山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

キバナウツギ (スイカズラ科) Weigela maximowiczii (S.Moore) Rehder

2022年07月31日 | 絶滅危惧種
 山地帯の林縁を好んで生育する落葉低木で、高さ3m 程になる。葉は対生し、楕円形~長楕円形で先は急に細くのびて鋭く尖る。両面とも有毛で特に裏面の主脈上には開出毛が多い。葉腋からわずかに緑色を帯びた淡黄色の花を付け、2個ずつペアで付けることが多い。花冠は漏斗形で花筒の中央部から急速に太くなり、先端部は5裂する。下側の裂片には濃黄色の網目状紋が付く。花期は 4 ~ 5 月。山梨県では各地の山域に点々と生育しており、個体数は比較的多い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU) 2017年環境省カテゴリー:なし


    キバナウツギ 2022年5月 三ツ峠で撮影


    下から見上げるキバナウツギの花


    別株。こちらは緑色が強い個体


    花弁の先端は5裂し、下側花弁の内側には濃い黄色の網目状紋が入る。


    側面から見る花冠。花筒の中央部から急速に膨大する。


    木の幹。縦向きに筋が入り剥がれる。


    2022年6月 乙女高原で撮影


    同上 林道沿いの岩壁にまとまって生育していた。

 ➡山梨県の絶滅危惧のスイカズラ科植物一覧

 ⇒山梨県2018年版レッドリストの植物

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イワツクバネウツギ (スイカズラ科) Zabelia integrifolia (Koidz.) Makino ex Ikuse et S.Kuros.

2022年07月31日 | スイカズラ科
 山地帯の岩場や渓谷沿いの岩壁を好んで生育する落葉低木である。葉は対生し、長さ3 ~ 7㎝、幅 1 ~ 3㎝の卵形~披針状長楕円形で、縁は全縁である。葉柄の基部は膨らんで相対する葉柄の基部と合着する。新枝の先に短い花柄を出し、白色ないし淡紅色を帯びた花を2 個つける。花冠は細い漏斗状で、先端部が4裂して平らに開く。萼片は4枚でプロペラ状に開き、花が散った後も長く残る。樹皮には6本の明瞭な溝がある。花期は 5 ~ 6 月。山梨県では御坂山系の渓谷沿いおよび山地帯に生育しているが、個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    イワツクバネウツギ 2022年5月 御坂山系の渓谷沿いで撮影


    花はやや淡紅色を帯びていることが多い。


    イワツクバネウツギの花。2個ずつペアで咲く。萼片は4枚でプロペラ状に開く。


    側面から見た花。花冠には薄く毛が生えており、葉や葉柄にも毛が多い。


    花冠の先端部は4裂し、平坦に開く。


    花が枯れて落下した後も萼片は長く残る。2022年2月に撮影。


    木の幹や太い枝には明瞭な溝が6本入る。

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エゾノコリンゴ (バラ科) Malus baccata (L.) Borkh. var. mandshurica (Maxim.) C.K.Schneid.

2022年07月31日 | バラ科
 標高の高い原野に生育する 落葉小高木である。葉や花はズミ(コリンゴ)に似ているが、エゾノコリンゴは幼葉が両縁から内側に巻き込むように出るのに対して、ズミは中央で折れ曲がるか、あるいは和服を纏うように折れ畳んで出る。また、成葉ではズミに欠刻状の葉が混じるのに対してエゾノコリンゴはない。葉質はズミよりもやや厚くて革質で、やや光沢がある。花は白色で5弁であるが、ピンク色が混じるものもある。果実は径 8 ~ 10㎜、赤熟する。花期は 5 ~ 6 月。山梨県では八ケ岳や奥秩父、南アルプスに散在しており、清里の美ヶ森は観察するのに適地である。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:なし


    エゾノコリンゴ 2022年5月 清里美ヶ森で撮影


    満開のエゾノコリンゴ


    エゾノコリンゴの花。花が満開の頃にはまだ葉は十分には展開していない。


    幼葉は葉の両側からくるりと巻いて出て来る。良く似たズミは和服の襟のように両側を折れ畳んで出る。


    ピンク色が混じることがあり、花が開くとともに色は薄くなる。


    薄ピンク色の花


    木の幹はうろこ状にひび割れる。


    果実は赤みを帯びる。 2022年6月に撮影。

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アオナシ (バラ科) Pyrus ussuriensis Maxim. var. hondoensis (Nakai et Kikuchi) Rehder

