山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

湯村山界隈の新緑のシダを巡る  令和2年5月24日

2020年05月26日 | シダの仲間
 この季節のシダはまだ新鮮な葉を展開したばかりの新鮮なものが多く、またベニシダのように葉に薄く赤色がついたシダにも出会うことが出来る。ソーラスがまだ付着していないものが多くて何だか分からないものが多いのだが、それもまた今後どうなって行くのか経過を追って見て行く楽しみもある。鮮やかな花が咲かないだけに派手さは無いが地味に美しくて面白いと思っている。そろそろハシゴシダが新しい葉を展開している頃だろう。


    ベニシダの群落。


    薄赤色の若いベニシダ


    もう成熟しているベニシダもある。


    図鑑通りの赤いソーラス


    こちらは新鮮なオオイタチシダ。少し赤く染まっていた。


    若いオオイタチシダは鮮やかな黄緑色をしていた。


    これはヘビノネゴザか?


    こげ茶色の帯が入っている鱗片はヘビノネゴザの特徴だと思っていたのだがイワイヌワラビなど他のシダでも同じような鱗片であることが分かってきた。


    立ち上がって生えているハシゴシダ


    上向きの第一小羽片(軸に一番近い部分の小さな葉)が大きいのが特徴である。


    根元の鱗片は薄い。


    葉の質が柔らかい。小羽片の辺縁寄りに馬蹄形のソーラスが付着する。


    似ているが別物。上向きの第一小羽片が大きく無い。


    鱗片は似ている。


    群生。


    細長のソーラスが小羽片に複数付いていて包膜が無い。葉軸に毛が多い。ミゾシダ。

 確認しておきたかった植物があったので見に行ってみる。


    エビネはもう終わっていた。


    ランか、ユリか分からなかったがどうみてもこれはラン科の植物だ。


    オオバノトンボソウで間違い無さそうである。

 5月初旬に訪問した時に発見した葉はランの仲間のオオバノトンボソウとみて間違い無さそうである。花芽の様子から咲くのは1ヶ月くらい先になりそうだ。山梨県ではまだ見たことが無い花なので咲くのが楽しみである。山梨県では絶滅危惧種には入っていないがそれほど多く見かけるものでは無いと思う。


    キジカクシ。こんな細い葉の植物なのにユリ科に属している。

 自宅近くの畑にキジカクシに似た葉が出ており、妻にキジカクシという草だと自慢げに話したところ、あれはアスパラガスだと言われた。ネットで調べてみると同じキジカクシ属の植物であることが分かった。根元の太さが両者ではだいぶ違うが葉の形はそっくりである。
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保護柵の修復とシダの観察 御坂山系  令和2年5月23日

2020年05月26日 | 山に咲く花
 5月ももう下旬である。6月に入るとカモメランが咲き出すが、その前に設置してある保護柵の修理をしておかないといけない。1昨年は倒木で柵が破損してしまうのを避けるために冬の前に保護ネットの一部を畳んで解除していたが、昨年はとうとう現地に行けずそのまま越冬した。おそらく何ヶ所も破損して倒れてしまっているだろう。修復用のポールは余ったものが10本くらい現地に置いてあるので、今回はネットとワイヤーを持って登る。折角なのでシダも見てきたいと思う。


    例年ならばスズラン祭の頃だが、コロナの影響でまだ営業開始されていない。


    だいぶ下草が増えてスズランの葉もたくさん出ている。


    咲き始めたスズラン


    スズラン


    オオヤマサギソウの保護柵を再点検する。破損無し。


    元気に育っているオオヤマサギソウの葉


    昨年よりも確実に増えている。今年は期待できそうだ。


    増えているのは柵の中だけでは無くて、外にもたくさんの葉が確認出来た。今年は当たり年のようである。


    新緑の森を登る。空模様はいまいち。


    たぶんヘビノネゴザ


    茶色い帯が入った鱗片


    キヨタキシダに似ているが何となく違う


    鱗片は別物のようだ。ヒロハイヌワラビか?正体不明。


    これも似ているが別物。ソーラスはまだ付いていない。


    薄茶色の薄い鱗片。おそらくイッポンワラビと思われる。


    葉に光沢が無いイノデの仲間。


    鱗片。最近何ヶ所かで見ているツヤナシイノデだろうと思ったのだが・・・。


    中央部の鱗片


    トリーミング。拡大して見ると鱗片はなだらかに細くなっている。おそらくこれはイワシロイノデだろう。


    先ほどのヘビノネゴザに似ているが違う。


    鱗片は根元近くに幅広いものが付着している。ミヤマシケシダか?ソーラスが確認できるまでおあずけ。


    山頂付近は霧の中だった。

 何だか訳の分からないシダを何種類も見て回り、撮影にだいぶ時間がかかったのもあって3時間半もかかってやっと現地に到着した。倒れているだろうと思っていた3ヶ所の保護柵だが、以外にもほとんど破損無くしっかりと立っていた。


