山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

EXTRA花歩き コアツモリソウ咲く森へ  平成26年5月25日

2014年05月27日 | 番外編
 杓子山界隈まで足を運んだのでこの森にも立ち寄ってみた。そろそろ咲いている頃だろう。森の小人、コアツモリソウ。


    葉を発見。だが、まだ花は蕾だ。


    近くにはアオフタバランの葉がたくさん。


    スズムシソウはまだ芽吹いたばかり。


    開花にはまだ2週間ほどかかりそうだ。


    開花している株も数株発見した。


    スズムシソウ


 今年はアオフタバラン当たり年のようで、森の中に踏み込もうとすると足の踏み場が無いほどのアオフタバランの葉が地面をおおっていた。踏まないように避けながら、抜き足差し足でそっと森に入る。コアツモリソウも今年はたくさんの葉を出して、花付きもなかなか良い。しかし、若干時期が早くまだ蕾のものばかりだ。


    足の踏み場が無いほどのアオフタバランの葉


    コアツモリソウの群落を発見。たくさんの葉が出ている。


    花付きもなかなか良いがほとんどが蕾。


    昨年よりも多い


    咲いていたコアツモリソウの花


    同上


 今年は、スミレは雪の影響でダメだったがコアツモリソウやアオフタバランは影響を受けずにたくさん芽を出してくれたようだ。花によって当たり外れが今年はかなり分かれているようだ。
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花を求めてお宝の山へ 杓子山  平成26年5月25日

2014年05月27日 | 山梨百名山
 昨年花見隊でこの山を訪れたのがちょうどこの季節だった。想定外にたくさんの花に出会うことができて感動の連続だった。そして今年は、昨年とは逆コースで立ノ塚側から鹿留山、杓子山と巡るコースで歩くことにした。花見隊メンバーのほかに山岳会平嶋さん、のぞむ君、P姫、初参加のcyu2さんを加え、総勢10人で出発する。トシちゃんを小間使いのように使って申し訳ないのだが、トシちゃんは山頂を越えずに途中で下山してもらい、杓子山側の林道に車を回してもらって、杓子山中腹で待ち合わせることにさせていただいた。

 立ノ塚の林道を道脇の花を眺めながらゆっくり歩くが、昨年はたくさん咲いていたはずのズミがあまり咲いておらず、開花が遅れているようだ。目を凝らして道を進み、あの花を探すが、果たして今年も出会えるのか?


    道脇に咲いていたニョイスミレ


    白いタチツボスミレ、オトメスミレ


    オトメスミレ


    イヌスミレ(エゾノタチツボスミレ)


    キスミレが登山道脇にちらほら。


    トレランレースで踏まれないことを祈る。


    タチカメバソウ


    ヒメウツギ

 登山道脇の斜面を目を凝らして見つめながら登って行くが、なかなかお目当てのものは見つからない。と思っていたら、先頭を行くグループが見事に発見してくれた。


    立ち止まって皆さん何やら撮影に夢中。見つけたものは・・・!!


    今年も出会えました。サカネラン


    この精巧な造り、そして琥珀色の輝き、凄い!


    こちらは開花の直前。


    開花前のサカネラン

 一番見たかった花がここで見られたので、ここで帰ろうか、という話も中老グループ(敬老グループ?)から出たが、折角だから登ろうということになる。作戦を考え、元気な若年グループは先に登って鹿留山を往復して来てもらい、分岐で待ち合わせることにした。私はもちろん、中老グループ。時間は12時を過ぎたので鹿留山分岐で昼食をとって大休憩する。


    花見隊らしからぬ急登を登る。


    鹿留山分岐。若年グループはザックをデポして鹿留山を往復した。


    木の割れ目にブーケを造ったバチガイソウ、ではなくてワチガイソウ。


    杓子山に向かう展望地から見る富士山はすっかり霞んでいる。


    杓子山山頂。


    中腹のミツバツツジ

 杓子山に向かって登って行くと、sanaeさんの知り合いの女性が私たち中年グループを迎えに来てくれた。昨年の花見隊レポを見て、この日を狙って杓子山を訪れたのだそうだ。静岡から来られた方で、静岡方面の花の情報をいろいろといただいた。

 この山に来てもうひとつ見ておきたい花がある。それはヤマシャクヤクだ。昨年発見した山頂近くのものはまだ時期が早く開花していなかったが、中腹のものはちょうど開花したばかりの美しい姿を見せてくれた。いずれの場所も昨年よりも株が増え、花数も多くなっていた。うれしい限りである。


    ヤマシャクヤク開花


    心洗われる美しい花


    小ぶりの花が多いが、数は昨年より増えていた。


    こちらは山頂付近の株。まだ固い蕾で、来週が見頃になりそうだ。


    蕾のヤマシャクヤク

 sanaeさんのお知り合いの2人をお誘いして、林道脇にあるという最後の目的の花を探しながら歩くが、10数人の目で探したにもかかわらず発見できなかった。迎えに来てくれたトシちゃんの車に運転手だけ乗って車を回収に行く。少しばかりアクシデントがあったが、お目当てだった花はほぼ出会うことができ、存分に花を楽しむことができた。


    林道脇に咲いていたホソバノアマナ


    林道脇を覗きこみながら花を探して下山したが、探し物は見つからず。


 この界隈の山は様々な花と稀少植物が咲くお宝の山である。来週トレランのレースが開催されるらしいが、植生に十分配慮のうえ競技を進めて欲しいと思う。
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森に咲く可憐な妖精 ホテイラン  八ヶ岳南麓

