山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

樹氷の三ツ峠へ  令和2年1月19日

2020年01月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 前日の甲府盆地は冷たい雨が夕方まで降っていた。山の上ではきっと雪になっているだろう。強風が吹いた時に出来る側面から着く樹氷や霧氷は期待薄であるが、週末にこのような天候に出会えるのは滅多にあることでは無い。日の出の7時に間に合うように三ツ峠の展望台に到着するには御坂側の登山口を5時ごろに出発する必要がある。移動時間と準備時間を考慮すると未明4時前に起床する必要がある。しかし、前日眠りについたのは深夜12時近くになってしまいもはや起きるのはほとんど困難である。あきらめて目覚ましをセットしないで寝たが、偶然にも5時に目が覚めた。日の出には間に合わないが午前中のまだ撮影に良い時間帯には間に合いそうである。心配していた登山口の車の駐車もスペースが開いており、ちょうど日の出の7時から歩き始める。


    折角の新雪、トレースの少ない樹林帯の中を歩いて雪の感触を楽しむ。


    振り返ると向かいの山に陽が射してきていた。


    空は青空、きっと綺麗な富士山が・・・。


    もうすぐ三ツ峠山荘。だいぶ陽が高くなってきている。

 朝8時半に三ツ峠山荘の下にある展望台に到着した。登って来る途中で三脚を担いだカメラマンとは何人もすれ違った。おそらく日の出の頃は朝焼けに染まる富士山と樹氷が見られたことだろう。起きられなかったのは仕方なし。でもまだ良い景色は見られるはずだ。


    雲ひとつない綺麗な富士山とご対面。あまり風は無かったが雪はだいぶ落ちてしまっていた。


    それでも十分に綺麗な三ツ峠の富士山。


    展望岩からの景色。もうすっかり雪が踏まれていてカメラマンも少なかった。


    穏やかな天気。雪は思ったほど付かなかったようだ。


    三ツ峠山荘前からの景色


    雪化粧の山頂。


    樹氷と三ツ峠山荘


    山頂登り始めのところから見る樹氷と富士山


    雪景色の御坂山塊と南アルプスの眺望。素晴らしい!


    黒岳と白根三山


    雲が巻く八ヶ岳


    三ツ峠山頂から見る富士山。雲が湧き始めた。


    雲湧き上る富士山


    屏風岩の展望地まで下る。大きなツララが出来た屏風岩。


    湧き上る雲間に富士山が見えたが・・・この後は富士山は雲の中。


    三ツ峠山荘前のベンチで休憩。ずっと雲隠れしていた富士山が一時だけ姿を現した。

 時刻は12時になった。あちらこちらで撮りまくり、あっという間に時間が過ぎてしまった。三ツ峠山荘に挨拶に伺ったが残念ながら小屋主さんは不在で、息子さんにコーヒーをご馳走になってしまった。昼食をとりながら休んでいると、12時10分ごろから尾根に巻き付いていた雲が流れ去り富士山が姿を現した。これを見て、本日は撤退となった。起きられなかった割には、本日は素晴らしい景色を堪能することが出来た。
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右左口トンネルから関原・関原峠・中道往還を周回するはずだったが・・・道を間違える  令和2年1月13日

2020年01月15日 | 御坂・毛無・天子山系
 右左口トンネルから山裾を這うように付けられている道を関原の集落まで歩き、そこから関原峠に登って尾根筋を歩いて中道往還を下山して右左口トンネルに戻る、という周回ルートを歩こうと目論んだ。普通に歩けば5~6時間のコースと思われるが例のごとくシダを見ながら歩くので7~8時間はかかるだろうと予測し、朝8時に右左口トンネル脇にある駐車場をスタートする。


    本日まず歩くのは山裾を這うように切り開かれたこの道。関原の集落まで行く予定だったが・・・


    岩壁に着いていたヤブソテツの仲間。


    羽片基部側の上部分が突出しており、ヤマヤブソテツになるのではないかと思う。


    ハコネシダは普通に見られる。


    オオバイノモトソウ。細い葉と幅広い葉があり、細いほうが胞子葉で幅広のほうが栄養葉。


    細い葉の辺縁にソーラスが付着している。


    通過してきた道は中道往還迦葉坂の一部だったようだ。


    道が分かれていた。右に進んで集落内を歩いたほうが楽だが、ここはシダを探して山道に入る。


    シケシダ


    裏側の小羽片に付着した線形ソーラス。


    道は荒れておりあちらこちらに倒木あり。


    斜面にはエビネが数株生えていた。


    花が咲いていれば・・・ちょっと良い景色になりそうだ。


    民家の脇の田んぼの畔に抜け出た。まともな道に出て眺める景色。


    まともな道はこの先で二手に分かれて終わっていた。

 GPSで位置を確認する。ここから尾根に登る道があるはずである。入り口が明瞭な右側の沢沿いルートに入るが・・・10分ほど歩いたところで道が消失、その先にある沢沿いはどう見てもルートには見えない。戻って尾根の反対側にある沢に入ってみるが、そちらはもっと荒れている。確か関原峠から下りる道はしっかりした明瞭な道があったはずだ。台風で崩落したのか?と思いつつもう一度最初に入った沢沿いを強引に登って行くがやはりルートは見つからない。ならばと尾根に取り付いてみると何となく道らしきものがあったのでそれを使って稜線まで登り上げてみる。しかしこの道、どうみても関原峠のルートでは無い。


    沢沿いを登るが・・・どう見てもルートでは無い。


    尾根に取り付く。何となく道?GPSでは右下の沢沿いにルートがあるようになっているが、上から見る限りではルートは見えない。


    なんとなく平坦地。


    振り返って見る景色


    尾根が見えてきた。あと少し。


    尾根に抜け出た。今度は少しはまともな道、境界見出し標が点々と付いていた。

 尾根まで抜け出て左(右左口トンネル側)に進む。この時点では予定していた関原峠の西側(右左トンネルから遠い側)に抜け出ただろうと思っていたのでこのまま進めば関原峠に出るはず・・・と思って赤テープを追いかけて尾根を下って行くと、想定外にどんどん下って行きやがてテープが無くなり・・・すぐ向こう側に精進湖線の道路が見えるようになってきた。関原峠はいずこに?ここまで来て登り口を間違えて関原峠よりも東側の尾根を登ってしまったことに気付く。下りてきた尾根もルートの無い別尾根である。


    境界見出し標


    赤テープを追いかけて下るが・・・GPSのルートからは外れている。やがて谷間に入り衛星をキャッチできずGPSは頼れなくなってしまった。


    岩。このあたりで赤テープ消失。その先は急峻な崖になっていた。


    すぐそこに精進湖線が見えてきた。関原峠に出ない・・・ここで完全に道が間違っていることに気付く。

 急峻な斜面ではあるが木が生えているのでなんとか下りられそうである。木の幹や根っこにつかまりながら慎重に下りるが、途中スリップして2~3m滑り落ちた。止まったから良かったが止まらなかったら・・・30m以上滑落していただろう。危うかった。


    下りてきた尾根(右側)とルンゼ。スリルあった。

 尾根に登り着くまでは出発してから5時間もかかったが、下りてくるのは1時間ほどだった。駐車場には午後2時に到着した。

 では本来登るはずだった関原からのルートはどこにあるのだろうか?車のGPSを使って関原の集落まで移動してみると、集落内には関原峠を示す案内板が随所に取り付けられておりコース案内の大きな地図もあった。それを頼りに、途中の公園に車を止めさせていただき関原峠登山道の入り口まで歩いてみた。


    ありました。関原峠入り口のゲート。間違って登った場所よりもまだだいぶ先だった。


    見たかったのがこのハナワラビの仲間。


    これだけたくさん胞子穂を出していると圧巻である。


    少し色付いているこの葉は?


