山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

キスミレ咲く竜ヶ岳  平成25年4月26日

2013年04月29日 | 山梨百名山
 もう6年ほど前になるだろうか。富士山に昇る月の撮影に午後から竜ヶ岳に登った時、偶然黄色いスミレを発見した。その頃はまだ花にはさほど詳しくなく、この花の貴重さを知らなかった。後に調べてみると、この黄色いスミレはキスミレという名で、富士山外輪山およびその周辺の山と、阿蘇山周辺にしか咲かない貴重なスミレだと知った。その後また見に行きたいと思いつつもなかなか機会が無く、偶然空いた平日午後に突然行ってみることにした。

 午後2時40分、本栖湖湖畔のキャンプ場に到着。この時間ならばまだ日の明るいうちに十分花を楽しみながら登ることができる。足元を探しながら歩くと、さっそく白いスミレを発見。マルバスミレだ。さらに登山道に入るとナガハノスミレサイシン、エイザンスミレなどが咲く。時期的にはちょうど良さそうだ。

    アスファルトの道ができて入口がわかりにくくなった竜ヶ岳登山道。この看板にも登山道の表示は無い。


    ナガハノスミレサイシン。登山道を登り始めてすぐのところにちらほらと咲いていた。


    エイザンスミレ。どっさりとまでは言えないが結構ある。

 中腹のベンチのある休憩所あたりで以前フモトスミレを1株だけ見つけたことがあった。探してみると簡単に出会うことができた。これも結構あった。ここに咲くのは葉に府が入ったフイリフモトスミレだ。ベンチに座って小休止後、登山道脇を探しながら歩くと、その先はタチツボスミレはもちろんのこと、マルバスミレの群落やエイザンスミレなどたくさん咲いていた。

    フイリフモトスミレ


    言わずと知れたタチツボスミレ


    マルバスミレ。群落があった。


    上品な色のエイザンスミレ


    ニオイタチツボスミレ

 さて、お目当てのキスミレは黄色が目立つので簡単に見つかるはずだが、なかなか見つからない。黄色い花はキジムシロばかりだったが、ようやく発見。まだ咲いたばかりの綺麗な花だ。しかし、見つけたのは2株だけで、なかなか見つからない。以前はたくさんあったのに、ずいぶん数が減ってしまったようだ。そしてようやく固まって咲いている場所を発見したが、それでも10株ほどしか咲いていなかった。

    キスミレ発見。


    若干痛んではいるが、満開のキスミレ。


    キスミレ群落。以前はもっとたくさんあったのだが・・・

 お地蔵さんのある東屋のところで休憩する。富士山は雲に隠れており、山頂まで行く意味はあまり無かったのだが、日没まで時間もあることだし登ることにする。笹原の中はあまり花は咲いていないのだが、ところどころにフイリフモトスミレが咲いていた。そして山頂に到着。富士山に巻いていた雲は少しずつ消えてきてはいるが、まだ見えずすぐに下山開始する。そして、もうすぐお地蔵さんのある休憩所というところで富士山を見れば、雲が飛んで山頂が姿を現わしていた。

    中腹の東屋。向こうが竜ヶ岳。


    富士山山頂は帽子をかぶったように雲の中。


    笹の中に咲いていたフイリフモトスミレ。


    広い竜ヶ岳山頂


    もうすぐ日没。影が長く伸びる。

 少し登り返して眺望の良い場所で三脚を構える。富士山が焼けてくれるのを期待して1時間近くその場所で待ったが、少ししか焼けてくれなかった。さらに、確かこの日は十五夜の月だったはずだ。手帳で確認すると満月。ならば日没の少し後に月が昇って来るはずだが・・・待てど暮らせど全くその気配無し。携帯電話で月の出の時間を調べると、7時過ぎだ。今日の日付が変わった時の月、すなわち前夜の月が十五夜の月で今日の夕方昇って来る月は十六夜の月だったようだ。その時間に昇って来る月だと、もう富士山は真っ暗にしか映らなくなってしまう。あきらめてヘッドライトを装着して下山する。

    姿を現した富士山


    富士残照

 下山すると、本栖湖畔からの竜ヶ岳直登コースに点々と明りがついていた。そういえば三脚を構えて待っている時に外国人2人にこの道は本栖湖に行けるのかと聞かれ、「YES」と答えた。さらにトレイルランをやると言っていたのでいつやるのかと聞いたら、「Today」と返事が返ってきた。まさか、夜中にレースをやるとは思えなかったので、質問が通じなかったのだろうと思っていたら、本当に「Today」ならぬ「Tonight」トレランレースをやるらしい。本栖湖畔の道をヘッドライト点灯して歩いて行くランナーの姿がたくさんあった。キスミレの咲くコースはトレランコースから外れているが、稀少な植物を踏み荒らさないように配慮をお願いしたい。
 帰り際に精進湖に立ち寄る。ちょうど月が昇って来た頃でこれを撮影して甲府に戻った。

    湖面に映る月

 ダイヤモンド富士の時期以外はあまり登ることの無い竜ヶ岳だが、実はキスミレをはじめとする種々のスミレが咲く貴重な山なのだ。
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ヒカゲツツジ咲く坪山  平成25年4月20日

2013年04月24日 | 山梨無名山
 上野原にある坪山は、山梨百名山にこそ入っていないが、ヒカゲツツジや山梨県では唯一のイワウチワが咲く山で、花の咲くこの季節は休日ともなれば山頂に入りきれないほどの登山者が訪れる超人気の山である。毎年イワウチワの咲く季節に行ってみたいと思いつつもなかなか機会が無く、先週山梨に来られたみちほさんのブログを見てイワウチワがたくさん咲いているのに感動し、どうしても行ってみたくなった。若干時期が遅いかもしれないがまだ咲き残っているはずだ。大混雑を覚悟の上で土曜日に坪山に出かける。

 一応地図は見たが当日持って行くのを忘れ、まあ車がたくさん駐車してあるあたりが入口だろうと安直な考えで高速道路を上野原で降りて鶴峠に向かって車を走らせる。私の前を走っていたバスは行き先が「松姫峠」と書かれており、ずいぶん山奥までバスがはしっているのだなあと思った。鶴峠への車道は三頭山に登るために2度走ったことがあるが、その時はこの坪山は存在すら知らないノーマークの山だった。確か西原のお寺を過ぎたあたりの川沿いに駐車場があったような記憶がうっすらとあり、そこまで行ってみるとずらりと車が止められていた。そして道路を歩いているハイカーが10人弱、たぶんここで間違いないはずだ。川の上流にある橋を皆渡っているので、その先が登山口らしい。

