山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

うろこ雲広がる晩秋の空 韓国岳  平成24年11月16日

2012年11月20日 | 日本百名山
 職員旅行初日の宿泊地は鹿児島市城山観光ホテル、高台に建つ高級ホテルだ。早朝出発して午前中に韓国岳に登ることを考えていたのだが、前日、料亭での食事にありつけなかったことがあり、朝食はホテルで食べてから出発したい。6時に起床して大浴場のお風呂に入り、7時に朝食。だが、この朝食会場がかなり混雑しており、15分ほど待ってようやく食事にありつけた。朝からこんなに食べて良いのかというくらいに食べた後、8時にホテルを出発する。行き先は韓国岳の登山口、えびの高原だ。

    宿泊した鹿児島市城山観光ホテル。温泉の大浴場は桜島を見ながらお風呂に入れる。


    桜島の夜明け。城山観光ホテルから。

 ちょうど10時にえびの高原駐車場に到着した。有料駐車場に車を止め、まずは敷地内にある看板の地図と登山口を確認し出発する。最初はアスファルトの道を歩き、硫黄山の分岐あたりで登山道らしくなる。しかしその先も整備された道が続く。

    えびの高原駐車場。ここは有料だが、道沿いの無料駐車場もあるようだ。


    うろこ雲が空一面に広がった韓国岳。右側が山頂、左は独立した山では無く、爆裂火口の一部。


    硫黄山分岐の手前、整備された道を行く。


    3合目の標柱。1合ごとに標柱が立てられ、距離が記されている。


    4合目から見下ろすえびの高原

 石のゴロゴロしたやや急傾斜のところもあるが、丸太でつくられたステップがうまく設置されている。1時間少々で5合目に到着、小休止後、1時間ほどで山頂に到着した。標高差約500m、2時間ほどの行程だった。8合目から上は広大なミヤマキリシマツツジの群生地となっており、花期に訪れればきっと素晴らしい光景にめぐり会えることだろう。(そのかわり、たぶん人もいっぱい。)

    8合目。雪が降ったらしく、ところどころ白くなっている。


    雪を被ったミヤマキリシマ


    8合目から上はミヤマキリシマの大群落。えびの高原を見下ろす。


    大浪池とミヤマキリシマ

 12時10分山頂到着。向こうにまだ噴煙の柱を何本も上げる新燃岳と三角錐の形が良い高千穂峰が聳え立つ。この日は霞に混じって桜島の火山灰が飛んだようで、景色は霞んで見えた。地元の登山愛好家の方と山頂で話す機会があり、新燃岳が噴火した時の火山灰と噴礫で新燃岳周辺の木々はほとんど枯れてしまったそうだ。風向きで火山灰が多く降った高千穂峰側は登山道に砂礫がかなり積もったが、反面石が露出していた斜面が覆われて歩きやすくなったそうだ。風が強く体感温度は寒かったが、フリースを1枚着るだけでなんとか凌げた。

    うろこ雲流れる新燃岳と高千穂峰


    新燃岳はまだ噴煙を上げている。


    風が強く、薄い髪も逆立つ。

 山頂裏側(爆裂火口側)は鋭く切り立った崖になっており、その下に爆裂火口を見ることができる。誤って落ちたらひとたまりもない。昼食後、登山道から少し外れて爆裂火口周囲を巡る細い踏み跡を8合目付近まで歩いてみた。側面から見る韓国岳山頂はスッパリと切り落ちている。

    山頂から見下ろす爆裂火口。怖くて近付き難い。


    やや回り込んだ場所から見下ろす爆裂火口


    さらに回り込んだ場所から見上げる韓国岳山頂と爆裂火口の一部

 午後1時半ごろ、8合目付近で正規の登山道に下り、下山開始する。山頂付近でかなり時間を費やしたので帰りはあまり休憩することも無くひたすら下山、1時間ほどで駐車場に到着した。駐車場の向こう側に建つおみやげ物屋さんに行くと2階がレストランになっており、ここで登って来た韓国岳を眺めながら、宮崎牛の焼き肉を食べてゆっくり食事をとる。簡単に登れる割には眺望に恵まれた良い山だった。九重山、由布岳と同様に、九州の山はツツジが咲く季節に訪れてみたい山だとつくづく感じた。


