山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

霞に巻かれた丹沢(2日目)  平成20年8月17日 天候曇りのち雨

2008年08月23日 | 日本百名山
 平成20年8月17日 天候曇りのち雨

 原小屋平から蛭ヶ岳までは地図の上では約2時間かかる。月が富士山頂に来るのは4時ごろ、月没帯食(部分月食)が起こるのは4時半から5時ごろまでだ。未明1時45分に目を覚ましてテントの外に出てみると・・・霧がかかり真っ白な空、月など全く見えない。たぶんこれはダメだろう。そう思いつつも、一瞬の富士山の眺望を期待して準備し、2時15分、ヘッドライト点灯して蛭ヶ岳を目指して出発する。
 この先蛭ヶ岳までの道は一本道、踏み跡も看板もしっかりしている。それでも方向に不安があったので途中でコンパスを取り出して方角を確認したが、地図の方向とぴったり一致した。下りから登りになったところで木道が見え始める。これを過ぎると「蛭ヶ岳 400m」、さらにその先にベンチが設置してある休憩所があり、「蛭ヶ岳 300m」の道標が立っていた。あと少し、と気合を入れて登って行くと、最後の300mはかなりの急傾斜、丸太のステップがつけられているのだが、これは両側の土が流れ出てしまっていてむき出しになっており、歩きにくい。暗い道、しかも雨で濡れているため、スリップに十分注意して慎重に登る。4時40分、神奈川県最高峰、蛭ヶ岳山頂に到着。あたりはまだ薄暗く、白い霧に包まれ、視界は50mくらいしか利かない。月も富士も神奈川県の夜景も全く見えない。

    霧に巻かれた蛭ヶ岳山頂の朝


    蛭ヶ岳山頂。おおっ、これは・・・ほとんど心霊写真。

 山頂のベンチに座り、夜が明けてくるのを待つが、景色は全くダメだった。うっすらと夜が明け、足元が見えるようになってきた5時過ぎ、丹沢山に向けて出発。蛭ヶ岳という名前だけあって、あの吸血ウニョウニョ虫がたくさんいるのではと警戒していたが、ここまでは1匹も見かけなかった。足元にはヒルバスターを振りかけてある。丹沢山まではアップダウンを繰り返しながら少しずつ高度を下げ、約2時間で到着した。この間も霧に巻かれて景色はほとんど見えない状態だった。

    霧が沸き上がる丹沢山山頂付近


    丹沢山山頂。おおっ、これは・・・自己満足の変なおじさん!

 7時20分、丹沢山到着。富士山の撮影に良い場所はないかと山頂周辺の草むらを歩いてみると、はいていたカッパのズボン裾から吸血ウニョウニョ虫が6~7匹這い上がってきた。その登って来るスピードの速いこと。準備してきたアルコールスプレーをザックから取り出している間にいちばん速いやつは膝の上まで登ってきていた。アルコール(消毒用を忘れてきたので43%飲用ウィスキー)を噴霧するとあっという間に地面に落ち、もんどり打って悶えている。話に聞いていたとおり、アルコールの効果は抜群だった。念のため靴と靴下の中を確かめたが、こちらはヒルバスターを撒いていたためか全く被害なしだった。宿泊客がたくさんいるかと思いきや、お盆の週末だというのにみやま山荘はひっそりとしていた。軽食をとって一休みし、午前8時、蛭ヶ岳に向って出発。

    笹原につけられた階段。道は良く整備されている。


    不動ノ峰直下の休憩所。屋根付きの立派な建物。

 天候不順だったのでカメラはザックの中にしまってあったが、帰りはいつものように首からぶら下げて歩く。相変わらずの霧で視界は利かないが、天気が良ければ笹原の気持ち良い稜線歩きになりそうだ。休憩所もしっかりとしていて、不動の峰直下の休憩所は屋根付の立派な小屋で、夏場ならばテント無しでも寝られそうだ。不動の峰には見事なマルバタケブキの群落と、大きなブナの木が何本も立っている。その先の笹原の中には、たぶんシロヤシオツツジと思われるツツジの木があちらこちらに林立している。毎年6月の花の季節に訪れようと思いながら来られないでいる花だ。視界は利かないながらも次に訪れた時の景色を想像しながら歩くのもまた楽しい。

    不動ノ峰のマルバタケブキ群落


    不動ノ峰のブナ大木


    枯木に寄生したオオバギボウシ(?)


