発のはずだったが、前夜の夜遊びがたたって起きたのは5時。車を飛ばして7時に早池峰山駐車場に到着した。平日はマイカーで登山口まで行けるが、土日・祝日はマイカー規制でバス利用でなければ入山できなくなる。既に10台近い車が止まっている。今回は沢ルートを登って尾根ルートを下る一般的な周回コースを歩く。登り3時間半ほどのコースだが、花を探しながら5時間で登る予定だ。


    沢ルートを登る。


    さっそくノビネチドリを発見。


    タチカメバソウがルート沿いに沢山咲く。


    標高の低い場所からミヤマオダマキが出現。


    沢から見上げる早池峰山。岩ゴツゴツの山。


    沢が枯れたあたりから早くもハヤチネウスユキソウ出現。


    花はまだだが、この葉っぱはおそらく固有種ナンブトウウチソウの葉。


    蛇紋岩でできた早池峰山岩峰が迫る。急騰の枯れた沢を登る。

 沢の中にも蛇紋岩が散らばってはいるが、枯れた沢を上部まで登って尾根に取り付いたあたりからいよいよ固有種を含めた花が咲き出す。初めて見る花が多いだけに、なんとなく名前はわかるが確信が持てない。下山後に図鑑を見て確認ということになる。沢沿いを歩いている時に山岳パトロールの方と運良くお会いし、ヒメコザクラのことを尋ねたところ、かなり詳細に場所を教えてくれたが、おそらく終わっているだろうとの事だった。


    ミヤマシオガマ。向こうに白い花はチングルマ、手前の黄色いスミレはキバナノコマノツメ。


    ハヤチネウスユキソウがあちらこちらに咲いてはいるが、至仏山のホソバヒナウスユキソウのように一面咲いているというわけではない。


    蛇紋岩とお花畑。


    固有種ナンブイヌナズナ。


    ナンブトラノオ


    ホソバツメクサ(?)


    ヨツバシオガマ


    ハヤチネウスユキソウ


    ミヤマハンショウヅル


    ミヤマアズマギク。至仏山のジョウシュウアズマギクに似て、やや華奢な気がする。


    ミヤマキンバイ


    アオノツガザクラ


    山頂付近のナンブイヌナズナ群落

 登山道を真直ぐ登らずに右の岩場左の斜面と探しながらジグザグに登り、再三ヒメコザクラを探したがとうとう見つからなかった。ほぼ予定通りの4時間40分かけて山頂に到着した。


    早池峰山山頂

山頂裏側の人が少ないところでお花畑を眺めながら食事していると別のパトロール隊3人組がパトロールと水場調査のためにやって来た。その中の女性のパトロール員は花についてかなり詳しく、いろいろと教えていただいた。やはりヒメコザクラはもう終わっているとの事。そしてこの山でも盗掘事件があって、稀少な植物が失われてしまい、今年はパトロールを強化しているそうだ。さらに、全国どこの山も同じように、鹿の食害に悩まされているそうで、山の裾野や沢沿いはかなりの被害が出ているらしい。この山も、いずれは保護柵で覆わざるを得なくなってしまうのかもしれない。(後編に続く)

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花咲くトムラウシ山へ ヒサゴ沼2泊(3日目)  平成25年7月16日-18日

2013年07月27日 | 日本百名山
 前日ヒサゴ沼への雪渓で霧に巻かれ道に迷ったが、あれが無ければ南沼まで移動して夜明けとともにトムラウシ山山頂と考えていた。しかし、道に迷ってヒサゴ沼到着が予定より遅れたこと、そして空模様がいまひとつで夕立になりそうな天候だったので、ヒサゴ沼でもう1泊することとなった。おかげでゆっくり休んでぐっすり寝た。さて、3日目、トムラウシ山山頂を越えて下山だ。

 7月18日(3日目)

 トムラウシ山入山前の天気予報ではこの日は曇り、午後から雨の予報だった。しかし、前日に化雲岳で会った写真愛好家の青年がワンセグで見てくれた天気予報では晴れのち曇りの予報で、前線の北上が遅れるらしい。朝4時半に起きてテントの外に出てみると、山には雲が巻いているが頭の上には青空が広がっている。テント撤収、5時半に出発する。
 朝一は雪渓が凍っているかもしれないのでトラバースは要注意と前日助けていただいたガイドさんにアドバイスをいただいた。ちょうどそのガイドさんたちの一行が出発した後を追いかけるように歩く。しかし、ヒサゴ沼脇の雪渓トラバースでは注意された通りに硬い雪渓のところでスリップし、すぐに停止したから良かったものの、一歩間違えばヒサゴ沼にドボンというところだった。その先の雪渓登りでは植田さんに軽アイゼンを装着してもらってステップを刻んでもらい、アイゼンを持ってきていない私はそのステップをさらにキックステップで登った。