2014年05月26日 | 番外編
 毎年恒例のように訪れている八ヶ岳のホテイラン。今年は少し開花が遅れているようで、例年よりも1週間遅れで訪れてみた。2年前に初めて花見隊メンバーが集まったのがこのホテイランを見に行った時だ。あれから2年しか経っていないのに、もう10年もおつきあいがあるかのような親密なおつきあいをさせていただいている。今回は花見隊メンバーにP姫をお迎えして、6人で八ヶ岳南麓に行ってみた。


    小川のほとりに咲いたサンリンソウ


    ミヤマエンレイソウ  オートフォーカスだと花のピントがいまひとつ。

 今回は新調したCanon EosM2というミラーレス一眼レフカメラにいつも使っている77㎜口径のレンズを装着して撮影に臨んだ。軽くて三脚も軽いもので済むのだが、軽量故に手持ち撮影の時にブレやすいこと、そしてオートフォーカスの時のピントがいまひとつなのが難点に思う。ホテイランを発見してからは全て三脚固定による画像である。


    ホテイラン発見。しかしこの株は下唇がちぎれている。


    苔の生した森に咲く妖精ホテイラン


    波打つ葉が特徴的。花を付けない若葉は1円玉にも満たない大きさで、足元に細心の注意を払いながら歩く。


    ノッポのホテイラン


    並んで咲いたホテイラン


    同じ株


    こちらも2輪


    ミヤマスミレの群生


    鮮やかな赤紫色のミヤマスミレ


    森の雰囲気を出しながら撮影したつもりだったが、自分の足まで写してしまった間抜けな写真。


 決して当たり年とは言えないが、時期はちょうど良く、20株ほどの新鮮なホテイランを楽しむことができた。また来年。


 追記:新カメラはしっかり固定すればまずまずの画像が得られることがわかったが、やはり手持ちで歩きながら撮影するのはいまいちのようだ。もう少し使い慣れてから本格的に機動したい。
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森の奥深くに咲くエビネ 関原峠再び  平成26年5月23日

2014年05月23日 | 山梨無名山
 そろそろ咲いている頃だろう。明日から2日間は花見隊山行なので、行くならこの日しかない。ということで、当直疲れがまだ抜けない体を無理矢理たたき起こして、関原峠を再び訪れる。


    登山道脇に一株だけホタルカズラ


    ヤマツツジが見頃を迎えていた。


    山中を彩るヤマツツジ


    山ぶどうの蔦が巻く森を行く。

 今回は寄り道せずに真直ぐ関本峠に向かい、約50分で到着した。さっそくエビネを発見した谷に下りてみると・・・前回見落とした場所にエビネが開花している。そして蕾だった株も皆開花して静かな谷を彩っている。三脚を出してカメラセットするが、撮影の前に一休みしてこの心安らぐ景色をしばし楽しむ。


    前回見落とした場所でエビネが開花していた。思わず笑みがこぼれる。


    深山の谷間に咲くエビネ


    たくさん咲いてくれた。
    

    エビネ群落

    













 深い森の中にひっそりと咲いているこの雰囲気がたまらなく良い関原峠のエビネ。これからもずっと咲いて欲しい。
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短絡路から節刀ヶ岳・十二ヶ岳へ ヒメスミレサイシンとシコクスミレ  平成26年5月18日

2014年05月21日 | 山梨百名山
 所属している山岳会の嶺朋クラブで昨年に続き十二ヶ岳の例会山行があった。文化洞トンネルから出発して毛無山~竜の背~十二ヶ岳~鬼ヶ岳~雪頭ヶ岳~根場へと下山するややロングコースだ。鈍足の私でも歩けなくは無いコースなのだが、問題なのは・・・同行すると写真を撮っている余裕がほとんど無いということだ。天気図と雲画像を見ると、この日も綺麗な富士山が姿を見せてくれそうなので、できれば三脚を構えてじっくりと写真を撮りながら歩きたい。そして恒例のように見に来ているコイワザクラ、ヒメスミレサイシンとじっくりご対面したい。さらに、十二ヶ岳界隈に咲く稀少種の情報を得たのでそちらも探してみたい。ということをやっていると、とてもではないが会の山行ピッチに付いて行くことはできない。

 そこで、短絡ルートを使って十二ヶ岳山頂で落ち合うことにして、私一人だけ林道突き当たりの短絡登山道から登ることにした。文化洞トンネル出発時間が7時ごろなので、おそらく十二ヶ岳到着は11時前後だろう。短絡ルートを使うと十二ヶ岳山頂まで2時間とかからずに到着できるが、その前に節刀ヶ岳に立ち寄り、新緑と富士山を撮影したい。私のほうも短絡ルート入り口を朝7時に出発し、まずは節刀ヶ岳を目指す。が、昨日の尾白川上流でのとんだ籔歩きにもめげず、今日も登山道を外れて道無き尾根を登ることにする。


    短絡ルート入り口。砂防堤工事中の頃はここには車が入れなかったが、工事が終わり入れるようになっていた。プレハブ小屋も撤去されている。


    こちらが短絡ルートの登山道だが・・・


    右手から流れ込む沢に沿ってテープがついている。今日はこちらを登ってみることにする。


    フタバアオイの葉がちらほら


    フタバアオイの花


    ツルシロカネソウがぽつぽつと咲く。初めてこの花を見たのがこの短絡ルート、そして花の名前がわかったのはその数年後だった。


    初見の白いスミレ、シコクスミレ。葉が開いて咲く。


    シコクスミレがたくさん


    数か所群落を発見した。


    モミジガサ群落


    エイザンスミレ


    振り返れば青空と富士山


    尾根の正規ルートに出る。

 最初は沢沿いに進み、途中から尾根に取り付いて登る。このあたりでは良く見かけるフタバアオイの群落があちらこちらにあり、また、初めて見る白いスミレに出会った。このあたりの山に咲いていると聞いたことはあったが、これは葉っぱが開いて花が咲くシコクスミレだ。同じ白花のヒメスミレサイシンは葉っぱが丸まったまま花が咲くので区別がつくが、咲いている場所もだいぶ違う。