2022年07月30日 | バラ科
 山地帯低木林または落葉広葉林中に生育する落葉小高木である。葉は長さ5~8㎝、ふちには芒状の鋸歯がある。花弁は白く5枚。果実は径3㎝ほどで黄緑色に熟し、頂部に萼片が残る。硬くて渋く、酸味が強く食用には適さないようである。本州の群馬県以西、および四国に分布し、特に中部地方に多い特殊な分布型植物である。清里のまきば牧場には巨木が生育している。

 2018年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2005年山梨県カテゴリー:準絶滅危惧(NT) 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    アオナシの巨木 2022年5月 清里まきば公園で撮影


    満開のアオナシの花


    花が満開の時に葉もほぼ展開している。


    木の幹。うろこ状にひび割れる。


    2022年5月 清里清泉寮で撮影


    花弁は楕円形で5弁、白色である。葉のふちには芒状の鋸歯があるが、この画像では分かり難い。

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ミヤマモミジイチゴ (バラ科) Rubus pseudoacer Makino

2022年07月30日 | 渓谷
 山地の薄暗い樹林内に稀に生える落葉小低木である。茎や枝は無毛で普通刺がないが時にはまばらに刺がある。葉は互生し、掌状に深く5~7裂し、裂片の先は尖る。葉質は薄く柔らかい。枝先に小さな白色~やや緑色がかった花を数個付ける。花弁は円形で5弁付く。花期は6~7月。山梨県では山梨市の渓谷沿いで生育が確認されており、生育地は限局的で個体数もあまり多く無い。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2005年山梨県カテゴリー:なし  2017年環境省カテゴリー:準絶滅危惧(NT)


    ミヤマモミジイチゴ 2022年6月 山梨市の渓谷で撮影


    葉は深く5~7裂し、裂片の先端は尖る。葉質は柔らかく、棘が無い。


    茎にも通常は棘が無いが、棘のあるものもある。


    枝先に数個の花を付ける。


    ミヤマモミジイチゴの葉と花


    花弁は円形で5弁。白色ないしやや緑色がかった花を咲かせる。

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イワシモツケ (バラ科) Spiraea nipponica Maxim. var. nipponica

2022年07月30日 | バラ科
 石灰岩地や蛇紋岩地の岩場を好んで生育している落葉低木で、高さ1 ~ 2mほどである。若い枝は赤褐色で稜があって無毛、古い枝は灰黒色である。葉は互生し、葉身は 1 ~ 3㎝の倒卵状長楕円形~円形、葉の辺縁は全縁又は先端に鈍い鋸歯が数個付く。変異が多い。葉質は厚く両面とも無毛。5 ~ 7月に散房花序を出し、直径 7 ~ 10㎜の白い花を多数つける。山梨県では御坂山系の岩場の一部および北杜市の石灰岩地で生育がl確認されており、個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA 類(CR) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ A 類(CR) 2017年環境省カテゴリー:なし


    石灰岩の岩場に咲いたイワシモツケ 2022年5月 北杜市で撮影


    イワシモツケ


    枝の先に固まって花を付ける(散房花序)。葉は互生する。


    イワシモツケの散房花序。円形の花弁を5枚付ける。


    葉は全縁であるが先端部に鋸歯があるものもあり、変異が多い。


    結実したイワシモツケ 2021年7月 北杜市で撮影


    同上

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ヒメカラマツ (キンポウゲ科)

2022年07月29日 | キンポウゲ科
 高山帯の草地に生育する多年草である。草丈は花茎を含め 8 ~ 20㎝くらいでカラマツソウの仲間としては小型である。根生葉は多数束生して柄があり、 2 ~ 3 回 3 出複葉である。茎には 1 ~ 2 枚の葉を付ける。花は黄緑色で1枝に総状に10個くらい付く。花に花弁はなく、萼片は4枚あるが早期に落下する。雄しべは赤紫の花糸でぶら下がり、約10個付く。果実はやや扁平な紡錘形で 4 〜 6 個つく。花期は 7 ~ 8 月。山梨県では南アルプスと八ヶ岳で生育が確認されており、個体数は少ない。

  2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA類(CR) 2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省カテゴリー:なし


    ヒメカラマツ 2022年7月 北岳で撮影


    想定していたよりも小さな花だった。


    花には花弁は無く、4枚の萼片が付いているが早期に落下してしまう。黄色く垂れ下がっているのは葯で、細い花糸でぶら下がる。


    根生葉は2~3回3出複葉で、花の根元近くに多数が束生する。

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オオバノトンボソウとマツグミ  令和4年7月25日

2022年07月29日 | 山に咲く花
 本日も暑くてあまり歩く気にはなれない。2週間ほど前にも見に行っているオオバノトンボソウが咲いている頃であろうから最短距離で見に行ってみる。