    川の脇に駐車場あり。30台は止められそうだが空いていたのはあと数台のみ。向こうの橋を渡る。


    橋を渡るとその先に遊具の設置された広場あり。トイレもある。ここで数グループが準備体操していた。


    入口のところにあるお地蔵さん。散らばっていたお地蔵さんをここに集めたらしい。

 畑の中の道を進んで行くと東ルートと西ルートの分岐があった。下調べしていなかったのでここは素直に(?)坪山と書かれた左側のルートに進んだ。ところが、後から団体さん数組がやって来ていたはずなのに、一向に追い付いてくる気配が無い。女性2人組に追い付かれたのでコースを聞いてみると、メインルートは向こうの西ルートだそうで、こちらは途中で岩登りになりあまり登って来ないのだそうだ。まあ、それも良し。おかげで喧噪の坪山にあって静かな登山が楽しめた。

    ここを「坪山」と書かれた左ルートに入ったが、メインは右のルートだそうだ。


    樹林帯の登り。花を探すが目ぼしいものは無し。


    中腹の壊れた道標。向こうに見えるのは三頭山。


    ヒカゲツツジ出現。だが、このあたりはもう時期を過ぎている。


    ヒカゲツツジ


    イワカガミ群生。ようやく蕾が出たところだった。

 イワウチワを探しながら登るが、こちら側には咲いていないらしく、1株も見つけられない。ヒカゲツツジは、中腹は既に時期を過ぎてしまっているが、山頂に近付くほど新鮮な花が見られ、山頂直下はちょうど見ごろになっていた。三脚を出そうと思って下山者が通り過ぎるのを待っていたところ、一人の中年男性がザックを背負いなおそうとした時にバランスを崩して転倒し、私のすぐ傍にあった木に側頭部をぶつけた。幸いにして出血も無く大事には至らず、そのまま下山していった。なんとなく三脚を出しそびれ、カメラ手持ちで撮って山頂に登る。

    山頂直下。ここから急登が始まる。


    岩の登り


    山頂直下のヒカゲツツジ。ちょうど満開。


    ヒカゲツツジ


    見渡す限りヒカゲツツジ

 山頂はおそらく大混雑だろうと予想していたので、その前におやつと水を補給しておいた。予想通り、足の踏み場もないほどの人。狭い山頂なのにバーベキューをやっているパーティーもあり、速攻で下山開始する。今度はイワウチワの咲く西ルートを下りる。こちらは岩のところもあるが、それよりもスリップしやすい土のルートが厄介だった。ロープが張られてはいるが足元がほこりっぽくて簡単に滑る。こちらもヒカゲツツジがたくさん咲いていた。

    混雑する坪山山頂。こういうところは苦手です。速攻で下山開始。


    山頂直下は滑りやすい土の急斜面。ロープにつかまりながら下りる。


    こちらのルートもヒカゲツツジがいっぱい。(こちら側のほうが多い。)


    ヒカゲツツジ咲く登山道。下に見える女性は・・・

 天候が次第に悪くなり、新たに登って来る登山客が途絶えた頃、単独の女性が登って来た。何やら私のことを知っているような様子だ。そして「ヨッシ-さんですか?」と声をかけられた。その方は・・・sanaeさんのブログに良くコメントされている、るたんさんだった。茅ヶ岳の麓、明野に住まわれているとのこと、すぐ近くではないか。今度sanaeさんたちと一緒に山に行こうとお誘いした。
 イワウチワがなかなか見つからずもう終わってしまったのかと心配したが、るたんさんがたくさん咲いていたと教えてくれたのでひたすら下山して行くと、標高850mあたりのところでようやく群落を見ることができた。しかし、予想通り1~2週間遅く、もう痛んだ花ばかりだった。ようやくここで担いできた三脚の出番となり、下山客を避けながら思いの行くまで写真を撮らせてもらった。しかし・・・曇り空で陽が射さないので彩度がいまいち。また来年以降のお楽しみとなる。

    ようやく出会えた山梨県のイワウチワ


    イワウチワ群落


    上品な色のイワウチワ


    白いイワウチワ


    丁寧に看板が立てられている。

 小雨が少し舞い出し、あとは休憩せずにひたすら下山した。いっぱいだった駐車場も下山時には3~4台ほどしか止まっていなかった。帰り際にまだ通ったことのない松姫峠を通って大月に抜けてきたが、峠の気温は1℃で小雪が舞っていた。4月も下旬になろうというのに、なんと不純な天気だろう。桜の開花は早かったが、これから咲く花は開花が遅れそうだ。
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エビネ開花 甲府市湯村山界隈

2013年04月21日 | 番外編
 2週間ほど前に湯村山界隈のヤブコギをした時に偶然見つけた新芽と葉。種子が図鑑に載っていたサルメンエビネとそっくりだったので、おそらくはそれだと予想していたのだが、花を見なければ正体がわからない。おそらくはそろそろ咲いている頃だろうから確認に行ってみた。

 本日は車を水道局高配水施設のところまで乗り入れて短絡し、アスファルトの道を歩いてさらにその上の水道局施設のフェンス脇を通って籔に入る。前回見つけた場所を探すが、道の無い籔の中なのでなかなか見つからない。右往左往して探してようやく見つけ、咲いていたのは・・・サルメンエビネでは無くてエビネのほうだった。初めて見るエビネに感動する。

    水道局高配水施設の道路脇に車を止める。


    咲いていたのはエビネ


    半逆光で輝くエビネの花


    こちらはまだ蕾のエビネ

 籔の中を水平に走る獣道のような道があり、それを右に進むと東側の尾根ルート中腹に出た。また籔ルートに戻って探しながら歩くと、まだ咲いたばかりのエビネに出会うことができた。さらに水平に進んで行くと、今度は湯村山からのルートに抜け出た。