 ところどころ急な斜面を獣道を頼りにジグザグに、時に真直ぐに登り、2時間弱で金山と節刀ヶ岳の中間あたりの尾根道に登り着いた。そのまま節刀ヶ岳を目指し、9時に到着した。PLフィルターの効果が出る時間帯に節刀ヶ岳から富士山を撮りたかったが、若干遅かったようで、フィルター効果がいまいちだ。


    節刀ヶ岳から見る富士山。左のコブのような山が十二ヶ岳。


    節刀ヶ岳から見る富士山


    フジザクラと富士山


    節刀ヶ岳山頂

 撮影と休憩で30分を費やし、十二ヶ岳に向かう。途中にはコイワザクラが咲いているのでそちらともご対面しながら進む。いつも咲いている岩のところでコイワザクラを見たが、1週間ほど時期が遅く痛み始めており、花の数も少ない。ヒメスミレサイシンは結構咲いてくれていた。そしてもうひとつの探し物は・・・再三ありそうな場所を覗き見したが、葉っぱは見つけられなかった。花が咲くのは6月下旬ごろなのでまだ出ていないのかもしれない。


    途中から見下ろす西湖と富士山


    コイワザクラ。今年は花数が少ない。


    ヒメスミレサイシン


    今年は結構咲いてくれた。


    途中の展望岩から見る十二ヶ岳と富士山


    鬼ヶ岳、その向こうには雪の南アルプス


    ロープ場の難所。ここにもクモイコザクラが咲くのだが、少しだけだった。


    咲き始めたコイワカガミ


    山頂下のコイワザクラ


    山頂付近に咲いていたヒメスミレサイシン。葉っぱが丸まったまま花が咲く。


    十二ヶ岳山頂から見る富士山


    嶺朋クラブのメンバーと合流し、記念撮影。


    山頂先の展望地から見る西湖と富士山

 撮影したり花を探したりしながら歩いていると十二ヶ岳山頂到着は10時50分になってしまった。もう会のメンバーは到着しているかと思ったが、人数が多く吊り橋や鎖場の通過に時間がかかったようで、11時に一行が到着した。記念写真を撮ってこれから混雑するであろう山頂を避け、鎖場を越えたその先の登山道脇で昼食となった。

 予定では鬼ヶ岳まで同行するつもりだったが、昨日の籔歩きと急下りで右膝に少し痛みがある。時間はまだ12時半だが、今日はこのまま短絡ルートを下山することにした。会の女性メンバー2人も一緒にげざんすることになり、3人で短縮ルートを下りる。しばらくぶりに通る短縮ルートは以前に比べると道が整備され歩き易くなっていた。その反面、藪を刈ってしまったことと鹿の食害も加わったためか、かつてはたくさん咲いていたササバギンランやフタバアオイ、ツルシロカネソウなどははすっかり見かけなくなってしまい、バイケイソウとハシリドコロばかりが目立つ森になってしまった。下部のほうにはラショウモンカズラがたくさん咲いており、少しだけほっとした。


    短絡ルート分岐付近に咲いていたヒメイチゲ


    道は整備されたが、バイケイソウとハシリドコロばかりが目立つ森になってしまった。


    ツルシロカネソウ。かつてはたくさんあったが、今ではまばら。


    ミヤマエンレイソウ。これも少ししか無い。


    ラショウモンカズラが登山道下部にたくさん咲いていた。


    駐車場到着。


 十二ヶ岳界隈は御坂山塊唯一と言って良いかもしれない鎖やハシゴが連続するアルペンルートで、歩いて楽しい山であるが、一方、稀少な植物が咲くお宝の山でもある。今回は見つけられなかった花は、実は7~8年前にこの尾根で見かけて写真を撮ってあるのだが、その頃はその花の価値など全く知らず、別の花だと思っていた。その後何度か探してはいるがそれらしきものは見かけていない。絶えていないことを祈る。
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尾白川錦滝のユキワリソウと尾白川上流のクモイコザクラ  そして帰り路、えらいことに・・・

2014年05月20日 | 南アルプス
 この季節は恒例になっている錦滝のユキワリソウ。いつもならば日向山登山とセットなのだが、今回はもう6~7年も前に一度だけ訪れ、偶然に発見したクモイコザクラがその後どうなっているのか見に行ってみることにした。時間的・体力的な余裕があれば上流の噴水滝あたりまで行ってみたいのだが、ちょっと難しそうだ。

 仕事を片付けて矢立石の日向山登山口に到着したのは11時半。人気の高い日向山だけに駐車場は当然満車だが、ゲート近くの道脇になんとか止めることができた。まずは錦滝に向かう。


    林道脇に車がずらりと並ぶ日向山登山口の矢立石。


    林道がら望む新緑と甲斐駒ケ岳


    尾白川錦滝。雪の影響か滝壺周辺には木の枝が散乱している。

 40分ほどで錦滝に到着し、三脚を出して存分に撮影する。この滝に陽が当たるのは午前中なので、お昼過ぎのこの時間に行くと既に日蔭になってしまい、ユキワリソウの色がいまひとつになってしまう。ここはやはり午前中が良い。


    滝の脇に咲いたユキワリソウ


    200mm望遠レンズを今回は持って行った。


    斜め横側に移動して撮影


    200mm望遠レンズは三脚でしっかり固定してもなかなか撮影が難しい。


    滝の流れとユキワリソウ

 錦滝で30分ほど時間を費やし、時間は午後1時になってしまう。この日は日向山に登らずそのまま真直ぐ林道を進み、林道の終点まで行く。途中落石したところもあるが、通行するには全く問題無い。