    ヘビのように曲がりくねったツツジの木


    鎖のある鬼が岩を振り返る。蛭ヶ岳側から見ると山頂の岩が鬼の角のように見える。

 10時50分、蛭ヶ岳到着、小休止し、テントの張ってある原小屋平に戻る。12時10分到着。水を汲み、昼食をとってテント撤収だ。昨夜一緒だった2人組はまだテント張りっぱなしでどこかの沢に入って釣りをしているらしい。午後1時半、下山開始。天気予報ではこの日は晴れのはずだったのだが、完全にはずれたようで、しだいに雲行きが怪しくなってきている。重い荷物を再び背負って姫次を越え、神の川に向って黙々と下山する。袖平山から風巻ノ頭への急下りのあたりでついに雨が降り出した。ここの急斜面は浮石がたくさんで、スリップに十分注意して慎重に下る。そしてロープの登りを通過して風巻ノ頭休憩所で小休止、このあたりで雨足がしだいに強くなってきた。再びカッパを着るが、既に汗で服はびしょ濡れだ。さらに急下りが続く。スリップに注意していつもより時間がかかり、さらに余計な力を使うのでかなり疲れる。川のせせらぎが聞え始め、もうすぐ橋というところでどしゃ降りの雨となる。2度ほど尻餅をついたものの、無事に橋を渡り林道に到着、5時10分、車の停めてある神ノ川トイレ休憩所に到着した。休憩時間やテント撤収時間を除いても本日は10時間以上の行動時間という、久々の(私にとっては)ロングコースだった。

    原小屋平で吸蜜していたミヤマカラスアゲハ

 天候には恵まれず、狙った風景は全く見られなかった丹沢山行だったが、山歩きの楽しさと充実感を味わえた山行だった。中・低山といって丹沢山系をなめていたわけではないが、アップダウンが多くて大変な山系だということを改めて思い知った。
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霧に巻かれた丹沢(1日目)  平成20年8月16-17日

2008年08月19日 | 日本百名山
 平成20年8月16-17日 天候曇り時々雨

 この日は十五夜の満月が明るく輝く夜のはずだった。そして翌17日の朝は蛭ヶ岳山頂から見ると富士山の上に月が沈み、かつ月没帯食という、月が水平線に沈む頃に部分月食が起こるという絶好の天体ショーが見られる、はずだった。

    神ノ川ゲート前のトイレ休憩所

 午前中の仕事を済ませて出発し、高速道路を上野原で下り山道を走って神の川のゲートに到着したのは午前11時半。きれいで大きなトイレが建っており、その前の道沿いに既に4~5台の車が縦列駐車してあったので、並んで車を停めさせてもらう。神の川から歩き始めたのは12時、順調に歩いて6時間くらいで蛭ヶ岳なので、一雨くれば到着できないこともあり得る。今回はテントを持って入山することにした。ゲートからアスファルトの道を15分ほど歩くと左側の川に下りる階段があり、東海自然歩道、袖平山、姫次、焼山の看板あがる。そこを下ると立派な橋がかかっており、そこから登山道に入る。いきなりの石屑状の急登り、そこを過ぎるとスギ・ヒノキの緩い登りになり、しばらく行くとまた急登り、緩くなって今度は風巻の頭への急登りとなる。登りつくとそこには立派な休憩小屋が立てられていて、夏場ならばテント無しでも寝られそうだ。一旦下りになって小コブを一つか二つ越えると、今度はロープのついた崖のような急下り。コルに降り立つと、今度は見上げるような急登りが待っている。浮石がゴロゴロしていて歩きにくい。特に下りは要注意だ。登りつくとまた緩い下り、上りのアップダウンを繰り返し、さらに袖平山への急登りへと続く。登りにさしかかったあたりで雨が降り出し、西側の大室山あたりでゴロゴロと遠雷が鳴り出した。その雲は当然の如くこちらに向って流れて来る。しばらく雲の様子をみながら林の中で待機していると、30分ほどで雲が去り、空が明るくなってきた。袖平山への登りには地図に危険マークがついており、ガレの縁を通過する場所がある。落石があると確かに危険だが、道は良く整備されていて通行には全く支障はなかった。