    咲いたばかりのエビネ。5株ほど葉が出ている。


    湯村山の原生林


    籔の中に1輪だけホタルカズラ

 前回は歩かなかった湯村山に立ち寄る。こちらの道は大変良く整備された遊歩道で、散歩を楽しんでいる人たちにたくさん出会う。

    湯村山の休憩所


    湯村山からの眺望だが、天候悪く富士山見えず。

 湯村山で折り返して同じ道を戻り、隣のピークから前回下った東側の尾根を降りる。途中で右に下ると車を止めた高配水施設の脇に出るのだが、ここを真っ直ぐに降りてみると、抜け出たところは諏訪大明神という神社だった。毎年歩いている湯村山だがまだ知らないルートがたくさんあり、きっと見たことがない花がまだ眠っていることだろう。

    前方に建物が見え出す。


    その建物は諏訪大明神神社だった。

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食害か、人為か? 茅ヶ岳のオキナグサ  平成25年4月17日

2013年04月21日 | 山梨百名山
 まだ若干時期が早いかもしれないが、平日の時間が空いたので茅ヶ岳に行ってみた。目的は昨年ようやく出会えたヒゴスミレ、そしてオキナグサだ。林道を短絡して大明神林道から登ろうとしたのだがまだゲートが閉じていて車は乗り入れできない。ゲートの脇に細い道があり、この道はまだ登山を本格的に始める前で蝶を追いかけていた頃、アイノミドリシジミやミズイロオナガシジミをこの道で見つけたことがあった。もう8年も前のことだが、その頃はもう少し歩きやすい道で緑ももっと多かったように記憶している。今回は8年ぶりにこの道を行くことにした。

    大明神林道はまだ閉鎖されており、右手の細い道を登る。

 とはいってもこの道は15分も登ると林道に出てしまう。林の中を進む道もあるが、これは間もなく深田公園からの道と合流する。林道に登りついて土手を見ると紫色鮮やかなスミレが咲いていた。ノジスミレだ。

    ノジスミレ。普通のスミレに似ているが、ノジスミレは葉が立たないで横向きに出る。


    林道には倒木あり。

 林道を進んで行くと倒木が道を塞いでいた。開通が確か4月25日と書かれていたと記憶している。その頃にはおそらく撤去されているのだろう。間もなく登山道入り口に到着し、今回は目的の花が咲く尾根道を登る。

    道路脇に咲いていたタチツボスミレ


    尾根道に咲いていたアケボノスミレ。可哀そうに踏まれて痛んでいる。


    葉が泥まみれで判別しにくいが、おそらくアカネスミレ。


    先ほどと同じくノジスミレ


    途中に倒木あり、登山道を塞いでいた。左側に巻いて登る。

 防火帯になっている尾根道は草がきれいに刈り払われて整備されていた。しかし、途中に倒木があって道を塞いでおり、左側に巻いて登る。足元にはアケボノスミレがぱらぱらと咲き、その中に紫色の鮮やかなスミレが混じる。ノジスミレとアカネスミレ(たぶん)だ。タチツボスミレは意外と数が少なかった。そして、お目当ての白いスミレ、ヒゴスミレを念入りに探すが、昨年見つけた場所を探してもまだ咲いていなかった。たまたま見つけた白いスミレ、葉の形からしておそらく白花のアケボノスミレだと思う。

    岩の脇に咲いたアケボノスミレ


    白花のアケボノスミレ。上と葉の形が同じ。


    センボンヤリ

 防火帯を過ぎて林の中の登山道に変わる。そして急登を登って登山道を外れ、オキナグサの咲く場所に行くと、やはりまだ早く蕾が出始めたところ・・・だと最初は思った。2輪だけ咲いているものがあり、そちら側に回り込んで写真を撮っている時に異変に気づく。穂先がすっぱりとちぎられて明らかに花が摘まれている株が5株以上・・・。盗掘から花を保護するために人為的に摘まれたものだとその時は思ったのだが、おかしいのは踏み跡がほとんど無いことだ。そして撮って来た写真を良く見てみると、花だけではなく出始めた新芽も摘まれたような跡がある。これは鹿の食害なのではないだろうか。昨年連休過ぎ、2度目にこの花を見に行った時も同じように花が無くなっていた。これも花だけきれいに摘まれていたので、てっきり人為的なものだと思っていた。しかし、花は人間にだけ狙われているのではなく、動物も狙っている。特に珍しい花ほどおいしいのか狙われやすいと聞く。いずれにせよ、茅ヶ岳のオキナグサは危機的な状態にあるのは間違いなさそうだ。

    まだ蕾のオキナグサ。若干時期が早かったと思ったのだが・・・


    2輪だけ咲いていたオキナグサ


    オキナグサ


    そのまわりを見てみると、明らかに花が摘まれている。そして食べられたような茎だけ残ったものもある。

 2時間40分ほどで山頂に到着した。空は曇り空だが、南アルプス、八ヶ岳、そして富士山がかろうじて見えている。標柱が無事であることを確認し、昼食をとる。

    茅ヶ岳山頂と金ヶ岳、その左にうっすら八ヶ岳。


    うっすらと見えた富士山


    標柱の裏側には新聞の切り抜きをパウチしたものが貼られている。番人末木さんが設置してくれたもの。

 いつもならば登ったコースとは別のルートを下山に使うのだが、ヒゴスミレに会えなかったのが残念でもう一度尾根ルートを探してみることにした。防火帯に入ったところから、足元を念入りに探すと、昨年とは別の場所で2株咲いているのを発見した。まだ咲き始めたばかりで花が完全に開いていない。さらに昨年の場所を目を凝らして見てみると、花は1株だけ蕾、その周辺に5株出始めたばかりの葉を見つけることができた。2週間後くらいが見頃になりそうだ。

    ようやく発見!ヒゴスミレ。


    ヒゴスミレ。細い葉が特徴。


    もう1輪発見した白いアケボノスミレ。

 ちょっとばかりフライングだった茅ヶ岳。今年は5月連休にヒゴスミレとオキナグサが見られそうだ。これ以上食害に合わないことを祈るしかない。
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春の花散策(その4) イチリンソウと小松山園地  平成25年4月14日

2013年04月18日 | 番外編
 日蔭山を午後1時に下山し、時間的にも体力的にも余裕があったので、イチリンソウ咲く武田の杜遊歩道から小松山園地までを花散策に出かけた。先日は咲き始めだったイチリンソウがおそらくは開花しているはずだ。sanaeさんたちとhiroさん、ヨッシー隊の計6人で出かける。ここにはジュウニヒトエもたくさん咲く。

