ようやく本格的な紅葉が始まった甲府市周辺の山々、予定では28日の日曜日に十二ヶ岳と節刀ヶ岳短絡ルートを予定していたのだが、天気予報では雨。天気図、雲画像からみても、まず雨になることは間違いなさそうだ。そこでその前日の27日土曜日に別の山の計画、マウントピア黒平から登る黒富士裏ルートを提案した。ゲストは6月の瑞牆山以来の豪華メンバー、sanaeさんご夫婦とみちほさんご夫婦だ。さらに相棒植田さんを加えて6人で出かけることとなった。このルートは昭文社の地図にも、国土地理院の地図にも載っていない、できてからまだ5年ほどの新しいルートである。随所にテープがつけられていて道迷いの心配は無いが、知られていないためにほとんど登る人がおらず静かな山旅が楽しめる。人の多いところが苦手な私にとってはたまらない魅惑のルートである。
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登山口のマウントピア黒平。カーナビで検索すると「甲府市役所マウントピア黒平」と出るらしい。
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マウントピア黒平駐車場に集結、本日のゲストはsanae隊とみちほ隊。
前夜泊のみちほさんたちとは昇仙峡で合流、さらに前夜泊のsanaeさんたちとは登山口のマウントピア黒平の駐車場で合流し、8時にマウントピア黒平から出発する。道脇に栗が落ちており、まずは登山の前に栗拾いをする。コテージが並ぶ一角に黒富士を示す看板があり、その方向に進むと沢に沿って道がついている。なだらかな沢沿いの道を1時間ほど歩くと沢の終点、水場に到着する。以前にここの水を飲んだ時は雨の後だったためか、若干泥臭い印象があったが、今日は全く臭み無くおいしい水だ。
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沢沿いの道に沿って進む。何度か沢を渡り返すが靴を濡らさずに容易に渡れる。
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途中に大きな木と落葉。これは何の木??
水場から先はガレた沢の中を進み、若干ルートがわかりにくくなるが、テープがこれでもかというくらいたくさん付けられている。もともとは沢の左側(右岸)にルートがあったのだが、2年ほど前に歩きやすいように右側(左岸)に新しくルートが作られた。マウントピア黒平の管理人さんや山梨大学山岳部の人たちがボランティアで集まって切り開いたと聞く。感謝なことである。ルートを進むと、やがて鹿の広場というカラマツ林の広場に出る。ここのカラマツはもう落葉してしまったのか、それとも枯れているのか、ずいぶんと葉付きが悪く、以前よりも林が明るく透けてしまったように感じる。小休止後、笹原の急斜面を登って黒富士峠に到着する。
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鹿の広場。カラマツの葉がもう既にだいぶ落ちてしまっていて、林が透けてしまったように感じる。
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黒富士峠。天気が良ければバックに八ヶ岳が見えるのだが、この日は雲の中。
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黒富士峠から見る黒富士。鋭く尖って格好良い。天気が良ければその左に富士山が並ぶ。
反対側の曲岳や茅ヶ岳から見ると横長の山容に見える黒富士だが、黒富士峠から見るその山は鋭く尖って富士山をスマートにしたような格好良い姿を見せてくれる。天気が良ければその左側に富士山が並び、雪を抱いた白い富士と黒富士が並ぶ絶景を見ることができる。残念ながらこの日、富士山は姿を現してくれなかった。
左方向に進み、稜線の紅葉を楽しみつつ、升形山の裏側を山頂に直登する。最後の岩の乗り越えが若干厄介だが、ルートには木に赤ペンキが塗られ、細い踏み跡がある。11時半、升形山山頂に到着する。この山頂からの360度の眺望は素晴らしいが、山頂が狭く休憩にはあまり向かないので、昼食は黒富士まで行ってからとることにする。
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升形山山頂と右に黒富士
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升形山から金峰山方面の眺望。金峰山は雲の中、中央の切れ立った岩場が帰りに立ち寄る撥岩(ばちいわ)。
稜線は紅葉が見頃だが、陽が差し込まないので写真で撮るとどうしても彩度がいまひとつになってしまう。それでも、カエデやモミジの紅葉は美しく、日本百名山とは違って人が少なくゆったり静かに山を楽しめるところが良い。最後の急登を登り、黒富士に到着する。先客が3名ほどおり、食事休憩中だったのでその先の富士山展望台で大休憩、昼食となる。いつもながら、sanaeさんのザックからはどらえもんのポケットのように次々とおつまみが飛び出してくる。そしてみちほさんのザックからも。
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黒富士稜線の紅葉
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黒富士への最後の急登
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黒富士の富士山展望台からの眺望。紅葉は綺麗だったが富士山見えず。