    川にかかる橋。これを渡ると登山道になる。


    風巻の頭の休憩所(帰り際に撮影)

 急斜面をひと登りして袖平山に到着、ここには休憩ベンチが設置されており、下を見ると焚き火をした痕跡があることから、テントを張った人がいるらしい。時間は午後4時半をまわっている。そして再び遠雷が鳴り始め、冷たい雲が流れて来る。ベンチに座ってしばし雲の様子を伺い、ここにテントを張るか、それとももう少し進むか大いに迷った。心配なのは水が残り1リットルほどしか無いことだ。夕食をここで食べると明日蛭ヶ岳まで行く水が足りなくなるかもしれない。地図で確かめると、この先の姫次まで約20分、そこから下りになって水場のマークがある原小屋平まで約20分、できればそこまで行きたい。待つこと30分、空が明るくなり、青空の一部が見え始めたので出発する。

    姫次。富士山の眺望が良いらしいが、この日も翌日も全くダメ。(帰り際に撮影)

 姫次は富士山の眺望が良いらしいが、霧に巻かれて全く眺望無し。小休憩して原小屋平に向かうと、そこは平らになった絶好のテント場だった。既に先客が一組、男性2人組だった。水を探しに原小屋沢側(東側)に下りて10分ほどガレた沢筋を降りたが水場は見つからず、戻ってくると、先客の人が反対側(西側)に5~10分ほど降りると水場があることを教えてくれた。無事水を確保することができ、夕食にありつくことができた。

    原小屋平。テントを張るには良い場所。水場もある。

 空はどんよりと曇り空だが、時折明るい星が見える。7時を過ぎた頃には東の空から明るい満月が昇り始めた。天気予報では明日は晴れか曇り、朝の景色を期待して早々に眠りにつく。 (2日目に続く)
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吐竜の滝  平成20年8月10日

2008年08月19日 | 番外編
 平成20年8月10日 天候曇り

 飯盛山の帰り道、まだ時間が早かったので、吐竜の滝に立ち寄った。駐車場から15分ほどで滝のところまで行けるため、訪れる人が多い有名な滝である。上野巌氏の著書「山梨の滝」(山日カラーブックス)の中に秋たけなわの素晴らしい吐竜の滝の写真が掲載されている。予想通り、駐車場はほぼ満杯状態だったが、運良く出て行った車があったのでそこに車を止め、三脚とカメラを担いで滝に向う。整備された遊歩道を行き交う人たちがたくさんいた。沢沿いの道を歩くと涼しい風が流れ、小海線の鉄橋の下をくぐって滝に到着。たくさんの見物人がおり、カメラの視野から人の姿が切れるのをじっと待って撮影した。

    川俣川東俣の流れと遊歩道。撮影している頭の上には小海線の鉄橋が走る。


    吐竜の滝


    流れ落ちる滝  咲いている黄色い花はオタカラコウか?
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展望の良い初心者コース、飯盛山  平成20年8月10日