    辺縁に明瞭な鋸歯がある。これはアカハナワラビ。(➡いや、たぶんこれはオオハナワラビ)

 探していたのはフユノハナワラビだったがこちらに生えていたのはアカハナワラビ(➡たぶんオオハナワラビ)だった。近くにある大畠山に生育していたのもアカハナワラビ(➡たぶんこれもオオハナワラビ)だったので、このあたりは主にアカハナワラビ(➡たぶんオオハナワラビ)の生育地なのではないかと思う。また別の場所を探してみようと思うのだが、この関原から関原峠、たいら山を周回するコースも魅力的なルートに見える。
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冬空の富士山 芦川スズランの森から新道峠  令和1年12月22日

2019年12月24日 | 御坂・毛無・天子山系
 甲信越は夕方から雨、ないしは山沿いでは雪になる予報である。車のタイヤをスタッドレスに交換する作業を終えるともう時刻は10時を過ぎていた。空はどんよりと曇り空だがもう少しは持ちそうである。ずっと気になっていたスズランの森の保護ネットが無事かどうか、確認に出かける。ついでに黒岳も見て回って来たいが時間的に厳しそうである。


    冬の芦川スズランの森の売店。殺伐とした雰囲気が漂う。


    心配していた保護ネットだが、全く損傷無くしっかりと立っていた。越冬に備えて一部解除する予定だったがこれならば大丈夫そうだ。


    周辺の森のシダを散策してみる。イノデの仲間だがもう枯れかけていて何だかは分からない。


    このシダも周辺のものは痛み出していた。シノブカグマ。やや標高の高い森の中には普通にありそうだ。


    ソーラス配列よりも中軸に付着している真っ黒な鱗片が特徴である。


    オシダ


    先端部のソーラスが付着した葉は大部分脱落している。


    新道峠に至る林道に登り付く。前方に何やら黒い動物が居る。


    ニホンカモシカ。じっとこちらを見つめていた。


    土手に生えている枯れかけたシダもオシダ。


    石垣に付着しているシダもオシダ。


    林道終点に到着。あまり目ぼしいものには出会えなかった。


    新道峠に至る階段。道を整備するのは良いのだが、冬季に霜で法面がどんどん崩落して行くのはあまり良く無い。


    新道峠に到着。山頂は雲に隠れてしまったがなんとか富士山が見えていた。


    冬空に立つ冬富士。これを見て撤退。

 新道峠に至る林道は既に冬季閉鎖となっており、この日は誰も訪れていなかった。林道が開いているシーズンは訪問者が多い新道峠もこの季節は静かである。時刻は3時半、空模様が悪く黒岳に登る余裕は無さそうだ。本日ここまでで撤退する。林道を歩いている途中で雪が舞い始めた。天気予報通り、山沿いは少し積もりそうである。
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雲海踊る富士山 雨ヶ岳  平成30年1月28日

2018年01月29日 | 御坂・毛無・天子山系
 昨年は1月29日に訪れて雲海上のダイヤモンド富士撮影に成功した雨ヶ岳だが、今年はダイヤモンド富士の日が週末の良い日に合わず剣ヶ峰寄りのダイヤになってしまう。ならば得意の剣ヶ峰で割れるダイヤを狙ってみようということで雨ヶ岳のダイヤモンド富士を撮影に出かけることにした。撮影場所は山頂を越えてタカデッキ側の笹原の中になるが撮影場所は確保できるはずである。

 前日の夕方に精進湖を訪れて新しいレンズのテスト撮影を行った後、朝霧高原道の駅に移動して車中泊する。氷点下10℃近くまで冷え込むのを想定してシュラフ2枚を被って寝たが以外にもあまり寒くなかった。未明2時に起床して登山口の根原に移動し、3時15分に出発する。朝霧高原道の駅を出発した時はスッキリとした富士山が見えていたのだが、A沢貯水池あたりまで行くと雲が出始め、さらに端足峠まで登ると・・・この空でダイヤモンドは輝くのか?


    A沢貯水池付近から見る富士山。右上に明るい木星が輝く。雲が出始めたきた。


    5時ごろ、端足峠から見る富士山。空に雲が広がり、星の輝きは見えない。ダイヤモンド危うし!

 端足峠から天の川が見えるだろうと目論んでいたのだが空に雲が広がってしまい星は見えなくなってしまった。ダイヤモンド富士の撮影はきわめて困難な状況、空気が澄んだ時でないと撮れない剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士はほぼ絶望的な状況である。止めて帰ろうか、という思いもよぎったのだが、富士山は見えているので朝焼けの雲が期待できるかも知れない。ここから先は急登に続く急登となるが、頑張って登ることにする。

 中間点の標高1,400m付近で夜が明け始め、林の中から見る富士山の裾野が赤く染まって来た。富士山が一望できる場所まであと標高差250mほど、しかしまだ見上げるような急登が続く。しかも雪道でなかなかピッチが上がらない。朝焼けの空がいちばん広がった6時50分ごろ、やっと富士山の展望できる尾根まで登り着いた。


    期待していた通りの朝焼けの空が広がった雨ヶ岳。山頂までは標高差であと100mほどだ。


    富士山の中腹には雲が巻き付いて絶景の富士山になった。


    強風が吹き荒れ雲が足早に流れて行く。巻き付いた雲もどんどん形が変わって行く。

 朝焼けの雲が薄くなってきた頃に一旦は山頂を目指したが、剣ヶ峰の裏側に雲が出ており割れるダイヤの撮影は困難である。ならば出来るだけ真ん中に太陽を寄せたほうが良いので、一旦直下まで登ったがまた降りて下側からダイヤを狙ってみることにした。


    もうすぐ富士山頂に太陽が現れる頃だが、この雲ではチカリと輝くダイヤは困難だろう。


    剣ヶ峰左側の雲が円形に近い形で輝いている。おそらくもう太陽が昇っているのだろう。


    もう1台の200㎜望遠。ダイヤモンドは輝かない。


    剣ヶ峰の上に円形の輝き、もう昇っているはず。


    雲から抜け出してようやく太陽が輝き出す。

 ダイヤモンド富士にはならなかったが躍動する雲の上に姿を現した朝の富士山を存分に楽しむことが出来た。三脚を担いだまま山頂を目指すが、振り返るたびに雲と富士山は次々に姿を変えて行き、全く足が進まない。


    躍動する雲海に朝日が差し込む


    躍動する雲と富士山


    日暈


    同上


    やっと山頂。雲が上がってきて富士山は見えなくなってしまう。


    一瞬の富士山頂。三脚を構えて朝食のパンをかじりながらじっと待ってやっと撮影出来た画像。

 山頂に到着した8時半ごろにはすっかり雲が湧き上がって富士山は見えなくなってしまった。じっと待って一瞬だけ見えた富士山頂を捉えた後は姿を現さず、さらには雨ヶ岳にも雲が巻き始めてさながらホワイトアウトに近い状況になってしまう。気温は氷点下15℃近くまで下がっていると思われるが、体中ホッカイロを貼っていたので思っていたほどに寒くは無かった。9時15分に撤収して下山する。