    大きな岩が崩落している。ところどころ道は荒れている。


    鞍掛橋。一つ目のトンネルを過ぎるとすぐ先にあり、下に深い谷を望む。これが鞍掛沢と思っていたがそうではなかった。


    2つ目のトンネル。入り口が崩落している。


    黒戸尾根の黒戸山が間近に見えるようになる。


    林道終点。この先が崖のような激下り。


    崖のような激下り。長いロープにつかまりながら下りる。


    河原に降り立つ。ここに来る人は沢登りのスペシャリストか釣り人くらい。一般の登山者はまず来ない。


    谷の向こうに見えるのは鞍掛山の尾根。

 尾白川上流の谷に降り立ったのは午後2時、ほぼ予定通りだった。谷を少し遡上して対岸の岩壁を見ると、以前訪れた時と同じように、あるいはその時以上にたくさんのピンク色の花がついている。クモイコザクラだ。ほとんど人が入らない谷、しかも動物が近付けない岩壁に咲くその花は、人害も動物の食害も受けること無く静かに咲いてくれている。


    対岸の岩にピンク色の花が散在している。


    尾白川上流に咲くクモイコザクラ。かなりたくさん咲いている。


    200mm望遠レンズで捉えたクモイコザクラ

 ここまではきわめて順調だった。帰り時間を考えてギリギリ3時半まで遡上しようと思い、上流に向かうがすぐに大きな淵に突き当たってしまう。手前で渡渉すれば通過は難しくないが、膝あたりまで水に入らないと渡渉できなそうだ。強引に右側(左岸)の岩を越えて淵の上まで行ってみたが、やはり足を濡らさずに遡上することは困難だ。ここであきらめて引き返すことにする。そして、左足だけ犠牲にして、下流の浅いところで渡渉してクモイコザクラの咲く対岸の岩壁まで行くことにする。


    大きな淵に出る。膝下まで濡らさないと渡渉できない。


    左岸の岩を越えて淵の上まで行ってみたが、やはり濡れずに遡上することは困難。ここであきらめる。


    片足を犠牲にして対岸に渡る。いまにも崩落しそうな岩の下にクモイコザクラがたくさん咲いている。


    クモイコザクラ


    風に揺れるクモイコザクラ


    クモイコザクラ


    200mm望遠レンズで接写


    岩壁に咲くクモイコザクラ


 十分に撮影して満足して帰路に着く。時間は午後3時半を過ぎたばかり、明るいうちに楽勝で矢立石に到着できるはず・・・だった。谷に下りる時にロープの無くなった下部の部分が踏み跡少なく迷いそうだと思っていたのだが、帰りで見事にその心配が当たってしまう。登り口と思って登り始めたところ、ロープのあるはずの高度まで登ってもロープが見当たらない。行き過ぎたのか?上にトラバースしながら上流側に行くがそちらにはロープ無し。ならば下流側しかあり得ないので、急斜面を獣道を頼りにトラバースしながら登って行くが、それらしきものは見当たらない。やがて本物の崖のような斜面に突き当たってしまい。トラバース不能となってしまう。時間は午後4時、まだ日暮れには余裕があるが、なんとか5時までには林道に出たい。登るか、河原まで降りるか?急斜面は降りるほうが遥かに難しいので、この崖のような斜面は上を巻いて通過することにした。木の根っこや枝につかまりながらひたすら登る。標高は1,500mを越えて、既に林道から100m以上高い位置にいる。何故かこんな道の無いところでも、岩に赤ペンキが着いていたりして、どうやらかつては林業作業が行われていたらしい。
 急斜面を登り着くと平らな開けた場所に出た。そこからはやや緩い斜面となって尾根にたどり着いた。籔尾根だが、そのまま登って行けばおそらくは鞍掛山に至る尾根だ。方向を右に変えて尾根の急斜面を下りると、その先には隣の山とのギャップがあり、その谷間は急ではあるがなんとか下りられそうだった。またしても木の根や倒木につかまりながら急斜面を下りるが、なかなか林道らしきものが見えてこない。最悪の場合はツエルトでのビバークを考えながら下りて行くと、鈴の鳴る音が聞こえてきた。そして、下に林道を歩いて行く人の姿が見えた。しかし、安心するのはまだ早く、林道への最後の下降には身長の高さに近い岩壁があった。都合良く倒木があったので、これにつかまって岩壁を滑り落ちて通過し、ようやく林道に降り立った。時間は4時40分、楽勝で明るいうちに駐車場に戻れる時間だ。


    崖に近い急斜面をひたすら登り切ると、平らな所に出た。かつての林業作業の跡地のように見える。


    尾根まで登る。籔尾根だが、ここを登って行けば鞍掛山に至るはず。山梨県の某山岳会でここを登った人たちがいる。


    反対側の斜面を激下り。ザイルを持ってこなかったのは失敗だったが、こうなることは全く予想していなかった。


    林道に下り着く。下に人の姿が見える。倒木にぶら下がるようにして岩場を降りる。


    下って来た谷間を振り返る。籔歩きトレーニングの成果が出て、無事帰還。


 降り立ったところは尾白隧道というトンネルの上流側だった。後に地図で確認したが、この尾根は鞍掛山に至る尾根で間違いなかった。ちょっと取り付き口だけ下見してみようとは思っていたのだが、まさかルートを見失って尾根まで登ってしまうとは思わなかった。谷での落石に備えてヘルメットを持って行ったのが少しは気休めになった。林道をゆっくり歩いて午後5時50分、明るいうちに駐車場に到着できた。