    全開の散策で発見したオオバノトンボソウ。食害を受けずに無事に咲いてくれていた。


    すらりと延びた長い尾は先端部が緩く下向きに曲がっている。


    トンボの眼と顔。側萼片は横に開き、後ろ向きに反り返っている。


    根生葉の先端部は尖っている。


    たぶんこれもオオバノトンボソウだと思うが、踏まれたのか倒れており、花はもう終わっていた。

 周囲をそれなりに探してみたが、咲いていたのはこの1株のみで、幼弱な葉もあまり見当たらない。笹が茂ったことと山肌が乾燥化しつつあることによる環境の変化による個体数減少と思われる。

 さて、もう1ヶ所、あまり歩かなくて済む場所にマツグミを見に行ってみる。


    マツグミの寄生している木。これはモミの大木であろう。


    背景に富士山が見えるのだが、マツグミとのポジションは微妙に合わない。


    マツグミと富士山


    トリーミング画像。赤いマツグミの花が咲いている。


    赤いマツグミの花と背景の富士山を一緒に撮るのはなかなか難しい。

 そろそろ八王子山のマツグミも咲いている頃であろう。天候を見ながら、富士山が見える日を狙って近日見に行ってみたいと思う。

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用水路脇に生えていたヒトツバハギ 山梨市  令和4年7月23日

2022年07月28日 | 渓谷
 花仲間からヒトツバハギという低木の情報を春先にいただいていた。花が咲くのは7月ごろのはずで、もう7月下旬になってしまったので、たぶん結実している頃ではないかと思う。連日の猛暑日で本日も激熱である。あまり歩かなくて良いように近くに車が止められないかどうか探すのだが、なかなか良い場所が見つからない。本来はまずいのであろうが、工事が行われていなかったので、資材置き場の空き地に止めさせてもらって出発する。とにかく暑く、少し歩いただけで汗がダラダラと流れ落ちて来る。北岳の疲れもまだ抜けきっていないようで、足のむくみが少し残っている。


    用水路脇の草むらを進む。


    やがて背丈以上の酷い草むらになる。かき分けて進むが、行けそうも無くて一旦は撤退するが、水を補給して再突入する。


    なにせ見たことが無い木なのでどんな感じなのか分からない。これは結実したツリバナだろう。


    これは違う。


    草むらの先にやっとそれらしきものが見えてきた。


    葉の間から花と実のようなものが出ている。この木で間違い無さそうだ。


    葉は互生し、葉腋から2~3個の花を出している。ヒトツバハギで間違いない。花はもう終わっていた。


    葉は鋸歯が無く、白い葉脈がはっきりしている。


    結実した実


    先端部に雌しべらしきものが残っている。


    木の幹は茶色で小さな斑点が縦方向に並ぶ。


    汗だくになってまた草地をかき分けて戻る。

 場所が分かっていたので簡単に見られるだろうと思っていたヒトツバハギだったが、想定外の草むらの突破に難航し、1時間半ほどの散策だったが汗だくになってしまった。もう1ヶ所立ち寄ろうと思っていたのだがへばってしまい、これで撤退となった。

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北岳(4日目) 山頂を経由して無事下山  令和4年7月20日

2022年07月27日 | 高山に咲く花
 前日暴風雨の中で遭難し、ビバークしていたところを山岳救助隊(北岳山荘に勤務する人たち)に救助され、北岳山荘に戻った同行者と私であったが、北岳山荘ではこんな我々に神対応してくれた。冷え切った体をストーブで温め、濡れた服を乾かし、さらには美味しい食事まで提供していただき、おかげでぐっすりと眠ることが出来た。低体温症をおこした同行者もすっかり元気を取り戻した。小屋での着替えを想定して同行者のザックから着替えの服を私のザックに移しておいたことも幸いした。しかし、高級なカメラが入っていた同行者のザックは突風に煽られて谷まで吹き飛ばされてしまった。雨に濡れた私のカメラも故障してしまい、電源が入らなくなってしまった。そのため、今回の画像は全てスマホで撮影したもので、ピンボケ画像多発である。


    お世話になった北岳山荘の避難小屋。北岳山荘での神対応にはいくら感謝しても足りない。

 日の出の頃に起きて外に出てみると雨が上がり富士山が見えてきていた。まだ風は強いが歩くには問題無い天候である。同行者もすっかり体調を回復して普通に歩けそうである。昨日ザックが風で飛ばされてしまったことが不幸中の幸いで、本日は持って行く荷物が服と水以外にほとんど無くなり、身を軽くして歩くことが出来る。朝7時にお世話になった北岳山荘を出発して北岳山頂を目指す。