 極寒のこの季節に凍り付くようなダイヤモンド富士を撮ってみたかったがそれは叶わなかった。しかし、頑張って登った甲斐が十分過ぎるくらいにあった雲踊る富士山を見ることが出来た。

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ダイヤモンド富士を撮影に再び毛無山へ  平成29年2月18日

2017年02月18日 | 御坂・毛無・天子山系
 先日もこの山に剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影に訪れたばかりだが、その時は雪煙に邪魔されて失敗に終わった。今回狙うのは普通のダイヤモンド富士であるが、標高1,900mを越える御坂・天子山塊最高峰の毛無山からのダイヤモンド富士はまだ朝焼けが残っているうちにダイヤとなり、なんといっても目の前に聳え立つ富士山が大きく、より尖って見えるところが良い。

 前日は午後から雨となった。暖かい陽気だったので山上で雪になるかどうかは微妙なところだったが、夜から未明にかけては気温が下がって樹氷になる可能性がある。かつ、ぐずついた天候が回復してくる時は雲海が広がり易く、この日は絶対にチャンスだろうと見ていた。朝霧高原道の駅に午後7時半に到着すると、まだ小雨が降っていたが、気温は5℃以上あり暖かい。山の上はどうなっているのだろうか?明朝2時起きで出発する予定なので、食事をとってさっさと寝ることにしたが、翌日の準備やら車中泊の寝床の準備やらで手こずり、結局寝たのは9時半になってしまった。

 予定通り、未明2時に目覚まし時計で目を覚まし、軽く朝食をとって麓の毛無山登山口に向かう。3時前に出発できたのだが、アイゼンが入っていないのに気付き、戻って積み直したりしているうちに時間は3時15分になってしまった。ダイヤモンド富士になるのは午前7時ごろなので、もはや急がなければ間に合わない時間になってしまった。ただでさえ登るのに大変な山なのに、息を切らせながら必死で登ることとなる。9合目下の展望台に到着したのは6時20分、富士山の上に出た雲が赤く焼けてくれたが、三脚を出して撮影している余裕は無く、手持ちで撮って山頂に向かって急ぐ。


    9合目展望台の朝。富士山の上に出た雲が赤く焼けた。


    しっかり撮りたかったが三脚を出している時間的余裕が無く、手持ちで撮影して先を急ぐ。


    毛無山山頂。朝焼けはまだ残っているが、だいぶ薄くなった。ダイヤまであと20分弱。目的地は山頂の向こう側。

 樹氷になっていれば樹氷を入れて輝かせるような感じで撮りたかったが、昨日は山上も雨だったようで全く樹氷は付いていなかった。さらに、雲が無ければ雪原を前景にして撮ろうと思ったが、この雲では雪原が輝かない。ならば、高度感を優先させて裾野まで富士山が見える場所を選択し、山頂の向こうにある岩の上に乗って三脚を構えた。この場所だとダイヤが右に寄ってしまうのも承知の上である。


    本日は左手の岩の上に陣取る。


    ダイヤになる5分前に2本のカメラのセッティングが完了。毎度ながらギリギリの時間である。


    山頂の裏側が輝き始めた。


    雲の光り方から見てもう太陽が出ているはずだが、チカッという光は出ない。


    朝焼けの雲が少し残っていたところは良かったが、ダイヤの光り方はいまいち。


    思ったようなダイヤモンド富士にはなってくれなかった。


    もう1台の200㎜レンズのほうも薄雲に阻まれて威力は発揮できず。


    とりあえずは毛無山のダイヤモンド富士ゲットというところか。


    しかし・・・これでは全く満足できず。

 以前からこの山で狙っているダイヤモンド富士は雲海の上に出るダイヤモンドだが、未だに成功していない。今年は同じ山塊の雨ヶ岳でそれに近いものは撮影に成功したが、毛無山は雨ヶ岳よりも200m弱標高が高く、もっと凄い雲海の富士山が見られるのではないかと期待している。天候の回復してくるこの日を狙ったのだが、残念ながら今回のチャレンジは失敗に終わってしまった。チャレンジし続けていれば、いつかきっと見られる日が来ると信じている。


    毛無山山頂で大休憩する。なんともいえない敗北感がある。もう少し早く登り着いてあの朝焼けを撮っていたら、もう少し満足していたかも知れない。



    毛無山山頂。悔しいのでまた来ますよ。秋か、また来年。

 今年の毛無山は雪が少なく、例年ならば地蔵峠側のルートは谷沿いが雪が深く、かつ雪崩をくらう可能性があるので冬季は使ったことが無かった。しかし、今年のこの雪ならば大丈夫なのではないだろうか?地蔵峠側に行くトレースもしっかりとあるので、今回は地蔵峠ルートで下山することにした。


    地蔵峠上の展望地から見る富士山。なんとなく雲海っぽくなってきた。


    地蔵峠の富士山。ここにも雪は無い。


    富士山の上に雲が広がってきたが・・・笠雲にはならなかった。

 地蔵峠展望地で休憩していると、地蔵峠ルートからミスター毛無山さん、ことK田さんが登って来た。先日毛無山に登った時もお会いしたばかりだが、今回はルートが違うので会えないだろうと思っていたのだが、まさかのこちらのルートを登って来られるとは、出会ってお互いにビックリした。昨年はなんと毛無山登頂260回だそうだ。凄すぎる!!地蔵峠から先のルートが凍っているので気をつけるようにとアドバイスをいただき、地蔵峠からの下り口で軽アイゼンを装着した。


    地蔵峠。ここまでは雪が無いかあっても少しだけだった。しかし、この先の下りは・・・。


    雪だらけ。しかもかなり凍り付いている。


    カチカチのアイスバーン。雪が少ないとはいえ、アイゼン無しでは無事には帰れない。


    プチ氷瀑とプチアイスブルー


    こちらはなかなかの迫力。


    初めて見る冬の比丘尼の滝。K田さんの話だと昔は全面凍ったそうだが、今年はダメだそうだ。それでも迫力は十分。

 ダイヤモンド富士は思うようには撮れなかったが、凍る比丘尼の滝を見て少し気分が良くなった。いつかまたチャレンジ、いつかきっと凄い景色に出会えると信じている。

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剣ヶ峰ダイヤモンド富士 毛無山  平成29年2月15日

2017年02月15日 | 御坂・毛無・天子山系
 夜中にこの山に登るにはそれなりの覚悟と気合が入らないと登れない。急登、かつこの季節は岩と雪のミックスした歩きにくい道になっていると予想される。普通に歩いても私の足だと山頂まで3時間半はかかる。夜道となると最低4時間は見ておかなければならないだろう。自宅から未明に出発したならば、おそらく心が折れてしまい行かなくなってしまうだろう。自分自身を追い込まないとおそらくは登山口にすら行かずに敗退してしまうので、逃げ道を塞ぐつもりで朝霧高原道の駅に車中泊する。