 錦滝のサクラソウは今年の花付きは良いとはいえない。クモイコザクラは増えているように見えるが、ずいぶん前の事なので記憶が定かではない。毎年咲いてくれていることは間違い無さそうだ。ルートを見失いとんだことにはなったが、全く焦ることなく対処できるようになった自分が少しだけ成長したように思えた。
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花を訪ねてどこへでも 毎度のどこか藪歩き 関原峠  平成26年5月11日

2014年05月14日 | 山梨無名山
 関原峠の名前を知る人はほとんどいないだろう。今ではほとんど歩く人のいない廃道に近い道である。所属山岳会の方からそこに某花が咲いていたとの情報をいただいた。おおよその場所は聞いたが、果たして見つけられるかどうか?とにかく行ってみることにした。(どこかで聞いたことがあるようなタイトルですが、敬愛するブログ仲間の方のパクリです。)

 林道を峠まで入ると小山をいくつか越えて1時間ほどで到着できるはずなのだが、林道ゲートのところまで行くとゲートは閉ざされていた。ここから歩くと峠まで1時間ほどかかってしまう。別ルートを行くか、どうするか?道を戻ると地元の方が道路脇で作業をされていた。林道のことを訪ねると、ゲートは閉じているが鍵はかかっていないので開けて通れると教えてくれた。通過したらまたゲートを閉じておいてくれれば入ってかまわないと言う。(あくまでも自己責任でということで。)車を回して再びゲートに戻ると、確かに鍵はかかっていなかった。開けて通らせてもらい、峠まで車で入る。時間は11時、途中までの道は歩いたことがあるが、その先の尾根道はどうなっているかわからない。GPSは持っていないので、コンパスで方向を確認しながら、尾根に忠実に歩いて進む。


    林道の通る峠から出発。


    ところどころ倒木あり。あまり整備はされていない。


    新緑が眩しい森。


    かつては自転車で通るような道だったのか?昭和中期の自転車の残骸。


    足元に草むらが広がる広い尾根は道が不明瞭。


    足元にはフデリンドウが咲く。


    フデリンドウたくさん。


    ところどころ境界見出標の看板が立つ。テープや目印もまばらにある。


    1時間ほど歩き、ピークをいくつか越えてコルに着くと、そこには道が横切っていた。おそらくこれが目指す関原峠だろう。

 コンパスは西、ないしは南西方向を向いてひたすら尾根伝いに進む。ところどころ草むらになった尾根は道が不明瞭だが、その向こうに見える高いピークを目指して進むと、下ったコルのところで道が横切っていた。おそらくはこれが関原峠だろう。ほとんど歩かれている様子はないが、きちんとした道である。

 まずは道が明瞭に見える右側に下りてみる。足元には踏み場がないほどのヒトリシズカがたくさん咲いている。下って行くと、その先はきわめて明瞭な道が谷に沿って続いていた。標高差で150mほど下りたが、探している花は見つからない。林の様子からしても、山肌に草が少なく咲いているような様子は無い。登り返す時は道を外れて山の斜面を登ったが、それらしきものは無い。


    ヒトリシズカがたくさん咲く。


    明瞭な道が続いている。


    途中に関原峠を示す看板があった。ここが関原峠で間違い無い。

 峠に戻って今度は反対側に下りるが、こちら側は下り口から荒れていて道が不明瞭だ。先に進むと、谷の中腹を進む細い道が通っていた。そこを10分ほど下ると、谷に下りる道が分岐していた。真っすぐ進む道は先ほどの反対側と環境が似ているので探し物が見つかる可能性は低い。谷に下りてみて谷を横切り、反対側の道(らしきもの)を進んでみたが、途中の林の中で道は不明瞭となり、そこであきらめて引き返す。さらに真っすぐに進む道を行ってみたが、とうとう探し物は見つからなかった。


    反対側の道は入り口から荒れている。


    沢の源頭を渡って反対側の斜面を探すが・・・見つからない。


    藪のトンネル・・・だが、道らしきものは途中まであった。


    途中で富士山の頭だけ見える場所があった。


    戻って正規の道を行くと、半崩落した谷のところの岩に奇妙な文字と矢印が・・・。ここであきらめて引き返す。


    収穫はこれくらい。花は終わっているがスミレの葉っぱ。


    葉っぱの裏が茶色い。これはゲンジスミレの葉。

 探し物は見つからず、あきらめて戻ることにする。来た道を谷間を見ながら引き返していると、谷の中にも道らしきものがあり、その道沿いに大きな葉っぱらしき緑色の塊が見える。斜面を谷に下りてみると・・・そこには探していた大きな葉っぱがたくさんある。花はまだ咲いていないが蕾をたくさんつけた茎がたくさん出ていた。これこそ、今回探していた花、自生のエビネだ。


    谷の道に下りてみると、そこには大きな緑色の葉っぱがたくさん。


    これこそ探していたエビネの葉。


    新芽に蕾がたくさん付いている。


    別の株。


    濃い紫色の蕾がついている。


    どんな花が咲くのか楽しみだ。1~2週間後が見頃だろう。

 情報筋がしっかりしているだけに必ずあると思っていたが、最後の最後で目的の花にご対面することができた。一安心して車を止めた峠に戻る。


    帰り道はちょっとルートが違ったようで、行きでは見られなかった祠が立っていた。


 低山から順に花が咲き出すこの季節から花探しは忙しくなるが、どこまで見られるやら?「毎週どこか」というほどの体力とテンションはちと難しい。

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ヨッシー&花見隊写真展開催中 アウトドアショップELK

2014年05月12日 | 番外編
 東日本から北海道各地の、花見隊メンバー得意の場所を集めた写真展を開催中です。

 今回のテーマは「山上を彩る花たち」です。広大なお花畑が広がる北海道大雪山の風景や、飯豊連峰の驚くばかりのハクサンイチゲのお花畑、アカヤシオやシロヤシオが彩る山の景色などを展示しています。身延町中富で作られている西嶋和紙「おおむらさき」にプリントした独特の凹凸感と触感をお楽しみください。