    ヤブレガサとジュウニヒトエ


    ジュウニヒトエ


    ホタルカズラ  数はあまり多くありません。


    遊歩道脇に咲いたイチリンソウ。以前はもっとあったが、踏まれてしまっているのか咲く範囲も数も減っている。


    可憐な白い花、イチリンソウ


    カキドオシ


    足元に咲いていたヒメハギ


    咲き始めたチゴユリ


    今日は見られないかと思ったが、数株咲いていたアカネスミレ


    フデリンドウは咲き始めたばかり。

 通常ならば20~30分ほどのコースを花を探しながら45分かけて歩き、小松山園地に到着。ここは休憩用のベンチが設置されているのだが、人がいるのをあまり見たことが無い。富士山も見えるが、前日散策した白山と、甲府盆地越しの南アルプスの眺望が良い。

    ベンチが設置されている小松山園地。


    遊歩道から見るヤマザクラと前日散策した白山

 帰り際にマムシグサと思って見てみると、葉の上に花が出ていない。よく見れば、茎のところに釣り竿のような長い舌を出した花が咲いている。おそらく以前からあったものだろうが、全く気付かなかった。これは初めて見る花、ウラシマソウだ。こんな近場に咲いているとは思いもせずちょっと感動した。

    ウラシマソウ。釣り竿のような長い舌を出す。


    これはまだ開花していないもの。花が開く前から舌を出している。

 小松山園地を散策後、sanaeさんたちとはお別れとなる。2日間充実した春の花散策を楽しむことができた。

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春の花散策(その3) 日蔭山のカタクリとコシノコバイモ  平成25年4月14日

2013年04月17日 | 山梨無名山
 携帯電話の目ざましに起こされて朝6時に目を覚ます。今日も青空が広がり、天気は良好だ。駐車場で車中泊したsanaeさんとみちほさんのところに6時45分ごろに行くと、もうすっかり準備が整っていた。本日もゲストの2組の他に山岳会嶺朋クラブのメンバー、ヨッシー隊、さらに近所にお住まいのブロ友hiroさんが加わり、総勢11人という大人数だ。メンバーが揃ったところで、予定通り7時出発。

 登山口近くの駐車場に行くと、本日はボランティアの方数人が入山し、道の清掃と看板の整備をするそうだ。邪魔にならないように車を止めさせてもらい。午後8時出発する。前日と同様に花を探して写真を撮りながらゆっくり歩く。ちょうど咲き始めたヒトリシズカやエンレイソウ、タチツボスミレなどが道脇に咲いている。先日は簡単に見つかったヒナスミレがなかなか見つからなかったのだが、登って行くとたくさん咲いていた。そしてカタクリも見頃にはなっていたのだが、午前中で日が射さないためか元気が無い。

    咲き始めたヒトリシズカ


    ウスバサイシン。目立たない茶黒い花が根元に咲く。ヒメギフチョウの食草。


    ミヤマエンレイソウ。(エライソウではありません。)


    タチツボスミレ。良い場所に咲いていました。


    最初はなかなか見つけられなかったヒナスミレ。上のほうにはたくさん咲いていました。(ヘナスミレではありません。)


    カタクリ。開花してますが元気無いです。


    ヒナスミレ。ピンク色の可憐なスミレ。

 2時間ほどで林道に到着し、ここで一休みする。みちほさんたちは夕方から用事があるためにここで引き返し、残り9人は日蔭山を目指して籔っぽい道を登る。

    ゆっくり歩きなので今日は(今日も)余裕です。


    日蔭山山頂近くに咲いていたアケボノスミレ。ここのものは赤紫がかった鮮やかな色。


    日蔭山山頂で記念撮影。展望の無い林の中に、小さな看板が木にくくりつけられている。

 日蔭山を越えたところにカラマツ林の中の静かな広場があるので、そこまで下って休憩する。踏み跡が少なく方向を見失い易いのだが、ここは滝戸山に登る時の通過点である。ここから滝戸山までは2時間ほどの行程だが、ほとんど歩く人はおらず、道は荒れている。
 休憩後下山を開始するが、お昼を過ぎて日が当たるようになったため、カタクリはすっかり目覚めて花が開いていた。色鮮やかなカタクリがあちらこちらに咲き、撮影に夢中になってなかなか足取りが進まない。ふと道脇に立つお地蔵さんを見れば、ひとつひとつに新しく看板が付けられていた。朝出会ったボランティアの人たちが整備してくれたものだ。感謝である。

    カタクリ全開。


    朝とは打って変ってイナバウアーのように花弁がのけ反っている。


    お地蔵さんの脇に新たに看板がつけられていた。


    全部で30数体あると伺った。

 ほぼ予定時刻の午後1時、駐車場に到着した。ボランティアの方たちの車はまだ止まっており。私たちとは別のルートの整備を行っているらしい。

 さて、お目当てだったコシノコバイモは満開を少し過ぎたものの、結構咲いていた。みんなで探すと見落としも少ないようだ。

    コシノコバイモ。満開を過ぎてやや花弁の元気が無くなっている。


    こちらは種になったコシノコバイモ


    まだ元気なコシノコバイモ

 北陸・越後方面には結構咲くらしいが、太平洋側ではごくわずかの限られた地域にしか咲かない稀少種で、愛知県では天然記念物に指定されている。大事に見守って行きたい花である。
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春の花散策(その2) 甲府市白山(しろやま)のカイイワカガミ  平成25年4月13日

2013年04月17日 | 番外編
 思親山を花巡りし、午後3時ごろに佐野峠を出発できたので、午後5時ごろに甲府到着できるはず。日が長くなった4月は5時でもまだ明るい。なので簡単に行ける場所、千代田湖のほとりから15分ほどで行ける白山(しろやま)界隈に散策に行くことにした。睡魔と闘いながら車を運転し、ちょうど5時千代田湖のほとりに到着。白山界隈は遊歩道が整備されていて登り口がいくつもあるが、今回は中央のメインルートを歩く。ここにはあまりお目にかかれないヒカゲツツジが咲いているからだ。

    アケボノスミレは満開。道脇にたくさん咲く。


    イカリソウ。これもどっさり咲いていてちょうど見頃。


    ヒカゲツツジ。このあたりの山ではあまり見かけない。


    ヒカゲツツジ。もう花が痛み始めている。

 写真を撮りながらゆっくり散策して八王子神社が立つ最高点に向かう。遊歩道脇の斜面にはお目当てのカイイワカガミが咲いているが、あまり花がついておらず、数も減っているように見受けられる。

    カイイワカガミ。ヒメイワカガミの変種で、甲府市北部の山に咲く特産種。


    トウゴクミツバツツジ?にしては色がピンクっぽい。


    夕暮れの湯村山と甲府盆地

 八王子神社から暮れ行く甲府盆地と富士山を眺め、駐車場に戻った。

 この後、甲府市街に移動してまずは銭湯で汗を流す。ずいぶんと白く濁ったお湯だなと思っていたら、なんと、そこの銭湯の湯は温泉だった。自分の勤務する職場の目と鼻の先に温泉があるなんて、20年以上も住んでいて知らなかった。ゆっくり汗を流した後、歩いて駅に移動し宴会となる。これで3度目となるsanaeさん、みちほさんたちとの宴会だが、山・花談義は尽きることを知らない。すっかり飲みすぎて、立ち上がった時に頭がクラクラ。なんとか駐車場まで戻って速攻で眠りについた。明日は朝7時出発なので比較的ゆっくり寝られる。(翌日は日蔭山へ。)
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春の花散策(その1) 思親山  平成25年4月13日

2013年04月16日 | 山梨百名山
 例年ならばこの頃に満開となっている思親山のカイコバイモだが、今年は気候が暖かく、前回下見に来た時に既に満開になっていた。約1週間過ぎた本日は若干遅いかもしれないが、まだ十分に楽しめるはずだ。カタクリやキクザキイチゲも見頃になっている頃だろう。県外からのゲスト2組と所属山岳会嶺朋クラブのメンバーを加えた混成チームで思親山に春の花を楽しみに出かけた。

 南部町佐野峠に午前11時に集合する。甲府から佐野峠まで2時間ほどかかり、しかも内船(うつぶな)からの林道は細く、対向車が来ないように祈りながら通過するしかない。予定より10分ほど早く全員が集結した。この日の富士山は中腹に雲をまとって春にしてはすっきりと格好良く立っていた。山頂まで普通に歩いて1時間とかからないが、ここを花を探して写真を撮りながらゆっくりと歩く。標高差約200m、登山というレベルではないが、花を散策しながら富士山を眺めるには絶好の山である。

    佐野峠に咲いているフジマメザクラは満開


    登山道脇に咲いたカタクリ


    カタクリ群生


    キクザキイチゲ  花だけ見るとアズマイチゲのようだが、葉がキクザキイチゲ。


    このくらい花弁がしっかりついているとキクザキイチゲに見える。


    葉が小さく議論があったが、これはナガハノスミレサイシン。


    もうすぐ山頂。私を含めた花見3人が当然の如く最後尾。先頭から30分は遅れたと思われる。

 コースタイム45分のところをその倍の1時間半ほどかけて山頂に到着。時間は12時25分ごろだった。山頂のフジマメザクラは7部咲きといったところだろうか。この時間になっても富士山がすっきりと見えている。おしゃべりしながらゆっくり昼食をとる。山頂周辺を探すと、フモトスミレやアケボノスミレ、ニオイタチツボスミレなどが咲いていた。

    思親山の広い山頂。山梨百名山標柱は新しく建て直されていた。


    フジマメザクラと富士山


    山頂に咲いていたフモトスミレ


    アケボノスミレ


    富士山をバックに全員で記念撮影

 富士山の眺めや山頂に咲く花を探して1時間ほど過ごした後、下山開始する。今度は東側の中腹を巻く林道を歩いて佐野峠駐車場に戻るが、尾根筋の道とは違う花がこちらには咲いていた。

    林道脇に咲いていたヤマルリソウ


    キランソウ  崖を少し登って撮影したが、登らなくても足元に咲いていた。


    葉の形が円く無いのでシロバナノタチツボスミレではないかと議論になったが・・・


    やはりマルバスミレ(だろう)。


    名前のわからない小さな花

 春の花を楽しみながら、ゆっくり歩いて午後2時半に駐車場に到着した。お目当てだったカイコバイモはまだ残っており、新しく生えて来たものもあって存分に見て楽しむことができた。

    開花したばかりのカイコバイモ


    登山道脇に咲いたカイコバイモ


    先週満開だった株。花が少ししおれかけている。


    この視野で5株咲いている。(後ろの一株はピントの外)


 本日は天候に恵まれて富士山の眺望も良く、カイコバイモをはじめ春の花をたっぷりと楽しませていただいた。簡単に登れる割には花や眺望に恵まれた思親山。林道が狭くて通りにくいという不便なところがあるが、登り得な山だと思う。

 まだ時間が早いので、次の場所へ。今度は特産種のカイイワカガミ。
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冬の金峰山

2013年04月09日 | 番外編
 平成25年2月、3月に訪れた冬の金峰山を編集してみました。第1部は大日岩から上の登りと山頂での日没までです。第2部は日没後からオリオン座が西の空に沈むまでをインターバル撮影を含めてお楽しみください。(3月30日に開催した上映会で上映したものです。)


 冬の金峰山 第1部



 冬の金峰山 第2部
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春の散歩道 花咲く白山界隈  平成25年4月7日

2013年04月09日 | 山梨無名山
 武田神社の桜はもうほとんど散ってしまった。そろそろ甲府界隈の低山ではスミレをはじめとする春の花が咲いている頃だ。千代田湖のほとり、白山のカイイワカガミもそろそろ咲いている頃だろう。春の恒例となっている武田の杜遊歩道、白山界隈を散策に出かける。

 爆弾低気圧が通り過ぎた後でまだ強風吹き荒れているが、空には青空が広がった。緑ヶ丘運動公園に到着したのは11時過ぎ。いつもは湯村山から白山・八王子神社に向かって歩くのだが、今日は東側から延びているマイナールートを登ってみよう思った。しかし、取り付き口がどこなのか良くわからない。いつもならば途中で左に曲がるところを今回は真直ぐ進んでみることにした。アスファルトの道は車の乗り入れが可能なようで、数台の車に追い抜かれた。右手には甲府五山(武田氏ゆかりのお寺)のひとつ、法泉寺が見え、そちら側を見ながら散策していると、足元の土手にはシュンランが咲いていた。意外と近場でもみられることに驚く。

    緑ヶ丘運動公園。強風で木が煽られる。


    右手に甲府五山のひとつ、法泉寺とその墓地が見える。


    土手に咲いていたシュンラン

 道端に咲くタンポポやタチツボスミレなどを楽しみながらのんびりと道なりに歩いて行くと広場があり、その奥に何やら箱がたくさん置かれていた。近付いてみればミツバチの巣箱、そこは養蜂場だった。さらに行くと、甲府市上下水道局の配水場施設が立っていた。目指す尾根が目の前に見え、ここで道は二手に分かれ、真直ぐ行くと老人保健施設の敷地を経て街へ下りる道、もうひとつは手前に折り返すように曲がって尾根の裾を上に向かって延びていた。その尾根裾の道を歩いて行くと、その先にはまた甲府市上下水道局の施設があり、そこで道は終わっていた。フェンスの脇をまわり込んで登って行くと、その先は極端に道が細くなり、ホームレスの人が住んでいるのかテントらしき小屋とその前に洗濯物が干されていた。道はこのあたりで終わっている。そしていつものお決まり、尾根に向かって籔コギが始まる。またしても急登、生えている木につかまりながら登って行くと、見たことが無い葉っぱに花芽が出始めているのを発見。これはひょっとして・・・この山にあるとは噂で聞いたことがあったが、エビネの仲間ではないだろうか?さらに登って行くと尾根の直下でゴツゴツした岩に突き当たり、これを回り込んで登るとようやくまともな道に出た。そこは湯村山と白山の間にあるピークの最高点あたりだった。

    広場の先にあった養蜂場

 
    新緑と春の日差し


    ジュウニヒトエ まだ咲き始めたばかりのものが多い。


    これは・・・エビネの葉と新芽??


    もうすぐ稜線。シュンランに励まされる。


    岩を回り込んでまともな道に出る。

 湯村山から白山に至る道は良く整備された広い道だ。散策している人、トレランのトレーニングで走っている人など何人も出会う。そして足元には予想通りスミレがたくさん咲く。イカリソウも見頃になっていた。

    足元に咲いていたアケボノスミレ


    イカリソウ


    春爛漫 ヤマザクラと白山

 下って白山とのコルから鳥獣センター・小松山園地方面への分岐がある。ここを曲がって小松山園地方面に向かう。その途中にはイチリンソウの群生地がある。年々数が減りつつあるように見えるのだが、今年はどうだろうか?

    ここを小松山園地方面へ進む。


    青色鮮やかなホタルカズラ


    足元に咲くヒメハギ


    アスファルトの道を歩いた後、ここから武田の杜遊歩道へ。


    昨年は見つけられなかったが、今年は咲いていたアカネスミレ。


    遊歩道の脇にあるイチリンソウ群落。まだ咲き始めたばかり。今年は結構葉が出ている。


    咲き始めたイチリンソウ

 イチリンソウ群落を見たところで折り返し、またアスファルトの道を歩いて白山に向かう。ジグザグの車道は疲れるので籔を漕いで林の中を直登してやろうかとも思ったのだが、ここはおとなしく車道を歩き、白山の登り口に到着した。遊歩道に入ると、カイイワカガミの葉が例年以上にたくさん生えている。花はほとんどが蕾で咲き始めたものもちらほらとある。来週あたりからが見頃だろう。このカイイワカガミはヒメイワカガミの変種で、この界隈の山にだけ咲く特産種だ。羅漢寺山の裏道にも咲いているのを見たことがある。

    蕾のカイイワカガミ


    開花したカイイワカガミ


    カイイワカガミ接写

 三脚を担ぎながら花を楽しみ、白山の上に立つ休憩所に到着したのは午後3時20分。普通に歩けば2時間とかからない行程を4時間近くもかけて歩く贅沢な散策だ。休憩所で一休みし、ようやくまともな食事をとる。

    白山の上に立つ休憩所。向こうに見える山は茅ヶ岳。


    眼下に見下ろす千代田湖と雲のかかった南アルプス。

 休憩後、八王子神社の立つピークに向かうが、直登コースではなくて西側に巻いて行く道を進んでみると、その先に展望の良い岩場があった。柵が設置されているが、端から入れるようになっている。その岩の上からの眺望は抜群で、甲府盆地を一望でき、御坂山塊越しに白い富士山が立っている。岩の上にはハーケンが数本打ち込まれており、この急峻な岩場はクライミングのトレーニング場になっているようだ。写真を撮っていると、その岩の下から声が聞こえ、クライマーが一人登って来た。ザイル無しのフリークライミング、相当慣れた方なのだろう。ここはあまり有名では無い穴場らしい。

    八王子神社西側にある展望の良い岩場


    甲府盆地を一望できる。


    甲府駅周辺の市街地と富士山

 時間は4時を過ぎてしまった。そろそろ下山しなければ。八王子神社を越えて湯村山に向かって下りるが、朝登る予定だった東側の尾根道はどこが取り付き口になっているのだろうか?途中のピークから東側の尾根を下ってみると、最初はかなり急な下り、踏み跡も少ないが、やがて傾斜が緩くなり左に1本道が分かれ、さらにその先で二手に分かれていた。緑ヶ丘運動公園側に向かって下りて行くと出たところは水道局の配水場(下の施設)脇のフェンスだった。登り口には看板も無ければ道があるようにも見えず、これではルートを知らなければ歩けない。毎年歩く地元の低山なれど、知らない道がたくさんあることを改めて知った。

    白山八王子神社


    東側の尾根道を下ると、出たところは甲府市上下水道局高区配水場施設のフェンス脇。
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カイコバイモ満開 思親山  平成25年4月5日

2013年04月05日 | 山梨百名山
 明日からは春の嵐が吹き荒れるらしく、天気が持ちそうなのは今日の夕方までだ。コシノコバイモが咲いているので同時期に咲くカイコバイモもおそらくは咲いているだろう。来週はお客様をお迎えしてこの山に行く予定だが、一足先に訪れてみた。

 佐野峠まで車で行くが、既に時間は午後3時。登山口でうろついていると、下山してきた単独の登山者、金峰山でもお会いしたhiroさんだった。途中に咲いていたというので案内してもらうと、既に満開、花弁が開いている。例年より2週間ほど早いようだ。他にも花の撮影に訪れている方がおり、いろいろと花やカメラの話をしているとあっという間に時間が過ぎ、出発は4時になってしまう。いつもの如く、首を振り振り足元と左右の斜面を探しながら登山道を登る。カタクリの花はほとんどが蕾だが、もう咲いているものもちらほらとある。アズマイチゲはほころび始めたばかりといったところだろうか。

    まだ蕾のカタクリ


    アズマイチゲは咲き始めたばかり。

 注意深く探して行くと、いつもは5~6株固まって咲いている場所は今年は2株しか見当たらない。その上に2年続けて見つけた場所があるのだがそこにも無し。まさか、盗掘では無いと思うのだが・・・?

    発見!カイコバイモ


    この場所は5~6株固まって咲いていたのだが、今年は2株だけしか見当たらず。

 さらに別の場所を探すと5~6株発見することができた。しかし、風に揺れてしかも曇り空で光量が足りず、ブレブレの写真ばかり。

    開花したカイコバイモ


    ツインを発見。ズームで撮った写真はいずれも風でブレブレ。

 ちょうど下山した時に1台のタクシーがやって来た。お客さんは急いでカイコバイモの撮影に行き、あっという間に見つけて撮影してきた。既に10回ほど訪れているというコバイモの研究をされている方だった。私は盗掘者では無いと信用していただけたようで、その他の自生地を数か所教えていただいた。さらに、先日訪れたコシノコバイモの自生地の事もご存知で、日本海側のものとこちらに咲くものは少し違うようだとおっしゃっていた。山梨・静岡・愛知に咲くコシノコバイモは数が少なくて貴重なものなのだそうだ。大切に見守って行きたいと深く思わされた。

    すっかり空は曇り空。明日から天気は雨。
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咲き始めたコシノコバイモ

2013年04月02日 | 番外編
 武田神社の桜が満開になる頃にこの花は咲き出します。急に暖かくなった今年は桜の開花が1週間以上も早くなりました。山の上ではどうなのか?まだ咲いていないだろうと思って下見に行ってみたら、もう見頃になっていました。
 (花には失礼かと思いますが、名前は適当に間違っています。皆様でご訂正してお楽しみください。)


    登山口にあるカタクリ。昨年は咲いていましたが、今年はまだ蕾。


    ヨダレネコノメ  食事してすぐに登り始めたので、ヨダレが・・・


    ヘナスミレ  私の登山はヘナチョコ登山・・・


    ヤマエンマグサ  悪徳登山者はエンマ様のおしおきが・・・


    ミヤマエライソウ  甲州弁で「エラい」は「疲れる」という意味。山登りは疲れます。


    咲いてました、コシノコバイモ。


    まだ咲き始めたばかりの新鮮な花ばかり。


    地味ですが可愛らしいコシノコバイモ

 ほとんどの株が昨年とは別の場所に咲いていました。これからまだ出てくるのかもしれません。6~7株確認することができました。
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ちょっと散歩のつもりが・・・ 積翠寺東山  平成25年3月24日

2013年04月02日 | 山梨無名山
 春になるとほぼ恒例となっている武田の杜遊歩道界隈の山。いつも軽い散歩のつもりで出かけているが、まともに遊歩道を歩いたことはほとんど無く、脇道にそれて結局は道が無くなって籔コギ・・・というのがいつものパターンだ。そして今回も同じく、道なき斜面をひたすら登ることに・・・。

 雲が多くて景色を見るには不向きな天候だった。そろそろ山梨の低山には春の野草が咲き始める頃だろう。武田の杜遊歩道沿いにもカタクリが少しだけあるのだが、咲いているのを見たのは一度だけだ。今回は武田神社を起点に大岩園地を目指すことにする。登り口となる竜華池の前を車で通ると、工事中のために登山道が通行禁止になっていた。ならばもうひとつの登り口、円光院の上にある樹木見本林から入山を考え、車は武田神社の少し先にある護国神社へ止めることにした。護国神社の鳥居から見上げると、目指す大岩園地への尾根が真正面に見える。左に見えるのが竜華池からの尾根で、そこには立派な道がある。右から来る樹木見本林の道はやや遠回りになる。護国神社の境内を横切って見本林方向に行こうと思ったのだが、境内の左手に見える笹籔が気になった。これを突っ切れば竜華池からの道に出られるはず。籔に入って見ると当然道は無いがなんとか登れそうだ。本日は最初から籔コギ。

    護国神社の鳥居から見上げる大岩園地手前のピーク


    本日は最初から籔コギ。笹籔に突入。


    予定通り15分ほど笹籔をかき分けて立派な道に出る。


    ほどなく躑躅ヶ崎園地に到着。

 15分ほど竹籔をかき分けて道に出た。これを登ってほどなく展望地の躑躅ヶ崎園地に到着し、一休みする。男性3人組が休憩しており、武田の杜遊歩道から尾根を越えて大蔵経寺山に行くそうだ。距離は長いが道はしっかりしている。私はこの方たちとは反対方向、樹木見本林から大岩園地を目指す。確か樹木見本林の中に広い道があったと記憶していたので見本林の中を上へ上へと目指して道を探すが見つからない。どうやら私の記憶違いだったようだ。止む無く、意味不明なテープが着いている尾根に取り付く。数か所にテープが着いてはいたが、道は無く樹林帯の急斜面を尾根に向かってひたすら登ることになる。上部はかなり傾斜がきつく、木につかまりながら強行突破すると緩やかな斜面となり、広い尾根道に抜け出た。40分ほど時間を費やした。

    円光院の上にある樹木見本林入口から来ると右手に見える柵のところに出る。樹木見本林はここを左に登る。


    道端に黄色い花がたくさん咲いていた。


    階段の着いた広場がある。道がわからず、結局はこの階段の上の道無き尾根に取り付く。


    何やらわからないテープあり。ここから尾根に取り付く。


    何本かテープがあったが、道は無く、途中でテープは消失。急斜面の尾根をひたすら登る。


    40分ほどかかって広い尾根道(防火帯林)に出た。

 この道は以前に歩いたことがあり、茶道峠という愛宕山の北側の道に出る。大きな道が二手に分かれていたはずだが、それはどこにあるのだろうか?道を登って行くとその上に分岐点があった。どうやらもう一方の道は樹木見本林に下りる道では無かったようだ。それではどこに下りるのだろうか?帰りはこの道を下りてみることにする。

    ここで道は二手に分かれる。左が登って来た道、では右はどこに下りるのか?