 毛無山でダイヤモンド富士になるのは1週間ほどあるが、剣ヶ峰から昇るダイヤでしかも私が登れる日はこの日しか無かった。計画的に休みをとり、未明2時20分に起床し、3時から麓の登山口から登り始める。もう少し早く出発するはずだったのだが、就眠したのが10時過ぎになってしまい、この時間でもかなり眠い。ダイヤになるのが7時ごろなのでギリギリの時間となってしまった。ところどころアイスバーンになっているところもあったが、なんとかアイゼンを装着せずに9合目下の展望台に6時10分に到着した。裾野がオレンジ色に染まった夜明けの富士山が静かに、大きくたたずんでいる。


    9合目下の富士山展望台から望む。ダイヤまであと45分ほど、急がねば。


    駿河湾と伊豆半島

 三脚を取り出して5分ほど撮影して上を目指す。本日の撮影地は山頂を越えてさらにその先の大見岳の近くまで行かなければならない。急がなければ時間に間に合わなくなりそうだ。山頂をスルーして大見岳に向かい、GPSで場所を確認して座標点に三脚を構える。ダイヤになる15分前になんとか到着できたが、2台のカメラのセッティングが終わったのはダイヤの2分前だった。


    毛無山山頂。今年は雪が少ない。富士山山頂に雪煙が出ており、この時点でおそらく割れるダイヤは難しいだろうと思った。


    600㎜望遠で見る剣ヶ峰。かなりの雪煙が出てしまっている。


    ダイヤ直前、剣ヶ峰の裏側の雪煙が激しく光り出した。


    左側から光芒が出たが、やはりあまり輝かない。


    右からも光が出現。ポジションはぴったりだったと思うが、雪煙に邪魔され輝かず。


    残念。割れてくれなかった。


    こちらがコ・ボーグ220㎜。八角形の光芒になるように絞りを改造した。


    やはり雪煙が邪魔して光芒はうまく出ず。


    広角レンズに変えて普通にダイヤモンド富士を撮影する。


    とりあえずは剣ヶ峰から昇るダイヤモンド富士をゲット。


    残っていた樹氷。

 苦労して登って来たが、毛無山から見る剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影は失敗に終わってしまった。今期はもうこの山から撮影する剣ヶ峰から昇るダイヤの機会は無く、最初にして最後のチャレンジであった。秋以降に再び機会はやって来るのでまたチャレンジだ。

 数日後の週末には今度は富士山中央から出るダイヤモンド富士の撮影機会がある。登るのが大変な山なので再訪するかどうかはまだ未定である。一応撮影候補地でダイヤをイメージしながら撮り歩いて下山する。


    雪原を入れてこんな感じか?


    山頂の木を入れて。あの木が樹氷になっていれば申し分無いのだが、ほとんど雪が付いていない。


    もう1ヶ所確認しておきたかったのがこの7合目展望台。尖った岩で、岩の上に立つのはちょっと怖い。


    展望は申し分無い。


    お坊ちゃま、そんなところで何してるの?近付いてもなかなか逃げないカモシカの子供。


    しばしにらめっこ。

 苦労して登ったからと言ってうまく行くとは限らないもの。しかし、いつか納得できる写真が撮れると信じてきっとまたこの山に登るだろう。、最後に駐車場の前で子供のカモシカに出会うことが出来て、なにか良いことが起こりそうな気がした。こんな至近距離で正面から向き合ったのは初めてだ。またおいでよ、と誘っているかのようだった。
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ダケカンバ越のダイヤモンド富士再び 雨ヶ岳へ  平成29年1月29日

2017年01月29日 | 御坂・毛無・天子山系
 秋の雨ヶ岳ダイヤモンド富士はカメラの設定を失敗していまいちのダイヤモンド富士になってしまった。今回はリベンジで冬の雨ヶ岳を訪れた。

 コースタイムでは3時間半くらいであるが、私の足ではどう見ても4時間はかかる。ダイヤの時間が7時20分ごろ、逆算すると3時半までには歩き始めないと間に合わない可能性がある。目覚まし時計を未明1時半にセットして夜の8時には布団に入り込んで寝る。この日は早朝から朝霧高原にダイヤモンド富士撮影に行っていたおかげで1日中眠く、すんなりと寝付くことが出来、予定通り1時半に起きて出発した。空には雲が多く、星が時折雲の隙間から見える程度だ。これで大丈夫なのか?富士山が見えないのではないかという不安がよぎったが、雲海の上のダイヤを狙うならばこんな天気の日でなければ見られないし、凄い写真とダメな写真はほんの紙一重ということは身に染みてわかっている。登らなくて後悔するよりも登ってガッカリするほうが遥かに益しで、次に繋がる。ここは勝負、3時15分に静岡側の根原から端足峠経由で雨ヶ岳を目指す。


    4時45分、端足峠到着。空には雲が多く、その後富士山は雲に巻かれてみえなくなってしまった。

 気温は低かったが風が無く、オーバージャケットを着て歩くと汗をかく。端足峠で衣服を調整して、いよいよ雨ヶ岳への急登にさしかかる。雪道ではあるが適度に雪が締まっていて、軽アイゼンの掛かりが良くてほとんどスリップしない。順調に1500m小平坦地まで1時間で登り、その頃から空が明るみ始めて富士山が見え始めた。裏側に大きな雲が出ているが、富士山は山頂が綺麗に見えている。少しずつ雲が小さくなっているようで、小平坦地から先の更なる急登を登って富士山の見える尾根まで到着すると、富士山の裾野には雲海が広がっていた。ここで三脚とカメラをセットし、担いで撮り歩きながら山頂を目指す。


    6時半、富士山の見える尾根筋に登り着いた。富士山の裾には雲海が広がり、空の雲はだいぶ小さくなった。


    裾野の雲が朝焼けに染まり、富士山の山頂は雲から抜け出して見えてきた。    


    雲海に浮かんだ朝富士


    富士山の上に出た雲が朝日を浴びて輝いた。

 よし、今日はいただき!とこの時は思ったのだが、山頂に到着する直前に何度も失敗している霞んだ雲が雨ヶ岳山頂に流れ始めた。竜ヶ岳でも何度も苦い思いをしているが、今日は竜ヶ岳よりも300mほど標高が高い雨ヶ岳だ。見下ろす竜ヶ岳は既に雲に覆われているが、ここならばなんとか・・・祈るように山頂に到着した頃には願いが通じたのか雲は消えてくれた。ダイヤの時間まであと10分ほど、秋はタイマーリモートコントローラー任せで失敗したので、今回は自分でシャッターを切ることにして、もう1台のコ・ボーグはサブカメラとして並べてセットし、おまけのつもりでシャッターを切るようにした。裾野に雲海が広がってくれたうえに空には適度な雲が出てくれた。何度も訪れている雨ヶ岳ダイヤモンド富士撮影の中で、一番良い条件が揃った。


    念願だったダケカンバ越しのダイヤモンド富士、もうすぐ始まる。今度は慎重に!