 この会場をお借りしての写真展は今回で4回目となります。月や星と山の写真が多かった中で、今回はがらりと変えて花の写真展です。我ながらなかなかうまく展示できたかなと自己満足に浸っています。

 会場のテーブルには落書帳ならぬ「酷評ノート」なるものが置いてあります。感想やお気付きの事などありましたら、ご自由にお書き下さい。

 多くの皆様のご来場をお待ちしております。
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天の川流れる仙丈ヶ岳  平成26年5月3日-4日

2014年05月07日 | 山梨百名山
 今年の5月連休は、月例の早い月が夜半に西の空に沈み、深夜に昇って来る天の川は月の影響を受けずに絶好の条件で観察できる、撮影には好条件が揃っていた。アストロガイドで星の位置を確認した昨年の年末から、今年の5月連休は可能ならば仙丈ケ岳に登り、未明に小仙丈カールの脇に立ち昇る天の川を見に行きたいと思っていた。あとは天候と自分の体力・気力次第ということになる。4月下旬から18㎏の重荷を詰めたザックを背負って職場の地下から屋上まで、標高差にして40mほどの階段を昇り降りするトレーニングを行ったが、途中から写真展の準備が忙しくなり不十分なままに連休を迎えてしまう。天気予報と天気図を見る限りでは5月3日か4日が狙い目だ。4連休初日の3日、早起きして伊那市側からバスを利用して北沢峠に向かうことにする。

 仙流荘のバス時刻は8時と10時、8時のバスに乗るために5時に甲府の自宅を出発し、双葉スマートインターから中央道に乗ろうとしたところ、双葉サービスエリアでガソリンを補給している時に冬靴を忘れて来たのに気づく。さすがに標高3,000mを超える仙丈ケ岳に6本歯アイゼンで登るのは難しい。中央道を走る前に双葉インターで折り返して自宅に靴を取りに戻った。1時間ほど時間をロスし、もはや8時のバスに乗るのは困難となった。行き先を変えて八ヶ岳に行くか、それとも以前から狙っている鞍掛山か駒薙から甲斐駒ケ岳を狙うか・・・車を走らせながら迷ったが、今回仙丈ケ岳に行かないとまた月の位置との関係で狙っている星の構図は数年後になってしまうかもしれない。到着が夜になったとしても、行かないときっと後悔するだろう。10時のバスで北沢峠を目指すことにする。


    仙流荘からのバスは歌宿(うたじゅく)まで行く。ここから北沢峠まで徒歩で6㎞、約2時間の行程だ。


    道路脇に雪の残る道。向こうに見えるのは甲斐駒ケ岳。


    北沢峠長衛荘到着。時間は午後1時を回っている。

 6㎞で標高差300mほどある長い道だったが、バスに同乗していた千葉県流山市から来れれた登山者の方と仲良くなり、山談義や世間話をしながら歩いたおかげでさほど苦痛も無く順調に歩くことができた。長衛荘でソバを食べて昼食とし、ここでお別れして私は小仙丈ケ岳を目指して登り始める。

 夏に来るとジグザグの歩き易い道がついている仙丈ケ岳だが、冬になると尾根を直登するルートになるため、2合目を過ぎたあたりからかなりの急登の道が延々と続く。20㎏超えの荷物はトレーニング不足と体重が増えた私の体にはかなり堪えた。午後5時、3時間ほどかかってなんとか5合目まで到着したが、既に足がガクガク、小仙丈ケ岳まで標高差で300mほどだが、登るのはかなり厳しそうだ。空模様が悪く、風が吹き出したため、本日は5合目でテント設営し、早めに寝て深夜に小仙丈ケ岳を目指すことにする。


    まだたっぷりの雪が残る仙丈ケ岳の2合目付近。


    3合目を過ぎたあたりから急登が始まる。


    5合目付近の切れ間から甲斐駒ケ岳が見えるようになる。雲行きが怪しい。


    5合目大滝の頭に到着。既にヘトヘト、足に力が入らない。本日はここでテント設営することにする。

 夕食をとって夕方7時前には眠りについた。目を覚ましたのは12時少し前だった。テントの窓から空を見上げると一面の星空が広がっていた。軽食をとって登る準備をしていると、外でなにやらガサガサと歩く音がする。テント窓から外を覗いてみると、こんな時間に登って行く人がいる。私と同じ人種か、それとも寝ぼけて夢でも見たのか??午前1時、5合目を出発する。


    雲が晴れ、星がきらきらと輝く。5合目テント脇から撮影。


    森林限界を超えた6合目あたりから見上げる仙丈ケ岳と天の川。右手に明るく輝くのは火星。


    北岳の空を流れる天の川。6合目付近から。


    甲斐駒ケ岳と鋸岳。その上には天の川が流れる。6合目付近から。

 小仙丈ケ岳への登り斜面は思いのほか傾斜がきつく、苦戦する。暗闇の中の登りなのでこの登りがどこまで続くのか見通しがわからず、とにかく滑り落ちないように足場を確認しながらひたすら登る。そして未明3時半ごろ、ようやく小仙丈ケ岳に到着する。凄い星空だ。北岳の右脇から甲斐駒ケ岳にかけて、明るい雲の帯のように天の川が空を架けている。疲れたが、登って来て良かった。先程テント脇を通過して行った登山者は私と同じく星空を撮影にやって来たカメラマンだった。機材が凄い!中判のフィルムカメラにフルサイズのデジタルカメラ、さらに太い三脚が2本。私のカメラ機材の3倍近い重量があるだろう。夜9時に北沢峠を出発して登って来たという、その技術と根性も凄い!