    3日目の朝。青空が見えるが山には雲が巻き、昨日ほどの好天ではない。


    雪渓登り


    さらばヒサゴ沼。次はいつ会えるか・・・

 ヒサゴ沼分岐から一旦急登りとなり、登り着くと平らになってハイマツと岩の点在する美しい景色が広がり、その向こうにトムラウシ山が開ける。朝広がっていた霧が晴れて山上は青空が広がり、前日と同様に快適な山歩きとなった。急いで歩くにはもったいない。景色を存分に楽しみながら、あちらこちらで三脚を立てて撮影しながら歩く。

    岩とハイマツの庭園


    ミヤマリンドウ。2日前は蕾だったが、帰りは満開。


    日本庭園の木道


    日本庭園。しばしこの場所で足を止める。


    日本庭園とトムラウシ山

 木道の道が終わると今度は岩ゴロゴロのモレーン帯の登りとなる。これを頑張って登ると平らになってその先に北沼があり、北沼から立ち上がるようにトムラウシ山が聳えている。ここまで来るともうトムラウシ山はすぐそこという感じだ。

    モレーン帯を行く


    北沼とトムラウシ山


    迫るトムラウシ山


    青空を映す北沼


    トムラウシ山山頂

 10時25分、トムラウシ山山頂に到着。昨日はこの時間にもう山上に雲が巻いてしまっていたのだが、今日はまだ山が待っていてくれたようで、山頂に立つと360度の雲海の景色が出迎えてくれた。こんな素晴らしい景色に出会えるとは、もうすぐ北海道遠征も終わるというところに来て、最高の恵みだ。

    記念撮影


    山頂の岩と雲海


    トムラウシ山のお鉢。お鉢めぐりができそうな道がついている。


    南沼と雲海に浮かぶ十勝連邦


    雲海広がる十勝縦走路
 
 山頂で30分ほど景色を楽しみ、南沼に下りる。続々と短縮ルートからの日帰り登山者とすれ違うが、途中は霧と雨だったと言っていた。南沼で水を補給し、昼食をとる。1時間ほど昼食休憩して、この美しい景色に別れを告げて下山する。

    南沼テント場から見上げるトムラウシ山


    南沼のお花畑


    エゾノツガザクラ


    前トム平。雲が湧く。


    前トム平のチシマギキョウ群生

 前トム平から先は急下り、さらにコマドリ沢の雪渓下りが待っている。登りは結構苦労したコマドリ沢だったが、下りは足をスリップさせながら快適に下る。しかし、沢から稜線への登り返しは疲れが出てきて結構苦労した。登ってしまえばルートは長いがさほど急な下りも無い。黙々と歩き、カムイ天上を過ぎてからペースを落とし、登りで見つけた小さな白い花を探す。10株ほど見つけたが、残念ながらまだ開花しておらず、蕾のままだった。5cmほどの背丈しか無い小さな花なので、ここで初めて新兵器エクステンダーを装着して接写を試みる。この頃には空は雲でおおわれて森の中は暗く、ちょっとした風で花が揺れ、なかなか撮影させてくれない。しかも周りには藪蚊がブンブン寄って来る。なんとか撮影し、短縮ルート駐車場には予定通りの午後4時半に到着した。

    前トム平からコマドリ沢雪渓へ


    コマドリ沢雪渓激下り


    埋もれる標柱


    開花していなかったが、これはアリドオシラン。周りの白いものは、小さなキノコ。


 素晴らしい天候と景色と花に恵まれたトムラウシ山2泊3日だった。今回の遠征で最も恵まれた3日間となった。これで星空に恵まれれば言うこと無しだったのだが、夜中に星を撮ってまた昼間に歩くなどという芸当は今の私には到底無理だろう。今回の山行で山を映す角度はおおよそわかったので、次に行く時は(とはいっても何年先になるかわからないが)星空を中心に挑戦したいと思う。

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花咲くトムラウシ山へ ヒサゴ沼2泊(2日目)  平成25年7月16日‐18日