    保護柵その1.全く破損無くしっかりと立っていた。


    だいぶ元気になってきたカモメラン。


    確実に花数は増えている。


    保護柵その2.1本だけポールが傾いており立て直して修復する。


    カモメランの葉の数はあまり変わっていないように見受けられる。


    しかし花数は昨年よりも多そうである。期待できそうだ。


    保護柵その3.ここも破損無し。カモメランの他にユキザサ、ショウマ類、ツルシロカネソウ等、様々な種類が囲われている。


    カモメランの葉数はあまり変わっていないように見える。他の植物と共生、かつ競生していて、本来の植生の姿が保たれているように思う。

 心配していた保護柵はほぼ損傷無くしっかりと立っていた。おそらくは気にかけてくれている登山者の方が修復してくれていたのだと思う。ありがたいことである。これでカモメランを咲かせる準備は整った。6月に入れば咲き始めるだろう。


    ちらほらと咲き始めたツクバキンモンソウ

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胞子穂を伸ばすヤマドリゼンマイ 山梨県北部草原  令和2年5月20日

2020年05月25日 | シダの仲間
 八ヶ岳のオニゼンマイを見てきたので今度はヤマドリゼンマイを確認してみたい。ちょっとした草原には普通に生えているので発見するのはさほど難しく無い。サクラスミレが咲いているであろう山梨県北部の草原を訪れてみる。


    まだほとんど草が生えていない草原。


    周辺を散策してみるとサクラスミレが咲いている。少し痛み始めているものが多かった。


    サクラスミレ


    数は結構あるがなかなか固まって咲くことが少ない。


    群生しているヤマドリゼンマイ。黒緑色の葉は胞子葉である。


    胞子葉を展開し始めたヤマドリゼンマイ。栄養葉が伸びる前に胞子穂が伸びるようだ。


    毛むくじゃらの若芽


    林の中に生えていたヤマドリゼンマイ。栄養葉が胞子穂よりも長く延びている。


    ほとんどの株が胞子穂を出している。根元のほうでまだ丸まっているのが栄養葉だろう。


    これはヘビノネゴザだと思う。ソーラスはまだ付いていない。


    真ん中にこげ茶色の帯が入っている鱗片。ヘビノネゴザで間違いないと思う。


    昨年は草原の中でヒメシダの群落を目にした。


    これではないかと思ったのだが・・・


    鱗片を見るとこげ茶色の帯が入った茶色い鱗片。これもヘビノネゴザらしい。

 車で移動して別の森の中を散策してみる。ミヤマスミレがまだ残っているかと思ったのだがもう終わっていた。


    シラネワラビの群落。このシダはしばしば大群落を形成する。


    鱗片。これはこげ茶色の帯が真ん中に入っているが入らないものもあった。


    ちょっとした山の中では普通に見かけるオシダ。

 もう日没近い帰り道の途中で道路脇にシダの塊が目に付いた。何か凄いものかと思ったのだが良く見ればノコギリシダの群生だった。ついでに沢を少しだけ登ってみる。


    何か珍しいシダの塊か?と思ったが・・・ノコギリシダだった。


    沢沿いに生えるノコギリシダ。一緒にミヤマクマワラビが生えている。


    ちょっとだけ沢を登ってみる。


    ラショウモンカズラ


    沢沿いに生えていた大き目のシダ。


    形はクマワラビのようだが葉質が柔らかく先端部の葉が小さくなっていない。


    幅広い鱗片はクマワラビのようだが真ん中にこげ茶色の帯が入っている。おそらくこれはアイノコクマワラビだろう。

 アイノコクマワラビはクマワラビとオクマワラビの交雑と言われているが、周辺にはオクマワラビもクマワラビも見当たらない。あるのかも知れないがもう日没を過ぎて薄暗くなってきたので十分に探している余裕は無かった。本物のアイノコクマワラビかどうかはもう少し様子を見てから結論を出すことにしよう。


    こんな変わりもののスミレに出会うことが出来た。


    白花のサクラスミレ。もう痛んでいた。
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ヒロハハナヤスリその後  令和2年5月20日

2020年05月23日 | シダの仲間
 もう日没近い時間になってしまったが、近くまで来たので今期3度目となるヒロハハナヤスリを見に行ってみた。胞子穂がどのように胞子を放出するのか見てみたいのだが、うまく成熟してくれているだろうか?


    ヒロハハナヤスリの群落。もう枯れ始めている、と思ったのだが・・・?


    なんとなくちょっとおかしい。


    葉も痛んでいるが胞子穂が全て千切れている。


    同じ長さで切れているところを見ると、これは刈られてしまったのではないだろうか?


    別の場所。日陰になっているこの場所は刈られていなかった。


    胞子穂も痛んでいない。


    マクロレンズで覗いてみるが、まだ胞子嚢は成熟していないようだ。


    別株で少し痛み始めている胞子穂だが、こちらも成熟した胞子嚢は見られず。

 おそらくは胞子穂が成熟して胞子嚢がはじけるのだと思うのだが、残念ながらその様子は観察できなかった。知らないとオオバコやドクダミの仲間のように見えてしまうヒロハハナヤスリは雑草と間違われて刈られてしまうようである。ちょっとかわいそうである。
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八ヶ岳山麓のオニゼンマイを巡る  令和2年5月20日

2020年05月21日 | シダの仲間
 山梨県に生育するゼンマイ科のシダは5種類あり、そのうちのゼンマイ、ヤシャゼンマイ、オオバヤシャゼンマイの3種類は昇仙峡等で4月下旬に確認してきた。ヤマドリゼンマイはやや湿った草原や湿原で普通に見かけることが出来るがまだ胞子葉は確認していない。そして見ておきたかったのがもう1種類のオニゼンマイである。ネットで調べると八ヶ岳山麓には普通にあるようである。シダの師匠からもおおよその生育地を伺っており、たくさんあると聞いている。黒い胞子葉を栄養葉と同じ軸から出す特徴的な形から、見ればすぐに分かるはずである。空は曇り空、夕方からは雨の予報であるがなんとか時間が空いたので訪問してみる。


    サクラソウが見ごろを迎えていた。


    本来はこんな草地のところを好んで咲くものだと思うが・・・。


    この場所のサクラソウはほとんどが笹の中に飲まれて咲いている。今後は大丈夫なのだろうか?


    ナツトウダイ


    今まではあまり気に留めていなかった花だが別の種類のものが見つかってからしっかりと観察するようになった。


    探し物はこれではないだろうか?


    まだ葉を展開していないが、葉軸の途中から真っ黒な胞子葉が出ている。


    あっさりと見つかったオニゼンマイ。


    この上にもまだ見たことが無いシダがあるようなので立ち寄りたかったが、今回はあきらめる。

 空には黒い雲が広がり暗くなってきた。雨はもう少し大丈夫そうなのでもう1ヶ所立ち寄ってみる。


    ミツバツツジが満開。


    笹薮のこの森の感じではシダはあまり期待できないのではないかと思ったが以外にもいろいろ生えていた。


    シラネワラビ(右下)とオシダ


    これは大株のオシダだが、右下にあるような小さなものも多く見られる。


    葉に光沢が無いイノデの仲間。


    おそらくはツヤナシイノデと思われる。南部町ではイノデが圧倒的だったが山梨県北側の少し高いところではこれが多いのかも知れない。


    ミヤマワラビ。ワラビの名前を有するがワラビらしく無い。


    特徴的なこの形。少し標高の高い山の中では普通に見かける。


    たぶんキヨタキシダ。これは普通にあるということが分かってきた。


    良く見かけるが何だか分からないこのシダ。


    真ん中にこげ茶色の筋が入る鱗片はヘビノネゴザなのかも知れないが確定は出来ず。焦らずともいずれ正体が分かるだろう。


    お目当てのオニゼンマイ。


    まだ若くて胞子葉は黒くなっていない。


    根元近い茎には綿毛が生えている。櫛形山伊奈ヶ湖で見た何だか分からなかったシダはこれかも知れない。


    胞子葉を付けているものは少なく、栄養葉だけのものが多い。


    大群落に遭遇した。再訪する時が楽しみである。

 オニゼンマイはまだ葉を展開していなかったが、思っていた以上にたくさん生育していることが分かった。この周辺では普通に見かけるシダであるが、全国的には山梨県・長野県を中心とした中部地方にしか生育していない地域限定ものである。胞子葉がいつまで付いているのかは分からないが、7月にこの山域を訪れる予定があるのでまた見に来てみたいと思う。


    今の自分はこんな緩い階段を少しずつ登って行く感じ。訳の分からなかったシダを少しずつ紐解いて行く面白さがある。決して急がず、焦らずに。


    草地に立ち寄らなかったので今回は会えないと思っていたサクラスミレが林の中に咲いていた。
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早春の櫛形山  令和2年5月17日

2020年05月19日 | 山に咲く花
 緊急事態宣言が解除された山梨県はようやく林道の大部分が通行解除となった。登山自粛は相変わらずであるが昨年ようやく見つかった花がどうなっているかが気になって櫛形山を訪れてみた。おそらく少し時期を過ぎているだろうがまだ咲いている頃だと思う。


    霧の中を抜け出ると雲海の上に富士山が浮かんでいた。


    雲海の富士山。朝からなかなか良い景色を見ることが出来た。


    葉を展開したばかりのシダが何種類も出ている。


    ツヤナシイノデ


    オシダ


    ハクモウイノデ(右)とミヤマクマワラビ(左)


    葉を展開したばかりのクジャクシダ


    フデリンドウ


    ミツバツチグリ


    1株だけホソバノアマナ


    バイケイソウの森


    倒木で通過しにくい場所があった。

 お目当ての花が咲く場所に到着したが、確かこの辺・・・と思って探すが見つからずに通過してしまう。GPSで花の場所を確認してまた戻るが見つからず先まで行ってまた戻って良く探すとようやく見つかった。しかし小さな葉だけで花は咲かせなかったようである。別の場所を探してようやく花を見つけたが、今年は花数が少ないうえにもうほとんど終わっていた。