    星のきらめく仙丈ケ岳  右脇の星が火星、その真上高く輝くのがアルクトゥールス、小仙丈カール左上が土星、その左手に輝くのがさそり座アンタレス。


    北岳に立ち昇る天の川


    あっという間に薄明の時間が始まる。水平線が明るみ始め、空が紫~青く映る。


    鳳凰山に昇って来た金星


    小仙丈カールと天の川


    薄明の仙丈ヶ岳と天の川  上のカットとともに、今回撮りたかった映像。


    天の川の輝きは夜明けの空に吸い込まれてゆく。

 薄明の青い空を流れる天の川は、ほんの10分ほどで夜明けの空に消えて行く。なんとか撮影にリベンジすることができた(と思う)。


    朝焼けに浮かぶ甲斐駒ケ岳と八ヶ岳


    北岳と富士山


    日の出


    モルゲンロートの小仙丈カールを期待していたがあまり染まらなかった。


    夜明けの北岳と富士山。若干霞んでいる。

 日の出の前から足元のハイマツの中でグエッグエッという雷鳥の鳴き声が聞こえていたが日の出とともに目の前につがいの雷鳥が姿を現した。夜明けの風景そっちのけで雷鳥を追いかけて撮影するが、なかなか良い位置で止まってくれない。


    日の出とともに姿を現した雷鳥。


    ライチョウと小仙カール


    ライチョウと仙丈ヶ岳


    晴天の仙丈ケ岳

 すっかり夜が明け、時間は朝5時になった。5月の仙丈ケ岳山頂は一度登っているので行かないつもりだったが、雲一つない好天に恵まれた仙丈ケ岳、登らないのは罪悪のように感じた。眠い目と疲れた足に気合を入れて、山頂を目指して登ることにする。朝日を浴びた雪の斜面が眩しく輝いている。それにしても凄い眺望だ。中央アルプスから御嶽山、乗鞍岳、そして北アルプス全山がずらりと並んで見える。凄い迫力だ!


    眩しく輝く仙丈ケ岳


    雪原と乗鞍岳・北アルプスの山並


    またきつい登りが目の前に迫る。


    ようやく見えた仙丈ケ岳山頂。


    藪沢カールと白き山並


    山頂への最後の登りでまたもや雷鳥が登場。宙を舞って目の前に舞い降りて来た。


    ようやく到着、仙丈ケ岳山頂。小仙丈ケ岳から2時間半もかかった。


    中央アルプスから乗鞍岳、北アルプスの山並みがずらりと並ぶ。あまりお目にかかれない凄い眺望。


    大仙丈ヶ岳と塩見・荒川岳


    北岳と並ぶ富士山


    甲斐駒ケ岳。もう登って来る人の姿が見える。


    早春の南アルプスの山並
 小仙丈ケ岳で一緒に星空を撮影した若者は私よりも先に到着してもう下山して行った。若者とはいえ、あれだけの荷物と寝不足はかなり堪えたようで、私と同様に疲れた様子だった。これは星を撮るカメラマンの宿命なのだろう。8時になると、もう山頂近くまで登って来た登山者が現れはじめる。さっさと下山し、10時にテント到着した。昼食をとってテント撤収、11時から下山し始め、午後1時前には北沢峠に下山できた。そしてまた疲れる林道歩き、午後3時15分歌宿発のバスに乗って仙流荘に戻った。


    きつい登り斜面を続々と登山者がやって来る。


    北岳と富士山。下りの小仙丈ケ岳付近から。

 帰りの車の運転がまた眠くて大変なのだが、ちょうど東京に帰るカップルの2人が乗り継ぎのバスが無くて困っていたので、私の車に乗せて甲府まで行くことにした。車の中で楽しく山談義しながら運転したおかげで睡魔に襲われる事も無く甲府に到着できた。


 絶好の天候に恵まれ、仙丈ケ岳の星空リベンジ撮影できただけでなく、いろいろな出会いがあった実りの多い仙丈ケ岳山行だった。
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白き大輪の花  平成26年5月2日

2014年05月07日 | 番外編
 花の師匠から連絡が入った。甲府市界隈の某山に白いゴージャスな花が咲いて見頃を迎えているという。大輪の花弁は痛み易く、1週間と持たないので早く見に行ったほうが良いという。だが、その前に写真展の準備と展示を優先させなければならない。5月1日の午後に写真の展示を終えると既に時間は5時。連休は仙丈ヶ岳の予定を立てているので、残るは5月2日しか無い。仕事を早々に片付けて、午後3時半過ぎから情報をいただいた某山の登山道を歩いてみた。今回のルートは初めて歩く道だ。

 図鑑であらかじめ調べて来たので、大きくて白くてゴージャスな花は良く目立ち、簡単に発見することができた。その花の名はカザグルマ。園芸種クレマチスの母種となった花である。この山に咲くものは栽培種では無くて自生のものである。


    甲府界隈の某山に咲くカザグルマ


    さほどたくさん咲くわけではないが、目立つのですぐに見つかる。


    真っ白でゴージャスなその花は白とびしやすく、露出を暗めにして撮影する。


    すっかり見入ってしまうような美しい花。

 ちょうど花散策に来ていたご夫婦とお話する機会があり、エビネを探していると言っていたが時間が遅く、今日は無理だろうとお話しした。花の情報をいただき、キンランが別の登山道沿いに数株咲いていると教えてもらった。デジタルカメラの画像も見せてもらったが、まさに見頃のキンランだった。山頂を越えてそちら側に行き、探すことにする。