2013年07月25日 | 日本百名山
 前日トムラウシ山短縮ルートから入山し、花と景色を楽しみながら12時間かけてヒサゴ沼に到着し、テントを張った。夕方雨が降ったものの1時間ほどで上がり、夜は空に星が輝いた。さて、この日はいかにして、どこまで歩くか?予定はほぼ未定、全ては天候にかかっている。

 7月17日(2日目)

 朝4時半に目を覚まし食事をとる。そして外に出てみると、雲ひとつない快晴の青空が広がる。さっそくカメラと三脚を取り出してヒサゴ沼と沼に映る山と雪渓を撮る。なんと美しい朝なのだろうか。今日は遠くまで歩くのを止めてお花畑周辺をぶらぶらして撮影に没頭することに決めた。歩かないので植田さんとは別行動にしてもらうことにした。

    朝のヒサゴ沼


    ヒサゴ沼南東側


    雪渓と山を映すヒサゴ沼

 一通りヒサゴ沼周辺の景色を撮り、5時40分、他のグループに一足遅れて出発する。まずは化雲岳に向けての雪渓登りだ。大きな雪渓が1時間ほど続くが、こちらは撮影モードで三脚を手に持ちながら、あちらこちらで撮影しながら登る。

    ヒサゴ沼雪渓と朝日


    彼方に浮かぶニペソツ山


    遥かに続く雪渓


    雪渓上部から望むトムラウシ山

 雪渓が終わると今度は両側にお花畑が広がる木道の道となる。一足遅く出発したのが良かったようで、あまり人に出会うこと無く存分に撮影が楽しめた。

    化雲岳に至る木道とお花畑


    木道脇に咲いたエゾノハクサンイチゲ


    エゾノハクサンイチゲのお花畑


    エゾコザクラ。後ろの白い花はキバナシャクナゲ。


    エゾノツガザクラとトムラウシ山


    自然に出来たチングルマの花壇


    チングルマとトムラウシ山


    化雲岳山頂付近のヨツバシオガマ


    化雲岳山頂

 7時半、化雲岳山頂に到着。この頃にはもう既にトムラウシ山には雲が巻き始めていた。陽が昇り気温が上がり、どうやら朝の天気はそう長い時間持ってくれそうに無い。山頂でブラブラしていると三脚を担いだ青年が登って来た。雲が湧きあがって来たので撮影を急いでいるようだったが声をかけると、地元の写真愛好家で私と似て夜中に星空を撮ったり景色や花、さらにヒグマやナキウサギ、野鳥なども撮影されているかなりハイレベルな方だった。持っているカメラもEos5D markⅢ、かつティルトレンズというほとんどマニアしか使わないレンズを使用していた。撮影場所や花情報、さらには明日の天気予報まで携帯電話のワンセグで調べてもらって教えていただき、すっかりお世話になってしまった。なんとなく私と同じような匂いがして楽しかった。化雲岳先にある広大なチングルマのお花畑を案内してもらい、そこで別れて私は先に進んだ。

    広大なチングルマのお花畑とトムラウシ山


    こちらは大雪山側。(旭岳はギリギリで写っていない)


    エゾノツガザクラのお花畑

 化雲岳の先を下って行くと下に沼地が見え出し、木道が通っていた。その湿原の周辺は凄いお花畑になっており、そこには今回の北海道遠征で是非見たかったホソバウルップソウの群落があった。もう時期が遅いと聞いていたのだが、場所によってはちょうど見頃のところもあって、この場所で完全に足が止まった。

    沼地周辺に広がるエゾノハクサンイチゲとホソバウルップソウのお花畑


    ホソバウルップソウとエゾノハクサンイチゲ


    ホソバウルップソウ群落。黄色い花はチシマノキンバイソウ。


    ホソバウルップソウ。八ヶ岳のウルップソウとは全く別物に見える。咲いている環境も八ヶ岳は乾燥した砂礫帯の中に咲くのに、こちらは湿原の周辺を好んで咲いている。


    クモマユキノシタの群落


    ヨツバシオガマともう終焉のホソバウルップソウ


    リシリリンドウ


    こちらはミヤマリンドウ。上との違いわかりますか?こちらは大きな花びら(裂片)の間にある小さな花びら(副片)が外に開くのに対して、上のリシリリンドウは開かずに花の中心部を塞ぐように付きます。