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黒富士山頂で記念撮影
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展望岩に並んで写真を撮ってもらっているところを逆激写。
お腹いっぱい食べて下山開始するが、その途中ヨッシ-の隠れ家、撥岩(ばちいわ、人面岩とも言うらしい)に立ち寄る。この場所は初めて黒富士裏ルートを歩いた時に道を間違えて偶然に登り着いた(というよりも強引に登った)展望場所だ。道は無いので地図に精通していないと行けない場所である。(sanaeさんのページにGPSの軌道が掲載されると思うので、そちらをご参照ください。)黒富士峠から鹿の広場に下りずにそのまま笹原をかき分けて進み、右側のピークに着いたところで左に曲がって稜線伝いに進むと岩の上にたどり着く。岩の上は数人しか入れない狭いところだが、切り立つ黒平の谷が足元に広がり、右に見える黒富士と並んで富士山が見える絶景地だ。この山域で私が最も気に入っているのがこの場所である。
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撥岩から見る黒平の谷
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黒富士 天候が良ければ左側に富士山が並ぶ。
下山は黒富士峠には戻らず、道無き尾根を直下りする。急斜面の林の中を30分ほど歩きやすそうなところを探しながら下ると、朝登って来た登山道の脇に下り着く。この尾根を下るのはこれで3度目となるが、それでもなおひょっとしたら想定外の場所に出るのではないかという不安が2割くらいつきまとう。だが、そういうスリルもまた山歩きの楽しさだろうと思っている。
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道無き急斜面を直下り。皆さん不安に思ったのでは??おつきあいありがとうございました。
午後4時半、マウントピア黒平に到着する。朝は会えなかった管理人さんのところにご挨拶に伺うと、大歓迎してくれ、みんなでお茶をいただいてきた。おつまみに出してくれた大根のつけものは今年採れたばかりのもので、昨日漬けたものだそうだ。シャキシャキの歯ごたえが良くとてもおいしくいただいた。さらに、明日ここでイベントがあるらしく、その打ち合わせにいらっしゃっていた地元の方から八幡芋という地元でとれるサトイモに似た芋をご馳走になった。これもツルリと皮がむけて醤油につけて食べると絶品。すっかりご馳走になり、すっかり日が暮れて真っ暗になった6時ごろ、マウントピア黒平を後にする。
ゲストの皆さんが要害温泉で入浴している間に私は急に入った業務を片付け、8時ごろから駅前の焼鳥屋に移動して宴会となる。たぶん明日の天気は雨(と決めつけて)、11時近くまで焼鳥屋で山談義し、アルコールもかなり入ってすっかり酔ってしまう。雨で無くても二日酔いでもう歩けなそうだ。楽しい1日を過ごすことができた。
ブログをやっていたからこそ、このようなおつきあいが出来るわけで、写真を編集したり文章を書いたりと手間はかかるのだが、それに見合うだけのおつきあいの幅が広がることをつくづく感じた。もともとは文章作成は大の苦手だったことも、かなり解消された。
おまけ:以前に訪れたこのルートの映像
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黒富士峠から見る黒富士と白富士(平成19年12月2日)
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撥岩から見る黒富士と富士(平成19年12月2日)
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撥岩から見る黒富士と富士(平成20年10月19日 望君が同行)
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升形山から見る黒富士と富士(平成20年10月19日 望君が同行)
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登山口のマウントピア黒平。カーナビで検索すると「甲府市役所マウントピア黒平」と出るらしい。
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マウントピア黒平駐車場に集結、本日のゲストはsanae隊とみちほ隊。
前夜泊のみちほさんたちとは昇仙峡で合流、さらに前夜泊のsanaeさんたちとは登山口のマウントピア黒平の駐車場で合流し、8時にマウントピア黒平から出発する。道脇に栗が落ちており、まずは登山の前に栗拾いをする。コテージが並ぶ一角に黒富士を示す看板があり、その方向に進むと沢に沿って道がついている。なだらかな沢沿いの道を1時間ほど歩くと沢の終点、水場に到着する。以前にここの水を飲んだ時は雨の後だったためか、若干泥臭い印象があったが、今日は全く臭み無くおいしい水だ。
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沢沿いの道に沿って進む。何度か沢を渡り返すが靴を濡らさずに容易に渡れる。
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途中に大きな木と落葉。これは何の木??