2008年08月15日 | 番外編
 平成20年8月10日 天候晴れ

 朝5時の空を見上げると雲行きが悪い。天気予報でも午後から一雨来そうだ。ならば・・・短時間で登れ、先日入り口を確かめておいた飯盛山へ行ってみることにした。この山は八ヶ岳の絶好の展望台になっていて、この季節は八ヶ岳に沈む夏の大三角形、冬にはオリオン座と冬の大三角形を撮影するのに絶好のポジションで、コース確認の意味もある。
 清里の千ヶ滝の先に平沢という地区があり、そこには飯盛山最短コースの標識が立っている。登山者駐車場というのがあるので、そこに車を停めると、駐車場入り口にいた犬がワンワン吠える。間もなく駐車場管理人の女性が現れて、駐車料金500円を請求された。ここは有料駐車場だったのだ。良く見ると、駐車場の中の看板に小さく有料と書かれていた。ヴィラ千ヶ滝といい飯盛山といい、詐欺にあったような500円にちょっと腹が立ったが、ここは気持ちよく500円支払って午前8時15分、飯盛山向けて出発。登山道を登って行くと左手に宿泊所と思われる大きな建物が見えてきた。ロッジ牧詩(ぼっか)という施設で、ここから歩いたほうが早そうだ。林の中の緩い登りを歩いて行くと、左側に沢が流れている。水の汲めそうな場所はないか探しながら歩くと、沢を渡る道があり、そこを渡ってその先まで行ってみると、そこには立派な林道が登山道とほぼ平行して走っていた。タイヤの跡がほとんど無いところをみると、たぶんゲートで閉鎖されている林道なのだろう。沢の水は使えなくはないが、あまりきれいな水とは言えなそうだ。

    登山道(遊歩道)と飯盛山

 再び登山道に戻って登って行くと、その上で先ほどの林道と合流し、その先は丸太できれいに整備された登山道(遊歩道)が山頂に向ってつけられていた。飯盛山ハイキングマップの大きな看板が立っている。10分ほど歩くと眺望の良い稜線に抜け、右手に飯盛山山頂の穏やかなピークが見えてくる。そのあたりはマツムシソウがたくさん咲き、濃いピンク色のハクサンフウロやヤマハハコ、カワラナデシコ、コウリンカなどの花を見ることができた。緩い登りの遊歩道をゆっくりと歩き、10時、山頂に到着。山頂直下は山の斜面がピンク色に見えるほどたくさんのシモツケソウが咲いていた。

    ハクサンフウロ  この山のハクサンフウロは色が濃くて鮮やか。


    マツムシソウ。たくさん咲いている。


    コウリンカ。宇宙から舞い降りたようなきれいな花。この花に出会うと何か良いことが起こりそう。

 山頂には10人ほどの人たちが休んでおり、ほとんどの人たちは私とは違うルートを登って来た人たちだった。道を尋ねてみると、野辺山側に売店、トイレが備わっている大きな駐車場があるらしい。地図で確かめるとその駐車場から車道を歩いて平沢の駐車場に戻れるようだ。軽食とたっぷりの休憩をとって、隣に見える平沢山のピークを越えて野辺山方面に行ってみることにした。

    山頂直下のお花畑。山がピンク色に見えるほどシモツケソウがたくさん咲く。


    飯盛山山頂。みなさん八ヶ岳の方向を見てます。この日は残念ながら雲隠れ。

 平沢山への登りはやや傾斜がきついが、斜面に階段状の切れ込みがつけられている。ピークからわずかに下って巻き道と合流し、そこからしばらくは水平に近い林の中の道を歩く。ところどころ石の露出したやや急な斜面を下ると展望が開け、野辺山のスキー場、さらに下ると左手に野辺山国立天文台の大きなパラボラアンテナが見えてくる。直下には獅子岩という大きな岩が見え、ゴルフ場と目指す駐車場がその手前に見え始める。あと15分も下れば駐車場だが、そこに「宮司の滝」と書かれた看板が目に付いた。この滝は千ヶ滝の上にある滝で、そこに行く道ならば必ず歩く予定だったアスファルトの道を横切るはずだ。ルート短絡のため迷わずそちらに進むと、今までの整備された道とはやや違う登山道らしい細い道になっていた。看板や階段がつけられて迷うことなく、やがて電波塔の何本も立つ斜面を抜け、予想通り、アスファルトの道に抜けた。宮司の滝への道はさらに続いているが、ここはアスファルトの道をテクテクと歩いて駐車場に戻った。途中で林道の入り口も確認したが、やはり入り口にはクサリが張られており、ちょうどボーイスカウトと思わしき少年少女たちが山頂向けて登って行くところだった。ロッジ牧詩の入り口もこの道沿いにあった。駐車場12時到着。