    たくさん茂っているルイヨウボタン。こんな感じのところにあったはずだが、なかなか見つからない。


    やっと見つけたのは葉のみ。


    今年はこの場所は咲かなかったようである。


    別の場所でようやく花の咲いた株を見つけたが、もう終わっていた。


    かろうじて1輪だけ咲いている花を見ることが出来た。チチブシロカネソウ。


    個体数はそれなりにあるのを確認した。今年は外れ年だったようだ。


    コミヤマカタバミ満開


    ミヤマエンレイソウ


    まだ葉を開いていないシラネワラビ

 もうひとつ見ておきたかったシダがあったのだがまだ芽吹いていないようである。平成26年頃の写真に食害に遭ったシダが撮影されていたが、そのシダが見たいと思っているシダであった可能性がある。山梨県レッドデータブックに記載されている記事には鹿の食害に遭っていることが書かれている。時期を変えてまた訪問してみたい。


    櫛形山では普通に見かけるこのシダ、ミヤマシケシダではないかと思っているがソーラスはまだ確認出来ていない。
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これは本当に絶滅危惧の花なのか?  令和2年5月某日

2020年05月15日 | 花・花・花
 ブログに張り付けてあったトウダイグサの仲間の花が環境省絶滅危惧Ⅱ類の花ではないかという指摘を受けた。過去の文献を調べてみると関東から南東北地方にかけて分布しており確認されているのは20ヶ所くらいのようである。山梨では初めて見つかったということになる。現在本物なのかどうかは花仲間や植物に詳しい人たちに鑑定をお願いしているところである。


    季節が変わると咲いている花も変わる。イチリンソウとニリンソウ。


    問題の花はこれ。


    日当たりの良い草地にこれでもかというくらいに茂っている。


    これだけ生えているとトウダイグサ科のただの雑草にしか見えない。


    面白い形をした花


    複雑な構造である。


    別の場所。林道脇の沢沿いに群生


    こちらは少し赤っぽい。


    花の構造は緑色のものと同じなので同じ花だろう。


    数ヶ所に群生しているトウダイグサの仲間。

 トウダイグサ科の植物は今までにトウダイグサ、ノウルシ、オオニシキソウ、ナツトウダイを見てきたと記憶しているが全くノーマークの花だったのでどこで見たか全く記憶が無く、どんな花だったかもよく覚えていない。自分のブログで検索をかけてみたが、出てきたのは櫛形山と黒富士農園のナツトウダイだけだった。そこで黒富士農園のほうは先日訪れて花を確認してきたが、この場所に咲くものとは全く別のものだった。櫛形山の画像を見るとこれは黒富士農園と同じものでナツトウダイである。


    黒富士農園で見てきたトウダイグサの仲間。


    これはナツトウダイ。


    花の構造は似ているが色が全く違う。花弁のように花の中心を囲っているマントは総苞葉と呼ぶ。


    花の中心部に杯状花序と呼ばれる花(?)を1個付ける。


    こちらは平成29年に櫛形山で見てきたもの。


    黒富士農園で見たものと同じもの、ナツトウダイである。

 そして改めて花を見直してみるとナツトウダイとは全く別のものであることが分かる。


    マント状の赤い総苞葉はナツトウダイに比べて丸みを帯びている。中にある腺体や雄花、雌花と呼ばれる部分も色と形が違う。

 しばしば参考にさせていただいている「野山に自然に咲く花のページ」にこの花の記事が詳細に書かれている。この記事を見る限りでは、この花はセンダイタイゲキという絶滅危惧の花で間違いなさそうである。おそらくは山梨県でも絶滅危惧種に指定されることは確実であろう。どのように保護して行くかについてはこれから検討して行きたいと思う。
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スワン彗星は見えるのか? 南部町佐野峠  令和2年5月13日

2020年05月13日 | 星空
 アストロガイドの情報によるとスワン彗星(C/2020 F8)が明るくなっているらしい。4等級くらいまで明るくなっているとの予測であるがその予測通りであれば目で見えなくとも撮影するには十分な明るさである。しかし未明の高度が低い位置にあるために撮影の難易度は高い。ステライメージで位置を計算してみると、5月13日に佐野峠から見ると未明3時半ごろに富士山の山頂に現れるはずである。もう薄明が始まっている時間で観察可能な時間は長くて20分ほどだろう。前日から佐野峠に車中泊してこの彗星を迎え撃つが、写ってくれるのかどうか?


    前日の夜9時半に佐野峠に到着する。富士山は見えているが雲が多い。


    深夜10時半。この頃には富士山の上に天の川が流れているはずだったが雲で見えず。

 3台のカメラセッティングは11時過ぎに終わり、車の中で寝る。明朝は3時起きである。あまり寝ている時間が無くなってしまった。空が晴れてくれることを信じて、とにかく寝る。


    200㎜望遠レンズ試し撮り。彗星が流れてしまわないようにシャッタースピード2秒、Iso感度3200で調整する。ピント合わせに苦戦する。


    富士山頂左側に現れたスワン彗星(C/2020 F8)。空が霞んでしまったこともあるが予想よりも小さくて暗い。


    うっすらとボヤけた緑色しか写らず。


    こちらは570㎜望遠レンズにフルサイズカメラ。暗めのレンズなのでIso感度6400、シャッタースピード2秒で調整。


    やはりうっすらとしか写っていない。6等級くらいではないだろうか。


    もう1台の300㎜望遠レンズ。こちらは赤道儀に載せて彗星が画角に入ったところで追尾する。画面の真ん中右上に彗星が写っている。


    30秒追尾。緑色の光が写っている。


    15秒追尾したものを9枚加算処理。


    トリーミング画像。残念ながら彗星の尾までは描出出来ず。

 なんとか写ったものの想定していたよりも彗星は小さく、空が霞んでしまったこともあって思ったようには写ってくれなかった。あと1週間前後で最大光度となるが、おそらくあまり変わらないだろう。天候が良ければ再度狙ってみたいと思っている。

 三脚を担いで場所を移動し、もうひとつ狙っていたものの撮影に行く。しかし空の霞が多くてこちらも思ったようには撮れないだろう。


    もうすぐ日の出の時間である。もうすぐ朝日が現れるはずだ。


    富士山の左側がオレンジ色に輝き出した。


    もうひとつ狙っていたのはダイヤモンド富士。


    白山岳の辺りから昇って来るのは想定していた通り。


    佐野峠のダイヤモンド富士


    この距離でこの季節だとなかなかチカリと輝くダイヤは撮れない。これはこれで良し。




    200㎜望遠。円いダイヤを撮ろうと思っていたのだがシャッタースピードの調整が悪かった。

 ダイヤモンド富士はこんなものだろうと思っていたがスワン彗星はちょっと期待外れだった。もう少し綺麗に輝いてくれれば山梨日日新聞に投稿してやろうと思っていたのだが失敗である。空がスッキリと晴れてくれれば、もう数回チャンスが巡って来るかも知れない。
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スズランはまだ蕾 芦川スズランの森  令和2年5月10日

2020年05月12日 | 里に咲く花
 まだ時期的に早いであろうが芦川スズランの森の様子が気になっていた。時刻は夕方近くなったが日が延びたので少し見回って来るくらいの時間はありそうだ。


    まだ営業は始まっていない芦川スズランの森


    下草が生えてきたばかりでまだ殺風景なスズランの森


    イカリソウが点々と咲いている


    イカリソウ。手前の青々とした葉がスズラン


    この場所は元気なスズランの葉でいっぱい。


    蕾を付けたスズラン


    白いイカリソウ


    気になっていたのがこの保護柵。


    一冬越したが全くの無傷である。管理人さんが修理してくれたのかも知れない。


    中に入ってみると元気に葉を出している。


    数は昨年よりも少し増えた感じがする。


    今年は立派な花を咲かせてくれることを期待したい。オオヤマサギソウ。


    下草が増えてくるだろうと予想していたが増えてきたのはクサボケだった。


    クサボケの花

 昨年から柵で囲って保護しているオオヤマサギソウだが、昨年は8本ほど出たものの夏の日差しが強く、花を十分に咲かせる前に立ち枯れしてしまった。地面の保湿力が増えてくれれば枯れずに花を咲かせてくれるだろうと期待しているのだが、囲いの中に増殖してきたのは下草では無くクサボケである。共生してくれるのか、それとも拮抗してしまうのか?今年はこのままで様子を見守りたいと思っている。今年こそは立派な花を咲かせて欲しい。

 珍しい花が満開になっていると花仲間から連絡があり、合流して見てきた。


    クマガイソウ群生。移植したものらしい。


    ほとんど蕾だが少しだけ咲き出している。


    ほころんだクマガイソウとその横にはオオヤマサギソウらしきものが一株。


    見たかったのはこちら。


    ユウシュンラン


    新鮮な元気な個体を存分に見させていただいた。

 ユウシュンランは別の場所を何度か訪問しているもののなかなかタイミングが悪く、良い個体を見たことが無かった。今回はいちばん良い時期に訪問出来たのだが、陽が西に傾き花がほとんど閉じていたことがちょっと残念だった。
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沢沿いに咲くチチブシロカネソウに会いに行くが・・・  令和2年5月10日

2020年05月11日 | 渓谷
 5月連休中にどうしても会いたかったのが今回見に行ったチチブシロカネソウである。昨年は櫛形山で咲いたものも確認したが心配しているのは山梨県東部の沢沿いに咲くこの花である。昨年の台風による豪雨で沢が荒れている可能性が高く、果たしてどうなっているのかずっと心配していた。林道ゲートが開いていれば訪問するのはさほど難しくは無いが、緊急事態宣言が延長されてゲートが開いていないうえに入山の自粛がかかっている。しかし何としても見ておきたいので、登山自粛されている登山道を使わせてもらって沢に入る。念のためザイルを持って行くがまず使うことは無いだろう。