 さて、レンタカーを鹿児島空港に戻し、国分駅までタクシーで移動、そこから日豊本線に乗って宮崎に移動した。午後6時半、高千穂見物に行っていた職場のメンバーと合流し、宮崎地鶏のお店で地鶏料理を堪能した。炭焼きもも肉は炭の香りが漂って絶品、アルコールもかなり入ってすっかり上機嫌になる。さらに、本日の宿泊地はシーガイア・シェラトングランデホテルという昨日にも増して高級なホテルだった。ちょうどゴルフのフェニックスオープン(だったか?)が開催されており、石川遼選手も同じホテルに宿泊していたらしい。上階のカクテルバーに移動してさらにもう少しアルコールを飲み、11時半に部屋に戻り寝る。充実した1日だった。

 これで九州の日本百名山は残すところ阿蘇山と屋久島宮之浦岳の2つとなった。いつ行けるかは全く分からないが、今回のようなとりあえず頂上に登って来るような登山では無く、良い季節にじっくりと登ってみたいと願う。
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東シナ海に沈む夕陽 開聞岳  平成24年11月15日

2012年11月19日 | 日本百名山
 職員旅行で九州へ行く機会があった。本来は香港のはずだったのだが、尖閣問題で状況が危うくなったため、6月の時点で香港旅行を中止し、九州の鹿児島・宮崎に変更となった。数年前にも九州旅行があり、その時は1泊2日で九重山に登り、さらに由布岳にも登りたいへん満足な旅行ができた。そして今回も飛行機や食事の時間との調整を行いつつ、開聞岳と韓国岳に登る計画を立てた。旅行メンバーの中に登山する者はおらず、今回は単独の登山となる。
 
 11月15日

 職場に早朝4時15分に集合し、バスで羽田空港へ。そして鹿児島空港には10時過ぎに到着した。さっそく手配したレンタカー会社に電話するが、全く電話が通じず20分ほど繰り返し電話してようやくつながり、鹿児島空港まで迎えに来てもらう。11時過ぎに鹿児島空港出発し、指宿に向かう。登山口の開聞山麓ふれあい公園に到着したのは午後1時となり、あてにしていたバーナーの燃料は手に入れる余裕無く登山口にに来てしまう。運良く公園の売店にお菓子とパンが売っており、これを買って1時20分に出発する。予定では4時ごろに山頂到着し、海に沈む夕陽を眺めてから暗い中を下山するつもりだ。初めて歩く道だが、整備された道で、傾斜がほぼ一定の渦巻状になっており、迷うところは無いと聞いた。

    かいもん山麓ふれあい公園から見上げる開聞岳。形はまさに富士山。


    ツワブキ。山麓にたくさん咲いていた。


    2合目の登山口

 2合目の登山口から登山道に入ると、最初は亜熱帯樹林の中のやや薄暗い森を進む。樫の木を主体としたこの森は、私が生まれ育った千葉の森に良く似ている。5合目で一度展望が開け、大隅半島根元のあたりと長崎鼻が見渡せる。そしてまた樹林帯に入り、今度は7合目あたりで再び視界が開け、長崎鼻先端から、その向こうに大隅半島先端までが見渡せるようになる。そしたまた樹林帯、今度は9合目付近から先ほどとは反対側の薩摩半島枕崎側が見渡せるようになる。こちら側はもう東シナ海だ。

