山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ヒイラギソウ(シソ科) Ajuga incisa Maxim.

2022年09月26日 | その他の植物
 山地の林下に生える多年草である。草丈は30㎝~50㎝になる。葉は対生し、葉身は卵形~広卵形、長さ5~10cm、幅3~6cmで、3~5cmの葉柄がある。葉先は尖り、縁には不揃いの欠刻状の切れ込みがあり、ヒイラギの葉に似ることからこの名がある。葉質は薄く、表面には疎らに毛がある。花は上部の葉腋に3~5段に4~6個の唇形花をつける。花冠は青紫色で筒部が長く、上唇は長さ約3mmで2裂し、下唇は長さ約5mmで3裂する。萼は5中裂する。山梨県には生育していないと思われていたが、個体数は少ないながら南アルプスに生育しているのが発見された。

 2018年山梨県カテゴリー:なし  2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧IB類 (EN)


    ヒイラギソウ 2022年6月 南アルプスで撮影


    同上


    発見されたのは2株のみだが、周辺に生育している可能性があり、さらなる調査が必要であろう。


    葉は対生し、辺縁には不揃いな欠刻状の切れ込みがある。ヒイラギの葉に似ていることが花名の由来になっている。


    花は青紫色で上唇は2裂、下唇は3裂する。


 ➡山梨県の絶滅危惧のシソ科植物一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベニバナヤマシャクヤク(ボタン科)

2020年10月20日 | その他の植物
 山地の落葉広葉樹林の林床に生育する多年草である。花期は6月。山梨県では富士山麓の他に極限られた場所に生育しており、個体数はあまり多く無い。鹿の食害と盗掘からこの花を守るために自費で広大な敷地を保護柵で囲った場所があり、その熱意と努力に敬意を表したい。


    ベニバナヤマシャクヤク 令和1年6月 富士山麓で撮影


    同上


    同上 上から見た花


    同上 あまり人が行かない森の中にひっそりと咲いていた。


    令和1年6月 自主的に設置された保護柵の中に咲いていたベニバナヤマシャクヤク


    同上 富士山のものに比べて色が薄くて上品な印象を受ける。


    同上


    丁寧にカウントされており、目印の棒が立てられている。よくぞここまで。素晴らしい!


 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定指定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムシトリスミレ(タヌキモ科)

2020年10月19日 | その他の植物
 亜高山帯~高山帯の湿り気の多い岩場や草地に生育する多年草の食虫植物である。花で虫を捕食するのではなく粘性のある葉の表側で捕食する。花期は6~7月。紫色の花は一見スミレのようで美しいが花の中はグロテスクである。山梨県では八ケ岳に生育しており個体数はあまり多く無い。


    ムシトリスミレ 平成29年7月 八ヶ岳で撮影


    同上 拡大。粘液の付いた葉で虫を捕える。


    同上 草地の中に生えた個体。


    平成28年6月 八ヶ岳で撮影。岩の隙間に生えた個体。


    同上


    平成28年6月 八ヶ岳で撮影。草地の中に生えた個体。


 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定指定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クモイコザクラ(サクラソウ科)

2020年10月17日 | その他の植物
 山地帯から亜高山帯にかけての湿気のある岩場に生育する多年草である。花期は5~6月。奥秩父、南アルプス、八ヶ岳に生育するものをクモイコザクラとする書もあるが、山梨県レッドデータブックでは御坂山塊に生育しているものもクモイコザクラとして取り扱っている。クモイコザクラとコイワザクラの違いは葉の大きさと切れ込みの深さ、葉と茎の毛の量と言われているが場所によって様々で区別できないものがある。


    クモイコザクラ 平成26年5月 南アルプス鞍掛山で撮影


    同上


    同上 やや湿った岩の隙間を好んで生育している。


    令和1年6月 甲斐駒ケ岳黒戸尾根で撮影。


    同上 岩の隙間に生育


    同上 南アルプスの個体は葉が大き目で葉の毛が少ないが葉脈が窪んで目立つ傾向がある。


    令和1年5月 八ケ岳地獄谷で撮影


    同上 この場所では岩壁から垂れ下がるように生えている。


    同上 八ヶ岳の個体は葉が大きくて毛が少なく、葉脈があまり窪まずに平らな葉のものが多い。


    平成30年6月 瑞牆山で撮影。高い岩の隙間に生えていて近付けず。画像で見る限りでは葉の様子は八ケ岳のものに似ている。


    令和2年6月 奥秩父山系乾徳山で撮影。


    同上 この場所は個体数が少ない。


    同上 ここにある個体は葉が小さ目で毛が生えており、葉脈が目立つ。奥秩父山系ではあるがコイワザクラに近い形態をしている。

 おそらくは高度や気温、地質などの環境により地域的な変化のある同じ種類の花を見ているのではないかと考えている。さらに観察と検討を続けたいと思う。


 ➡山梨県の絶滅危惧のナデシコ科およびサクラソウ科植物一覧

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定指定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サクラソウ(サクラソウ科)

2020年10月17日 | その他の植物
 山地帯の湿気のある樹林下や草原に生育する多年草である。花期は4~5月。自生のものよりも園芸種を見かける機会のほうが多いであろう。山梨県では八ケ岳周辺および富士山周辺に生育しているが個体数はあまり多く無い。


    サクラソウ 令和2年5月 清里で撮影


    同上


    同上 やや湿った場所を好み、近くに沢が流れている。


    同上 この場所は笹が生い茂り、飲まれてしまいそうである。

 ➡山梨県の絶滅危惧のナデシコ科およびサクラソウ科植物一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ユキワリソウ(サクラソウ科)

2020年10月17日 | その他の植物
 山地帯から亜高山帯の湿気のある岩場を好んで生育する多年草である。山梨県では甲斐駒ケ岳周辺の渓谷や山上の岩場に生育している。花期は5~6月。やや紫色がかった花を茎の先に数輪咲かせ、葉がヘラ状なのが特徴である。


    ユキワリソウ 平成26年5月 尾白川で撮影


    同上 滝の流れる岩壁に群生しているが手の届くところにはほとんど生えていない。カエデの形をした葉はダイモンジソウ。


    平成27年5月 同じ場所で撮影


    同上 年によって当たり外れがあるが、個体数はあまり変わっていない。


    平成27年5月 別の場所で撮影。岩棚に隠れるように咲いていた個体。葉の形がヘラ状長楕円形であるのが特徴。

 ⇒山梨県の希少野生動植物種と指定種・特定指定種について

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クリンソウ(サクラソウ科)

2020年10月17日 | その他の植物
 山地帯の湿地に生育する多年草である。花期は6~7月。サクラソウの仲間では大型で、しばしば大群落を形成する。南アルプス、八ヶ岳、奥秩父、大菩薩山系など広範囲に生育し個体数は多い。


    クリンソウ 平成25年6月 瑞牆山で撮影


    同上 富士見平小屋の管理人さんたちの手によって手厚く保護されている場所。


    平成30年5月 甘利山椹池で撮影。


    平成30年5月 甘利山大笹池で撮影。


    同上


    同上 見事な大群落を形成している。一部が鹿の食害に遭っていた。


    令和1年6月 大菩薩連邦焼山峠で撮影


    令和1年6月 ハマイバ丸で撮影


    同上 大群落を形成している。鹿の踏み跡が多数あるが食害には遭っていない。


    クリンソウの花

 ➡山梨県の絶滅危惧のナデシコ科およびサクラソウ科植物一覧

 ⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする