山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

武田の杜遊歩道から淡雪山へ  令和2年1月26日

2020年01月28日 | シダの仲間
 武田神社界隈から深草観音・要害山にかけての武田の杜遊歩道東側のルートは、全てではないが大半は生育しているシダの様子を見て歩いた。だが、西側の千代田湖界隈から古湯坊温泉に至るルートはまだほとんど手つかずのままである。前日は風邪症状で鼻水が止まらず1日寝て過ごしたが本日はだいぶ回復した。朝降っていた小雨も10時には止んで一部青空が見えてきた。全てを歩き切れるわけでは無いが半分くらいまでなら午後からでも十分に行ける距離である。11時に自宅を出発して武田の杜遊歩道西側から金子峠・淡雪山のルートをシダを散策しながら歩いてみた。


    道路脇にある武田の杜遊歩道入り口の小スペースに車を止めて出発。


    遊歩道沿いの法面にはオオイタチシダがたくさん生育していた。


    オオイタチシダ


    小松山園地の分岐点


    小松山はアカマツで山梨の森百選に選ばれている。向こうの階段を登って小松山園地に立ち寄る。


    ベンチのある小松山園地。向こうに見えるのは先日歩いた法泉寺山。


    タチシノブ、だが・・・。


    細い葉のこちらがタチシノブ。


    もう1種類、葉の細く無いこのシダは?ソーラスが無く確定できないが、オウレンシダか?


    岩にはクモノスシダが張り付いていた。


    ヤブソテツだが・・・。


    この場所のヤブソテツは葉の辺縁がギザギザしている。


    別株は明らかに鋸歯状。別の名前があるのか?不明。


    オオバイノモトソウ。上側の細い葉が胞子葉、下側の幅広いほうが栄養葉。


    オオバイノモトソウはしばしば大群落を形成する。


    金子峠の分岐に到着。道標がだいぶ痛んでしまっていた。

 何度か歩いている武田の杜遊歩道であるが、金子峠への道はあまり歩く人が居ないようで出来たばかりの頃は立派な道だったが少し荒れてしまっている。しかし通行には全く問題無い。


    倒木が何本かあり、少し崩落個所もある金子峠への道。


    途中の土手にはホシダがたくさん生えていた。


    ホシダ大群落。


    探していたハナワラビの仲間。簡単に見つかるだろうと思っていたのだがこれしか見つからず。


    やはり、思った通りだ。葉の辺縁がやや赤っぽく色付いており鋸歯は明瞭で先端が針状である。これはオオハナワラビだ。


    金子峠(きんすとうげと読む)に到着。曇っていて富士山は見えず。


    すぐ上にある淡雪山に立ち寄る。時間があれば尾根を進んで興院寺山まで行こうかと思ったが、時刻は3時近くなり止める。

 淡雪山で時刻は2時45分だった。あちらこちらフラフラ立ち寄りながら来た割には早く着いたほうだろう。その先にある興院寺山は止めて帯那町の道路を歩いて途中から行けるはずの中山峠を経由して武田の杜遊歩道に戻ることにした。しかし、その中山峠の入り口が分からないので適当に尾根に取り付いてみることにする。


    帯那町から見る南アルプス。三角錐の甲斐駒ケ岳が格好良い。


    舗装道路が分かれている。これを行けば行けるのか?と登ってみるが舗装道路はすぐに終わり道も何だか・・・??


    これは道なのだろうか?


    やっぱり・・・いつもの如く道は消滅。尾根がすぐそこなのでそのまま登る。


    いちばん高いところまで行くと境界見出し標があった。GPSで位置を確認しあたりを見回すと赤ペンキとテープがあった。


    これを頼りに斜面を下る。


    途中にあったカイイワカガミの葉


    藪っぽい道を抜け出ると中山峠に到着した。

 抜け出た尾根には一応道があるようだがあまり歩かれている様子は無く薄い踏み跡程度だった。中山峠からは道は明瞭で以前にも歩いたことがある。東に下りれば武田の杜遊歩道、西に進めば帯那町から千代田湖に抜け出る。予定通りに武田の杜遊歩道に下りて駐車場に戻った。


    最後に出会えたハシゴシダ。もっとたくさんあると予想していたのだが出会えたのはこの株だけだった。


    数株出会ったエビネの葉。千切れているのは鹿の食害か、それとも冬期で痛んだだけか?綺麗に咲いてくれることを期待する。

 植生は武田神社側とはだいぶ違うようで、あるだろうと思っていたハカタシダは出会えなかった。歩いたのは西側の半分ほどなので、もう少し先を探せばあるのかも知れない。そしてまた、期待していたフユノハナワラビには出会えなかった。まだまだ歩くべき場所はたくさんある。


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オオハナワラビとアカハナワラビ、ではフユノハナワラビはいずこに?  令和2年1月

2020年01月21日 | シダの仲間
 昨年12月に見たオオハナワラビをきっかけにハナワラビの仲間を見歩いているが、図鑑やネットを見ても分からないことが多過ぎる。分かっているのは山梨県で冬期に普通に見られるハナワラビの仲間はフユノハナワラビ、オオハナワラビ、アカハナワラビの3種類があるということで、いずれも絶滅危惧種には入っていない。この3種類の中でオオハナワラビとアカハナワラビはある程度区別が出来るようになってきた。


    武田神社近くの里山で見たハナワラビの仲間。


    葉はやや厚めで辺縁の鋸歯が明瞭である。


    拡大したもの。鋸歯の先端が棘状に尖っている。葉の辺縁は若干赤く染まっているものがある。


    関原峠の入り口付近で見たもの。


    これも葉の辺縁の鋸歯が明瞭。葉の辺縁だけ少し赤っぽく色付いている。


    拡大したもの。鋸歯縁は針のように尖っておりこれもオオハナワラビ。


    関原峠の入り口からあまり遠く無い、市川大門町碑林公園付近で見たもの。


    これも葉の辺縁の鋸歯が明瞭で尖っており、おそらくはオオハナワラビ。


    昇仙峡で見たものは葉が赤く色付いていてこれはアカハナワラビと分かる。


    拡大してみると、葉の辺縁の鋸歯は明瞭だがオオハナワラビのように尖ってはいない。葉の質もやや薄くて柔らか目である。


    要害山で見たもの。


    これも葉の辺縁の鋸歯が明瞭で尖っている。当初はアカハナワラビと思ったがどうやらオオハナワラビのようだ。


    しかし、沢沿いで見たものは葉が色付いているうえに鋸歯は尖っておらず、こちらはアカハナワラビと思われる。


    竹宇駒ケ岳神社で見たもの。葉が半分色付いている。辺縁に鋸歯があるが棘状に尖ってはいない。アカハナワラビと思われる。


    南部町福士川で見たもの。辺縁の鋸歯は棘状に尖っている。おそらくオオハナワラビ。


    高尾山で見たもの。葉の辺縁が赤っぽく色付いており鋸歯が明瞭。おそらくオオハナワラビ。


    静岡県焼津市の高草山で見たもの。葉は分かりずらいが拡大して見てみると鋸歯が明瞭に見える。おそらくオオハナワラビ。

 このように今まで見てきたハナワラビの仲間を見直してみると、フユノハナワラビと思っていた多くのハナワラビの仲間がオオハナワラビであろうということが分かってきた。アカハナワラビは葉が赤いからアカハナワラビと思っていたがそうではなくて冬の間だけ赤く色付くものがあるらしく、春になると緑色に戻るらしい。ではフユノハナワラビはどうなっているのか?葉に鋸歯があるものの浅く、葉の先端部は円くなるらしい。今回の判別が間違っていなければまだ見たことが無いということになる。ではフユノハナワラビはいずこに?おそらく混在しているのだと思うのだがまだ探索は始まったばかりだ。そのうち典型的なものを目にする日が来ると思う。
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樹氷の三ツ峠へ  令和2年1月19日

2020年01月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 前日の甲府盆地は冷たい雨が夕方まで降っていた。山の上ではきっと雪になっているだろう。強風が吹いた時に出来る側面から着く樹氷や霧氷は期待薄であるが、週末にこのような天候に出会えるのは滅多にあることでは無い。日の出の7時に間に合うように三ツ峠の展望台に到着するには御坂側の登山口を5時ごろに出発する必要がある。移動時間と準備時間を考慮すると未明4時前に起床する必要がある。しかし、前日眠りについたのは深夜12時近くになってしまいもはや起きるのはほとんど困難である。あきらめて目覚ましをセットしないで寝たが、偶然にも5時に目が覚めた。日の出には間に合わないが午前中のまだ撮影に良い時間帯には間に合いそうである。心配していた登山口の車の駐車もスペースが開いており、ちょうど日の出の7時から歩き始める。


    折角の新雪、トレースの少ない樹林帯の中を歩いて雪の感触を楽しむ。


    振り返ると向かいの山に陽が射してきていた。


    空は青空、きっと綺麗な富士山が・・・。


    もうすぐ三ツ峠山荘。だいぶ陽が高くなってきている。

 朝8時半に三ツ峠山荘の下にある展望台に到着した。登って来る途中で三脚を担いだカメラマンとは何人もすれ違った。おそらく日の出の頃は朝焼けに染まる富士山と樹氷が見られたことだろう。起きられなかったのは仕方なし。でもまだ良い景色は見られるはずだ。


    雲ひとつない綺麗な富士山とご対面。あまり風は無かったが雪はだいぶ落ちてしまっていた。


    それでも十分に綺麗な三ツ峠の富士山。


    展望岩からの景色。もうすっかり雪が踏まれていてカメラマンも少なかった。


    穏やかな天気。雪は思ったほど付かなかったようだ。


    三ツ峠山荘前からの景色


    雪化粧の山頂。


    樹氷と三ツ峠山荘


    山頂登り始めのところから見る樹氷と富士山


    雪景色の御坂山塊と南アルプスの眺望。素晴らしい!


    黒岳と白根三山


    雲が巻く八ヶ岳


    三ツ峠山頂から見る富士山。雲が湧き始めた。


    雲湧き上る富士山


    屏風岩の展望地まで下る。大きなツララが出来た屏風岩。


    湧き上る雲間に富士山が見えたが・・・この後は富士山は雲の中。


    三ツ峠山荘前のベンチで休憩。ずっと雲隠れしていた富士山が一時だけ姿を現した。

 時刻は12時になった。あちらこちらで撮りまくり、あっという間に時間が過ぎてしまった。三ツ峠山荘に挨拶に伺ったが残念ながら小屋主さんは不在で、息子さんにコーヒーをご馳走になってしまった。昼食をとりながら休んでいると、12時10分ごろから尾根に巻き付いていた雲が流れ去り富士山が姿を現した。これを見て、本日は撤退となった。起きられなかった割には、本日は素晴らしい景色を堪能することが出来た。
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道を間違えつつも甲府市中道から関原界隈で見てきたシダ  令和2年1月13日

2020年01月17日 | シダの仲間
 山行記事に既にいくつか見てきたシダを掲載しているが、その他のまだ判別に自身の無いシダを掲載する。


    もう枯れかけていて黄緑色になっている。大型で葉の形からヒメワラビの仲間ということは分かるが・・・?


    ソーラスはほとんど脱落している。茎に毛が少ない、小羽片の付け根には柄が無く翼がある。おそらくミドリヒメワラビ(ヒメシダ科ヒメシダ属)と思われる。


    他の場所でも見かけたがほとんど半分枯れていた。ここだけまだ青々としていた。


    茎には毛があり小羽片には柄がある。


    ソーラスはやや辺縁寄りに付いている。おそらくイワヒメワラビ(コバノイシカグマ科)と思われる。


    杉の林床に2株だけ生えていたカナワラビ属のシダ。


    下向き最下小羽片が下から1番目と2番目で大きく張り出しているゴージャスなシダ。


    小羽片辺縁の鋸歯が深くて明瞭、これはオオカナワラビと思われる。

 ヒメワラビの仲間はみんな同じように見えてしまい同定には全く自信無し。オオカナワラビはいろいろと調べてみたのでおそらく間違いないと思う。山梨県では絶滅危惧ⅠB類の貴重なシダであり、この場所はレッドデータブック2018年版のメッシュに登録されていない場所である。
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右左口トンネルから関原・関原峠・中道往還を周回するはずだったが・・・道を間違える  令和2年1月13日

2020年01月15日 | 御坂・毛無・天子山系
 右左口トンネルから山裾を這うように付けられている道を関原の集落まで歩き、そこから関原峠に登って尾根筋を歩いて中道往還を下山して右左口トンネルに戻る、という周回ルートを歩こうと目論んだ。普通に歩けば5~6時間のコースと思われるが例のごとくシダを見ながら歩くので7~8時間はかかるだろうと予測し、朝8時に右左口トンネル脇にある駐車場をスタートする。


    本日まず歩くのは山裾を這うように切り開かれたこの道。関原の集落まで行く予定だったが・・・


    岩壁に着いていたヤブソテツの仲間。


    羽片基部側の上部分が突出しており、ヤマヤブソテツになるのではないかと思う。


    ハコネシダは普通に見られる。


    オオバイノモトソウ。細い葉と幅広い葉があり、細いほうが胞子葉で幅広のほうが栄養葉。


    細い葉の辺縁にソーラスが付着している。


    通過してきた道は中道往還迦葉坂の一部だったようだ。


    道が分かれていた。右に進んで集落内を歩いたほうが楽だが、ここはシダを探して山道に入る。


    シケシダ


    裏側の小羽片に付着した線形ソーラス。


    道は荒れておりあちらこちらに倒木あり。


    斜面にはエビネが数株生えていた。


    花が咲いていれば・・・ちょっと良い景色になりそうだ。


    民家の脇の田んぼの畔に抜け出た。まともな道に出て眺める景色。


    まともな道はこの先で二手に分かれて終わっていた。

 GPSで位置を確認する。ここから尾根に登る道があるはずである。入り口が明瞭な右側の沢沿いルートに入るが・・・10分ほど歩いたところで道が消失、その先にある沢沿いはどう見てもルートには見えない。戻って尾根の反対側にある沢に入ってみるが、そちらはもっと荒れている。確か関原峠から下りる道はしっかりした明瞭な道があったはずだ。台風で崩落したのか?と思いつつもう一度最初に入った沢沿いを強引に登って行くがやはりルートは見つからない。ならばと尾根に取り付いてみると何となく道らしきものがあったのでそれを使って稜線まで登り上げてみる。しかしこの道、どうみても関原峠のルートでは無い。


    沢沿いを登るが・・・どう見てもルートでは無い。


    尾根に取り付く。何となく道?GPSでは右下の沢沿いにルートがあるようになっているが、上から見る限りではルートは見えない。


    なんとなく平坦地。


    振り返って見る景色


    尾根が見えてきた。あと少し。


    尾根に抜け出た。今度は少しはまともな道、境界見出し標が点々と付いていた。

 尾根まで抜け出て左(右左口トンネル側)に進む。この時点では予定していた関原峠の西側(右左トンネルから遠い側)に抜け出ただろうと思っていたのでこのまま進めば関原峠に出るはず・・・と思って赤テープを追いかけて尾根を下って行くと、想定外にどんどん下って行きやがてテープが無くなり・・・すぐ向こう側に精進湖線の道路が見えるようになってきた。関原峠はいずこに?ここまで来て登り口を間違えて関原峠よりも東側の尾根を登ってしまったことに気付く。下りてきた尾根もルートの無い別尾根である。


    境界見出し標


    赤テープを追いかけて下るが・・・GPSのルートからは外れている。やがて谷間に入り衛星をキャッチできずGPSは頼れなくなってしまった。


    岩。このあたりで赤テープ消失。その先は急峻な崖になっていた。


    すぐそこに精進湖線が見えてきた。関原峠に出ない・・・ここで完全に道が間違っていることに気付く。

 急峻な斜面ではあるが木が生えているのでなんとか下りられそうである。木の幹や根っこにつかまりながら慎重に下りるが、途中スリップして2~3m滑り落ちた。止まったから良かったが止まらなかったら・・・30m以上滑落していただろう。危うかった。


    下りてきた尾根(右側)とルンゼ。スリルあった。

 尾根に登り着くまでは出発してから5時間もかかったが、下りてくるのは1時間ほどだった。駐車場には午後2時に到着した。

 では本来登るはずだった関原からのルートはどこにあるのだろうか?車のGPSを使って関原の集落まで移動してみると、集落内には関原峠を示す案内板が随所に取り付けられておりコース案内の大きな地図もあった。それを頼りに、途中の公園に車を止めさせていただき関原峠登山道の入り口まで歩いてみた。


    ありました。関原峠入り口のゲート。間違って登った場所よりもまだだいぶ先だった。


    見たかったのがこのハナワラビの仲間。


    これだけたくさん胞子穂を出していると圧巻である。


    少し色付いているこの葉は?


    辺縁に明瞭な鋸歯がある。これはアカハナワラビ。(➡いや、たぶんこれはオオハナワラビ)

 探していたのはフユノハナワラビだったがこちらに生えていたのはアカハナワラビ(➡たぶんオオハナワラビ)だった。近くにある大畠山に生育していたのもアカハナワラビ(➡たぶんこれもオオハナワラビ)だったので、このあたりは主にアカハナワラビ(➡たぶんオオハナワラビ)の生育地なのではないかと思う。また別の場所を探してみようと思うのだが、この関原から関原峠、たいら山を周回するコースも魅力的なルートに見える。
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ハカタシダとオオカナワラビ 違いはここだろう、と思う

2020年01月14日 | シダの仲間
 これは自身の勉強のために調べたことをまとめておくための、自分自身に書いた記事なので、ひょっとしたら間違っているかも知れない。そのつもりでご覧いただきたいと思う。

 ハカタシダは山梨県準絶滅危惧種のシダ、一方オオカナワラビは山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダなので当然後者の方が少ないわけである。昨年の年末に武田神社近傍の里山や要害山でハカタシダを見てきたが、特徴的なのははっきりとした長い頂羽片(先端の部分の細長い羽片)と下向き最下小羽片がピンと張り出して反っていることである。これに対してオオカナワラビは同じような形をしているが下向き最下小羽片が真直ぐに伸びるか、個体によって大きさが様々なこと、だと思っていた。しかし、大きな図鑑を取り出して両者の違いを調べてみると、どうやら最下小羽片の形では無くて小羽片の切れ込み方が違うことが分かってきた。ハカタシダの小羽片は浅い鋸歯縁、一方のオオカナワラビは明らかな鋸歯縁になっているらしい。そこで、撮影してきた両者の画像を改めて見直してみることにした。


    武田神社近傍の里山で見たハカタシダ。


    下向き最下小羽片が張り出しており少し反っている。これがハカタシダの特徴だと思っていた。


    こちらが要害山で見たハカタシダ。同じく下向き最下小羽片は反り返っている。


    注目すべきは小羽片の辺縁の切れ込みである。ハカタシダは鋸歯ではあるが切れ込みが浅い。


    一方、こちらは南部町で最初に見つけたオオカナワラビと思わしきシダ。この個体は下向き最下小羽片が突出していなかった。


    小羽片を見てみると、ハカタシダに比べて辺縁の鋸歯が深く切れ込んでいる。おそらくオオカナワラビとみて良い個体だと思う。


    ところが、南部町を2度目に訪問した時に見たシダは小羽片の鋸歯があまり明瞭では無い。おそらくこれはハカタシダ。


    同じ日に別の場所で見たシダは下向き最下羽片がピンと真直ぐに伸びていることからオオカナワラビと思ったが・・・


    裏側から見たところ。小羽片の鋸歯は切れ込みが浅くこれもハカタシダと思われる。

 おそらく2度訪れた南部町の周辺にはハカタシダとオオカナワラビが混在しているものと思われる。その気で見ないと間違えそうである。

 そしてこちらは甲府市中道で登山道を間違えつつも発見してきたシダ、おそらくオオカナワラビだろう。


    オオカナワラビといってもそれほど大型のわけでは無い。


    この個体はゴージャスで、下側2本目の下向き最下小羽片までピンと張り出している。小羽片は鋸歯が明瞭でオオカナワラビと見て間違い無さそうである。


    ソーラスはハカタシダに比べてやや辺縁寄りに付着しているように見えるが、大きな差は無さそうである。

 おそらく、ハカタシダとオオカナワラビの違いはこれで良いのだと思うが、師匠に会ったら確認しておきたいと思う。山梨県には他にもミドリカナワラビ、コバノカナワラビ、ホソバカナワラビ、オニカナワラビなどの判別に苦労しそうなカナワラビ属が生育している。それなりに気合を入れて見て行かないと見過ごしてしまいそうである。

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夕暮れの富士を巡る 本栖湖・田貫湖・精進湖  令和2年1月11日

2020年01月14日 | 月富士
 午後からこれほどスッキリした富士山が姿を現すとは全く想定していなかった。あと1日早くこのような天候になってくれれば篠井山からパール富士が見られたのに・・・と思いつつ南部町のシダ観察を終えてから本栖湖に向かう。時間が間に合えば二十曲峠のキャッツアイもあり得たのだがシダ散策で藪を漕ぎ時間を取り過ぎた。もう間に合いそうも無く、本栖湖で夕暮れの富士を眺める。


    本栖湖から見る残照富士


    昨日このような天気になってくれれば・・・残念。

 次は月の出を待つのだが、朝霧高原から富士山の上に月が昇って来るのは7時近くになるので普通のパール富士にはならない。そこで剣ヶ峰の真上に昇って来る月光ティアラを狙おうと目論んで撮影場所まで足を運ぶが・・・その場所は工事中で立ち入り禁止になっていた。路上駐車して入れなくもないがそこまでして撮るのも気が引ける。あきらめて撤退し朝霧高原もちや付近まで行くと富士山の裾野に金色の月が昇って来た。行き先変更、田貫湖に立ち寄る。


    田貫湖から見る富士山の裾野から昇って来た月


    右上にはオリオン座が昇る。

 さらに精進湖に立ち寄ると、風が止んで湖面に富士山が映るダブル月光富士を見ることが出来た。


    精進湖の湖面に映るダブル月光富士


    レンズの角度が足りず、オリオン座を写し込むと湖面に映る富士山山頂が切れてしまった。縦位置で撮っておけば良かったと反省。


    湖面で反射するおおいぬ座シリウスを眺めて本当に撤退。

 本日は朝から行き先が定まらず、朝霧の朝のダイヤモンド富士を撮ろうとして雲に阻まれ中止、さらに御坂の黒岳に行こうとしたが途中の支脈林道を散策しただけで登る気が失せて撤退したりと、消化不良の1日になってしまった。
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南部町のシダを再訪する  令和2年1月11日

2020年01月13日 | シダの仲間
 前日も訪れているのだが夕暮れで時間切れになってしまい、十分に見られなかった富士川より東側に生育しているシダを再訪した。リョウメンシダも良いのだが気になっているのがオオカナワラビと思わしきシダである。前日見たものは下向き最下小羽片が小さく普通のオオカナワラビとはちょっと違っている。おそらく周辺には下向き最下小羽片がピンと伸びているものが生育しているはずである。前日とは少しルートを変えて歩いてみることにする。


    お寺の山門。たぶんこのあたりに生育していると思うのだが・・・。


    こんなところに・・・という場所に生えていたオオカナワラビ。やはり下向き最下羽片が張り出していて、これが普通の形だと思う。(➡どうやらハカタシダらしい。)


    大株なのでオオベニシダ、と思ったが・・・。


    羽片の葉柄はあまり長く無い。ベニシダか?


    イノデの仲間だが・・・。


    大きな茶色い鱗片。おそらくイノデ。

 お寺の境内まで行って下りて別のルートを探ってみる。堰堤に突き当たって登れずに戻って別ルートを歩いたり、藪を漕いで普通の道に強引に抜け出たりと、ちょっとした散策のつもりがちょっとばかりハードな散策になってしまった。


    緑色鮮やか、細かく切れ込んだ葉が格好良いリョウメンシダ。


    その名の由来は、軸が丸見えで裏側のように見える表側。


    一方、軸が隠れて表側のように見える裏側。だからリョウメンシダである。


    谷の反対側に大型のシダが見える。


    望遠で見るとリョウメンシダだった。かなり大型化するシダ。


    クラマゴケの仲間だがちょっと感じが違う。


    葉が密接して平らに並んでいる。コンテリクラマゴケと思われる。もちろん初見である。


    町を見下ろすように生えていたホシダ。


    石垣の隙間ではなく地面に生えていたトラノオシダ。


    驚きのハシゴシダも生えていた。


    沢沿いに生えていたジュウモンジシダ


    これも沢沿いに生えていたシダらしからぬシダ。もう少し上から撮りたかったが足場が悪くこれが限界。


    イワガネゼンマイ。葉脈に沿ってソーラスが付着するが分岐後に交わらないのがイワガネゼンマイである。


    結構出会えたオオカナワラビ。光沢のある葉が鮮やかだが全体的な形も格好良い。(➡小羽片の切れ込みが少なくたぶんハカタシダ。)


    下向き最下小羽片がこれだけ発達しているとハカタシダと間違えそうだが、ハカタシダは下向き最下小羽片が刀のように反っている。


    成熟したソーラスはやや大き目。


    静岡に行けば全く珍しくないであろうが、山梨県では県南部以外ではあまり見かけない南方系のシダ、ウラジロ。

 やはり下向き最下小羽片が張り出している普通の形をしたオオカナワラビ(➡おそらくハカタシダ)が生育していた。大きさにはかなりの個体差があるらしい。そしてコンテリクラマゴケという初見のシダと、山梨県では初めて見るウラジロに出会うことが出来た。県南部にはまだまで見たことが無いシダがたくさん眠っている。ヤマヒルが居ない冬の間は時間が許す限り探索に来てみたいと思う。
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南部町のシダを巡る  令和2年1月10日

2020年01月12日 | シダの仲間
 この日は夕暮れの頃に篠井山山頂で残照のパール富士が見られるはずだった。山仲間と午後1時に奥山温泉側の篠井山登山口集合にしてあったが、富士本栖リゾートでダイヤモンド富士を見た後に少し時間があったので福士川の支流を散策してみた。その後予定通りに集合場所で合流したのだが、どうにも空模様が悪くライブカメラで見ても富士山は雲に隠れてしまっている。これから天候は下り坂で回復する見込みは低く、周辺を少しだけ散策して本日の篠井山登山は中止し、再び福士川支脈にシダの探索に行くことにした。


    福士川周辺では普通に生えているシシガシラ


    イタチシダの仲間。たぶんヤマイタチシダ。


    木に着生していたシダ。


    カタヒバ。普通は岩に着生するものだと思っていたが・・・。


    林道脇の岩壁にもたくさん着生していた。


    この木にも何か着生している。


    平べったいシダ。


    葉に対して斜め線状のソーラスが葉の先端部分にだけ付着している。サジランと思われる。


    そしてこれが今回一番見たかったシダ、アオネカズラ。渓谷に垂れ下がって生えている姿が美しい。


    木に着生しているものかと思っていたが岩に着生していた。


    ソーラス


    光沢のあるこのイノデの仲間は何?普通のイノデに比べると小さめ。


    葉の先端が刺のようになっていて触ると痛い。


    ソーラス


    鱗片。オニイノデを期待していたが図鑑で調べると小羽片付け根の部分の形が違う。おそらくはカタイノデと思われる。


    数は少ないながらアカハナワラビがあった。

 もう1ヶ所、今度は福士川では無くて富士川よりも東側の支脈沿いを散策してみる。


    デカいシダが生えていた。鮮やかな緑色。


    葉が細かく分かれているこのシダ、見たかったリョウメンシダだ。


    ソーラスがたくさん、蕁麻疹のようだ。


    ベニシダに似ているが・・・


    最下小羽片がイタチシダのように突出していて切れ込みが深い。おそらくトウゴクシダ。


    驚いたのがこのシダ。頂羽片(先端にある細長い羽片)がはっきりしていて一見ハカタシダかと思ったが下向き最下小羽片が小さい。


    辺縁寄りの小さなソーラス。おそらくはオオカナワラビと思われる。

 篠井山のパール富士は叶わなかったが代わりに初めて見るシダの仲間に多数出会うことが出来てそれなりに充実した南部町シダ観察となった。見たかったアオネカズラ(山梨県絶滅危惧ⅠB類)のほかに、判別が間違っていなければオオカナワラビ(山梨県絶滅危惧ⅠB類)に出会うことが出来たのは大きかった。夕暮れになってしまいこの株しか確認できなかったが、おそらく下向き最下小羽片がもっと大きい個体があるはずである。今回は初見のシダ6種類を見て歩くことが出来た。


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池に映るダブルダイヤモンド富士 富士本栖リゾート  令和2年1月10日

2020年01月12日 | ダイヤモンド富士
 カシミール3Dの計算上では本日の富士本栖リゾートから見る富士山はちょうど真ん中あたりから登ってくるはずである。竜ヶ岳と違って歩く必要は無いので朝6時半に起床して出発する。しかし少し遅すぎる出発で、駐車場に到着したのがダイヤの10分前になってしまう。平日なのであまりカメラマンは居ないだろうと思っていたのだが一番良い場所は既に満席で端のほうで構えるがどうにも横にいるカメラマンのバッグが写り込んでしまう。場所を移動して三脚1台分だけ開いていたスペースに入れだせてもらって構えると、すぐにダイヤが始まった。


    カメラをセットしたころにはもう山頂が輝き出していた。


    間もなくダイヤが始まる。


    少し左にずれたが一番良い位置は既に満席だった。これくらいならば良しとしよう。


    池に映るダブルダイヤモンド富士


    同上


    あっという間にショーは終わり。


    本栖湖に立ち寄る。こちらにもカメラマンが数人。

 それなりに綺麗なダイヤモンド富士でとりあえずは撮ったが、歩く苦労が無いとあまり気合が入らない。それは撮影した画像にも出てしまっているように思う。極寒の山上から見るダイヤのほうがひときわ輝いて見える。
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剣ヶ峰に昇るパール富士 富士桜霊園公園  令和2年1月9日

2020年01月09日 | 月富士
 強風吹き荒れた夜が明け、朝から雲ひとつないスッキリした富士山が姿を現した。午後になると少し雲が湧いてきたものの相変わらずの綺麗な富士山である。本日のパール富士は富士宮市の朝霧高原を過ぎてその先まで行けば見ることが出来るのだが、富士山との距離が近くなってしまうので小さなパールになってしまう。そこで、何度も狙っているが剣ヶ峰の真上に月が昇る構図、かつ残照の時間のパール富士を狙って富士桜霊園公園に出かける。初めて訪れる場所で、グーグル航空写真で撮影場所を十分に検討のうえ現地入りする。パール富士の1時間前に現地到着したが既にカメラマンが10人くらいスタンバイしていた。その中でもいちばん右端のあたりに並んでいたベテランカメラマン2人の脇にカメラを構えさせていただき月の出を待つ。


    朝霧高原を通過した頃には雲が巻いていた富士山だったが、日没が近付くとともに雲が晴れてきた。


    ほんのりと染まった富士山。


    もう少し赤くなるはずだったが西の空に出た雲に遮られて色は薄くなってしまった。


    半分ほど昇った月


    計算通りに剣ヶ峰の上に昇って来た月


    この時間でも剣ヶ峰に残照が残っているはずだったが消えてしまった。


    月は離れて行く。


    300㎜望遠レンズ。この頃にはまだ少しピンク色に染まっていたが・・・


    ほとんど残照無し。


    なかなか狙い通りの残照パール富士にはなってくれない。


    いちばん狙っていたのがこの570㎜望遠。


    剣ヶ峰に昇る月


    剣ヶ峰に立つアンテナの真上に月が昇った。


    トリーミング画像。800㎜くらいの望遠でちょうど良かったかも知れない。

 天候が良かったので綺麗な残照紅富士に昇るパールが見られるだろうと期待したのだが、残念ながら西の空に出た雲に阻まれて肝心の時間帯の紅富士は見られなかった。残念。また次回に期待したい。
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昇仙峡界隈のシダを巡る  令和2年1月4日

2020年01月09日 | シダの仲間
 竜ヶ岳のダイヤは不発に終わってしまった。下山後ガストで昼食後、師匠に案内していただき昇仙峡界隈のシダ植物を何ヶ所か案内していただいた。初めて名前を聞くシダがあったり、見たいと思っていたシダも生育していて驚きに満ちた散策となった。