    野辺山方面に向かって歩く。向うの小ピークが平沢山。


    色鮮やかなカワラナデシコ。これもたくさん咲いていました。


    獅子岩とゴルフ場、手前の小さく見える建物が駐車場の売店。こちらの駐車場は広くて無料、しかもコースはこちらの方が早く山頂に到着できる。

 コースがたいへん良く整備され、花もたくさん咲き、眺望も申し分ない飯盛山のハイキングコース。初心者には打って付けの山だった。


    飯盛山ハイキングマップ
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霞む富士山、石割山  平成20年8月8日

2008年08月09日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年8月8日 天候曇り

 カシミール3Dとアストロガイドという2つのソフトからこの日の月の沈む位置を予測してみると、ちょうど石割山か二十曲峠あたりで富士山山頂に月が沈みそうだ。ここのところ連日夕立と雷でしばしば停電に陥っている山梨県。しかし、この日の天気予報では雷に遭遇する可能性は低い。空模様は曇りだが、青空の広がっているところもあり、一瞬の晴れ間を期待して二十曲峠に向う。
 忍野から二十曲峠への道は細い林道ではあるが舗装された道だ。峠に到着すると展望が開け、車を止められるスペースがある。水場やトイレもあって、おいしそうなスイカが冷やされていた。ここは富士山撮影の有名な場所で、車に泊り込みで撮影に来ている人たちがたくさんおり、10本以上の三脚がずらりと並んでいた。石割山への道が悪ければここで撮影も考えていたが、この三脚を見てその気は一気に失せる。時間は夕方5時40分、準備して石割山向けて出発。シカの食害を避けるためのフェンスの横を登って行くと、大きな鉄塔が3本立っている。3本目の鉄塔をまわりこむとすぐに山頂で、30分で到着できた。夕暮れが迫り、あたりは少し薄暗くなりはじめていた。富士山は霞の中に隠れ、シルエットがわずかに見えるのみだ。一瞬でも山頂を見せてくれれば、と期待しつつ、暗くなるのを待つ。

    夕暮れの石割山からの風景

 7時半頃、うっすらと富士山の山小屋の明りが見えるようになってきた。月が富士山近い位置まで来ているはずなのだが、全く見えない。山中湖ほとりの明りは良く見える。約15分間のバルブ撮影してみるとかろうじて霞の中に立つ富士山が写っていた。忍野ではちょうど花火大会をやっているらしく、右下にきれいな花火が打ちあがっていた。その花火とは別に・・・御坂山塊のあたりだろうか、黒い雲の中がピカピカと光っている。規模は小さいが雷雲だ。こっちに来るな!と願っていたが、しだいに石割山山頂にも深い冷たい霧が流れ込む。雲の流れからして雷雲の一部が流れてきている可能性が高い。8時半、カメラ撤収、大急ぎで山を下りる。幸いにして雷は鳴らなかったが、二十曲峠到着の頃はもう富士山の姿はなかった。

    霞む富士山

 猛暑日と夕立、雷の続く今年の夏、どうにもおかしな天候である。これからの夏はすっきりした富士山は見られなくなってしまうのだろうか。
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乗鞍岳から見る御来光  平成20年8月2-3日

2008年08月09日 | 日本百名山
 平成20年8月2-3日 天候晴れ

 夏合宿が終了した息子の迎えに清里まで行った。宿泊した施設はヴィラ千ヶ滝というところで、近くには八ヶ岳や富士山の眺望が良い飯盛山の登山口がある。ヴィラ千ヶ滝は研修や会議ができる大きな施設で、建物はきれいとは言えないが、川のせせらぎを聞きながら自然の中の静かな環境に立つ施設である。近くに千ヶ滝という滝があり、遊歩道を歩いて20分くらいで到着できるらしい。迎えの午後1時まではまだ時間があったのでちょっと見物に行こうと思ったら、遊歩道の入り口のところに料金箱があり、滝の見物には500円支払うように書かれていた。ちょうど管理人さんらしき人が現れて、1回500円だと催促された。何ゆえにお金を払って滝を見に行かなければならないのか?この川は個人の持ち物ではないはず。遊歩道の整備費という意味ならば強制徴収ではなくて協力金になるのでは?ちょっと腹が立って結局滝を見に行くのはやめた。
 そんなこともあって、息子とその友達を乗せて甲府に戻ったのは2時半ごろ。それから準備して出発したのは3時過ぎになってしまった。行く先は乗鞍だが、山頂に向う最終バスには間に合うはずもなく、テントを積んで乗鞍高原休暇村のテント場に寝ることにした。高速を120kmくらいで飛ばし、5時半には休暇村センターに到着したものの、テント場の場所がわからず、休暇村センターの受付で場所を聞き移動。しかしやはり入り口が良くわからず、座望庵(ざぼうあん)という休憩施設で場所を聞くと、その前の広い駐車場のいちばん隅に遊歩道がつけられていた。そこから歩いて15分ほどでテント場に到着した。時間は6時半、テントを張って夕食をとると、もうあたりは暗くなってきた。夕焼けに赤く染まる空がきれいだったが、残念ながらお目当ての乗鞍岳は木々の間からようやく見える程度で、星空を入れての乗鞍岳撮影はできない場所だった。