    5月7日から登山自粛は解除されて林道も開くはずだったが、いつになったら解除されるのかは未定。しばらくは長い林道歩き。


    林道脇の岩に付いていたイワデンダ


    横の沢沿いに咲いたミヤマキケマン


    沢の入り口に到着した。咲き始めのサンリンソウ。おそらくお目当ての花も咲いているはずだ。


    最初の渡渉点で沢を見て不安が的中していた。倒木だらけだ。


    だいぶ荒れていて沢沿いの登山道は半分近く消失。


    流木の瓦礫。左側には無事だった登山道。


    残った登山道に咲くサンリンソウ


    コチャルメルソウ


    だいぶ流されて減ってしまっていた。


    ツルネコノメソウも


    ニッコウネコノメソウも


    フタバアオイも数が減った。シコクスミレは出会えず。


    なんとか崩れずに残っていたチチブシロカネソウの葉。その向こうは斜面が崩れてしまっている。


    咲いてくれたがかなり危うい場所である。


    よくぞ生き残ってくれた、という感じのチチブシロカネソウ


    かつては10株近く固まって生えていた場所が何ヶ所もあったが、今年はこの3株咲いているのがいちばん多く咲いていた場所である。


    沢沿いに咲く美しいチチブシロカネソウ


    同上。

 心配は的中してしまい、沢は荒れて斜面が削り取られ、多くの植物が流出してしまった。なんとか咲いてくれてはいるがチチブシロカネソウは半減してしまっている。復活してくれれば良いのだが、今年も台風の被害に遭わないとも限らない。今後が心配である。

 シダも見て回って来た。


    何だろうか?さっぱり分からず。左下にゴソゴソと出ている小さいほうはオウレンシダと思われる。


    ツヤナシイノデだろうと思ったがここの個体はずいぶんと毛が多く、葉にも毛がたくさん生えている。これはイワシロイノデかも知れない。


    帰りの林道脇で見つけた白っぽいイヌワラビ、ニシキシダ。イヌワラビの白花品といった感じである。

 シダはまだ葉を十分に展開していないものが多く、写真はたくさん撮って来たが分からないものが多数である。6月におそらく再訪するであろうから、その時にしっかりと見直してきたいと思う。台風恐るべし、これ以上の被害を被らないことを祈りたい。


    林道脇に咲いていたムラサキケマンの群落。なかなか綺麗である。


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櫛形山北伊奈ヶ湖周辺のシダを巡る(その2)  令和2年5月9日

2020年05月11日 | シダの仲間
 新鮮な葉を広げているシダやまだ葉を広げていないクルッと巻いた芽吹きのシダは何だか分からないものばかりであるが、それはそれで面白い。これからどういうふうに変わって行くのかも楽しみである。北伊奈ヶ湖周辺は遊歩道が整備されており、沢沿いに下りる道があったので行ってみる。そちらにはまたちょっと違ったシダが生育していた。


    新緑の北伊奈ヶ湖


    沢に下りる道、清流水昆虫ゾーンに行ってみる。


    先ほどのヤマヒメワラビと思わしきシダとはちょっと形が違うシダが現れた。


    最下部の羽片が一番大きく張り出している。


    黒っぽい鱗片がいっぱいに付着している。これはあちらこちらで見てきたキヨタキシダだろう。


    こちらがヤマイヌワラビと思わしきシダ。似ているが最下羽片が小さく全体的な形が違う。並べてみると違いが分かる。


    これも一見すると似ている。


    根元を見ると白い毛がたくさん生えている。ハクモウイノデ。


    葉に光沢が無いイノデに出会った。


    水の周りを好むらしい。


    葉を展開した大株。毛深い。


    根元には幅の広い大きな鱗片がいっぱい。


    中軸の部分も鱗片がいっぱい。


    ソーラスは小羽片の真ん中あたりに付いている。これはツヤナシイノデであろう。良く似たイワシロイノデと比べてみないと断定は出来ない。


    沢沿いに黄緑色鮮やかな大型のシダが群生していた。良く目立つ。


    流線型のこの格好良い形はポルシェのボディ(?)のようだ。胞子葉は秋になると出るらしい。クサソテツ。


    沢の岩壁に生えていたイワデンダ。


    カントウマムシグサ


    中軸が黒くて綺麗なシダ。


    真っ黒な鱗片、ミヤマクマワラビ。


    遊歩道は沢の際までで終わっていた。ここで引き返す。


    今は歩かれていない古い道を登ると、シラネワラビとはちょっと感じの違うワラビの類いに出会う。


    シラネワラビに比べて鱗片は薄く、全体的に華奢である。


    ソーラスの形跡らしきものがある。小羽片の葉軸周辺に付着している。


    ひょっとしてこれはテバコワラビか?もう少し成長してからでないと確定は出来ない。

 まだソーラスを付けていない若いシダは新鮮で美しく、何だか分からないのでいろいろと想像しながら観察しているとなかなか面白い。予想はおそらく外れているものが多いだろうがそれはそれで良し、またシダが成長してから見に来る楽しみがあるし、自分自身の成長も楽しみである。


    これはハリガネワラビか?やっぱり分からない。
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櫛形山北伊奈ヶ湖周辺のシダを巡る(その1)  令和2年5月9日

2020年05月11日 | シダの仲間
 櫛形山中腹に生育する花とシダを見たくて出発したのだが、伊奈ヶ湖の駐車場まで行くと大きな看板が目に付いた。「入山を控えてください」という南アルプス市が設置した看板である。さほど危ないコースでは無いので大丈夫とは思うのだが万が一のことがあるといろいろなところに迷惑をかけてしまう。花の時期はすぐに終わってしまうが、ここは我慢して登るのを止め、伊奈ヶ湖周辺を散策してみることにする。伊奈ヶ湖の施設は休館中であるが駐車場は閉鎖されていなかった。何度も利用している駐車場ではあるが伊奈ヶ湖周辺を歩いたことは一度も無い。良い機会である。


