山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

月と金星が接近した朝 精進山から三方分山  平成26年1月29日

2014年01月29日 | 山梨百名山
 二十八夜の細月と明の明星金星が接近して昇って来るこの日を1ヶ月ほど前から狙っていた.平日なので撮影に行けるかどうか不確定だったが,午前中なんとか時間を空けることができた.未明2時半に目覚ましをかけて起きるが,ウトウトしていると3時を過ぎてしまう.急いで準備して精進湖に向かうが,湖畔から歩き始めたのは4時半になってしまう.月はまだ昇ってきていないが,さそり座の胴体までが富士山の左脇に昇って来ていた.精進山のコルに直登するやや急な道を黙々と登る.5時に精進山の展望台到着を予定していたが,とてもではないがそんな時間には到着できない.中腹で月が昇り始めてしまい,予定地に到着したのは4時25分,55分かかって到着したことになる.

 この日は月と金星が接近しているだけでなく,さそり座の尻尾のところを横切る天の川が月のすぐ上に見えるかもしれない絶好の撮影日だった.明るい月だと天の川の輝きが消えてしまうので,両方を一緒に撮影するには二十七夜か二十八夜の細い月でなければ写ってくれない.1年のうちで撮影のベストは2月か3月ということになり,あまりチャンスはめぐって来ない.

 撮影予定地に到着すると,富士山の裾野からもうだいぶ離れて月が昇っており,その左脇にはひときわ明るい金星が輝いていた.さそり座はもう富士山の山頂を越えている.残念ながら天の川は位置が低く,夜明けの明かりに混じってしまっているのか肉眼ではわずかにしか見えない.

    富士の裾野に昇って来た二十八夜の月と金星.富士山の上に雲のようにかかる白い霞が天の川.


    修理から帰ってきた17‐55mm F2.8レンズ.今度は周辺のピントのボケが直っており,新品の時と同じように写る.


    精進湖の夜景と富士山


    次第に空が明るみ始め,天の川は消え星の輝きも薄くなって行く.


    薄明の富士山と精進湖

 風がほとんど無くそれほど冷え込んでもいない.オーバージャケットを持っていったが,ダウンだけでも凌げるくらいだった.富士山と月と金星,そして眼下に見える精進湖を日が昇るまでひたすら撮りまくる.

    地球照の月と金星


    同上 55mmズーム


    精進湖と地球照の月


    この月も夜明けの明かりの中に次第に消えて行く.


    夜明けの空に消えて行く二十八夜の月


    もうすぐ日の出


    午前7時,富士の裾野から朝日が昇る


    同上


    朝日に照らされたパノラマ台方面


    夜明けの精進山展望台

 朝日が昇ったところで三脚をたたみ,三方分山に向かう.この先の下りは踏み固められたアイスバーン状態になっていたが,道脇の踏まれていない雪を踏んだり,木につかまったりしながら慎重に通過する.アイスバーンは日陰のところだけで,三方分山の登り斜面には雪は無かった.8時,三方分山山頂に到着する.気温が高いためか,まだ朝だというのに富士山は少し霞んでいた.

    三方分山への道は日陰のところがアイスバーン状態.


    もうすぐ山頂


    午前8時,山頂到着.山梨百名山標柱は朽ちて倒れそうだ.


    三方分山山頂から見る富士山


    富士山はもう霞んで見える.

 山頂で朝食をとり,8時半に下山開始.9時女坂を通過し,小休止して一気に下山し,9時40分駐車場に到着した.遅い出勤となるが,この日は応援の先生がいるので午前の業務はお任せになっている.この日はそのまま当直の業務が待っていた.


 この季節は早朝に夏の天の川が昇ってくる季節で,霞が増える4月前までで月明かりが無い日が天の川を撮影する絶好の機会となる.2月初旬に雨ヶ岳からこの天の川を狙ったことがあったが,その時も夜明けの明かりに天の川がかき消されて写らなかった.富士山山頂を流れる天の川を撮影するならば,2月中旬頃からパノラマ台,あるいは竜ヶ岳から毛無山の山塊が撮影の適地となるだろう.
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夕暮れの富士を眺めに 釈迦ヶ岳  平成26年1月27日

2014年01月28日 | 山梨百名山
 風が無く穏やかな青空が広がったこの日、午後になっても甲府盆地からすっきりとした南アルプスと八ヶ岳の山並を望むことができた。冬とは言え、風が吹かずにこれほど空気が澄んでいる日は珍しい。時間は午後1時を過ぎたが、近場の山ならば今からでも登れそうだ。富士山を眺めるなら御坂山塊が良いが、黒岳は先週行った。車を走らせながら行く先を考え、登山口に一番早く到着できそうな釈迦ヶ岳に行くことにする。

 先週は林道で苦労したが、数日間暖かい日が続いてアイスバーンが解けていることを期待したのだが、またしても途中で車がバックしているところに出くわす。先行していた車が昇れずにチェーンを装着しているところだったそうで、あきらめて戻って来たそうだ。その先は相変わらずのアイスバーンの坂だ。少し加速して坂に侵入する。アクセルを踏むとタイヤがスリップするが、止まったら最後バックして戻るしかない。ポンピングアクセルでなんとか登り切り、釈迦ヶ岳の登山口に到着した。車を回して路肩に止めようとしたが、これがまた大変なことになる。切り返してバックした際にハンドル操作不能となり、車が斜めになった状態でわだちをズルズルと車が滑って落ちてしまう。ハンドルも効かず、態勢を立て直すこともできずに斜めのままで20mほどバックしてようやく氷の解けた路面となり、そこで車を回して路肩に止めた。登山よりもスリルのある運転となってしまった。

    アイスバーンの道。車の後方20mほど先から斜めになったまま車が滑り落ちてきた。

 そんなことがあって、出発は午後2時40分ごろとなってしまった。登山口からしばらくは登山道になっている林道歩きだが、ここもアイスバーンになっていて歩きにくいため軽アイゼンを装着した。ところが、10分も歩かないうちに日当たりの良い場所になり、そこは雪が解けて無くなっていた。コンクリートの道を歩きにくいアイゼンを装着したままテクテクと歩く。稜線までは雪はまばらにある程度だったが、積もった落葉の下には氷の塊が埋もれていた。

    登山道となっている林道もアイスバーンの道。アイゼン装着するがすぐに雪は無くなる。


    林道から見上げる釈迦ヶ岳。上にも雪は少なそうだ。


    斜面の雪はまばらだが・・・


    積もった落葉の下には氷の塊がゴロゴロしていた。


    1時間ほどで稜線に到着。

 稜線に出ると再び雪が積もっていたがさほどの量では無かった。雪と岩のミックスをトレーニングのつもりで登るのを期待していたのだが、この先の岩場は日当たりが良く、全く雪は着いていなかった。1時間40分ほどかかって、午後4時20分、山頂に到着した。新しい踏み跡はあったが、既に誰もいない静かな山頂だ。

    ロープ1。


    ロープ2.いずれも雪無し。ちょっと残念。


    こんなところにサルオガゼ。


    山頂到着。もう日が陰り始めている。


    山頂から見る富士山


    山頂の夫婦地蔵。もうすぐ日没なのに富士山はすっきりと見えている。


    同上


    先週お邪魔した御坂黒岳


    夕暮れ迫る富士山


    夏は岩ゴロゴロの山頂も冬は雪で平らになって、テントを張って寝られる。(双子座流星群の時にここにテントを張って一夜を過ごしたことがある。)

 日没迫る午後4時40分を過ぎた頃、風がぴたりと止んだ。西から湧いて来た雲がほとんど動かずに富士の裾で止まっている。時間が止まったかのようなこのひととき、自然と自分が一体化したようなこんな瞬間を皆さんは経験ことがあるだろうか?映像や言葉では表現できないようなこの感覚、これこそが私が山に登る一番の目的なのかも知れない。足元が明るいうちにさっさと下山、と思ったのだが、「もう少しゆっくりして行きなよ」と山の神様に引きとめられているようだった。

    残照の山頂と黒岳。左は三つ峠。


    南アルプスの左脇に赤い夕陽が沈んで行く。至福のひととき。


    南アルプス北部の山並。右から甲斐駒ケ岳、鳳凰山、北岳、間ノ岳、農鳥岳。


    展望台に場所を移動する。夕暮れの南アルプス。


    残照の富士山。この後少し風が吹き始め、富士山はあっという間に雲の中。

 三脚を畳んでヘッドライトを装着し、5時10分過ぎに下山を開始する。尾根分岐点ですっかり日が暮れてヘッドライトを点灯する。林の中から見上げる空にはひときわ明るい木星が輝いていたが、それもすぐに雲の中に隠れてしまった。6時5分、駐車場に到着。ポンピングブレーキを踏みまくって加速しないように運転し、無事帰宅できた。


 先日甲府駅前の焼鳥屋で以前から顔見知りの方と隣り合わせで話をする機会があった。その方も時々山に登っている人だが、ひょんなことから妖精の住む森の話になった。これはスライド上映会の時にこのテーマで厳冬の大室山ブナ林の中にテント泊して撮影に熱中した時の話だったが、本当に妖精か山の神様が住んでいるような空間に入ったことがあるというような話をしたところ、その方も山の林の中、神社の森の中でそんな経験をしたことがあるといことだった。時間が止まっているような、恐れつつも温かさがある空間、妖精とも魔物とも神様とも違う何かがいる、というよりも包まれている感覚というのが同じ見解だった。きっと、読者の皆さんにも同じような感覚を体験している方がいらっしゃるのではないだろうか?ちなみに単独で入山した時しかこの感覚を味わったことが無い。
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霧氷の進藤峠と黒岳  平成26年1月19日

2014年01月20日 | 山梨百名山
 前日の夕方見た三つ峠ライブカメラでは,三つ峠は真っ白な霧が巻いていた.強い寒波が押し寄せている影響でかなりの冷え込みが予想される.朝にはきっと霧氷が出来ているに違いない.狙い目のこの日,御坂山塊から富士山を狙ってみることに決めていたが,どこに行くか?三つ峠は狙い目ではあるがおそらく人がいっぱいだろう.ならば,ホームグラウンドの黒岳に行ってみることにする.新道峠への林道が冬季閉鎖されているこの季節はカメラマンが少なく心置きなく撮影が楽しめる.

 まだ薄暗い朝6時に自宅出発し,芦川すずらんの森に至る林道に入ると雪が積もっていた.先行した車のタイヤ跡があり,先に進むと釈迦ヶ岳登山口の手前で軽の4輪駆動車が立ち往生していた.道が広い場所だったので脇を通り過ぎて通過すると,今度は自分の車がスリップして道を進めない.薄雪の下の道がアイスバーンになっていて緩い坂なのに上れないのだ.バックしながらアイスバーンのわだちから抜け出そうとしたのだが,ハンドルを切ってもスリップしてそのまま真っ直ぐ下がってしまう.30mほど後戻りしたところでようやく脱出できた.さて,どうするか?広い路肩に車を止めて釈迦ヶ岳という手も考えたが,アイスバーンのわだちを踏まずに路肩に近いところを加速して通過すると,なんとか通過できた.どこまで行けるのか?停車してしまうともう発進出来なくなりそうなので,止まらずにそのまま進むとなんとかすずらんの森の広い駐車場までたどり着くことができた.その先の林道はアイスバーンでは無くて普通の雪だったので,新道峠林道ゲートの近くまで進んで手前の広場に車を止めた.既に時間は8時近い.

 ゲート脇を通過して新道峠に向かう.1時間弱かかるので,もはや日は高く昇り始めている頃だろう.気温は氷点下10℃まで冷え込んでおり,頬に当たる空気がピリピリと冷たい.見上げる稜線の上は朝日を浴びて白っぽく光っており,どうやら予想通り霧氷が広がっているようだ.

    新道峠林道ゲート手前の道.


    新道峠の駐車場.トレースはしっかりあるが,新しい足跡は無し.


    新道峠から見る八ヶ岳(左)と奥秩父山塊(右)を従えた釈迦ヶ岳

 1時間弱で新道峠に到着した.期待していた通り,霧氷の景色が広がっていた.すっきりとした富士山が目の前に聳え立つ.新しい踏み跡は無く,どうやら私が本日初の訪問者らしい.誰もいない新道峠を独占,存分に写真を撮らせてもらった.


    霧氷の新道峠と富士山


    同上


    新道峠第1展望台から見る富士山


    青空に広がる霧氷


    新道峠第2展望台


    第2展望台のシンボルツリーと富士山


    シンボルツリーは残念ながら霧氷になっていなかった.


    十二ヶ岳方面を望む


    日の位置はもう高い.

 1時間ほど新道峠の景色を楽しみ,黒岳に向かう.トレースはあるが,ところどころ風でかき消されている.そんな場所でも雪は脛のあたりまで,ラッセルというほどではない快適な雪道歩きだ.黒岳への最後の登りにさしかかったところで,下山のことを考えてアイゼンを装着.山頂まで新しい踏み跡は無かったが,山頂に到着すると御坂天下茶屋からの登山者と思われる単独登山者の足跡がついていた.

    破風山


    トレースのかき消された稜線に木の陰が伸びる.


    山頂直下.夏はお花畑になっている場所だが,冬は雪原に立ち並ぶブナの木が美しい.


    ブナの森の向こうに立つ富士山


    黒岳山頂.新しい足跡がひとつだけあった.


    黒岳展望台からの富士山.風に煽られてこちらの霧氷はもう終わってしまったようだ.

 山頂の展望台で昼食をとり,30分ほど休憩する.間もなく単独登山者が一人二人とやって来る.展望台をあとにして山頂に行くと,7~8人の団体登山者がやって来たところだった.ほとんどが中高年者,ほとんどが天下茶屋からの登山者だった.北側のどんべい峠に下りるルートを一気に下る.こちら側はやや雪が深く,ところどころ膝下くらいまでの積雪があったが,柔らかい雪できわめて快適.1時間ほどで駐車場に到着した.


 冬の御坂山塊は今回のように霧氷の景色と冬富士が楽しめる日が数回訪れる.1日で終わってしまう景色だけに,なかなか週末にうまく当たってくれない.前日や当日に行く先を決めて行けるのは地元ならではの利であろう.



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彗星を追って 極寒の天子ヶ岳  平成26年1月10日‐11日

2014年01月14日 | 御坂・毛無・天子山系
 ラブジョイ彗星はピーク時4等級ほどだった明るさから現在は6等級ほどまで光度を下げている。双眼鏡でも見えにくくはなったが、未だ十分に撮影することは可能である。年末・年始の休み中に富士山からやや距離を置いた南部町の山から富士山の全容とともに撮影しようという計画は体調不良と根性が出ずに果たせなかった。おそらく、今回が最後のチャンスになるであろうと思う。強烈な寒波が押し寄せ、冬型の気圧配置となっておそらくは澄んだ星空が見られるであろう3連休を狙って、予告した通り天子ヶ岳に登る。

 仕事を終わらせて午後出発し、田貫湖を出発したのは午後3時になってしまう。もう日の位置は低く、田貫湖には山の影が伸び始めている。長者ヶ岳を越えて天子ヶ岳に向かうが、長者ヶ岳までは道が良くてあまり遠く無かったと記憶していた。登山を始めたばかりの頃にテント泊の練習として初めてテントを張ったのが長者ヶ岳山頂である。ダイヤモンド富士になる日を狙って山頂泊したが、雲に遮られて富士山すら見えなかった。その次に訪れたのは南アルプス栗沢山で凍傷になり、治りかけたところでリハビリで登り、天子ヶ岳を周回して下りた。今回が3度目となる。重いテントを背負わずとも未明に山頂を目指すことも考えたが、そうするとおそらくは寒さに尻込みして登らなくなってしまう公算が高い。ならば無理してでも山頂泊を選択し、金曜日の午後から登ることにした。できれば長者ヶ岳山頂で夕暮れを迎えたいが、時間的に難しいかもしれない。

    午後3時田貫湖湖畔を出発。駐車場にはもう山の影が下りる。


    バンガローの中を抜けて稜線の東海自然歩道に抜ける。


    まだ陽の残る樹林帯の中。


    長い木の階段道。長者ヶ岳まではまだ2kmほどあり、意外と遠いことに気付く。

 思ったよりも長者ヶ岳は遠く、林の中で夕暮れを迎えてしまう。富士山を見ると中腹に雲をまとい、今シーズンでは最高ではないかという凄い焼け方をしていた。展望地を探すが良さそうな場所が見つからず、止む無し、林の中で三脚とカメラを構える。長者ヶ岳山頂ならばきっと良い写真が撮れただろうが、残念。しかもデジタルカメラの特性で、赤系統の色があまり出ないのも残念だ。

    中腹で夕暮れを迎えてしまう。


    夕暮れの富士山。もっと真っ赤に焼けていたのだが、赤系統に弱いデジタルカメラは色が出ない。


    長者ヶ岳山頂に到着したのは5時半過ぎ。もうすっかり真っ暗。


    長者ヶ岳山頂から見る富士山


    富士山の左上に輝く明るい星は木星。右側にはオリオン座が昇る。

 長者ヶ岳山頂で30分ほど休憩と撮影の後、天子ヶ岳に向かう。ここから標高差120mほど下ってまた同じくらい登り返すと天子ヶ岳に到着する。気合を入れ直して夜道を出発する。幸いにして単独登山者の足跡がくっきりと残っており、それを追いかけて道を進む。月光に照らされた雪の稜線は白く光って美しく、空気が澄んで眼下の街灯りがひときわ鮮やかに見える。こういう景色を見ながら山中を単独で歩いていると、自分が森の中に同化され、自然の一部になったような感覚を覚える。1時間ほどで天子ヶ岳山頂に到着。月光に照らされた森が綺麗だったので、テント設営の前に森の情景をカメラに納める。

    月光照らす天子ヶ岳の森


    森の上に広がる月と星の情景


    天子ヶ岳の森に昇るオリオン座


    天子ヶ岳展望台から望む夜富士。富士山頂の上に輝くのは木星と双子座。


 周辺をひととおり撮影し終えてからテント設営する。時間はもう7時半を回っていた。想定した以上に冷え込んでおり、テントの中でバーナーを焚いて暖をとり、夕食となる。外気温を腕時計の温度計で測ってみると、既に振り切っていて測定不能だった。氷点下10℃以下まで冷え込んでいるということだ。3シーズンシュラフにシュラフカバーでなんとかなるだろうと思っていたが予想以上に冷え込み、持ってきた服は全部着込んでホッカイロを張って寝るが、腰から腿のあたりが寒くてあまり眠れず、何度も目を覚ました。そして未明3時に起床する。バーナーを焚いて暖をとってから軽く食事を済ませ、3時半、激寒の外に出て三脚とカメラを構える。予想では彗星が姿を現すのは未明4時頃だ。
 
     未明の富士山。右上に高く昇っているのは牛飼い座アルクトゥールス、富士山頂に小さく輝くのは彗星を探す目安となるヘラクレス座ラスアルゲティという星。


    200mmレンズで捉えた富士山頂。右に昇るのがラスアルハゲという星。同じ高さで左に彗星が姿を現すはず…と思ったら既に富士山白山岳の脇に彗星が登場していた。


    富士山白山岳の上に姿を現したラブジョイ彗星


    富士山頂を舞うラブジョイ彗星。かなり小さくなったように見える。


    同上


    62mmズームだともうほとんど見えないほどに小さい。


    頻用する17㎜だとほとんど写らない。左手に昇って来たのはこと座のベガ。

 彗星が富士山から遠ざかった頃に再び森の中に入ってみる。木星が北西の空に沈んで行くところだった。頭上には北斗七星と春の大曲線が高く昇っていた。寒さを忘れてすっかり撮影に没頭し、2時間もテントの外にいた。風が吹かなかったためか、あまり寒さを感じなかった。薄明の始まった5時半、テントの中に戻る。

    天子ヶ岳の森の星空。中央低空に輝く明るい星が木星。


    頭上に昇る北斗七星と春の大曲線


    水平線が明るみ始め、薄明の始まった富士山

 朝食をとって暖をとって夜明けを待つ。夕食の時に誤ってこぼした水がテントの隅でカチカチに凍りついていた。水平線が赤く染まって来たところで再びテントの外に出て日の出を待つ。昨日の夕暮れのように赤く染まるのを期待したが、この場所では日の出の角度が悪く、富士山の斜面にはあまり朝日が当たってくれなかった。

    日の出前の富士山


    日の出。この季節は天子ヶ岳からだと富士山に朝日が当たらない。

 7時半、テント撤収し下山開始。ゆっくりと山を楽しみながら歩く。長者ヶ岳の先で田貫湖休暇村に下りる道があり、まだ歩いたことがなかったのでそちらを歩いてみた。こちらも整備の行き届いた道だった。これならば、夜中に歩くにも問題は無さそうだ。田貫湖のダイヤモンド富士は何度か撮影したが、まだ撮れていない山上からのダイヤモンド富士も見てみたいと思う。

    朝の天子ヶ岳の森


    長者ヶ岳から見る富士山


    田貫湖湖畔から見る富士山


    同上(いつもダブルダイヤモンド富士を撮影しているのがこのあたり。)


 ラブジョイ彗星を追うのはおそらく今回が最後になると思う。山上からの撮影にこだわったが、結局富士山と一緒に最もまともに撮れたのは富士宮市白糸の滝付近から見上げたカットだった。貫ヶ岳、天子ヶ岳と2つの山上から彗星を狙ってわかったことだが、富士山の裏側にある御殿場から相模原、厚木、さらに川崎・横浜といった都会の町灯りが明る過ぎるために、山上から見るとその明りが富士山頂を越えて広がってしまっている。そのために、山の上から撮ると富士山頂付近の空の明るさに彗星の輝きが薄くなってしまっているようだ。むしろ見上げる富士山で光害の少ない空を狙ったほうが彗星は撮り易いのかもしれない。   
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「彗星年」と期待された平成25年を振り返って

2014年01月08日 | 番外編
 パンスターズ彗星に始まり、今世紀最大の彗星になるであろうと期待されたアイソン彗星がやって来た平成25年は、「彗星年」として天体に興味のある者だけでなく一般の人たちも大いに期待した年だった。しかし、実際に彗星がやって来ると、発見された当初はマイナス等級までなるであろうと期待されたパンスターズ彗星は2~3等級止まりで肉眼で見ることはほとんど困難だった。そして一番の目玉だったアイソン彗星はテレビで特別番組まで予定されたものの、近日点通過時に燃え尽きて消滅してしまった。予想外に検討していたのがラブジョイ彗星だろう。サングレーザーと呼ばれる太陽のすぐ近くを通過して急速に光度を上げる彗星とは異なり、あまり太陽に近付かずに折り返してしまうためにさほど明るくはならないことがわかっていたが、4等級ほどの明るさまで増光して長期間夜明けの北東の空に輝いた。年が明けた現在でも6等級ほどの明るさを保っている。

 彗星の撮影は昨年初めて経験したが、さすがに最初はどこを飛んでいるのか全くわからず、かなり苦労した。3月にやって来たパンスターズ彗星は日本で最初に撮影してやろうという意気込みで近日点通過2日後の3月9日に金峰山山頂から彗星を狙ったが撮影できなかった。撮影に成功したのは3月12日の帯那山からで、幸いにもその時の写真は山梨日日新聞に掲載していただいた。撮影に成功した理由は、その前日に茅ヶ岳から撮影した映像を拡大して詳細に検討したところ、夕暮れの空にうっすらとパンスターズ彗星が写っている写真があったからで、この映像を基に彗星軌道、高度、そして光度を予測して、肉眼で見えない彗星をカメラで狙い撃ちして撮影したものである。

    鳳凰山地蔵岳の脇を舞うパンスターズ彗星(3月12日 帯那山) (220mm f5, 6sec, Iso320)


    白根三山を舞うパンスターズ彗星(3月15日 三ツ峠) (115mm f4.5, 6sec, Iso1000)


    富士山に舞い降りるパンスターズ彗星(3月19日 金時山) (160mm f5.0, 2.5sec, Iso1250)


 軌道計算と時間の割り出しが出来るようになると、あとはその場所に現れるのをひたすらシャッターを切りながら待つだけということになる。次にやって来たアイソン彗星は狙いすまして撮影に出かけた。ほぼ予想通りの軌道で彗星が現れ、富士山剣ヶ峰を舞うアイソン彗星の撮影に成功した。しかし、ここで思ったことがレンズの明るさと解像度である。使用していた70-300mmレンズはズームを上げると画像が暗くなってしまい、かつ口径が小さいために解像度が悪い。彗星を撮影するには星が流れないようにシャッタースピードを早く(200mmレンズで3秒以内)しないと光が流れて彗星らしさが無くなってしまうことに改めて気付いた。そこで新調したのが200mm F2.8という単焦点レンズである。これは800gほどの軽量であるのに今までのズームレンズとは全く違う写り方をする。

    富士山剣ヶ峰を舞うアイソン彗星(11月16日 毛無山地蔵峠) (300mm f6.3, 3.2sec, Iso6400)


    アイソン彗星と獅子座流星群(11月16日 毛無山地蔵峠) (80mm f4.0, 8sec, Iso4000)


    夜明けの富士山腹を舞うアイソン彗星(11月23日 竜ヶ岳) (200mm f2.8, 2.5sec, Iso1600 新レンズで撮影)


 アイソン彗星が近日点を通過した後は鳳凰山から夜明けの甲府盆地の空に尾を引く彗星を撮ってやろうと、数ヶ月前から狙っていた。しかし、インターネットの情報を見ていると残念なことに彗星消滅のニュースが入って来た。しかし、ひょっとしたら彗星のかけらや散らばったダストが写るのではないかと鳳凰山に出かけたが失敗に終わった。アイソン彗星の画像は星見隊出動して竜ヶ岳で撮ったものが最後の画像となった。

 アイソン彗星が消滅した頃にはラブジョイ彗星が見頃を迎えていた。こちらは全く眼中に無かったのだが、自宅前の田んぼで試し撮りしてみると予想外に綺麗に写ってくれた。しかも、カメラファインダーを通して彗星を確認することもできた。そしてしばらくはこのラブジョイ彗星を追いかけることになるが、相性が悪いのかなかなか写ってくれない。できれば山の上から撮りたかったが、貫ヶ岳で失敗して以来撮影に行けず、富士山頂で捉えたまともな画像は白糸の滝付近で撮影したカットのみとなってしまった。

    ラブジョイ彗星(12月1日 鳳凰山) (200mm f2.8, 3.2sec, Iso6400)


    朝靄の空を舞うラブジョイ彗星(12月7日 貫ヶ岳) (55mm f2.8, 13sec, Iso2000)


    富士山頂を舞うラブジョイ彗星(12月21日 富士宮市白糸の滝) (200mm f2.8, 2.5sec, Iso2000)


 終わってみれば期待していた2彗星はいずれも期待したほどの大彗星にはならなかった。次はいつ来るのかわからないが、長く尾を引く彗星を一度は撮影してみたいものだと思う。


 (おまけ)
 ラブジョイ彗星は現在光度6~7等級です。おそらく次の連休が最後の撮影機会になるのではないかと思っています。いつもは秘密で撮りに行きますが、今回は予告・・・天子ヶ岳山頂、午前4時ごろに富士山頂に彗星が現れるはずです。11日は左角から、翌日は山頂あたり・・・と、右(南側)に軌道がずれて行きますが3日間とも撮影可能なはずです。田貫湖だと山頂より左側になりますが、撮影は可能です。仕事の都合でいつになるかはわかりませんが、3連休のうちのどこかで行く予定です。
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ラブジョイ彗星を追って 田貫湖と精進湖  平成26年1月4日

2014年01月07日 | 番外編
 年始になっても未だ体調回復せず,しかしどこかに出かけてみたい.彗星は地球から遠ざかって現在6等級ほどまで光度を下げている.元日は思親山からの撮影を狙っていたが行けず,山に登る元気も無いので平地から狙ってみることにした.田貫湖あたりでそろそろ撮影できるはずだ.

 未明2時半に自宅を出発し,まずは精進湖の湖畔に立ち寄る.思ったよりも霞が広がっていて,果たしてこれで写ってくれるのかどうか??

    精進湖から見る未明の富士山.霞が多い.


    75mmズーム.このくらいならなんとかなるだろう.

 精進湖で試し撮りしてみるとなんとか写りそうなので,予定通り田貫湖に出かける.湖尻の展望デッキに行くと先客が一人.既にパシャパシャとシャッターを切っているところを見るとおそらくは私と同じく彗星目的のカメラマンだろう.さっそくカメラと三脚をセットして撮影してみると,先ほどの精進湖以上に雲が多くなっている.

    田貫湖から見る未明の富士山.さらに雲が多い.


    このあたりにいるはずだが???

 ラブジョイ彗星が飛んでいそうな場所を狙って再三シャッターを切ってモニターで確認するが,全く写ってくれない.そのうちこと座のベガが昇りはじめた.彗星の高さはほぼこのベガと同じくらいの高さで昇ってくるはずなので,ベガから水平方向にレンズをずらしながらシャッターを切ってゆくと,ようやく視野の端に捉えることができた.ずいぶん小さくなっている.200mmレンズで覗き込んでもその姿は確認することができなかった.

    ようやく視野の右上隅に彗星を捉える.


    ラブジョイ彗星,だいぶ小さくなったがまだ撮影することはできる.


    75mmレンズで富士山と一緒に撮影を試みたが・・・雲が邪魔したこともあって写らない.

 富士山と一緒に撮影しようとレンズを交換して試みたが,残念ながら捉えることはできなかった.夜明けを狙うカメラマンがぽつぽつとやって来たところでカメラを撤収,精進湖に戻る.


 この季節の精進湖は富士山の裾野から朝日が昇り,この構図がお気に入りである.先ほどは数台の車しか止まっていなかったが,6時になるともう湖畔にはずらりと車が止まっていた.ちょっと撮って帰ろうと思ったのだが,先ほどは暗くて気付かなかったのだが湖面が凍り付いて面白い景色になっていた.空も少しずつ朝焼けに染まり始めたので,防寒対策をして湖畔で日の出を待つことにした.

    日の出を狙うカメラマンの車がずらりと並ぶ精進湖湖畔.


    朝焼けに凍りついた湖面が赤く染まる.


    日の出前の空


    真っ赤な日の出を期待したが,朝日は雲間に隠れていまいち染まらず.

 時間は7時半,帰って職場に行くには少し早い.空を見ると富士山の裾野は雲が厚いが半分から上は薄い青空で,ひょっとしたら雲間から陽が射して凍りついた湖面が輝く景色が見られるかもしれない・・・.という期待を抱いて,精進山まで行ってみることにした.まだ風邪が治りきっていないので,防寒対策とマスクをしっかり装着して出発.精進山のコルへ直登する最短ルートを登る.

    中腹は雪の斜面.普段は石ゴロゴロで歩きにくいが,むしろ雪道の方がアイゼン装着すれば歩き易い.


    もうすぐ精進山のコル.上部は雪が無いが稜線まで行くとまた雪の道.


    コルの直下から振り返って見る富士山.だいぶ雲が増えてしまった.


    精進山のコル

 1時間ほどで精進山の展望台に到着した.しかし,その頃には富士山は見えるもののすっかり上空の雲が厚くなってしまい,青空は全く見えなくなってしまった.

    精進山展望台から見る凍りついた精進湖と富士山


    精進湖を見下ろす


    三方分山はもうすぐそこだが,今日はここまで.下山する.


    またの機会に.場所は良いのだが登り着く時間が悪く,なかなか良い景色を撮れないでいる精進山.


 下山は40分ほどで湖畔に到着した.残念ながらこの日の撮影はいまいち.良かったのは日の出前の朝焼けくらいだろうか.また出かけます.

 写ば写ばに立ち寄りたかったが既に時間は10時近い.仕事を片付けなければならないので,写ば写ばの横を車で通り過ぎて行く時に栗林先生がその姿を店の中から見ていたようで,職場に着いて仕事の準備をしている時にsanaeさんから電話がかかってきた.驚いたことに,竜ヶ岳の帰りで写ば写ばに立ち寄っているところだそうだ.栗林先生から先ほど車で走っていったと聞いたらしく,近場に登っているのではないかと電話をくれたそうだ.残念ながら1時間ほどのすれ違いでお会いできなかった.星見隊メンバーはめっきり星空にのめり込んでいて撮影技術も向上著しいので,近いうちにまた召集をかけることにしたい.
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新年おめでとうございます。

2014年01月06日 | 山梨百名山







 遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。

 年始に竜ヶ岳の記事をアップロードしようとしていた時に、突然Wi-Fiルータがぷつん。電源が全く入らない状態となってしまい、自身のパソコンからネットに繋がらなくなるという事態が生じてしまいました。数日間おいてから再び電源を入れてみると、resetting…というメッセージに続いて電源が復活し、使えるようになりました。電波の悪いところで使用していたので、加熱して電源が切れたようです。そしてようやく新年の挨拶です。体調を崩しただけでなく、ネットも不調という波乱の新年となりました。