    いよいよ始まったダイヤモンド富士。山頂の薄雲で光は弱いが、これはこれで良し。


    ダケカンバ越しのダイヤモンド富士。今度はきっちりと。


    撮れました。


    雲上の富士山とダイヤモンド


    場所を変えて。
    

    雲海を照らす朝日


    素晴らしき朝に感謝。

 頑張って登った甲斐があって、毛無山塊のダイヤモンド富士では今までで最高の景色に出会うことが出来た。朝霧高原での撮影とは比べものにならないような満足感と達成感にひたることが出来た。この自己満足感こそが次の山への意欲と期待を抱かせてくれるのであろう。
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彩雲流れる富士山 端足峠から竜ヶ岳へ  平成29年1月18日

2017年01月18日 | 御坂・毛無・天子山系
 この日は端足峠で剣ヶ峰のダイヤモンド富士になるはずだった。根原から行くのならば1時間少々で到着できるだろうと見て、6時に根原から登るはずだったのだが、駐車場の入り口を後続の車にあおられてうっかり通過してしまい、車を回すに良い場所が無く結局は朝霧高原道の駅近くまで行って戻ることになってしまう。出発したのは6時15分、ダイヤになる時間が7時43分なのでなんとか間に合うかどうかという時間になってしまった。A沢貯水池の分岐点で車のタイヤの跡に導かれて直進するところを右の道に入ってしまったのが失敗だったのだが、この時は道を間違ったとは思わずにそのまま進んでしまった。植林帯の中に道が続いているはずだがそれらしき道が見当たらず、さらに進むと雪の中に踏み跡があったのでそれを辿って行くと沢の中で踏み跡は無くなってしまっていた。あとにして思えば、あれは人の踏み跡では無くて鹿が水を飲みに行った足跡だったのだろう。GPSで現在地を確認すると本来のルートよりも東の沢の中に入り込んでいた。もはや戻って正規のルートを歩きなおすほどの時間的な余裕は無く、そのまま沢を登って尾根に取り付いてその上にあるはずの東海自然歩道まで強行突破を試みる。しかし、脛から膝のあたりまである雪に苦戦してなかなか足が進まず、東海自然歩道に抜け出て端足峠の分岐点に到着したのは7時10分になってしまった。ここから端足峠までは標高差で200m強、時間にして40分から50分くらいだろう。急げば間に合うか・・・と必死に登るが、先ほどの強行突破で既に足が疲れてしまい、思うように進まない。標高差にして残り50m弱、あと10分かからずに端足峠というところで足元に朝日が射し出してしまう。残念、間に合わず。剣ヶ峰に昇って来た太陽を林の中から眺めながら、ここで初めての休憩をとる。あとはゆっくりと目的地まで登る。


    残月と雨ヶ岳


    A沢貯水池付近から見る富士山。この時は道が間違っているとは全く思っていなかった。


    端足峠到着は7時50分。10分遅かった。


    本日は端足峠から少し竜ヶ岳側に寄ったこのポジションから剣ヶ峰で割れるダイヤを狙うはずだった。

 この日はカシミールで計算した軌道では剣ヶ峰で割れる可能性がきわめて高いポジションだったうえに、雲や雪煙が無く撮影には絶好の条件だった。残念、気分がへこんだが、収穫無しで帰るのも悔しい。端足峠から竜ヶ岳のルートは10年くらい前に一度歩いただけで、GPSのログも記録していない。ここは今後のために富士山の展望地をチェックしながら竜ヶ岳まで登ってみることにした。


    展望地をチェックしてGPSに記録しながら竜ヶ岳を目指す。


    端足峠コルから見上げる竜ヶ岳。


    残月と雨ヶ岳


    階段が整備されているが、この日はほとんど雪に埋もれていた。


    富士山展望地はあるが、窮屈な場所ばかり。


    道幅は場所によって狭く、本栖湖キャンプ場からのルートに比べると歩きにくい。


    裏側に見える南アルプス。


    年末・年始に何度も通った竜ヶ岳裏側の笹原に到着。


    太陽の位置はだいぶ高くなった。しかし、良く見ると雲の辺縁が色付いているような??

 1時間少々で竜ヶ岳裏側の笹原に到着、ここは年末・年始に割れるダイヤモンド富士撮影に何度も訪れている場所だ。ザックを下して休憩し、富士山を眺めていると・・・なんとなく流れてくる雲が色付いているように見える。鮮やかな虹色とは言えないものの、雲によってははっきりと色付いているのがわかる。


    やっぱり色付いている。


    鮮やかとは言えないが、彩雲。


    富士山頂が隠れてしまったが、大きな雲が色付いた。


    見上げる太陽と彩雲


    彩雲流れる富士山


    太陽が富士山から離れ、彩雲も終わり。

 30分ほど富士山の上を流れる彩雲を追いかけて下山となる。山頂には立ち寄らず、帰りはまともなルートを歩いて下山したが、少しばかり足が痛くなった。

 この日はうまく行くだろうと思って挑んだ剣ヶ峰ダイヤモンド富士だったが、いろいろ重なって失敗となってしまった。しかし、登ったなら登ったなりのご褒美があるもので、今期2度目の竜ヶ岳から見る彩雲を楽しむことが出来た。大満足とは言えないが、ほぼ満足。
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ダケカンバ越のダイヤモンド富士 雨ヶ岳  平成28年11月13日

2016年11月14日 | 御坂・毛無・天子山系
 何度も山頂テント泊でダイヤモンド富士の撮影に出かけている雨ヶ岳だが、まだ撮影に成功していないのが雨ヶ岳山頂にある格好良いダケカンバの幹の間を通して観るダイヤモンド富士である。前日の12日ならば富士山の真ん中から昇るダイヤになったはずだが、当直疲れと仕事の都合でとても登れそうも無く、この日の未明から登ることにした。

 いつもならば静岡側の根原から端足峠を経由して登るのだが、この日は本栖側から登ることにした。何度も歩いている道なのだが、沢を渡ったあたりで登山道を見失い、GPSで確認すると登山道を横切っているはずなのだが落ち葉で道が隠れてしまっているのか見つからない。枯れた沢を少し上まで登って尾根に取り付くと、ようやく見慣れた登山道が現われた。20分ほど時間をロスし、少し急がないとダイヤの時間には危うくなってきた。


    端足峠に4時半到着。明るい星は木星。雨ヶ岳ダイヤの時間は7時少し前なので普通ならば間に合うはず。

 端足峠に4時半到着。ここから普通ならば2時間で山頂に到着できるはずだが、足が遅いうえにカメラ2台に三脚2本で荷物が重い。さらに端足峠で夜の富士山を撮影してみたところ、どうにもいつものように撮影出来ず、何かおかしいことに気付く。設定を変えても画像が明るくならないし、ピント合わせも何かおかしい。レンズを見ると何かの拍子にぶつけたのか、ダイヤルの部分がぐらついて光軸が合わなくなってしまっていた。そんなことをやっているうちに時間が20分も経過してしまい、急がないとダイヤに間に合わなくなりそうになってきた。あとは休憩をそこそこにひたすら雨ヶ岳の急登を息を切らせながら登る。