    またもや黄色いスミレ発見。この葉っぱはジンヨウキスミレ。後に出会ったプロガイドさんに聞いたところ、大雪山では普通に咲いているらしい。

 ここまでで既にあたりには霧が巻いてしまい写真撮影には不向きな状況となってしまった。植田さんはどこまで行ったやら??とりあえずはその先の五色岳まで行ってみることにする。五色岳周辺はハイマツにおおわれていて花は咲いていなかった。11時過ぎ、五色岳到着するが、当然の如く植田さんはいない。さて、どうしましょうか?ひとまずは山頂で休憩する。

    ハイマツの切れ目から見る五色岳


    五色岳山頂

 ガスが巻いて視界が悪く、五色ヶ原に行くのは止めてヒサゴ沼に戻ることにした。下山し始めようとした時に、何故か歩いて来た化雲岳側のルートから植田さんが現れた。どうしたことかと思ったら、ルートを間違って天人峡側ルートに入ってしまい、途中で会ったプロガイドさんと話をしていて間違えたことに気付いたらしい。ということで無事に合流し、ヒサゴ沼に戻ることになる。

    化雲岳に至る木道の道


    化雲岳山頂付近に咲いていたエゾルリソウ。先ほどのカメラマンに教えていただいた。


    エゾコザクラのお花畑

 化雲岳を過ぎてヒサゴ沼雪渓にさしかかったところで2人組の登山者が霧の中を雪渓から戻って来た。視界が利かず雪渓の上の足跡も不明瞭で戻って来たそうだ。私は朝登って来ているので行けるだろうと思い、2人を先導して歩くことにした。目印の岩を過ぎて足跡らしきものをたどって真直ぐに雪渓の斜面を下る。視界はほとんど10mほどしか利かず、途中で右に曲がるはずだったのでそれらしきところを右に曲がって進んだところ、その先の雪渓は籔で寸断されていた。どうやら間違えたようだ。少し戻ると、私たちの足跡をたどって後ろから3人組のパーティーが付いて来ていた。7人で地図とコンパスを広げてルートを探るが、まとまらず、ひとまずは引き返そうということになった。そして少し戻ったところで今度は5人組のパーティーが我らの足跡をたどって下りてきた。そのうちの一人は救世主、地元のプロガイドさんだった。我々の足跡をたどりながら、これは間違っているのではないかと思っていたようだ。ガイドさんたちのグループの後ろについて藪を左側にひとつ回り込むと、その先に露出した登山道の階段があった。その先の雪渓を下り、無事にヒサゴ沼避難小屋にたどり着くことができた。プロガイドさんの凄さを改めて知った。そしてルートの情報や花の情報もいただいた。

    霧が晴れた時にヒサゴ沼から見上げる雪渓。下りるはずだった一番下の雪渓のすぐ上にある雪渓に迷い込んだらしい。

 時間はまだ午後2時を少し回ったところだったが、この日はもう歩くことを止めてテントの中でおとなしく過ごした。霧が晴れた時に道に迷った雪渓を見上げてみると、下りるはずだった雪渓の上にもう1本大きな雪渓の帯があった。曲がるところの高度を間違えたようだ。自分の感などあてにならないものだと思った。


 さて、翌日はテント撤収して下山だ。あまり悪くはならないとの天気予報だが、山の天気はわからない。もし悪天候ならばトムラウシ山山頂は登らずに迂回して下山するつもりである。

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花咲くトムラウシ山へ ヒサゴ沼2泊(1日目) 北海道遠征5  平成25年7月16日-18日

2013年07月24日 | 日本百名山
 日帰りでの登頂が難しかったトムラウシ山も,短縮ルートが出来て以来山頂ピストンの日帰り登山が主流を占めるようになってきた.しかし,周辺にお花畑が広がるこの山,それらを見ないで帰って来るにはあまりにももったいない山である.今回はトムラウシ山界隈のお花畑と景色を存分に楽しむために,ヒサゴ沼テント2泊で楽しんでくることにした.縦走するか,ピストンするかかなり迷ったが,車の回収等の手間と時間を考えて,短縮ルートから往復することにした.前日の7月15日,夕張のホテルを遅めに出発し,十勝清水で昼食をとり,トムラウシ温泉のキャンプ場にテントを張って1泊した.そして朝6時,短縮ルート駐車場に移動し,出発する.

 7月16日(1日目)

 短縮ルートの駐車場は7~8割の駐車率で,ほとんどの人がもう出発した後だった.おそらくは日帰りの登山者が圧倒的に多いのだろう.15分ほど歩いてトムラウシ温泉からの道に合流する.そのあたりは笹が混じるツガの樹林帯で,登山道脇を探すとキソチドリらしき花が咲いていた.これがあるところには他にも変わったものがあるのでは?と探しながら歩くと,出会ったことのない小さな白い花を発見した.まだ蕾で咲いていない.