    北岳山荘と富士山


    目指す北岳。さほど遠くは見えないのだが、昨日はたどり着けなかった。


    前日暴風雨の中で見たタカネマンテマを再写する。


    ハハコヨモギと仙丈ケ岳


    振り返って見る間ノ岳と北岳山荘


    ウラジロキンバイの群落


    ミドリハクサンイチゲ


    たくさん花を咲かせていたムカゴユキノシタ


    こんなに群生しているものもあった。


    イワツメクサとキタダケキンポウゲ。もう少し遠い位置に10本くらい固まって咲いていたのだがスマホでは撮影出来なかった。


    ミヤマイチゴツナギだと思うが、キタダケイチゴツナギかも知れない。


    ミヤマアシボソスゲは普通に生えている。


    ミヤマアシボソスゲと富士山


    結構たくさん生育していることが分かったコモチミヤマイチゴツナギ。


    小穂の先端からムカゴを出して賑やかな感じがするコモチミヤマイチゴツナギ。


    たぶんこれはクロボスゲ。ミヤマアシボソスゲに似ているが鱗片の幅が広く芒が無く、雄小穂が分かれていない。小さいほうはクモマスズメノヒエ。


    北岳山頂まで登り着いた。私も同行者もあまり疲れは無い。


    ミヤマシオガマが咲く斜面


    タカネマンテマはまだ蕾だった。


    改装中の北岳肩の小屋。工事とコロナの影響で今年は宿泊人数が制限されている。

 4時間ほどかけて北岳肩の小屋に到着した。ここで大休憩し、食事にカップラーメンを食べる。ついでに前日宿泊出来なかったキャンセル料も清算して行く。お世話になった北岳山荘にも無事肩の小屋に到着したことを連絡した。あとはひたすら下るだけだが、ルートは長く気を抜くことは出来ない。低体温症を起こした同行者はしっかりと歩いているが、あまり食欲は出ないようである。重い荷物を背負った自分自身の足と体力も心配である。


    肩の小屋の前に生えていたリシリカニツリ


    岩の間に生えていたキタダケカニツリ(だと思う)。


    茎に毛が生えていないのを確認したが、スマホ撮影ではピントが合わない。


    クモマスズメノヒエはたくさん生えている。


    タテヤマキンバイの花が咲いていた。


    タテヤマキンバイの花


    コスギラン


    コスギランと仙丈ケ岳だが、フォーカスが手前のコスギランに合わず。


    ハクサンチドリの群生


    サンカヨウの葉。花は結実していた。


    草すべり分岐で休憩する同行者2人。手前に生えているのはミヤマハルガヤ。


    草地の中に生えていたタカネアオチドリ。見つかったのはこの1株のみ。


    白根御池に到着した。


    池のほとりや草むらに生えていたヒメカワズスゲは昨年よりだいぶ減っていて、ミノボロスゲに置き換わっていた。


    結実したヒメカワズスゲ

 なんとか白根御池に到着した。私はかなりヘロヘロで、水をたっぷりと飲んで御池小屋でコーヒーをいただいて大休憩する。大樺沢のルートは今年は通行止めとなっており、橋が架かっていないので通ることは出来ない。尾根を下りるコースを使うのだが、私はすっかり足が疲れてしまい、ピッチが全く上がらなくなる。テント泊の荷物を背負って長距離を歩くには体力と脚力が足りないようである。


    キタノミヤマシダと思われる。ミヤマシダよりも羽片の切れ込みが深く、裂片の先端が尖る。


    ウサギシダ。全体的に正三角形に近い形をしている。

 疲れ切ってやっと広河原に到着した。白根御池小屋でお会いした山岳救助隊のメンバーが心配して私たちの下山を待っていてくれた。何から何までお世話になりっぱなしである。大きなトラブルがあったが、なんとか3人とも無事に下山することが出来た。山岳救助隊や北岳山荘の皆さんのおかげである。山岳救助隊の凄さとありがたさをつくづく思い知った山行となった。

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北岳(3日目) 大荒れの天候の中を北岳山荘から肩の小屋に向かうが・・・ 遭難! 令和4年7月19日

2022年07月26日 | 番外編
 前日の池山吊尾根歩きは長くて辛く、12時間かかってヘトヘトになって北岳山荘に到着した。北岳山荘は現在改装工事中のため小屋は宿泊出来ない状況で、そのために重いテントを担ぎ上げてきた。天気予報では今晩から天候が荒れるようで強風と雨に見舞われるらしい。到着してテントを張り終えた午後7時ごろにはもう風が強くなり、小雨が降り出してきた。眠りについたのは午後9時過ぎだったが、強風でテントが揺れ、12時過ぎには目が覚めてしまった。強風で揺れるテントは時として顔に触れるほどに歪み、とても眠れたものでは無い。ほとんど横になっているだけで夜が明ける。

 朝5時半にテントの撤収を始め、6時には撤収を終える。冬季小屋が解放されているので、そこを借りて同行した3人で食事を済ませる。小屋に張られている天気予報を見ると、朝6時の風速は10m、昼12時が16m、夕方6時が14mの予想である。悪天候なので予定していた間ノ岳方面の散策は止めて肩の小屋に移動することにした。この日の夜は肩の小屋を予約してあり、3日目にしてやっとまともな食事にありつける・・・はずだった。天候が荒れて来るであろうお昼になる前に肩の小屋まで移動する作戦で、朝7時に北岳山荘を出発した。


    朝7時、出発時の北岳山荘。霧と雨と風で至近距離でも真っ白。

 稜線まで登って先に進むと、横殴りの雨と前に進めないほどの強風が吹き荒れていた。風の少し弱まるのを待って前に進むのだが、同行者の1人は前日の強風でテントが揺られほとんど眠れなかったらしく、体調不良を訴えていた。やや急な斜面に差しかかった頃から足元がおぼつかず、フラフラしていて何度か転倒していた。なんとか中間点のハシゴのあたりまで着いたがかなり顔色が悪い。疲れに加えて低体温症も始まっているようである。私のフリースをカッパの下に着せたがそれでもおぼつかず、ビバークシートを体に巻き付けた。なんとかハシゴを登ったものの、その上の岩場でかなり危ない転び方をしてしまう。後ろに居た私が体を抱きかかえたので岩への直撃は避けられたが、居なかったら肩か頭を岩にぶつけて怪我をしていたであろう。


    雨と強風の中でなんとか撮影したタカネマンテマ


    偶然シャッターを切った1カット。真っ白で何も見えない。

 もはや重い荷物を持って歩かせるのは困難であろう。完全に足元がおぼつかず、真直ぐに歩くことが出来ない。ザックをデポして空身で歩くことにする。低体温症が始まってしまっている。ビバークシートを取り外し、代わりに私のカッパを着せ、私がビバークシートを纏って進む。しかし、この状態で悪天候の中を北岳肩の小屋まで連れて行くことは困難である。なんとかトラバース道分岐のところまで腕を抱えながら連れて行き、稜線裏側にあるスペースにテントを張ってビバークすることにした。私自身もびしょ濡れになってしまったが、なんとかテントの設置が出来て休憩する。

 テントの中でバーナーを焚いて暖をとろうとしたのだが、着火しない。着火装置が雨に濡れたことと気温が低くてガスの気化が悪かったことが重なったようである。いろいろといじってみて、20分後くらいにやっと着火することが出来た。同行者は疲れと低体温症が重なって横になって眠りについていた。もし目が覚めなかったら・・・という不安もあったのだが、バーナーに火が着いて暖がとれるようになったのでその心配は無いであろう。同行者は30分ほど眠って目を覚ました。顔色も少し良くなっていた。

 さて、休めば登れるのだろうか?相変わらず強風が吹き荒れている。とても連れて行く自信は無い。時刻はまだ午前10時半であるが、天候が回復するのは明日の朝であろう。このままビバークするには食料が足りないしシュラフも1つしか無い。デポしたザックをとりに行かなければならないだろう。どうすれば生きて帰れるのか、そのことしか頭の中には無かった。今後どうするかをいろいろと考えていると、テントの中を覗き込んでくる人がやって来た。北岳肩の小屋の小屋番さんである。私がテントを張っている時に横を通り過ぎていった登山者が小屋に連絡してくれたようである。私たちの状況を見て、すぐに山岳救助隊に連絡してくれた。そして20~30分後に北岳山荘から救助隊がやって来た。だいぶ休んだので同行者は自力で歩けるのではないかと思ったのだが、やはりフラフラの状態でとても歩けるような状態ではなく、救助隊員の背中に背負われて安全な場所まで下ろしてもらうこととなった。

 私も膝の痛みや足の疲れがあったのだが、そんなことはすっかり忘れてしまうほどに生きて帰ることに必死だった。強風の中をなんとか北岳山荘まで下りて、事なきを得た。

 遭難した私たちが悪いのであるが、北岳山荘はこのような遭難者を暖かく迎え入れてくれた。ストーブを焚き部屋を暖かくしてくれて布団も用意してくれた。そして食事まで提供してくれた。その食事が、涙が出るほどにおいしかったことは忘れることが無いであろう。濡れた服はストーブで乾かして、夜8時には眠りについた。さて、明日は無事に下山できるであろうか?

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北岳(2日目)池山吊尾根を行く(続編2) カヤツリグサ科とイネ科の植物 令和4年7月18日

2022年07月25日 | 渓谷
 カヤツリグサ科とイネ科の植物は同定するのが非常に難しく、図鑑と見比べるだけでは分からないものが多数ある。特にイネ科の植物は分解してみないと分からないものがあり私のレベルで見分けるには困難なものが多数ある。現在勉強中の植物であり同定にも自信が無く、誤った記述が多数あるであろうがお許しいただきたいと思う。


    北岳で最も普通に見かけるカヤツリグサ科の植物、イワスゲ。


    雌小穂が全体的に細長く、鱗片は細めで芒がほとんど伸びない。


    こちらも普通に見かけるスゲ、ミヤマアシボソスゲ。


    先端部の雄小穂とその下の雌小穂がはっきり分かれる。雌小穂は全体的に丸っこく、雌鱗片にはやや長い芒が付いている。


    似ているが先端部の小穂が違うこのスゲはタカネナルコと思われる。


    先端部の小穂は先が雄で下が雌の雄雌小穂の形をしている。その下に付く雌小穂の鱗片は細めで芒が付いている。


    おそらくこれもタカネナルコ。岩場の隙間を好んで生育しているようである。


    初めて見る別のスゲに遭遇した。小穂がやや大き目で太めである。


    頂小穂はおそらく雌雄性であろう。側小穂は雌性で鱗片が黒っぽくて幅が広く、芒が無い。おそらくこれは探していたクロボスゲであろう。


    それなりに大きな個体があったが、逆光で撮影はいまいちだった。


    これはヒゲハリスゲであろう。八ヶ岳ではあまり見かけなかったが北岳ではこれでもかというくらいにたくさん生育していた。


    ショウジョウスゲか、それともオノエスゲか? 区別が難しいスゲ。


    雌小穂の鱗片を見てみると果胞と同じかやや長い。鱗片の辺縁は薄くなって白っぽくなっているように見える。これはオノエスゲであろう。


    富士山を望む好位置に生えていたこれもオノエスゲと思われるが、小穂の観察が不十分だった。


    良く見かけるミヤマアワガエリ。


    会いたかったこのイグサ科の草、クモマスズメノヒエ。


    岩の隙間にも生えるが、草地にも普通に生えていた。


    穂の先端部が垂れ下がるのが特徴である。しかし、果胞になる前の花の段階では垂れ下がらないようである。


    ガレ地に生えていたミヤマコウボウ。草地にも多く生えており、北岳では普通に見かけられる。


    これはリシリカニツリであろう。


    茎には軟毛がたくさん生えている。


    イチゴツナギの仲間のようである。


    おそらくミヤマイチゴツナギと思われるが、キタダケイチゴツナギとの区別が良く分からない。

 他にもいろいろ見てきたのだが、この日の行程が長いうえに荷物が重く、しゃがみ込むと立ち上がるのが容易ではなく十分な撮影が出来なかったのがちょっと残念である。高山帯のイネ科植物は区別するのに良い図鑑を持ち合わせておらず、間違っているものが多々あるであろうがお許しいただきたい。

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北岳(2日目)池山吊尾根を行く(続編) シダ類 令和4年7月18日

2022年07月25日 | 山に咲く花
 北岳は花だけではなく、高山性のシダ類や低地では見られないカヤツリグサ科やイネ科の植物も多種生育している。目立たない植物であまりこれらの植物を見て回っている人は少ないかも知れないが、見始めると本当に面白い植物ばかりで、特に何だか分からないものが多数あるところが面白いのではないかと思う。まだ勉強中のものが多く、今回の記事も間違っていることが多数書かれているであろうが、そのつもりでご覧いただきたい。


    北岳を代表するシダといったらこのキタダケデンダであろう。全体的に毛が多い。登山道沿いで見られるのはおそらく1ヶ所だけであろう。


    石灰岩を含んでいると思われる岩の隙間に生えるキタダケデンダ


    似ているがこちらはあまり毛が生えていないタカネシダ


    大株のタカネシダ。今まで見た中ではいちばん大きい。


    石灰岩地を好むアオチャセンシダ。常緑性のシダであるがこの季節でもまだ枯れた部分がある。下には小型のヤツガタケシノブが数株。


    草に隠れた岩棚の奥に生えていたヤツガタケシノブ。小さなシダで探すのが難しい。


    こちらも岩の隙間にひっそりと生えていたヤツガタケシノブ。先端部の胞子葉は細長いが基部の栄養葉は切れ込んだ丸みを帯びた葉の形をしている。


    石灰岩地を好むイワウサギシダ。ウサギシダに似るが最下羽片の下向き第一小羽片があまり大きくならず、全体的に細長い。


    岩棚の奥に生育しているイワウサギシダを新たに発見した。


    いつもとは別の場所で発見したコスギラン。無性芽がたくさん付いている。


    ハイマツの隙間で発見したヒカゲノカズラの仲間


    夏バテで枯れかけている。胞子穂が出ておらず確定できないのだが、これはチシマヒカゲノカズラではないかと思う。

 小さいうえに岩の隙間や岩棚を好んで生育し、発見しにくいヤツガタケシノブであるが、今年は比較的多く出会うことが出来た。キタダケデンダは例年とほとんど変わっておらず、増殖する様子も無い。他にもいろいろ撮影してきたが、ミヤマヘビノネゴザと思って撮影してきたものがミヤマメシダだったのは失敗であった。