 尾根に沿って登って行くと、途中で尾根伝いの道と巻き道のような道に分かれているところがある。以前は尾根伝いの道を下りて来た。では、右の巻き道はどこに行くのだろうか?山腹を巻いても行けるのか?そちらの巻き道に進んでみることにする。道はあるが倒木があり、かなり荒れた道だ。進んで行くとヒノキの植林帯に入り、そこには意味不明のテープが張られていた。テープを越えて進むとすぐに道は消失、右には行けそうだが、どんどん下って街に下りてしまいそうな道だ。では左側は・・・森林作業用と思われるテープが見えるが道は無い。さて、どうするか・・・。迷ったら戻るのが定石だろうが、勝手知ったる我が家の裏山、左手の樹林帯を尾根まで登ってみることにした。本日3度目の籔コギ、といっても手入れされたヒノキ植林帯の登りだ。上に行くほど傾斜がきつくなり、強行突破して進むが・・・コンパスで見ると方角がおかしい。大岩園地は西側にあるはずなのに、登っている斜面は北東方向を向いている。尾根に登り着くと、今度はアカマツの樹林帯だ。ここは踏み跡など全く無く、北西に向かって延びている。位置からして、おそらくは善光寺の八人山から延びている尾根だろう。これを上(北西側)に向かって登って行くと・・・今度こそ大岩園地の尾根に出た。

    巻き道(と思われた)を進むと、ヒノキ植林帯の中の意味不明なテープに突き当たる。


    左手の樹林帯斜面を本日3度目の強行突破。


    アカマツの樹林帯に出る。尾根伝いに登って行くと、見覚えのあるまともな道に出た。


    道を進むと展望の開けた広場に出た。確かこの辺に大岩園地と書かれたあずま屋が立っていたはずだが・・・??


    展望地から見る甲府市街。向こうに見える山は櫛形山と南アルプス。

 しかし、おかしい。確か山頂直下の展望地には大岩園地と書かれたあずま屋が立っていたはずだが、それが無い。山を間違えたのか?ひとまず山頂まで行ってみるが、紛れも無くそこは自宅から籔を突っ切って登り着いた山頂だ。大岩園地の近くの山だから大岩山だろうと思っていたのだがそうではなかったようで、山頂の木にくくり付けられた標識には「東山」と書かれていた。それでは、あのあずま屋はどこにあるのだろうか?なにせほとんどまともな道を登って来ない裏山だけに、本来の道がどうなっているのかが良く分かっていない。隣にもう少し高い山が見えるので、道を戻ってそちらまで行ってみることにする。

    山頂到着。ここは何度か登っている。


    大岩園地の上だから大岩山だと思っていたら「東山」と書かれていた。

 来た道を戻って道なりに下って行くと、積翠寺側の武田の杜遊歩道から来る道と合流した。ここは何度か歩いている。右に進んで鹿穴・岩堂峠の方向に進むと、すぐに三差路あり、今度は大岩園地が戻る方向を指している。これはどうなっているのか?戻ってT字路のところの地図を見るが、ますます混乱する。この地図には尾根道が記されておらず、武田の杜遊歩道とメインの山道しか書かれていないのだ。とにかく先まで行ってみることにして進んで行くと、40分ほど歩いて到着したところは大蔵経寺山の分岐点だった。先ほど見えた山は鹿穴だったのだ。ここまで来てようやく理解できた。かつて建っていたあずま屋は老朽化して撤去されていたのだ。先ほどの展望地の広場こそが大岩園地だったのだ。

    戻ってジグザグの道を下りると、積翠寺側にある武田の杜遊歩道から来る道と合流。T字路になっている。


    先に進んで着いたところは大蔵経寺山の分岐点。


    先ほど通過した展望地こそが大岩園地。あずま屋は老朽化して撤去されていた。

 東山から大蔵経寺尾根分岐まで往復し、2時間弱の時間を費やし、東山に戻り着いたのは午後3時20分になってしまった。昼食もそこそこに歩いたので、ここでゆっくり休む。あとは下りるだけだ。東山山頂はあちらこちらにテープが着いていて方向を間違え易く、かつて積翠寺から籔尾根を登って来た時も方向を見失って一番明瞭な岩堂峠方面への道へ進んだことがあった。本日は周辺を余計に歩いたので下山方向を間違えることなく、登って来た道に合流し、分岐点に到着した。右に曲がって広い防火帯林を下る。

    東山から先の道。かなり荒れている。


    分岐点から右に下る。広い道だが傾斜はきつい。下に愛宕山が見える。


    広い尾根道(防火帯林)を下りると今度はやや荒れた登山道。


    さらに下るとみかん畑。みかんの木の枝にテープが着いており、そこは・・・


    躑躅ヶ崎園地を過ぎてすぐのところにあるみかん畑だった。
    
 出たところは躑躅ヶ崎園地の樹木見本林側すぐのところにあるみかん畑だった。みかんの木の枝にテープがついている。道が荒れているように見えるし、看板も着いていないのでこれは分かりにくい。躑躅ヶ崎園地でまたゆっくり休憩して下山口を考える。竜華池はまだ工事の音が聞こえているので使えなそうだ。植物見本林は遠回りだし、竹籔を突っ切るのはもう御免だし・・・竜華池の北側にある若宮八幡神社に下りるマイナーな道があるので、そこを下りることにした。

    下山したところは竜華池の北にある若宮八幡神社。


    大改修工事中の竜華池。埋め立てでもするかのようだ。


    竜華池南側の石碑と桜。この堤を登れば簡単に登山道に入れるのだが・・・通行止めの看板があるので今回は止めた。


    普通の道をテクテクと歩いて桜の小道をくぐって駐車場に到着。

 竜華池の脇を通ると、池は水が抜かれて重機が入り、大規模な改修工事が行われていた。規模からして、改修にはまだしばらく期間がかかりそうだ。竜華池の南側の堤を登れば簡単に登山道に入れるのだが、通行禁止と書かれているので何か事故が起こると大変なので、今回はこの道を避けた。アスファルトの道を護国神社に向かってテクテクと歩き、桜の小道を抜けて駐車場に到着したのは午後5時20分だった。ちょっと散歩のつもりが7時間以上も山にいたことになる。しかし、慣れた地元の裏山だからこそできる道無き山歩きを存分に楽しむことができた。


    
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