    伊奈ヶ湖駐車場のところに立っていた看板。これを見て櫛形山の入山は止める。


    伊奈ヶ湖の案内板。今回は北伊奈ヶ湖の周辺を巡り歩く。さほど珍しいシダは無いであろうが、今の私のレベルにはちょうど良い。


    いきなり出てきた毛むくじゃらの芽吹き。何だか分からない。


    葉軸が黒い。ヤマイヌワラビだと思う。


    同じものだろう。いちばん根元に近い部分の羽片が上記のものに比べて小さいのが気になる。


    小さめの最下羽片、茶色い鱗片が薄めに付着している。正体はソーラスが付着するまでおあずけ。


    猪の手のような毛むくじゃらの芽吹きのシダ


    正体はこれ。イノデでは無くてオシダ。


    幅広の鱗片の真ん中にはこげ茶色の筋が入っている。


    櫛形山の中腹原生林に群れを成して生えているのがこれだろう。


    こちらも普通に群生して茂っているシダ、シラネワラビ。


    芽吹きのシラネワラビ。毛が多い。


    草地にはサクラスミレがちらほらと咲いていた。


    薄ピンク色のスミレ。珍しいものかと思ったが・・・


    周辺に咲いているものを見てみると、ニョイスミレの変わりものらしい。


    新しい葉を展開したばかりのシシガシラ。


    たくさん生えている。パラパラと新緑の葉を出すオサシダとはだいぶ違う感じがする。


    黄緑色鮮やかなこのシダは?


    茶色くて細めの鱗片


    さらにアップで見てみると真ん中にこげ茶色の筋が入っている。これはヘビノネゴザか?


    たくさん生えている。これもソーラスが付くまでおあずけ。


    まだ葉を展開していないトラノオシダ。栄養が良いのか大きい。


    新緑の北伊奈ヶ湖


    湖畔に生えるゼンマイ


    まだ葉を展開していないゼンマイ

 芽吹いたばかりでまだ葉を展開していないシダやまだ葉を展開したばかりの新鮮なシダを多数見て歩いてきた。ソーラスが付いていないので分からないものが多いのだが、おそらくはソーラスを付けても判別できないものが多数あるだろう。今のレベルではこの程度であるが、焦らずに観察して行けばそのうち答えは出てくるだろうと思う。絶滅危惧種のシダも良いのだがこういう普通に生えているシダの観察が今の自分には向いている。北伊奈ヶ湖周辺を1週して今度は沢のほうに下りてみる。(その2に続く)

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ニリンソウ満開 黒富士農園  令和2年5月9日

2020年05月09日 | 里に咲く花
 茅ヶ岳やマウントピア黒平界隈のニリンソウがそろそろ見ごろを迎えていることだろう。緊急事態宣言の延長によりどこの山も入山を控えるようにとの指導が出ており、黒富士・曲岳の登山口でもあるこの黒富士農園も同様である。そのため、登山ではなくて入り口から少し入ったあたりの渓谷に咲くニリンソウを見てくることにする。ハナネコノメソウが咲くころには数年通っているがニリンソウを見に来るのは久しぶりである。


    黒富士農園の渓谷に咲くニリンソウ。以前に訪れた時と同じようにたくさん咲いている。


    渓谷に咲くニリンソウの花園


    同上


    ミヤマキケマンはもう終盤。


    ワダソウ


    ワダソウは花弁に切れ込みがある。


    ヒゲネワチガイソウ。こちらは花弁が細くて切れ込みが無い。


    上流のほうで咲き残っていたコガネネコノメソウ


    ミツバコンロンソウ


    マルバコンロンソウ。茎に密に毛が生えている。


    予定していたよりもだいぶ上まで登ってきた。かつてこのあたりはコガネネコノメソウの絨毯になっていたが今年は少ない。


    本日のお目当てはニリンソウともうひとつがこれである。


    ナツトウダイ。それほど珍しいものではないが、今まで全く気にかけていなかったので観察不十分である。


    あまり群生はしておらず、ポツポツと咲いている感じ。個体数は多い。


    花


    どんな構造になっているのか、良く見ても良く分からない。

 ナツトウダイは櫛形山で見た記憶があるが自分のブログで検索をかけてみたところこちらにもあることが分かった。他の山でもそれほど珍しいものでは無いはずであるが、登山自粛を配慮してこちらを選んだ。入ってすぐのところにあったような記憶だったが実際には峠までもうすぐのところまで登ってしまった。トウダイグサの仲間は山梨県では絶滅危惧種が無かったためノーマークで勉強不足だった。これからは気を付けて観察して行きたい。
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富士山とヒメウラジロ  令和2年5月9日