    昇仙峡千ヶ滝


    岩壁に生えていた普通のノキシノブ。葉先が細い。


    こちらがヒメノキシノブ。葉先が円くて小型、かつ色も黄緑色。普通にあるらしい。


    これだけ赤く色付いているとすぐに分かる、アカハナワラビ。


    注目すべきは葉の辺縁の形状で、細かい鋸歯がある。フユノハナワラビは鋸歯が目立たない。


    初めて見るシダ、トキワトラノオ。まさかこんなところで出会えるとは思ってもいなかった。石灰岩地を好むシダ。


    コバノヒノキシダに良く似ているが葉が肉厚で根元近くの葉が小さめ、かつ扇状になる。


    成熟したソーラス。包膜があるが大部分脱落している。


    こちらも初めて見るシダ。名前は知っていたがこんなところにあるとは驚きのトウゴクシダ。


    ベニシダに良く似ているが下向き最下小羽片(根元に一番近い部分の根元側を向いた葉)が大きく突出しており葉の切れ込みが深い。葉の色も鮮やかな緑色。


    ソーラスはベニシダと同じように見える。


    鱗片は薄目。


    こちらは初めて名前を聞くシダ、リョウトウイタチシダ。ヒメイタチシダから新たに別のシダに分類されたらしい。


    下向き最下小羽片はイタチシダの仲間らしくピンと張り出している。葉は光沢が少なくやや薄くて華奢な印象を受ける。


    特徴的なのは幅が広めのこの扁平で真っ黒な鱗片である。


    ちなみにこちらがオオイタチシダ。イタチシダの仲間はなかなか判別が難しく全く自信無し。

 もう1種類見たかったシダがあって案内していただいたが発見できず、後日師匠からメールをいただいてさっそく確認に出かけてきた。


    この冬の間に探しておきたかったシダ。山の中腹にあるのかと思っていたら畑の石垣に生えていた。


    枯れているようにも見えるが、冬期は乾燥から守るために葉を丸めている。ヒメウラジロというあまり見られないシダ。


    裏側の白粉と辺縁に付くソーラス。


    向こうに富士山が見える、良いシチュエーション。葉が青々と茂っている頃に再訪してみよう。


    コバノヒノキシダかと思ったが根元近くの葉を良く見てみるとこれはトキワトラノオ。


    あふれんばかりの山盛りソーラス。

 シダ植物は山上まで行かなくても見られるものがたくさんあり、かつ冬期でも見られるものが多いことが良いところだろう。山梨県では約250種類のシダ植物が生育しており、ようやく100種類くらいまで見ることが出来た。約半年でこれくらい見ていれば上出来だが、里山のシダでもまだお目にかかっていないものが多数ある。県南部の南方系シダはまだ手付かずになっており、急がずに少しずつ見て行きたいと思っている。
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雲に隠れたダイヤモンド富士 竜ヶ岳再訪  令和2年1月4日

2020年01月08日 | ダイヤモンド富士
 この日も未明から空が晴れ渡った。2日に竜ヶ岳から剣ヶ峰で割れるダイヤを狙ったが笹薮の中のポジションが悪く、太陽はわずかに右にずれてしまった。その際に、残りの正月休み3日から5日までの撮影ポジションを確認してきた。都合良く、この3日間は登山道沿いからのポジションで富士山が見え、笹薮漕ぎをしなくても撮影可能であることが分かった。天気予報と雲画像から最も晴れそうな4日を狙って再び竜ヶ岳に登る。


    竜ヶ岳東屋付近から見る富士山。2日の時よりもさらに空気が澄んでスッキリとした富士山が見える。これはイタダキ、とこの時は思った。


    急登を登り切ったあたりから見る富士山。山頂はスッキリと見えているが裾野に湧いてきた雲がちょっと気になる。


    竜ヶ岳山頂。2日に比べると登山者は少ない。中腹に雲が湧いてきた。ちょっと不安がよぎる。


    影富士


    本日の撮影ポイントに到着。雲が増えてきたが大丈夫か?

 2台のカメラをセットしたところでダイヤの時間まであと10分ほどである。そしてどんどん雲が増えて遂に富士山が・・・!


    まずいことに富士山の裏側にも薄雲が出てしまっている。


    さらに雲が増えて肝心の時間には・・・見えない。


    ちょっとした雲の切れ間に光が現れた。


    ほんの少しだけ


    ダイヤが見える


    しかし、光芒は出ず


    太陽の形が見えてしまっている。


    残念。割れるダイヤモンド富士ならず。


    そしてまた太陽は雲の中。

 登って来る時は本日は絶好のダイヤモンド富士日和と思ったが、直前に雲が湧いて撮影成らなかった。これは良くあるパターンで、日が昇り始めて空気が暖かくなると富士山の斜面で冷やされて雲が発生するため、しばしこのような残念な体験をしている。明日もあるが、たぶん早起きする元気は無いだろう。


    太陽が遠ざかった頃にはまた富士山が現れた。気まぐれな富士山は撮影が大変。だから面白く、うまく撮れた時の感動も大きい。

 竜ヶ岳の剣ヶ峰で割れるダイヤはおそらく今シーズンはこれで最後になるだろう。冬至の頃から狙っていたが満足な結果は得られず。また来年、あるいは別の場所から挑戦である。
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湯村山界隈のシダ散策  令和2年1月3日

2020年01月07日 | シダの仲間
 この日も朝から晴れたが前日の竜ヶ岳ダイヤモンド富士で既に力尽き、早起きは出来ずに起きたのはもう10時に近かった。もはやあまり遠出出来る時間ではなく、以前から気になっていた湯村山界隈のシダ探索に出かける。花の宝庫である湯村山は春先に必ず出かける場所のひとつではあるが、既に落葉したこの季節に訪問することはほとんど無い。冬の湯村山はどうなっているのだろうか?