 昨年は彗星がいくつかやって来て夜の空は楽しみがたくさんでした。残念な結果に終わってしまったアイソン彗星もありましたが、これも仕方ないことだと思います。今年はあまり目ぼしい彗星は来ませんが、パンスターズ彗星(昨年のものとは別のもの)が夏から秋にかけてやって来て、5等級くらいまでは明るくなるのではないかと予想されています。もうひとつの目玉は10月8日(水)におこる皆既月食です。平成23年12月におこった皆既月食は深夜11時ごろに皆既を迎えたために富士山と一緒に撮影するには超広角レンズでなければ画角に入りませんでしたが、今回は午後8時ごろに月食のピークを迎えるため、通常のレンズで十分に撮影可能です。朝霧高原あたりが撮影の適地と考えています。

 昨年は2週間という長期夏休みを強引にとって北海道遠征しましたが、今年は無理なので例年の如く山梨の山が中心になります。近場の山でもまだ見ていない景色や花がたくさんあります。6月はおそらくかなり忙しくなるだろうと予想しています。今年もいろいろと良い景色や花、そして仲間との出会いがあることを楽しみにしています。
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富士に昇る二十八夜の月、そしてダイヤモンド 年末の竜ヶ岳  平成25年12月31日

2014年01月05日 | 山梨百名山
 年末・年始は10連休!のはずだったが、そううまくは行かず、連日職場に出勤することとなる。しかも風邪をひいてしまい、徐々に悪化して山に行くような体調では無くなってしまう。喉の痛みがいく分改善した31日、この日は二十八夜の細い月が太陽の軌道に近い位置で昇って来る日だった。まだ多量の鼻汁と喀痰が出るがあまり無いチャンスなので、少し無理して行くことにする。ダイヤモンド富士の1時間半ほど前に月が昇って来るはずなので未明4時に本栖湖キャンプ場を出発する。体を冷やさないようにたくさん着込んで、ゆっくりと歩いたつもりだったが、思った以上に汗をかいてしまう。5時20分、東屋が立つ休憩所に到着しここでカメラと三脚を取り出す。


    東屋の立つ休憩地から見る未明の富士山


    竜ヶ岳に沈む木星

 山頂に向かって笹原の斜面を登って行くと、富士山中腹の山頂寄りから月が昇り始めてしまう。予想では山頂の左角あたりから出るはずだったが、それよりも下から登り始めた。山頂まで行く時間は無さそうなので途中で三脚とカメラを構えて撮影を始める。

    薄明の富士に昇る二十八夜の月


    富士山腹に昇り始めた二十八夜の月


    富士に昇る地球照の月


    夜明けが近付くと地球照の月はしだいに薄れて行く


    薄明の富士と月


    消え行く地球照


    細い月も夜明けの空に消えて行く

 月が消えたところで山頂手前の展望地に向かい、ダイヤモンド富士をじっと待つ。風が無く寒さはあまり感じない。富士山頂付近を流れて行く彩雲を楽しみつつ、40分ほど待って7時44分、ダイヤモンド富士の時間を迎える。

    展望地から見る薄明の富士山。山頂は笹が邪魔になって朝霧高原が見えないが、この場所は下まで見渡せる。


    光る富士山頂


    彩雲流れる


    もうすぐ来る!


    輝く山頂


    ダイヤモンド輝く。残念ながらフレアが出てしまった。


    レンズを変えると・・・何やら不思議な輪が写る。しかもピンボケ。


    いつも使っているCanonレンズは修理に出しているため、今日のレンズはSigma製。レンズの特性でこのように写るらしい。


    笹原を照らすダイヤモンド

 ダイヤを撮り終えて山頂は踏まずに下山する。本栖湖直下りコースのほうが下山は早いのでそちらを足早に下りたが、かなり下まで下りたところで「週遊歩道」なる道標があった。いつもならそちらに行かずにアスファルトの道に直下りだが、トレースがしっかり着いていたので歩いたことのないそちらのコースに行ってみることにする。ところが、こちらのコースはアップダウンあり、さらに沢を回り込むために想定外にコースが長く時間を費やしてしまった。1時間15分ほどかかって、9時15分、駐車場に到着した。

    コース分岐付近から見る笹原越しの富士山


    本栖湖直下りコースは立派なブナの木が立ち並ぶ。


    週遊歩道コースにあるカツラの巨木

 撮りたかった地球照の月は予定通りに撮れたが、あっさりし過ぎている気がする。もう一工夫欲しいところだろうか。まだ鼻汁と痰が多く、加湿のためにマスクを装着して登ったが、鼻の入り口には鼻汁が固まって付着していた。そして翌日からはさらに症状が悪化、静養することとなってしまう。山はほぼ休業状態の年末年始となってしまった。

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