    樹林帯の中の道を行く。


    開聞岳中~下部の亜熱帯樹林帯。千葉の森に良く似ている。


    5合目。展望所になっている。


    5合目から見る長崎鼻と大隅半島


    7合目からの展望。長崎鼻先端と、その向こうに大隅半島の先端まで見渡せる。


    8合目付近にある仙人洞


    8合目付近にあるロープ場


    9合目付近から見る薩摩半島枕崎側。こちらの海は東シナ海。

 9合目付近にはハシゴ場があり、それを過ぎると山頂への最後の急登となる。山頂手前に鳥居の立つ御嶽神社があり、それを過ぎるとすぐに山頂に飛び出す。大きな岩があり、その上からは360度の眺望が得られる。午後4時15分、山頂到着。約3時間の行程だった。

    9合目付近のハシゴ場


    山頂直下の急登。あと少し。


    直下に立つ御嶽神社


    開聞岳山頂。岩の上から標柱と池田湖を見下ろす。


    長崎鼻と大隅半島

 甲府ではこの時期、午後4時半になるともう日が沈んで暗くなってくるが、鹿児島では5時近くまで日が沈まない。影開聞岳が指宿の町に端正な形の影を落としている。しかし、夕陽の沈んで行く東シナ海側は・・・山頂の樹木に阻まれて光る海面が十分に見えない。予定では山頂で日没を迎えるはずだったのだが、ここでは夕陽に染まる海原が十分に見えないので、下山しながら良さげな場所を探すことにする。

    指宿の町に影を落とす開聞岳


    東シナ海に沈み行く夕陽。山頂からだと樹木が邪魔して海面が十分に見えない。

 9合目ハシゴ上、夕陽と海は見えるが左側斜面が近過ぎる。9合目付近の展望地は比較的良いが、もう少し眼下まで海が見えるところが良い。さらに下山するが、その先は樹林帯で展望地が全く見つからず、どんどん陽が沈んで行ってしまう。そして到着した7合目展望地、ちょうど陽が沈むところだったが、ここから見る夕陽は林の中に隠れ、残念ながら見えなかった。かくして、南シナ海にまさに沈まんとする夕陽の撮影は失敗に終わる。

    9合目ハシゴ上から見る夕陽。左斜面がまだ邪魔。


    9合目付近の展望地から見る夕陽。ここは比較的良いが、もう少し海原が広く見えるところが良い。しかし、その先には・・・


    樹林帯から見る夕陽。良い場所が見つからないまま、どんどん夕陽が沈んで行く。


    7合目展望地から見る夕暮れ。夕陽は右の樹林帯ギリギリのところに隠れてしまう。


    長崎鼻と大隅半島の夕暮れ

 初めて登る山で狙い通りの写真を撮るのはなかなか難しいものだ。角度を計算して行ったつもりだったが、狙った場所からは展望が得られなかった。それも止む無し、とにかく下山する。6時半、かいもん山麓ふれあい公園に到着すると、空には一面の星空が広がった。海抜200mにも満たない場所なのに、鹿児島南端まで来ると山梨県の標高1,500mを越えたところから見るような星空だ。ゆっくり見ていたい気持ちもあったのだが、料亭での食事会が旅行の中に組まれている。数カット撮影して宿泊地鹿児島市に向かう。

    5合目から見下ろす指宿市の夜景


    かいもん山麓ふれあい公園から見上げる開聞岳と天の川


 しかし・・・途中で旅行幹事から電話が入る。料亭は2時間の予定で8時半には切り上げるという。カーナビで見ると到着時間は8時半だ。急いでもかなり厳しい時間・・・かなり飛ばしたが料亭近傍に到着したのは8時15分。期待していた料亭「熊襲亭(くまそてい)」の食事はあきらめて、夕食は一人ラーメンを食べることになる。重ねて残念。しかし、タクシーの運転手に連れて行ってもらった「小金太」というラーメン屋、客は地元の人ばかりで味は絶品だった。これには大満足。
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ダイヤモンド富士ならず、しかし・・・ 雨ヶ岳(2日目)  平成24年11月10日-11日

2012年11月13日 | 御坂・毛無・天子山系
 富士の裾野から昇る木星、オリオン座と冬の大三角形、そして未明に昇って来る二十七夜の細月、さらにダイヤモンド富士を狙って前日の夕暮れ時に雨ヶ岳山頂に到着しテント泊した。空が澄み、薄雲が流れ行く空の上に満天の星が広がり、久しぶりの星空を堪能した。

 明けた11日の未明3時半に起床する。そろそろ富士山の裾野から月が昇り始めている頃だ。しかし・・・テントの外を見て唖然とする。前夜の星空はどこへやら、霧におおわれて真っ白な世界が広がる。富士山も、月もいったいどこへやら・・・??。気温-4℃、想定した通りの氷点下、結構寒い。テントに戻ってバーナーを焚き、暖をとりながら早目の下山に備えてシュラフやシュラフカバーを詰め込む。4時を過ぎた頃にテントの外を見てみると、時折富士山頂が霧の間から姿を現し、その上にはうっすらと月らしき影が透けて見える。それほど厚い霧では無いようで、空を見上げれば前夜楽しませてくれた木星と冬の大三角形がうっすらと透けて見えていた。数カット撮影してテントに戻り、今度は朝食を摂る。

    うっすらと見えた月と富士山頂


    霧の空に透けて見えた木星と冬の大三角形

 すっかりあきらめていた午後5時40分、再びテントの外を覗いてみると、南から東の空にかけて真っ赤に焼けていた。そして流れ行く霧の切れ間から富士山が姿を現す。見事に雲海の上に富士山が浮かんでくれた。空高く二十七夜の月が輝いている。

    霧の間から姿を現した朝焼けに立つ富士山


    朝焼けに昇る二十七夜の月


    見事に雲海の上に富士山が出た。


    雲海に立つ朝焼け富士


    雲が湧き上がり、富士山に絡み付く。

 これでダイヤモンドが輝いてくれれば最高なのだが、富士山の後ろ側にはあいにくの厚い雲がかかっている。雨ヶ岳山頂にあるお気に入りの木を前景にして三脚を固定し、その時をじっと待つ。時間は午前7時を回った。そろそろ時間だが・・・富士山頂がわずかに明るくなった程度で、ダイヤモンドは輝かなかった。しばらく見ていると富士山頂で明るくなった光こそが太陽で、雲が薄くなった富士山の右上で雲を透けて輝いていた。

    朝焼けが終わり、空は晴れたが富士山の裏には厚めの雲がかかる。


    この雲を透けて朝日が輝いてくれれば・・・念願の雲海上のダイヤモンド富士だが・・・。


    この構図でダイヤモンド富士を待つ。山頂が少し明るくなっているのが、実は太陽。ダイヤモンドは輝かず。


    富士山頂を過ぎたところで透けて見えた太陽。

 空は次第に雲が増え始めていた。富士山も時折山頂がすっぽりと雲におおわれたかと思えば、また姿を現す。午後からは雨の予報なので早々にテント撤収し、午後7時45分、下山開始する。スリップしそうな急斜面に注意しつつ、1時間で端足峠到着。A沢貯水池周辺の撮影ポイントをチェックしながらも、10時前に駐車場に到着した。

 山の景色は登ってみなければわからない。天候が崩れる前、そして回復してくる時にはこのようなドラマチックな展開となることがあるのだが、ほとんどの場合は空振りに終わる。しかし、こういう景色を見てしまうと見込みが薄いのを承知でまた来たくなる。中毒のようなものだろう。
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富士山に昇る木星とオリオン座(インターバル撮影)

2012年11月12日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成24年11月10日、雨ヶ岳山頂で過ごした夜に試みた新しい撮影法がこのインターバル撮影だ。これは長時間露光撮影とは異なり、カメラをしっかりと固定して通常の星空撮影を繰り返し、それをビデオ編集ソフトでつなぎ合わせてあたかも動画のように見せる手法である。以前にふたご座流星群をこの方法で撮影したことがあったが、ビデオソフトがうまく使えず編集には失敗している。ソフトを新しくしたので今度はなんとか動画っぽく編集できるようになった。