水場から先はガレた沢の中を進み、若干ルートがわかりにくくなるが、テープがこれでもかというくらいたくさん付けられている。もともとは沢の左側(右岸)にルートがあったのだが、2年ほど前に歩きやすいように右側(左岸)に新しくルートが作られた。マウントピア黒平の管理人さんや山梨大学山岳部の人たちがボランティアで集まって切り開いたと聞く。感謝なことである。ルートを進むと、やがて鹿の広場というカラマツ林の広場に出る。ここのカラマツはもう落葉してしまったのか、それとも枯れているのか、ずいぶんと葉付きが悪く、以前よりも林が明るく透けてしまったように感じる。小休止後、笹原の急斜面を登って黒富士峠に到着する。
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鹿の広場。カラマツの葉がもう既にだいぶ落ちてしまっていて、林が透けてしまったように感じる。
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黒富士峠。天気が良ければバックに八ヶ岳が見えるのだが、この日は雲の中。
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黒富士峠から見る黒富士。鋭く尖って格好良い。天気が良ければその左に富士山が並ぶ。
反対側の曲岳や茅ヶ岳から見ると横長の山容に見える黒富士だが、黒富士峠から見るその山は鋭く尖って富士山をスマートにしたような格好良い姿を見せてくれる。天気が良ければその左側に富士山が並び、雪を抱いた白い富士と黒富士が並ぶ絶景を見ることができる。残念ながらこの日、富士山は姿を現してくれなかった。
左方向に進み、稜線の紅葉を楽しみつつ、升形山の裏側を山頂に直登する。最後の岩の乗り越えが若干厄介だが、ルートには木に赤ペンキが塗られ、細い踏み跡がある。11時半、升形山山頂に到着する。この山頂からの360度の眺望は素晴らしいが、山頂が狭く休憩にはあまり向かないので、昼食は黒富士まで行ってからとることにする。
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升形山山頂と右に黒富士
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升形山から金峰山方面の眺望。金峰山は雲の中、中央の切れ立った岩場が帰りに立ち寄る撥岩(ばちいわ)。
稜線は紅葉が見頃だが、陽が差し込まないので写真で撮るとどうしても彩度がいまひとつになってしまう。それでも、カエデやモミジの紅葉は美しく、日本百名山とは違って人が少なくゆったり静かに山を楽しめるところが良い。最後の急登を登り、黒富士に到着する。先客が3名ほどおり、食事休憩中だったのでその先の富士山展望台で大休憩、昼食となる。いつもながら、sanaeさんのザックからはどらえもんのポケットのように次々とおつまみが飛び出してくる。そしてみちほさんのザックからも。
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黒富士稜線の紅葉
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黒富士への最後の急登
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黒富士の富士山展望台からの眺望。紅葉は綺麗だったが富士山見えず。
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黒富士山頂で記念撮影
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撥岩から見る黒平の谷
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黒富士 天候が良ければ左側に富士山が並ぶ。
下山は黒富士峠には戻らず、道無き尾根を直下りする。急斜面の林の中を30分ほど歩きやすそうなところを探しながら下ると、朝登って来た登山道の脇に下り着く。この尾根を下るのはこれで3度目となるが、それでもなおひょっとしたら想定外の場所に出るのではないかという不安が2割くらいつきまとう。だが、そういうスリルもまた山歩きの楽しさだろうと思っている。
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道無き急斜面を直下り。皆さん不安に思ったのでは??おつきあいありがとうございました。
午後4時半、マウントピア黒平に到着する。朝は会えなかった管理人さんのところにご挨拶に伺うと、大歓迎してくれ、みんなでお茶をいただいてきた。おつまみに出してくれた大根のつけものは今年採れたばかりのもので、昨日漬けたものだそうだ。シャキシャキの歯ごたえが良くとてもおいしくいただいた。さらに、明日ここでイベントがあるらしく、その打ち合わせにいらっしゃっていた地元の方から八幡芋という地元でとれるサトイモに似た芋をご馳走になった。これもツルリと皮がむけて醤油につけて食べると絶品。すっかりご馳走になり、すっかり日が暮れて真っ暗になった6時ごろ、マウントピア黒平を後にする。
ゲストの皆さんが要害温泉で入浴している間に私は急に入った業務を片付け、8時ごろから駅前の焼鳥屋に移動して宴会となる。たぶん明日の天気は雨(と決めつけて)、11時近くまで焼鳥屋で山談義し、アルコールもかなり入ってすっかり酔ってしまう。雨で無くても二日酔いでもう歩けなそうだ。楽しい1日を過ごすことができた。
ブログをやっていたからこそ、このようなおつきあいが出来るわけで、写真を編集したり文章を書いたりと手間はかかるのだが、それに見合うだけのおつきあいの幅が広がることをつくづく感じた。もともとは文章作成は大の苦手だったことも、かなり解消された。
おまけ:以前に訪れたこのルートの映像
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黒富士峠から見る黒富士と白富士(平成19年12月2日)
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撥岩から見る黒富士と富士(平成19年12月2日)
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撥岩から見る黒富士と富士(平成20年10月19日 望君が同行)
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升形山から見る黒富士と富士(平成20年10月19日 望君が同行)