    乗鞍休暇村キャンプ場の夕暮れ  乗鞍岳はわずかに見えるのみ。


    木星昇る  ひときわ明るい木星が雲の間から姿を現す。

 空には薄雲がかかっているものの、午後8時ごろから南東側の空にひときわ明るい木星が昇りはじめた。頭の上には白鳥座デネブが時折輝く。一旦テントに潜って横になるもののなかなか寝付けず、テントの喚起窓から時々空を眺める。午前1時半、外を見ると、空には星が輝いていた。南西に沈みかけた木星、北西の空に傾きかけている夏の大三角形。テントから起き出して空を眺め、結局そのまま2時過ぎにテント撤収し、朝3時40分出発の乗鞍岳畳平行きの御来光バスに乗ることとなる。

    沈む夏の大三角形  観光センターあたりから撮影。

 バス停のある乗鞍観光センターには3時に到着した。既に数人待っていたが、バス待ちの順番はトップで確保し、バスの到着を待つ。少し時間があったので北西に沈んでゆく夏の大三角形の星空撮影をしたが、駐車場近辺で乗鞍岳をうまく捉えることができる場所は見つけられなかった。星空は良かったものの山が無く、物足りない写真となってしまった。最終的なバス待ちの人は50~60人といったところだろうか。バス2台に分乗して定刻に出発。畳平バス停手前の日の出が見やすい場所で降ろしてもらう。ちょうど富士見岳の登り口だったので、先頭を切って富士見岳に登る。山頂にトップで到着、と思ったら既に4~5人の先客あり、前日山頂泊の人たちだ。一面に広がる雲海の上に、北側には槍・穂高をはじめとする北アルプスが間近に立ち、東から南にかけては八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスが浮かぶ雄大な眺め。そして15分ほど経過した頃、浅間山のやや北側から朝日が昇り始める。赤く大きな日の出だった。

    乗鞍岳から見る御来光  太陽のすぐ右下に見えるのが浅間山。


    日の出と槍・穂高  間近に槍・穂高の雄姿が見える。


    乗鞍岳最高峰、剣ヶ峰を見上げる

 日の出を見た後、乗鞍岳の最高峰、剣ヶ峰に向ってテクテクと歩く。途中の肩の小屋で一休みして頂上目指すが、既にたくさんの人が登っている。私は相変わらず標高3,000mを越えると咳と痰が多くなるが、だいぶ改善してきている。このあたりにはたいしたお花畑はなかったが、山頂手前のガレ場には目を見張るようなコマクサの群落があった。山頂に立つ神社周辺は人でごったがえしており、20人以上の団体の登山者もいた。西側に見える雲海に浮かぶ御嶽山が朝日に映えて美しかった。

    雲海に浮かぶ御嶽山


    山頂から見る北アルプス


    雪渓とコバイケイソウ


    池のほとりに咲くウサギギク

 のんびり歩いて畳平のバス停に戻る。途中で50人くらいいるのではと思われるような団体客とすれ違う。しかも全員中・高齢者。途中の池のほとりには黄色い花が咲き、登りながら見た時はタンポポだとばかり思っていたら、良く見ると可愛らしいウサギギクだった。さらに畳平のお花畑は、上から見ると白いじゅうたんのように広がって見える。保護のため木道がつけられ、監視員がしっかりと見張りしている。歩いてみるとそこはハクサンイチゲやミヤマキンバイを中心とした見事なお花畑。ミヤマクロユリもたくさんあった。人だかりのところに行ってみると、雷鳥の姿を見ることもできた。