    湯村山山頂に至る遊歩道。落葉して殺風景な感じがするが、散歩している人やトレランの人など結構入山者に出会う。


    古墳の跡


    遊歩道を外れて山道を歩く。昨年の台風の爪跡か、倒木が何本かあった。


    湯村山山頂から見る富士山。スッキリと晴れて綺麗な富士山が姿を見せてくれた。


    こちらの保護柵もだいぶ打撃を受けていた。ポールが根元の部分で折れてしまっているので一部を解除しておく。


    もう1ヶ所は壊滅的である。また春になったらやり直しである。今年も忙しい春になりそうだ。

 湯村山山頂で途中でお会いしたご夫婦の方と山と花談義してしばし休憩し、白山を目指して稜線の遊歩道を進む。


    新しくなった階段


    途中のピーク、法泉寺山


    葉が落ちたこの季節は富士山が見える。


    芽吹いているシュンラン

 法泉寺山から白山に至るコルのあたりまで下りたところでシダの写真を撮ろうとしたところ、三脚をどこかに置き忘れてきたことに気付く。途中でシュンランを撮影した時に置き忘れてきたのであろうが、数ヶ所で撮ったのでどこに置き忘れてきたか?法泉寺山に登り返すが山頂には無し、さらにだいぶ戻った遊歩道脇に置き忘れてあった。往復で30分以上もかかってしまい、白山まで行く元気は消失してしまう。途中から中腹を横切る登山道に入り、シダを観察しながら戻ることにした。しかしその選択が良かったようで、昨年末に要害山周辺で探したが少ししか見つからなかったハシゴシダがこちらにはたくさん生育していた。


    普通に見られるベニシダだが、その右にちょっと変わったシダが生えていた。


    ヒメワラビの仲間、というのはすぐに分かるようになったが、では何ヒメワラビ?


    茎に毛が多く、おそらくイワヒメワラビと思われる。ソーラスは確認できず。


    ゴッソリと群生していたハシゴシダ。


    ソーラスは小羽片のやや辺縁に配列。羽片根元の部分の上向き小羽片が大きい特徴がある。


    意外と大きくなる(50㎝くらい)ことも分かった。


    ちょっと似ているが別のシダ。ソーラスは確認できなかったがシケシダと思われる。


    まだきっちりと判別できないイタチシダの仲間。やや大型で山の斜面に生えておりおそらくオオイタチシダと思われる。


    黒っぽい鱗片、鱗片の根元は袋状に見えなくもないが?良く分からない。

 まだまだ勉強不足のシダ類であるが、だいたいこのあたりの分類に入りそうだというレベルまでは到達して来たと思う。そして珍しいシダと普通に見られるシダもだいぶ分かってきたが、交雑のシダを見分けるレベルにはまだ程遠い。
    
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白山岳で割れるダイヤ キャッツアイを狙うが・・・? 忍野村農道  令和2年1月2日

2020年01月07日 | ダイヤモンド富士
 未明3時半起きで竜ヶ岳ダイヤモンド富士を見て下山してきたのは昼の12時になった。苦手の早起きはやはり眠い。紅富士の湯につかって眠気を少し覚ましてから今度は夕暮れのダイヤモンド富士狙いで忍野村の農道に向かう。お昼ごろには雲に覆われていた富士山だったが午後2時を過ぎた頃から姿を現し、午後3時には中腹に雲が巻いているものの山頂は綺麗に姿を現した。これならばキャッツアイは十分に狙える。再びのぞむ先生と合流して撮影の準備をするが、ここでトラブルが発生する。いつも使っているボーグ200㎜レンズの中に大きなゴミが入ってしまい、分解して除去後組み立て直すが今度は画像左上に原因不明の黒い帯が写ってしまいいくらレンズを拭いても除去できない。後に分かったことだが、前方のレンズが反対向きに取り付けられていて光の屈曲が変わってしまったために起こった現象だった。この時は原因が分からず、300㎜望遠レンズにフルサイズカメラを取り付けて対処した。時間にはかなり余裕があったはずだったがこのトラブルでカメラ3台のセッティングが終わったのはもう太陽が富士山中央に差しかかった頃だった。


    富士山山頂で輝く太陽。キャノンEF-Mレンズ 200㎜ズーム。思ったよりも良く撮れる。


    こちらは標準レンズ。インターバルタイマーで5秒間隔にセッティングしてあとはお任せ撮影。


    白山岳に太陽が沈んで行く。時刻は午後3時半ごろなのでまだ明るい。


    この程度の焦点距離では割れているかどうかは分からない。


    夕陽が沈んだ後。


    200㎜望遠。


    白山岳に太陽が差しかかる。割れているのか?


    トリーミング画像。右に小さく光が出ているようにも見えるが、完全に立ち位置の失敗である。


    残念。


    こちらが急いで調整した300㎜望遠。


    200㎜望遠の1.5mほど右側から撮影。小さく割れているように見える。


    トリーミング画像。とりあえずはなんとか。


    そのまま右の光は小さくなり・・・


    消えてしまった。

 撮影条件は良かったのだが今回は完全に立ち位置の計算ミスである。この界隈のキャッツアイは何度も撮影に成功しているので自信を持って位置を計算してきたつもりだったが、二十曲峠で綺麗に撮れた軌道を使って計算したところ距離が違うために太陽軌道が右にずれてしまった。こんなこともあるが、それにしても折角の好条件を逃したのは痛かった。まだまだ撮影機会はあるので、次は二十曲峠から石割山界隈できっちりと撮り直したいと思う。

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