    雨ヶ岳下の展望地に到着。時間は6時10分。ここからでもダイヤモンド富士は撮れるので、ひとまずは安心。


    山頂直下の展望地。朝焼けに雲が染まった。


    山頂に到着。狙っていたこの構図でダイヤモンド富士を狙う。

 ヘロヘロになりながら、なんとか6時45分に雨ヶ岳山頂に到着した。狙っていた構図の場所にカメラをセットして露出調整し、ダイヤモンド富士の時間の約3分前から1秒のインターバルでタイマーリモートコントローラーを作動させてあとはオートで撮影する。さらにもう1台のカメラに200㎜望遠レンズをセットして撮影を試みるが、こちらのカメラがうまくセットできずに手こずることになる。ピントがうまく合わないうえに露出の調整も出来ない。いじっているうちに太陽が出始めてしまい、結局はピンボケのまま撮影となってしまう。原因は不明だが、レンズとカメラの接続部分のトラブルと思われ、その後の撮影では正常に作動した。しかし、オートで撮影していた肝心のカメラのほうにも設定のミスがあったことを撮影を終えてから知ることとなる。


    ようやく撮影に成功した雨ヶ岳山頂のダケカンバ越のダイヤモンド富士。


    狙い通り・・・と言いたいところだが。


    こちらがピントの合わなかったもう1台のカメラの画像。


    露出ももっと暗くしたかったのだが、いくらマイナス補正しても暗くならなかった。


    別の場所から撮影した雨ヶ岳のダイヤモンド


    山頂から毛無山寄りの場所にも撮影適地がある。


    日が昇り、ダイヤの撮影はこれまで。

 オート撮影のカメラは絞り優先のオートで撮影していたのだが、測光モードが中央重点測光になっていたようで、ちょうど日の昇る山頂の光量に合わせてシャッタースピードが調整されるように設定されていた。そのため日が昇るにつれてシャッタースピードが速くなってしまい、撮れた画像はちょうどダイヤモンドの輝きが一番良い頃には周辺が真っ暗な画像になってしまっていた。ブログ上では良さそうな画像に見えるがこれはソフトを使って明るさを調整しているためで、調整後の画像をプリントしてみるとやはりややノイズの多い画像になってしまっている。これはまた撮影に行くしかないだろう。

 軽く朝食をとって下山するが、折角なのでバリアンスルートの裏側の尾根を御飯峠経由で下りてみることにした。以前に一度そちらのルートを登って来たことがあるので下りるのも問題無いはずだ。


    山頂裏側の笹薮をかき分け、テープに導かれて進む。


    点々とテープが付いているがいい加減なところもある。基本的には右手に本栖湖を見ながら尾根を真直ぐに下りる感じ。


    コルに到着。ここから登り返し、御飯峠まではコブを4つくらい越える。


    コルから見る富士山。


    尾根から富士山が見えるがいずれも林の枝の間からしか見えない。夏は眺望が効かないだろう。


    たおやかな御飯峠に到着。本栖から裏側の栃代に至る道が交差するが、栃代側はかなり不明瞭な感じがする。


    御飯峠。以前は御飯峠と書かれた看板があったような気がするが・・・??


    本栖側の道はテープがしっかり付いている。


    本栖湖展望台。残念ながら富士山は見えず。


    落ち葉で道が不明瞭になっているが、ジグザグに付けられた道が斜面に続いている。


    中腹の紅葉。向こうに富士山が見えるが・・・写らず。


    谷まで下りたところで見上げる雨ヶ岳。かなり厳しそうな山に見える。


    紅葉と落ち葉の路。もうすぐ本栖湖。

 御飯峠側のバリアンスルートは新しい昭文社の地図にも点線ルートで載るようになったらしい。御飯峠の向こう側にある仏峠あたりまでは整備が進んだようだが、御飯峠から先はまだ踏み跡が薄くテープを追いかけて登るルートである。しかし危険個所は無く、歩き易いルートだと思う。

 ようやく撮影に成功したダケカンバ越のダイヤモンド富士だが、今回は失敗と言わざるを得ない。もう少し余裕を持って山頂に到着しないとこのようなミスが起こってしまう。
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羽・蝶・のラン三昧  御坂山系  平成28年7月17日

2016年07月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 今年は八ヶ岳の谷にこの花を探しに行ったが、見つかったのは1株だけで寂しい思いをした。比較的簡単に登れる御坂山塊の某山では手厚く保護されていて見られるのは確実だが、昨年探索した別の山の花がどうなっているのかずっと気になっていた。南アルプスの沢から下りて来たばかりで足が痛いが、この日を逃すともう今年は時期が過ぎてしまって見られなくなってしまうだろう。ゆっくり歩けば(いつも以上に・・・)、登れる・・・かな??

 標高差200mを1時間かけて登ってひと休み。やっぱり足が痛いがなんとか行けそうだ。その後はさらに失速して40分に1回休憩しながら登ってなんとか現地に到着した。少し遅いのでは?と予想していたが、まだ見頃の花が残っていてくれた。


    若干遅かったが・・・


    まだ見頃の花も残っていてくれた。


    羽・蝶・のラン


    岩場の草地に咲く可憐な薄紫色の花。


    草に隠れてひっそり咲いている株


    高い岩の上で見下ろしている株。

 この場所は昨年に比べると若干数が減っているような気がする。花を見たらなんとなく元気が出た気がした。さらに上にある岩場を訪れてみる。


    5株固まって咲いていた。この場所は昨年よりも増えている。


    心安らぐ美しい花。


    ここにも固まって5株くらい。


    おそらく御坂山塊最多の花付きの株だろう。

 さらにもう1ヶ所、今度は崖を下った谷の岩壁に咲いているので、慎重に進む。


    この株は崖の先に咲いておりこれ以上近付けない。


    よじ登るとその上にも咲いていた。

 この場所の株は昨年とほぼ同じくらいだった。さらに登り返して別の岩壁にもあるのだが・・・時間が午後4時近くになってしまい、ここで撤退する。帰り際に最初の岩壁の下を覗き込んでみたところ、そこにも数株咲いているのを発見できた。全体的にはおそらくは昨年と同程度の株数だと思う。おそらく隣の山周辺の岩場にも咲いている可能性が高いと思われるが、そちらの調査は来年にしたいと思う。
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ダイヤモンド富士と樹氷ダイヤモンド 雨ヶ岳(2日目後編)  平成28年2月6日ー7日

2016年02月10日 | 御坂・毛無・天子山系
 朝の富士山頂に昇った細い月は素晴らしい輝きだった。苦労して登ってきた甲斐があったが、撮影がいまひとつだったのが心残りだ。

 既に朝食は摂ったので、ダイヤモンド富士の撮影にカメラ2台と三脚だけ持ってタカデッキ側に移動する。時間は6時半、ダイヤモンド富士になる時間は7時20分ごろのはずなのでタカデッキまで移動するには時間が足りない。おおよその位置をカシミール3Dで見てきており、座標も手帳にメモしてきた。GPSを片手にその座標の場所を探すが、全くその座標にたどり着けず、タカデッキ側の遥か彼方を差している。どうやら計算を間違えたか、日にちを間違えたようだ。樹林帯の中であまり展望の得られる場所は無いので、木の隙間で富士山が見えるところを適当に探して三脚を構える。


    こちらがピントがきっちり合った本来のボーグ天体望遠レンズの解像度。


    白山岳の辺りが輝き出した。少し右寄りか?