    トムラウシ山短縮ルートの駐車場


    キソチドリと思われる花


    この小さな白い花は?帰りに咲いていることを期待する.

 緩急のある登りを進むとカムイ天上というところに出るが,眺望は無い.その少し先に旧道との分岐があるが,旧道は閉鎖されている.その先は単調な笹原の道が続くが,途中から雲海の上に抜け,一面に広がる雲海の景色を見ることができた.

    カムイ天上.展望は無い.


    笹原から見下ろす雲海.右の山は十勝連峰か?

 1時間ほど笹原の道が続き,今度は沢に下りる急下りとなる.下ったところがコマドリ沢で,まだ雪渓が残っていた.踏み跡に従って進んで行くと雪渓の上に右に曲がる赤ペンキのサインが施してあり,ここからは雪渓の登りとなる.かなり長い雪渓が続き,雪渓が終わると今度は岩ゴロゴロのモレーンの道,さらにハイマツの急登と続き,登りついたところで前トム平という平坦地に到着する.ここに着いてようやくトムラウシ山の全容が見えるようになる.

    コマドリ沢雪渓に書かれたペンキサイン


    霧の立つコマドリ沢雪渓を登る.どこまで続く,この雪渓?


    今度は岩ゴロゴロの道,さらにハイマツの急登.


    前トム平直前のお花畑.イワブクロとチシマキンレイカ.


    チシマキンレイカ


    前トム平

 前トム平から見るトムラウシ山はもうすぐそこに見えるのだが,登山道はこの先一旦トムラウシ公園という湿地に一旦下がり,さらに左側(南側)に大きく巻いて南沼から登るように着いている.見た目よりも山頂はかなり遠い.まずは南沼を目指す.

    トムラウシ公園に下りる手前から見るトムラウシ山.雲が巻いている.


    トムラウシ公園.公園の中を綺麗な水が流れ,チングルマやエゾノコザクラ,エゾノツガザクラなどがたくさん咲く.


    トムラウシ公園から見るトムラウシ山.

 トムラウシ公園の雪渓を過ぎてその先の南沼までの斜面は,様々な花が一面に咲くお花畑になっていた.すっかり足が止まってしまう.

    ベニバナミネズオウとエゾノハクサンイチゲ.


    チングルマのお花畑


    コマクサ


    真っ赤な色のコマクサが一株.


    マルバシモツケ


    一面にイワヒゲの咲く斜面


    チングルマとエゾノツガザクラ


    チングルマのお花畑と南沼のテント場.


    南沼の分岐点とトムラウシ山.

 南沼のテント場に到着したのは午後2時になってしまう.トムラウシ山を越えてヒサゴ沼まで行くことも可能なのだが,ここからヒサゴ沼まではまだ6kmもある.そしておそらくはこの先も花がいっぱい,ということを考えると,山頂を後回しにして山裾を北沼に行くルートをとることにした.思った通り,この先の北沼に至る山裾ルートは美しい雪渓と花の咲く素晴らしい景色が待っていた.

    お花畑と雪渓.おそらく雪渓の下は小さな沼になっているのだろう.


    キバナシャクナゲの群落


    ミヤマオグルマ


    北沼

 北沼を過ぎると一旦岩ゴロゴロの急下りとなる。その先は木道の整備された道が現れ、ハイマツとお花畑の中に岩が混じる美しい場所や、日本庭園と呼ばれる自然に出来た庭園のようなところが続々と現れた。(天候いまひとつだったので、このあたりの画像は3日目の帰路でお楽しみください。)

    エゾオヤマノエンドウ


    ウスユキトウヒレン


    雪渓と池と岩と高山植物が織り成す日本庭園

 木道を過ぎてまた急下りとなって、ヒサゴ沼への分岐点に到着する。ヒサゴ沼へはモレーン帯を過ぎた後に雪渓の下りとなり、最後のところは急傾斜となっているため、真直ぐは下りずの大きくくの字を描いて池まで下りた。さらに雪渓の残る斜面をトラバースして横切り、午後6時ヒサゴ沼避難小屋とテント場に到着した。花や景色は存分に楽しめたがやや長い行程だった。