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北岳(2日目)池山吊尾根を行く ~池山小屋から北岳山荘へ~  令和4年7月18日

2022年07月24日 | 山に咲く花
 3泊4日の予定で池山吊尾根を経由しての北岳登山であるが、そのうちで本日がいちばん長くて辛い行程である。20㎏近い荷物に三脚をカメラを持っての山歩きなので相当疲れるのは必至であろう。花を撮影しながらということもあるのだが、私の足だと10時間で北岳山荘に到着出来れば良いほうなのではないかと思う。朝5時前には目を覚まして食事をとり、6時に池山小屋を出発する。


    池山吊尾根のシラビソとツガを主体とした樹林帯。シラネワラビが群生している。


    登山ルートは明瞭だが結構な急登も何ヶ所かある。


    ミツバオウレンかと思っていたが葉っぱが5枚のものも混じっている。これはコガネイチゴであろう。


    ミヤマカラマツであろう。


    樹林帯の林床にはコフタバランがたくさん花を咲かせていた。


    群生していたコフタバラン


    花を咲かせていたキソチドリ


    キソチドリの花。距が長く下向きに曲がる。上萼片は長めでバンザイするように開き、時として捻れる。


    見たかったのがこの白いイチヨウラン


    標高2,200mを越えたあたりからこのようにホクロの無い白いイチヨウランが見られることがある。


    別株


    今回見たものは小さな斑点が入っているが、完全に真っ白なものもある。その年の気温によるのではないかと思う。


    森林限界を超えて一気に展望が開ける。


    鳳凰山


    富士山は大部分が雲に隠れてしまっている。


    ハクサンシャクナゲと鳳凰山


    チョウジコメツツジの群落


    ピンク色の濃いチョウジコメツツジ。花弁は4枚、雄しべは4本。


    タカネニガナ。後ろに見えるのは農鳥岳。


    間ノ岳と農鳥岳


    富士山が見えてきた。


    やっとボーコン沢の頭に到着。


    北岳の眺望が素晴らしい。


    チシマギキョウ。背景は北岳。


    真っ赤な花が付いている。これはオオバスノキと思われる。


    真っ赤な花が付いているハイマツの雄花。叩くと黄色い花粉が舞う。


    チングルマ、コイワカガミ、アオノツガザクラ3種揃い踏み


    シコタンソウの群生があちらこちらで咲いている。

 八本歯の頭からコルへの下りは高度感がたっぷりで傷んだロープが頼りなく、疲れた足で下りるのはスリルを越えた恐怖感があった。八本歯のコルからハシゴを登って岩場を過ぎれば、様々な花が咲き誇るトラバース道である。時刻は午後3時を過ぎてしまったが、豊富な花があるのでとても急いで北岳山荘に到着しようという気にはなれない。


    八本歯のコルのハシゴの脇に咲いていたアカイシミヤマクワガタ


    岩の下に咲いていたイワヒゲ


    探していたクモマスズメノヒエはこれでもかというくらいにたくさん生えていた。


    小型のカラマツソウの仲間が咲いている。葉は見たことがあるが花が咲いているのは初めて見る。


    これは探していたヒメカラマツ。こんなところで出会えるとは驚きである。


    小さなツメクサの仲間。


    これは小型のホソバツメクサか?それとも別物?


    きわめて小型である。


    岩の隙間に生えるミヤマムラサキ


    ミヤマムラサキの群生


    判別の難しいハタザオの仲間


    茎や葉には星状毛がたくさん生えている。


    種を見てみると平べったくて真ん中の幅が広い。


    これはハクホウナズナ(キタダケナズナ)ではないかと思う。


    別のハタザオの仲間


    葉が茎を抱いており、これはウメハタザオと思われる。


    花を期待していたクロミノウグイスカグラだったが・・・


    既に結実していた。

 トラバース道の道沿いを花やシダを探しながらじっくりと歩いたこともあるのだが、テント泊予定地の北岳山荘に到着したのは午後6時近くになってしまった。小屋番の方には心配をかけてしまい申し訳ないことをしたが、初めて見る植物を何種類も見ることが出来た。足がかなり疲れてしまい、明日予定している間ノ岳側の散策には支障が出てしまいそうである。その前に、今晩から天気が荒れ模様となり、明日は暴風雨に見舞われそうである。おそらく、明日の宿泊予定地の北岳肩の小屋に移動するのが精一杯ではないだろうか?テントを張る頃には風が吹き出し小雨が降ってきた。明日はどうなることやら?