    来た!と思ったがやはり右寄り。白山岳を狙っていたのだが座標の間違いと良い場所が無くこれも仕方なし。


    もう1台のカメラで撮影したダイヤモンド富士。これはこれでまずまずの画像と思う。


    同上。


    ダイヤモンド富士。絞り込んであるのだが、絞りがいくつになっているのかは全く不明。ファインダーを覗き込んだ時の明るさで適当に絞っている。


    樹氷とダイヤモンド富士

 あっさりし過ぎていた感があるが、とりあえずは毛無山塊のダイヤモンド富士の撮影に成功した。テントに戻って休む。あまり腹が減っているわけでは無いのだが、荷物を減らしたいので持って来たパンを食べる。


    雨ヶ岳山頂とテント。


    見上げる青空と樹氷が眩しい。


    もうだいぶ日の位置は高くなった。


    木で朝日を隠して撮影。

 テント撤収して10時に下山開始する。青空が広がり富士山がすっきりと姿を現したこの日は、昨日のキラキラ輝く樹氷を前景に撮影するには好条件だ。しかし・・・荷物はまだ重く、昨日の登りで足に疲れがたまり、全くピッチが上がらない。


    良い景色を見させていただきました。山にお礼を言って下山。いつかこの構図でダイヤモンド富士を。


    山頂直下の笹原と富士山。


    前日オリオン座と冬の大三角形を撮影した場所。この先が樹林帯の急下り。足に力が入らず、踏ん張れない。


    端足峠近くになると樹氷が残っていた。


    木にダイヤモンドが成ったようにキラキラ輝いているのだが、写真では表現できない。


    凄い樹氷。この輝きは是非自分の目で見ていただきたい。


    木に成ったダイヤモンド。


    端足峠に到着した頃には富士山は雲隠れ。

 A沢貯水池まで下りたところで時間は午後1時を過ぎ、駐車場まであと15分ほどだがここでラーメンを作って昼食をとり、大休憩する。あ~、疲れた。しかし、収穫の多い山行だった。駐車場には午後2時帰還。

 毛無山塊でティアラ、ないしは割れるダイヤモンド富士を撮影するならば2月いっぱいが勝負ということになる。しかしこの急登の毛無山塊、またテント担いで登るにはかなりの覚悟がいる。なにせ次は隣の毛無山になるわけで、雨ヶ岳よりもさらに標高差200m登らなければならない。登る時は次の毛無山は「絶対無理!」と思っていたが下山するとこの苦労を忘れてしまう。装備を考えてまた行くかどうか・・・深く考え中。

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月と星の輝く山へ 雨ヶ岳(1日目)  平成28年2月6日‐7日

2016年02月08日 | 御坂・毛無・天子山系
 先週は雨ヶ岳山頂でダイヤモンド富士になるため狙っていたのだが、天候不良だったうえに用事が入ってしまい行けずに終わってしまった。しかし本命はそれではなく、2月7日朝富士山頂に昇って来る月齢28の月だ。先週登っていればそのまま山頂にテントを置いて行く予定だったのだが今回はテントの他に新調したボーグ天体望遠鏡(フラットナーという装備を付けてさらに重くなった)、スカイメモ簡易赤道儀等を詰め込み、65リットルのザックでは入りきらないほどの荷物になってしまう。しかも今回挑むのはあの毛無山塊、途中からは見上げるような急登が続く。カメラは2台持って行くが三脚2本は持てなそうなので、今回は1本だけにするが、それでも何度も山頂泊している毛無山塊にあって今回が最も荷物が重い。果たして登れるのか?

 朝霧高原でティアラ富士撮影後にそのまま登り始めるはずだったのだが、先日ようやく車が修理から戻ってきたばかりで登山靴を積んでくるのを忘れてしまった。止む無し、一旦自宅に戻り態勢を整えて再出発。今回は静岡側の根原から端足峠経由で山頂に至るいちばん楽そうなルートを選択した。歩き始めたのは午後1時半ごろになってしまう。5時間を予定して6時半ごろに山頂到着の予定だ。


    A沢貯水池付近から見る富士山。空は霞んでいるが富士山は見えている。明日の天気予報では午前6時ごろから晴れ。


    端足峠から見る富士山。ここまでは予定通りの2時間。


    端足峠の樹氷。曇り空なのが残念。


    端足峠付近の樹氷。積もった雪が解けてまた凍り付いたのか、キラキラと輝く樹氷が出来上がっていた。


    凄い樹氷。八ヶ岳の樹氷とはまた違う。

 端足峠まではほぼ順調に歩いて2時間で到着した。しかし、ここまでで重い荷物に足はだいぶ疲れてきた。重いザックを下して小休止した後、この界隈の撮影場所をチェックするため一旦竜ヶ岳側に偵察に行く。樹林帯の中ではあるが、切れ間から富士山の見える場所が何ヶ所かあり、今後のダイヤモンド富士撮影の際に使えるかもしれない。

 端足峠の界隈は竜ヶ岳と雨ヶ岳の間にあり雪や風が吹き付ける気象条件の厳しい場所なのだろうか、この界隈には見事な樹氷が残っていた。特に雨ヶ岳側の樹林帯の中はまるで樹氷のトンネルのようになっていた。そのトンネルをくぐり抜けると、いよいよ雨ヶ岳への急登が始まる。


    始まった。雨ヶ岳の急登。トレースがあるのは良かったが緩い雪はアイゼンが効きにくく、踏ん張ってもずり落ちてしまい悪戦苦闘。


    急登の途中から見る富士山。


    もうすぐ中腹の平坦地だが、そこにたどり着く前に日が暮れてしまう。南アルプスの上に綺麗な夕焼け空が広がった。

 雪の積もった雨ヶ岳の急登はかなり厳しかった。荷物が軽ければさほど苦労しない登りなのかもしれないが、雪の締りが悪く軽アイゼン装着して踏ん張ってもずり落ちてしまう。体力を消耗して標高差100~150mを登るのがやっと、30~40分おきに休憩をとりながら必死に斜面を登る。体力に見合わない荷物を担いできただけに何度も「もう無理!」とつぶやいたが、明日の朝の景色を思い描いて「絶対に登る!」という気持ちを抱きつつ山頂を目指す。中腹の平坦地を超えてようやく富士山の眺望が得られる山頂直下の笹原に抜け出たのはもう午後の7時だった。もうオリオン座と冬の大三角形が富士山の山頂を超えて高く昇っている。雲の流れゆく空だったが星の輝きは美しい。山頂に到着した頃にはきっとオリオン座と冬の大三角形は富士山と一緒に撮影できない位置まで昇ってしまっているだろうから、ここで三脚とカメラをセットして撮影しておくことにする。


    富士山頂に昇ったオリオン座と冬の大三角形。時間は午後7時、雲が流れて行くが空は晴れてきた。


    冬の大三角形と駿河湾の灯り。横位置にすると10㎜広角レンズでもオリオン座が一部切れてしまう。

 午後8時、やっと雨ヶ岳山頂に到着した。ヘトヘトだし腹も減ったがテント設営の前にまずは撮影だ。富士山の裾野に雲が湧いており、いつ暴れ出して富士山を隠してしまうかわからない。見えるうちにまずは30分ほど撮影してテント設営し、ようやく夕食となる。