 
 これは10㎜超広角レンズで撮影したインターバル撮影の映像の一部である。シャッタースピード34秒、インターバル1秒の35秒を1サイクルとして電池の続く限り(時間にして約1時間)、100枚以上の映像をつなぎ合わせて編集する。







 こちらは17㎜レンズでの撮影画像である。このレンズはF2.8の明るいレンズなので、シャッタースピード24秒、インターバル1秒の25秒1サイクルで撮影している。生き物のように流れ行く雲の上を木星とオリオン座が昇って行く姿が映し出されている。








 それでは、お楽しみください。「富士に昇る木星とオリオン座」初めて公開するインターバル撮影です。音楽は1966カルテットのファーストアルバム「BEATLES CLASSICS」の中から「Good Night」です。

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富士に昇るオリオン座と冬の大三角形 雨ヶ岳  平成24年11月10日-11日

2012年11月11日 | 御坂・毛無・天子山系
 今年の富士山は10月にすっかり雪化粧し、富士山らしい綺麗な容姿を見せている。11月10日から12日までの3日間はちょうど雨ヶ岳の山頂からダイヤモンド富士が見られる日だ。特に11日の日曜日は山頂真ん中から日が昇る絶好の日だ。しかし、問題なのは天気だ。予報ではこの日は昼過ぎから雨。しかし、天気が崩れ始める前は狙い目でもある。ひょっとしたら、雲海の上に富士山が浮かんでくれるかもしれないからだ。何度も雲海上のダイヤモンド富士を求めて登っている毛無山・雨ヶ岳山塊だが、チャンスは何度もあったが未だに雲海上のダイヤは撮影に成功していない。今回も一発勝負、テントを担いで雨ヶ岳に登る。さらにもう一つの狙いは、東の空から昇って来るオリオン座と冬の大三角形だ。ちょうど富士山の左裾あたりから昇って来るはずで、木星が接近している今は賑やかな夕暮れの空になっている。

 当直開けて2日目なのでとても早起きなどできず、ゆっくり起きてお風呂に入り、甲府の自宅を出発したのは既に昼の12時を回ってしまう。前回は今年の2月に本栖湖側から登ったので今回は静岡側の根原から入山することにした。1時過ぎに到着したのは良いが、林道入口の駐車場手前で既に立ち入り禁止になっている。車を止められず、止む無く朝霧高原道の駅の前を右折して東海自然歩道の通る草原に入ってみたが、どうみてもかなりの距離がある。戻って根原小学校脇の細い道に入るが、ここは行き止まり。さらに戻ってガソリンスタンド脇を入ると車が止められるスペースがあった。しかし、ここはどうみても私有地だ。しかし、使われている様子はないので、その空き地の隅に車を止めさせていただく。出発は午後1時50分になってしまう。またしても、明るいうちに山頂には到着できそうもない。

    私有地と思われる空き地に車を止めさせていただく。後ろに見えるのが目指す毛無山・雨ヶ岳の山塊。


    このゲートの先に駐車場があるのだが・・・通行止め。この先で工事している場所があり、道幅が狭くなっていた。


    ここが使えると楽なのだが、当分は使えなそうだ。駐車料金ではなく協力金の徴収箱が設置してある。

 アスファルトの林道を進むと別荘地を過ぎてA沢貯水池のところで東海自然歩道と合流する。この道は良く整備されていて随所に立派な道標が立てられている。道標に従って端足峠(はしたとうげ)に進むと、急傾斜ながら道はジグザグにうまくつけられており、30分ほど登ると端足峠に到着する。時間は3時15分、1時間半弱で峠に到着した。