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北岳(1日目)池山吊尾根を行く ~あるき沢橋から池山小屋へ~  令和4年7月17日

2022年07月24日 | 山に咲く花
 北岳に行く計画を立てたが、今回は3泊4日という長期滞在、かつテント泊という計画である。いつもの広河原から入山するのでは無くて、今回はルートの長い池山吊尾根を登る計画である。もう何年もテントを担いでおらず一抹の不安があり、特に2日目の池山小屋から北岳山荘までのルートはコースが長く長時間の行動時間を強いられるのは必至であろう。さて、無事に登って帰って来られますかどうか?まずは広河原まで行き、奈良田行きのバスに乗り換えてあるき沢橋で下車し、そこから登り始める。


    広河原アルペンプラザ。背中側には新築された広河原山荘が営業中。空模様はいまいちだが雨は降らなそうである。


    バス停の裏に変わったカエデの木が生えていた。


    蝶型の実がたくさん付いている。葉が変わっていて切れ込みのある長ハート形をしている。これは探していたカラコギカエデであろう。


    広河原で奈良田行きのバスに乗り換えてあるき沢橋で下車する。このバス停の裏側が登山道に入る。


    登山道脇に生えていたトチバニンジン


    頭を持ち上げたばかりのシャクジョウソウ


    ウリハダカエデに似ているがこちらは葉が大きくてやや光沢があり、ちょっと違う。


    これはテツカエデであろう。この山域ではこれが主体になるようである。


    シラネワラビが至るところに生えており、群落も形成している。


    他にもいろいろなシダが生育している。


    これはシノブカグマであろう。


    ミヤマイタチシダと思われる。


    葉にやや光沢があり第一羽片の下向き最下小羽片が大きく張り出している。


    流線型の細長いイノデの仲間、ホソイノデであろう。


    鱗片は薄い。


    パラパラと生えているこのシダ


    ミヤマシダと思われる。


    似ているがこちらは第一羽片の下向き最下小羽片が大きい。


    これはナンタイシダと思われる。


    やや大き目のソーラスが裂片の辺縁上側に付いている。


    イチヤクソウの仲間が咲いている。葉はたくさん見かけるが咲いているものは少ない。これはコバノイチヤクソウであろう。


    これもコバノイチヤクソウ


    これは葉脈の白い筋が明瞭。ジンヨウイチヤクソウであろう。


    これもジンヨウイチヤクソウ


    キソチドリはまだ蕾。小さな葉はたくさん見かけるが花を付けているものは少ない。


    まだ蕾のミヤマウズラ


    針葉樹林の下に咲いていたコイチヨウラン


    群生はしていなかったがそれなりに多く咲いていた。


    探していた小さな白いラン、アリドオシラン。


    まだほとんどが蕾だった。


    草地に立ち寄ってみる。


    これはクサイの群落と思われる。


    草地の中にたくさん茂っているスゲ


    これはヒメカワズスゲであろう。圧倒的な群落である。


    結実したヒメカワズスゲ


    水辺には別のスゲが生えている。


    これはミノボロスゲであろう。


    本日の宿泊地、池山小屋に到着。


    小屋の前には素晴らしい草地と湿地が広がっている。


    イネ科の草が群生している。これはヌマガヤではないかと思う。


    苔の生える湿地


    群生しているスゲはヒメカワズスゲ

 コースタイムを遥かにオーバーし、5時間という長時間を要して池山小屋に到着した。それなりに良い植物観察が出来たと思うのだが、重い荷物を担いだままの撮影には苦労を要した。今回のいちばんの目的はイチヤクソウの仲間を探すことだった。かつて池山小屋の近傍にエゾイチヤクソウという花が生育していたらしいのだがまだ残っているのかどうかは確認されていない。同行メンバーとともに池山小屋周辺の樹林の中や湿地の周辺を探してみたのだが、残念ながら発見出来なかった。

 他の登山者は居らず、池山小屋は同行メンバー3人で貸し切り状態となった。電波が届かずちまたの情報が入らないことと天気予報が見られないことは不便ではあるが、明日は晴れるはずである。8時前にはシュラフに潜り込んで明日は早朝に出発の予定である。

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