    やっと山頂に到着、午後8時。


    ダケカンバの空に輝く星々。右側の木の枝の間に輝くのがおおいぬ座シリウス、左の町灯りをおおった雲の上に昇って来たのが木星。


    食事を終えて10時ごろテントの外に出てみると雲が湧き、富士山は隠れてしまっていた。明るい星は木星。


    木星が富士山の上まで昇ったところでこの構図で撮りたかったのだが、残念ながら富士山は見えず。

 11時ごろまで待ってみたが空はますます雲が広がり星は見えなくなってしまった。オリオン座の大星雲でも追尾撮影しながらボーグ天体望遠レンズに新たに装着したフラットナーという装備の焦点微調整を行っておきたかったのだが出来ずに終わってしまった。明朝は4時半ごろに富士山の上に天の川が昇って来るはず、そして本命の月齢28の細月は朝6時ごろに富士山頂に現われる。明日の景色を夢で描きながら、目覚ましを4時20分に合わせて寝る。






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富士山に昇る月齢28の細月 雨ヶ岳(予告) 画像が多いので今回は3部構成です。

2016年02月07日 | 御坂・毛無・天子山系
 1月は竜ヶ岳から狙ったが満足な画像が得られなかった翌日に新月となる細い月。今回は雨ヶ岳から撮影するとちょうど富士山頂に現われ、しかも1月よりも時間的な条件が良いので1泊2日で撮影に出かけてきました。撮影したハイライト画像を掲載した予告編です。


    オリオン座と冬の大三角形。雨ヶ岳山頂下の展望地から。この時間になってもまだ山頂に到着できず。急登の連続で既にヘロヘロ。


    ダケカンバの空に輝く星たち。午後8時、やっと山頂。


    姿を現した富士山と天の川。


    金星輝く


    月齢28の地球照の月昇る富士山


    金星、水星、月が接近
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十二ヶ岳の短絡ルートを登る  平成27年7月19日

2015年07月28日 | 御坂・毛無・天子山系
 久しぶりに参加する山岳会嶺朋クラブの山行である。予定では山梨県東部の山のニョ峰・チドリを見に行くはずだったのだが、もう花は終わっているらしく、また午後から天候が崩れる予報なので近場の山に行くことにした。大淵谷の林道を一番奥まで入る十二・節刀ヶ岳の最短ルートを行く。メンバーは私を含めて4人である。

 久しぶりに走る大淵谷の林道は砂防ダム工事が終わってダンプカーが走らなくなったため、道がえぐれてかなり荒れている。そのうえ途中に倒木があって、4人で引っ張って道脇にどかそうとしたがどかし切れず、枝をくじいてなんとか車が通過できる幅を確保して進んだ。


    大淵谷の登山道入り口。使う人が少ないためか、草がだいぶ繁ってきた。


    ヒヨドリバナが咲く登山道。


    こんなものを食べても鹿は大丈夫なのか? これはハシリドコロ。テンニンソウも食べられていた。


    急登の斜面だが、1時間かからずに稜線に抜ける。

 急登の斜面を登ると十二ヶ岳と節刀ヶ岳の中間点あたりの稜線に抜け出る。砂防堤工事に伴ってルートが整備されたので道は明瞭である。反面、かつてはこの登山道沿いにたくさん咲いていたツルシロカネソウやササバギンラン、フタバアオイなどは激減し、テンニンソウとバイケイソウの草地に様変わりしてしまった。


    展望岩場から見る富士山と十二ヶ岳。


    山頂到着。昼食をとって休憩していると、あっという間に富士山に雲が巻き始めた。


    鹿に食べられずに残っているミヤマママコナの群落。これはあまり食べないのかもしれない。


    ?


    Oh,No,Yehランはもう結実している。今年はかなり咲いたようだ。

 山頂周辺を散策した後、昼食をとって大休憩していると11時半ごろから急速に空模様が悪くなり、富士山はあっという間に雲隠れ、さらに自分たちのいる場所にも黒い雲が迫って来た。雷が鳴ってもおかしくないような真っ黒な雲だ。余裕があれば節刀ヶ岳も考えていたが、ここはさっさとげざんすることにする。


    ヒヨドリバナで吸蜜するミドリヒョウモンとアサギマダラ。雲がかかっているのは山頂だけで、下は穏やか、暑い。

 他の御坂山塊の山と同様、この山も鹿の食害がかなり深刻と言える。コイワザクラをはじめとする稀少な植物の宝庫であるだけに心配ではあるが、幸いなことはここは御坂山塊きってのアルペンコースで、鹿が近寄れないような岩壁に花が咲いていることだろう。今年は花の時期を逃してしまったものもいくつかあるが、これからも咲き続けてくれることを願う。

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ホザキの一ッ葉が咲く御坂山塊の山へ  平成27年7月15日

2015年07月22日 | 御坂・毛無・天子山系
 山梨県では南アルプスをはじめとする数か所の山でこの花が咲いているとの情報を得ているが,最も近いのが御坂山塊である.ホザキの一ッ葉の草は数が少なく,ほとんど固まって咲いている場所は無く,単発的に散在して数株のみ咲いているのが現状である.環境の変化によってはすぐにでも絶滅してしまうのではないかと大変危惧している花のひとつである.

 この山にはこのほかにも稀少なラン科植物が咲くが,保護柵やロープは張られていない無法地帯のため,鹿の食害が著しいだけでなく人の踏み荒らしも目立ってきており,今年は盗掘もあったと聞く.この一ッ葉の草もいつまで咲いてくれるのか,保護しなくて大丈夫なものなのか,かなり心配な状況にある.


    この山ではテンニンソウまでが鹿に食べられており,草を食べ尽くして鹿の食べ物が相当無くなっていることが伺える.


    草地の中に一株だけ咲いているのを見つけたホザキの一ッ葉ラン.


    別角度から撮影.あたりを探したが葉も見つからず,この株だけ.


    少し離れた場所で発見した株.近くにはこれと同じような小葉が一枚あった.


    緑色で地味な花だが,すらりと伸びるその姿は森のプリンスといった感じを受ける.


    接写.精巧な造りをした小さな花かたくさん並ぶ.


    近くにあったオオヤマサギソウはもうすぐ咲きそうだ.


    こちらは林道脇に咲いていた大株のクモキリソウ.


    クモキリソウ

 クモキリソウ属の植物は花が咲き終えた後に根元付近に小さな芽を出し,自力で株分けして増殖することができる.そのため必ずしも受粉せずとも自力で株を増やすことができ,このように周辺に小葉を含めてたくさんの株を増やすことができる.しかし,アツモリソウはそのような増殖能力は基本的に持っておらず,確立の低い種子からの増殖が主体となる.そのため盗掘されてしまうと自力で増えることはきわめて困難となってしまう.このホザキの一ッ葉のランはどうなのだろうか?散在的に咲いているところを見ると,自力の株分けによる増殖能力はきわめて低いように見える.


    こちらは南アルプスの山で見つけた一株.うれしいことに,根本には別の小葉がひとつ出ている.


    すっかり踏み荒らされて通路が出来てしまっている稀少な花の咲く場所.これはもう保護に乗り出すしか無いだろう.

 鹿の保護柵も人の保護ロープも設置されていないほとんど無法地帯のこの山は,保護対策を講じないとやがて裸山になってしまうのではないかと心配している.場所を隠すだけが保護ではなく,積極的な対策が必要であることを三つ峠の植物観察会・勉強会以来痛感している.目指しているのは開かれた保護であるが,果たしてそんなことが出来るのかどうか?難しい問題である.



    
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