    東海自然歩道に出る。フェンスの向こうがA沢貯留池で、飲料水のため立ち入り禁止になっている。


    端足峠の分岐。ここから登りになる。


    端足峠から見る富士山。陽の射す角度が良く、PLフィルターがパッチリ効く。

 あまりのんびりしているつもりはなかったのだが、今日の富士山があまりにも綺麗だったので三脚を出して撮影しているとあっという間に30分も時間を費やしてしまう。この先から本番の雨ヶ岳急登が始まる。良く刈り払われた笹原の急登を過ぎさらに続く林の中の急登を登り、標高1,500mあたりのところで時間は4時半を回る。赤く焼ける富士山を期待していたのだが、ほとんど染まらずにあっさり日が沈んでしまう。もうすぐ暗くなるのでヘッドライトを装着し、午後5時ごろから点灯して登る。そして山頂直下の最後の急傾斜を空腹のエネルギー切れと闘いつつ、すっかり暗くなった午後5時45分、山頂到着した。

    端足峠付近から見上げる雨ヶ岳。すぐそこに見えるのだが、ここからが急登りの始まり。


    笹原の急登


    なかなか到着しない雨ヶ岳。まだまだ続く急登り。


    夕暮れの空。あまり染まらずにあっさりと陽が沈む。


    山頂到着は6時少し前。端正な富士山が聳える。右が駿河湾の明かり、左は河口湖の明かり。

 テント設営の前にしばし眼前の富士山と星空を眺め休憩する。一通り撮影したところでテント設営して夕食をとる。午後8時を過ぎた頃には東の空に木星が輝いているはずなので、その時間に再びテントの外に出て撮影を始める。この日は新兵器、ハーフミストフィルターを持って来た。これは、ソフトフィルターを使うと星は大きく写るが、反面山や景色がぼやけてしまうので、下の部分をシャープに写して空の星をぼかそうという発想だ。しかしながら、そのフィルターは空が白く写ってしまい、失敗に終わる。さらにもうひとつの兵器、それは手製のハーフソフトフィルターだ。これはプロテクターにフィルムを張り付けた自家製のもの。しかし、つなぎ目の部分に線が入ってしまうのではないかと心配していたのだが、どうやら大丈夫そうだ。木星が大きく輝いて写るがその他の星はいまいち、もう一工夫必要そうだ。

    天の川と夏の大三角形。これはフィルター無しの画像。


    富士に昇る木星  ハーフソフトフィルター使用。運良く流星が流れてくれたが、飛行機は邪魔。


    富士に昇るオリオン座


    木星とオリオン座  広角10㎜レンズ+ハーフソフトフィルター


    富士に昇る木星と冬の大三角形  富士山の真上でシリウスが輝く。今回いちばん撮りたかった画像。

 天候に恵まれたこの日は雲が流れつつも空が澄んで素晴らしい星空が広がった。久しぶりに山上での至福の夜を一人過ごした。さらにもうひとつ、新しい試みを行ってみたのだが、それは後日(といっても編集に時間がかかりそうなのでしばらく先になりそう)ご披露することとしよう。
 さて、明朝は未明3時半に起床の予定だ。ダイヤモンド富士の前に、今度は富士山の裾野から二十七夜の細い月が昇って来るはずだ。ひとまずは寝なければ。明日の好天を祈りつつ、10時半、シュラフにもぐり込んで寝る。


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山上は晩秋の気配 節刀ヶ岳短絡ルート  平成24年11月4日

2012年11月05日 | 山梨百名山
 秋晴れとなったこの日、三つ峠ライブカメラで見るとすっきりした富士山が立っていた。しかし、甲府盆地から見上げる富士山は霞んでみえる。富士山を見るならば富士山に近い山のほうが良さそうだ。先週予定していたが天候不良で登れなかった節刀ヶ岳短絡ルートを登ってみることにした。

 実はこのルート、山上泊でオリオン座と月の撮影のために前日午後4時過ぎに登山口まで行ったのだが、まだ工事関係者の車が止まっており中止して帰って来た。砂防ダム工事が進行中であり、工事を行っている平日(土曜日も)は工事の迷惑になってしまうので、工事の無い日曜日限定のコースといって良いだろう。翌日は早朝から出発、と思っていたのだが、自宅で目を覚ませば時間はもう7時半。登り始めたのは10時近くになってしまう。