    ヒサゴ沼分岐点。


    先行する5人組のあとを追いかけるように歩く。この先が急下りとなり、そこで追い抜く。


    ヒサゴ沼避難小屋(左)とトイレ。トイレは旧型の貯留タンク式ポッチャントイレ。


 ヒサゴ避難小屋はツアーの団体客や数組のグループが宿泊しているらしくかなり混雑していた。空いていれば小屋泊りも考えたが、混んでいるので予定通りテントに泊まることにする。テント設営し、夕食を食べている頃にまたしても夕立となり、雷こそ鳴らないものの雨となった。テントの防水が不十分なことは先日のピパイロ岳で承知していたので、テント内の荷物はビニール袋に仕舞い込み、シュラフにはシュラフカバーをかけた。

 雨は1時間ほどで上がり、その夜は星が輝いた。眠る前に三脚とカメラをセットし、対岸の山の上を天の川が立ち上がる様子を連続撮影するようにタイマーをセットしてから眠りに着く。しかし、下山後にパソコンで映像を開いて見ると、20分ほど撮影した後はレンズが結露してしまっていて、天の川が立ち上がるところまでは写っていなかった。

    夕立が去った空に星が輝く。雲が光っているのはその向こうに沈み行く月があるため。


    天の川。あと1時間撮影できていれば真直ぐに立ち上がる天の川が写ったであろうが、この後はレンズが結露して写っていなかった。


 明日は化雲岳、五色岳を越えて五色ヶ原あたりまで往復したいが、全ては明日の天気次第だ。朝起きてから考えることにする。
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再度大雪山黒岳へ 北海道遠征3  平成25年7月13日

2013年07月22日 | 日本百名山
 前日の雷雨は2時間ほどで上がり、翌朝は青空とは言えないまでもまずまずの天候となった。朝6時からロープウェイが動き出すが、1本遅れて6時20分のロープウェイに乗り、前日登れなかった黒岳を再び目指す。朝から観光バスが何台かやって来ており、連休初日の今日は混雑しそうだ。

    ロープウェイ頂上駅あたりは人がいっぱい。霧がかかっていたが・・・


    リフトに乗ると上は抜けるような青空が広がる。


    リフト頂上駅から見る雲海とニセイカウシュッペ山山塊

 リフト頂上駅まで行くと、ニセイカウシュッペ山山塊からその右手の屏風岳にかけて、綺麗な雲海が広がっていた。雲海の景色と花を楽しみながら黒岳山頂を目指す。

    雪渓と雲海


    ミヤマキンポウゲ。北海道にも普通に咲いている。


    大雪山にもにもキバナノコマノツメが咲く。


    こんなところにクモマナズナ?と思ったが、これはエゾイヌナズナ。


    エゾノハクサンイチゲ


    カラマツソウ


    チシマノキンバイソウ


    同上


    チシマノキンバイソウとカラマツソウのお花畑


    北海道にはこれがあると聞いていたが、発見!ウズラバハクサンチドリ。


    ピンク色鮮やかなヨツバシオガマ


    ピパイロ岳でも見たホソバイワベンケイ


    一株だけエゾノコザクラ

 なにせ見たことの無い花がたくさん咲くもので、興味深々に見ながら、写真を撮りつつ2時間かけて黒岳山頂に到着した。時間は9時、山頂はたくさんの登山者が休憩しており、軽装の人もいれば縦走する重装備の人もいる。それにしても良い天気だ。黒岳山頂からの眺めを一通り撮影し、速攻で下山する。

    青空が広がった黒岳山頂。


    白雲岳から北鎮岳への山並


    北鎮岳の白鳥の雪渓。白鳥に見えますか?


    エゾツツジ


    山頂の標柱

 この日は下山後にみちほさんと合流し、夕張ヒュッテまで移動、翌日夕張岳に登ろうということになっていた。夕張ヒュッテまで行く林道が崩落の危機にあり、今年は通行止めとなっていて、ゲートからヒュッテまで7km、約2時間歩かなければならない。そのため、本日は黒岳山頂までで、昼の12時までには下山と決めていた。予定通り、11時半に駐車場に到着。その後夕張道の駅に向かう。

 
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雷鳴轟き下山、大雪山黒岳  平成25年7月12日

2013年07月20日 | 日本百名山
 九州から山仲間のHさんが北海道に来ており、本日は銀泉台から赤岳を経て黒岳石室の避難小屋に宿泊するそうだ。途中までの山行にはみちほさんご夫妻も同行するそうだ。Hさんは私が星空の写真を撮り始めるきっかけをつくってくれた恩人だ。我々は釧路宿泊なので大雪山層雲峡到着はどうしても午後になってしまうので、黒岳石室でテント泊して合流することで話がついた。釧路から層雲峡までは280kmほどの距離があり、しかも高速道路は全く使えずに一般道を行くことになる。朝7時半に釧路を出発し、なんとか午後1時過ぎには層雲峡に到着し、ここで昼食となる。テント泊装備と1日分の食事を詰め込んでロープウエイとリフトを乗り継いで7合目から歩き始めたのは午後3時近くになってしまう。まあ、6時までには到着できるだろうということで出発する。