    ヤマツツジがたくさん咲く。


    ちょうど見頃を迎えたヤマツツジ。


    富士山は綿雲を纏っていて見えない。

 下山しながら足元を探しつつ、教えてもらった場所に行って右往左往してキンランを探し、さらに林の中をさまよって探すが・・・見つけたのはギンランばかり。同じ道をまた戻って探したがキンランは見つからない。やがて時間は5時半を過ぎ、薄暗くなってきて花探しは容易では無くなってしまう。本日はあきらめることにする。


    ギンランは5~6株発見したが、キンランはとうとう見つからず。

 下山して来た女性に尋ねると、別のルートで数株見たが、初めての山でどこから入ったのかわからないという。どうやらこの山にはキンランは結構あるようだ。いつかリベンジできるのか?
コメント (10)
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春の花散策 茅ヶ岳  平成26年4月25日

2014年05月06日 | 山梨百名山
 花見隊2日目はどこに行くか迷ったが、うーさんからの報告で茅ヶ岳のオキナグサが見頃を迎えそうだということだった。昨年・一昨年と鹿の食害を受けて花芽が食べられてしまいまともに咲いてくれなかった。今年は大雪の影響で鹿がだいぶ減ったらしく、オキナグサはほとんど食害を受けていないそうだ。ヒゴスミレも咲いている頃だろうし、花を探して茅ヶ岳を周回することにする。

 大明神林道まで車で入り、ルートを短絡するのでさほど早起きして行く必要も無い。7時に山梨病院を出発して深田公園の駐車場で待ち合わせになっているルータンさんを迎えに行くと、既に駐車場は満車状態だ。さすがに人気の茅ヶ岳だ。大明神林道に乗り入れて林道脇の駐車場に車を止めるが、こちらには1台も車が止まっていない。林道の入り口がわかりにくく、地元の知っている人でないとここにはやって来ない。

 8時10分に駐車場を出発するが、花見隊の山行なのでまともに真直ぐに山頂を目指すわけではない。登山道脇に咲く花を見つけては納得の行くまで何度もシャッターを切りながら進む。防火帯の尾根は例年だとアケボノスミレを主にスミレがたくさん咲くのだが、前日の湯村山同様、今年はあまり咲いていない。ヒゴスミレも葉っぱはあるものの花が付いていないものが多かった。



    昨日に続いて花見隊メンバーで茅ヶ岳を散策。大明神林道脇の駐車場に車を止める。


    アケボノスミレ。湯村山同様、こちらもスミレは少ない。


    さっそくみちほさんがヒゴスミレを発見。


    清楚な白い花を咲かせるヒゴスミレ。


    アカネスミレ。少ししか咲いていない。


    日を浴びるアケボノスミレ。


    咲いたばかりのヒゴスミレ。


    中腹のトウゴクミツバツツジは満開。


    おしべが10本あるのがトウゴクミツバツツジ。


    目の良いトシちゃんが防火帯上部でヒゴスミレ発見。

 3時間ほどかけて防火帯尾根の花を存分に楽しみ、オキナグサが咲く場所に到着した。あまり知られていないようで、新しい踏み跡はほとんどついていないが、人に踏まれたのか、それとも動物が踏みつけたのか、痛んでいる花が数株あった。うーさんの報告通り、ちょうど見頃を迎えており、食害を受けた花芽は全く無かった。3年ぶりにまともに咲いてくれたオキナグサに出会えてうれしかった。


    昨年はほとんど1株も咲かなかったが、今年はしっかりと咲いてくれた。


    可愛らしいオキナグサの花。


    オキナグサ。


    たくさん咲いてくれた。うれしい&一安心。

 駐車場の様子からして山頂は激混雑が予想されるので、登山道脇のスペースでちょっと早い昼食にする。山頂に行くのはもうひとつ目的があって、先日標柱のメインテナンスでニススプレーを噴霧してきたが、標柱の文字がだいぶ痛んでいてこれを塗り直したいと思っていた。混雑していなければ、標柱を直してから女岩側のルートを下山したい。

 12時、茅ヶ岳山頂に到着すると、いちばんの混雑は過ぎたようで意外にも人は少なかった。ペンキと筆を出して標柱の文字を塗り直す。


    山頂の標柱。先日ニススプレーをかけたが、文字が削れて不明瞭になっており、これを修復するのも今回の目的。


    直したばかりの標柱とともに記念撮影。

 修復した標柱とともに記念撮影後、女岩側のルートを下山する。例年ならばエイザンスミレやマルバスミレがたくさん咲く中腹の斜面は今年は少ししか咲いていない。雪の影響もあるのだが、雨が少なくて斜面の土が乾燥してしまっていることも影響しているようだ。ハシリドコロだけは元気にたくさん咲いていた。


    エイザンスミレ。女岩側のルートではヒゴスミレは見かけたことが無く、全てエイザンスミレ。


    女岩下の広い登山道脇にはヒナスミレがたくさん咲いていた。


    コガネネコノメソウの群生


    一輪だけ初見の花、キバナノアマナ。


    絶好の位置にアケボノスミレが咲く。


    ミヤマウズラの縞模様が入った葉っぱ。夏に咲いてくれるのが楽しみ。

 心行くまで花探しと撮影を楽しんで駐車場に戻ったのは午後3時半になってしまった。普通に歩けば4時間とかからない茅ヶ岳短縮ルートで、7時間以上も入山していたことになる。しかし、これこそが花見隊の山行、コースタイムも山頂も興味無い。花見隊メンバーだからこそできる究極の花見山行だと思う。
コメント (2)
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