    工事現場の手前で「立入禁止」の車止め。ここでUターンしてその手前に車を止める。


    工事現場。かつてはここに車を止めさせてもらった。


    登山道入り口。看板が立っているが、その下には「工事中のため登山注意」の警告がある。

 工事現場は立ち入り禁止の車止めが置かれており、その手前に車を止める。工事用のルートを兼ねた登山道は入口に看板がつけられている。ロープの張られた登山道(工事道)を進むと右手の沢の砂防ダム工事が現在進行中のようで、急斜面にショベルカーが止まっていた。さらに進むと、既に工事が終了している砂防ダムを左手に見ながら、その脇を登る急登の登山道となる。かつてはこのあたりに荷揚げ用のモノレールが設置されていたが、現在は撤去されて歩きやすくなっていた。30分ほど急登の道を登ると傾斜が少し緩くなり、目指す節刀ヶ岳から十二ヶ岳への尾根が見えるようになる。休憩無しで45分ほどで尾根に到着した。尾根には新しい道標が立っており、かつては獣道のようだったこのルートの入り口はずいぶんと明瞭な道に様変わりしていた。この道を歩く人が増えたということなのだろうか。

    ロープの張られた道を進む。左側の沢を工事していた頃は物資が置いてあり歩きにくかったが、ずいぶん歩き易くなった。


    急登の登山道


    上部は傾斜が緩くなり、目指す尾根が見えてくる。テープがしっかりと付いている。


    新しくつけられていた尾根道の道標。


    尾根から見る林越しの富士山。もう大部分落葉していて、山上は晩秋の様相。


    紅葉越しの鬼ヶ岳

 一休みして節刀ヶ岳を目指す。ここから節刀ヶ岳までは30分とかからない。金山を越えて振り返りながら富士山を眺めつつ、11時15分節刀ヶ岳に到着、休憩時間を含めても1時間半はかからずに到着できた。登り始めが標高約1400mなので、標高差にして360mくらいしか無い超短絡ルートということになる。

    金山から見る富士山


    節刀ヶ岳山頂


    十二ヶ岳と富士山


    見渡す御坂山塊と河口湖。画像では写っていないが、遠く山中湖も見渡せる。

 山頂での昼食用にラーメンと水、バーナーを持ってきたがほとんど腹が減らず、お菓子だけで軽く昼食を済ませる。1時間近く存分に撮影後、十二ヶ岳方面を目指す。途中に展望の良い岩があり、そこからは十二ヶ岳の紅葉した斜面と西湖、富士山を写すことができる。鬼ヶ岳の眺望も良い。

    稜線の紅葉と富士山


    十二ヶ岳と西湖、富士山


    鬼ヶ岳  谷は紅葉真盛りだが、山頂付近は既に終わっている。


    先ほどまで居た節刀ヶ岳。カラマツの紅葉が美しい。


    十二ヶ岳はもうすぐそこ。だが、今回は登らず。

 展望岩から十二ヶ岳まではハシゴ場と長いロープ場があるが、それでも30分とかからない。しかし、この日は夕方からの予定があり、入浴と着替えの時間を考えると午後3時ごろには甲府に戻りたい。なので、今回は十二ヶ岳は立ち寄らず、ここで引き返すことにした。また春のコイワザクラやイワカガミが咲く季節にでも歩いてみよう。
 午後1時半、1時間とかからずに工事現場に到着。山だけ登るならこのルートが時間がかからずに良いが、山歩きを楽しむという意味ではあまりにも短絡すぎるという感がある。



    今回のルート。林道は登り始めの地点まで延びているが悪路。RV車で行くことをすすめる。かつ、道が細いので車の交差には十分に注意をお願いしたい。

    
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