    畳平とバスターミナル


    畳平のお花畑  向うに見える山が日の出を迎えた富士見岳

 乗鞍岳は登山としては物足りなさを感じるが、景色や花を楽しむには手軽に行けて良い山だった。
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ニッコウキスゲ咲く霧ヶ峰(車山高原)  平成20年7月27日

2008年08月01日 | 日本百名山
 平成20年7月27日 天候晴れ

 蓼科山山頂はガスに巻かれていたが、7合目鳥居まで下山すると空は青空が広がっていた。シャツがだいぶ汗臭くなっていたので着替えた後、車山高原に向う。今頃はニッコウキスゲが見頃を迎えているはずだ。白樺湖の横を通り過ぎて車山の登りにさしかかると、広い草原状の大地が広がる。富士見台という看板のある駐車場に車を止めて一休み、時間は9時を少し過ぎた頃だった。昨日雷の撮影に夢中でほとんど眠らず、やたらと眠くなってきたため、ここで30分ほど仮眠をとる。気がつくといつの間にか周りにはたくさんの車が駐車していた。この分だとたぶん車山高原の上は人がいっぱいだろう。あまり人のたくさんいるところは好きではないし、眠いので本日は帰ろう、と思い、一旦茅野のインター目指して道路を下り始めた。予想通り、その先の登山口周辺の駐車場は満車、駐車場が空くのを待っている車で渋滞していた。一旦は通り過ぎたものの、山の斜面を見ると黄色いニッコウキスゲがたくさん咲いている。しかし散策している人もたくさん見える。どうするか?迷ったあげく、車を回して再び登山口を目指す。そこの駐車場には入れないので1kmほど先の道沿いにある駐車場に車を止めて歩く。

    車山高原


    車山のニッコウキスゲ

 時間は10時、朝はパンを食べただけでお腹がすいたので、まずレストランに寄って山菜そばを食べ、それから出発。ニッコウキスゲは見頃をやや過ぎているようだったが、それでも見ごたえ十分。その他に目についた花では、ハクサンフウロ、ヨツバヒヨドリ、イブキトラノオなどがたくさん咲き、ヤナギランは咲き始めたばかりといったところだった。その他に目立ったのはお気に入りの花、マツムシソウ。群落はなかったが、道沿いのあちらこちらに薄紫色の可憐な花を咲かせていた。そして、人がたくさん、私と同様に三脚かついでブラブラしている人もたくさんいた。しかし、私のような大き目の登山用ザックを背負っている人はほとんど見かけず、なにか一人だけ浮いているような気がした。(といっても全く気にはしていませんが。)

    アザミと八ヶ岳


    道脇に咲いていたマツムシソウ


    咲き始めたヤナギラン。向うは美ヶ原(?)


    テガタチドリ


    この黒紫色の花は何? 向うの山は前日登った蓼科山。

 ゆっくり歩いて1時間半ほどでドームの立つ車山山頂に到着。ものすごい人であふれかえっており、中にはかかとが細くて長いサンダルを履いている女性も見かけた。そんな履物でどうやって登って来たんだ?と疑問を持ったが、反対側に回り込むとそこにはリフトの山頂駅があり納得。眺望に恵まれた山頂からは東から南側に八ヶ岳の峰々が連なり、さらにその向うには南アルプスの山並が広がる。天気が良ければ富士山も見えるらしい。夜の星空撮影のイメージを考えつつ景色を楽しむ。

    ドームの立つ山頂。人がいっぱい。向う側にはリフト山頂駅がある。


    一人浮いているおっさん。


    レストランと駐車場と登り口。ほぼ満車状態。下山時には遠雷鳴り始めていたが、これから登って行く人たちがたくさんいた。大丈夫なの?雷は怖いよ~。

 帰りはやや足早に下山し、30分かからずに登山口に到着した。駐車場に戻り、眠い目をこすりながら、高速を使わずに甲府に戻った。
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