    層雲峡ロープウェイ駅


    黒岳リフトとお花畑


    眼前に近付く大雪山黒岳


    7合目休憩所

 残雪の雪渓を登り、登山道脇に咲く花を楽しみながらゆっくりと登り、8合目を過ぎさらに9合目を過ぎた頃から雲行きが怪しくなってきた。そしてポツリポツリと雨が降り出す。ザックカバーをかけようかと思っていた途端に雨足が強くなり、そして頭の真上でドドーン・ゴロゴローという雷鳴が轟き出す。急いでザックカバーとカッパを上着だけ来て下山し始め、高度を下げる。あられ混じりの土砂降り状態となり、8合目あたりの木の下でひとまず雨宿りする。やがて雨足は弱まり雷鳴も遠退いたがもう登り返す気にはならず、そのまま下山した。

    雪がまだかなり残っている。


    雪渓を足跡に沿ってジグザグに登る。


    道脇に咲くチシマノキンバイソウ


    白いチシマフウロ


    9合目を過ぎて山頂まで標高差であと50mほどのところまで行ったが・・・そこで雷に遭い、下山。

 リフトとロープウェイを乗り継いで麓の駅に到着したのはもう6時過ぎ。さて、宿をどうするか?甲府を出発する前にテントやザックカバーに防水をかけ直してきたものの、これが十分では無く、特にザックカバーはきわめて防水性に欠けており、雨に降られると中のものが全て水浸しになってしまうことがピパイロ岳の帰りでわかった。おそらくはシュラフも濡れてしまっているだろう。テント泊は厳しい。層雲峡駐車場手前のペンションに空室ありの看板が出ていたのでそこに寄って交渉すると、素泊まりで一人6000円で泊めてくれるとのことで、本日はそこに泊めてもらうことにした。濡れ物の事情を話すと、部屋の中に干すための洗濯紐を準備してくれて助かった。このペンションは源泉かけ流しの温泉で、何時間もかけてお湯を溜めているそうだ。乳白色の温泉はたいへん良かった。
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メアカンフスマとメアカンキンバイ 雌阿寒岳  北海道遠征2  平成25年7月11日

2013年07月20日 | 日本百名山

 前日は帯広から釧路までの移動と1日静養したので、ピパイロ岳の疲れと筋肉痛はほぼ改善した。この日は曇り空だったが、大きな崩れは無さそうだ。釧路市内の宿泊したホテルで朝食をとって、朝7時にホテルを出発する。カーナビをセットすると、雌阿寒岳の登山口オンネトーまでは予想外に距離があり、かなり飛ばして9時半に雌阿寒温泉に到着した。本日のコースは雌阿寒温泉から山頂を経てオンネトーのほとり青年の家に下山し、エゾアカマツの森の中を通って雌阿寒温泉に戻る周回コースだ。

    雌阿寒岳温泉からの登山道入り口


    エゾアカマツの森。エゾアカマツをシラビソとツガに置き換えれば八ヶ岳の森の雰囲気に良く似ている。

 雌阿寒温泉の登山口から入山すると、エゾアカマツの森は八ヶ岳樹林帯の森に良く似ている。足元に苔の生したややじめじめした森の感じと匂い、エゾアカマツをツガとシラビソに帰れば八ヶ岳そっくりだ。こんな森にはきっとあのランが・・・しかし、北海道にもあるのだろうか?例のごとく森の中をきょろきょろしながら登って行くと、あっさりと見つけることができた。そしてキソチドリと思わしき花を撮影していると、その脇になんじゃこりゃ!というような双葉のランを発見!コフタバランに良く似ているが葉の形と茎の色が違う。まだ花は咲いていないが、おそらくこれは・・・初めて見るミヤマフタバラン。

    苔の生した雌阿寒岳エゾアカマツの森。


    やっぱりあった、イチヨウラン。


    たぶんキソチドリ。まだ開花していない。


    何だこれは?コフタバランに似ているが葉の形と茎の色が違う。


    これはミヤマフタバラン。もうすぐ花が咲きそうだ。

 他にもあるのではないかと注意深く森を歩いたが、見つけたのはこの2種類だけで、やがて森を抜けてハイマツ帯に入る。5合目あたりのガレた沢で休憩しながらその周辺を探ってみると、黄色いキンバイを発見した。ひょっとしてこれが噂のメアカンキンバイか?見たことが無いような葉の形をしている。そしてメアカンフスマらしきものも発見した。

    樹林帯を抜けてハイマツの森に変わる。


    ガレた沢で見つけたメアカンキンバイ。この先にはたくさん咲いていた。


    同じ場所でメアカンフスマ

 さらに高度を上げて行くと、6合目あたりからはこの2種類の花とマルバシモツケがたくさん咲いており、こんなにたくさん咲くものなのかとちょっと拍子抜けする。ハイマツ帯を過ぎてザレ地になった上部にもこの3種類の花はたくさん咲いていた。

    コマクサ


    マルバシモツケ


    メアカンフスマ


    見下ろすオンネトーの沼


    7合目付近のメアカンフスマ群生

 細い踏み跡をたどって真っ直ぐ登って行ったところ、正規のルートから外れて短縮してしまったらしく、私たちの先を歩いていた女性グループよりも先に8合目あたりに到着してしまった。しかし、またあっさりと追い抜かれる。9合目まで登って反対側の展望が見えるようになると、噴煙を上げる雌阿寒岳の噴火口、赤い池が見えるようになる。間もなく山頂に到着する。12時45分山頂到着、10数人の登山者が休憩して昼食をとっていた。反対側から登ってきた登山者に情報を聞き、混雑する山頂での昼食を避けて青年の家側の登山道を8合目付近まで下って昼食にした。

    赤い池と噴煙を上げる雌阿寒岳火口


    雌阿寒岳山頂


    阿寒湖と雄阿寒岳方面を望む


    青い池と阿寒富士


    青い池と噴煙

 眼前に阿寒富士が聳えるが登っている人の姿は見かけられなかった。メアカンフスマやメアカンキンバイの数はこちら側のほうが多く、コマクサもちらほらと咲いていた。ハイマツの中を覗いてみると、もうすぐ咲きそうなイチヤクソウの群落があった。

    青年の家側ルートのメアカンフスマ


    メアカンキンバイの群生


    蕾のイチヤクソウ(おそらく真直ぐな茎、たくさん付ける花から見て、カラフトイチヤクソウ)


    8合目から見る阿寒富士


    イワブクロと阿寒富士

 ハイマツ帯を過ぎて樹林帯に突入するが、こちら側の森は登って来た雌阿寒温泉側の道とは若干異なり、森がやや乾燥しているように見受けられた。ミヤマフタバランを探すがどうしても見つからず、その代わりにイチヨウランは5本ほど見つけることができた。森の中の探索でかなり時間を費やしてしまい、青年の家に到着したのは午後3時半になってしまった。

    樹林帯の中で見つけたキソチドリ(だと思う)。これがあるところにはきっとあれも・・・。


    発見!イチヨウラン。


    イチヨウラン。こちら側で4~5本見つけた。


    開花したイチヤクソウ。先ほどのイチヤクソウほど花が付いておらず、葉脈に白い筋があり、おそらくジンヨウイチヤクソウ。


    コイチヤクソウ。花が片側に偏って咲くイチヤクソウの仲間。半寄生植物。


    森で花探しに時間を取り過ぎ、青年の家に到着したのは午後3時半。

 青年の家の脇からオンネトーの縁を回ってエゾアカマツの森に入り雌阿寒温泉までは緩い登りが続く単調な森だ。何か良いものは生えていないかと思ったのだが、何も見つからず、ただひたすらに歩いて午後4時半、雌阿寒温泉に到着した。

    オンネトーの青白い水。青空ならばもっと美しいブルーになったのだろうが。


    オンネトー周辺はハクサンシャクナゲの名所。


    アカエゾマツの森を黙々と歩き、4時半に雌阿寒岳温泉に到着。

 夕方6時半には釧路に戻りたい。駐車場でさっさと着替えを済ませてまたもや車を飛ばして釧路に戻ると、午後6時には釧路に到着できた。本日は夕方7時からのお楽しみの会が待っており、余裕で間に合った。会の後に釧路ラーメンのお店で食事していると、超偶然にもその会のメンバーとばったり遭遇した。短時間ながら話をすることもできて、良い1日となった。(機会があったら報告します。)
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