2020年05月09日 | シダの仲間
 コロナウィルス流行が始まる前から計画していて年休をとっていたこの日の丹沢ないしは山中湖のパール富士は緊急事態宣言が延期されたために実現しなかった。折角の綺麗な富士山だと思っていたのだが、ライブカメラの画像で見てみるとちょうどパール富士の時刻の富士山は雲と霞が多くていまひとつだったようである。朝8時に目を覚ました時には綺麗な青空が広がっていた。そろそろ田んぼの田植えが始まった頃だし、何度か訪問しているヒメウラジロが葉を展開している頃だろう。富士山がスッキリと姿を現し空気の透明度も申し分ない。ヒメウラジロと田んぼと富士山が撮影出来るのでは?と出かけてみる。


    現地到着。ヒメウラジロは新しい葉を出していた。しかしまだ時間が早くて陽が射し込んでいない。周辺を散策する。


    トキワトラノオ


    これも新しい芽を出していた。


    別の場所のヒメウラジロ。小さな個体だが新しい葉を出していた。


    越冬した葉が展開していた。真っ白な裏側と辺縁に付くソーラス。


    まだ葉を丸めているヒメウラジロ。このまま枯れてしまいそうにも見える。


    最初の場所に戻る。ヒメウラジロに陽が射している。


    石垣に陽が射して富士山も見える。しかし、両方を撮影するのはなかなか難しい。


    ヒメウラジロに近付くと富士山が小さい。


    離れると今度はヒメウラジロが小さい。まだ葉を展開していない個体が多数あり、石垣は殺風景である。

 折角の富士山だったがヒメウラジロはまだ葉を展開していないものが多く、ヒメウラジロが茂った石垣と田植えと富士山のコラボはいまひとつの写真しか撮れなかった。またの機会に訪問してみよう。

 車で移動して周辺のシダを見て回る。


    この季節の夏緑生シダは青々としていて新鮮である。これはクマワラビ。


    先端部の胞子を付ける葉の部分が極端に小さい。


    根元と中軸を見れば一目瞭然。


    ハクモウイノデ。イノデの名が付くが小羽片は尖っておらずシケシダの仲間。


    分からないのがこれ。ごく普通に見かけるシダだが未だに正体不明。


    シケシダかヤワラシダではないかと思うがソーラスを確認しないと分からなそうである。

 ミヤマウラジロは新しい葉が出ているものとそうではないものがある。あの石垣に青々と茂る姿を見るのはそう簡単では無さそうである。いつか富士山と一緒に撮ってやりたい。


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朝霧高原の月  令和2年5月8日

2020年05月08日 | 月富士
 5月の満月はピーチムーンと言うらしい。この季節にしては珍しく朝から空がスッキリと晴れている。今宵のピーチムーンは7時30分ごろに富士山の山頂に昇って来る。静岡県まで越境しての撮影は反則であるが・・・朝霧高原道の駅付近まで撮影に行かせてもらう。あまり人は来ていないだろうと思ったのは大間違いで、道路脇のスペースは右側も左側もカメラマンの車でいっぱいである。朝霧高原道の駅に車を止めようと思ったが閉鎖になっていた。入り口の看板には「今は静岡に来ないでね」と書かれていた。道の駅駐車場とは反対側の道路脇スペースに車を止めさせてもらう。後ろめたさはあったが、撮ったらすぐに撤退、中心部を外して人が居ないであろう右隅の剣ヶ峰に昇って来る月を狙う。セットして5分も経たないうちに月が昇って来た。


    剣ヶ峰に昇って来た月


    日没後40分以上も過ぎた月の出はまるでダイヤモンド富士のように写ってしまう。


    剣ヶ峰に昇るピーチムーン


    ここまでで撤収。

 月の明るさと富士山とのマッチングが悪いことは承知していたので、今回狙ったのは剣ヶ峰に立つレーダードームのシルエット富士山である。大きな月を撮るために1140㎜望遠にフルサイズカメラをセットして狙ってみるが・・・カメラのモニターで見る月を見て思ったよりも小さいことにガッカリする。


    試し撮り


    月が現れた。露出オーバーなのでIso感度とシャッタースピードを調整する。


    剣ヶ峰に昇って来た月。もっと画面いっぱいの月になると思っていたが小さい。


    フルサイズカメラだと1140㎜超望遠でもこんなものなのか。


    剣ヶ峰のシルエットピーチムーン


    トリーミング。このくらいの大きさで月を撮りたかった。


    予定ではもう少し左側から出るはずだったが・・・立ち位置もいまいち。

 月が富士山から離れたところですぐに撤退する。本日のこの月は明朝に備えての練習のはずだった。本番は明朝の富士山山頂に沈む月である。丹沢檜洞丸近傍から狙うはずだったパール富士は緊急事態宣言と登山の自粛要請のため中止としたが、丹沢がダメでも山中湖がある。明朝は山中湖長池あたりから富士山山頂に沈む月を狙うのだが、今度は剣ヶ峰のレーダードームでは無くてもっと小さな山頂の鳥居を狙う予定だった。だから、月の大きさを確かめておきたかったのである。フルサイズを止めてAPS-Cサイズで狙おうか等、考えながら山中湖湖畔で車中泊するつもりで移動したが・・・嫌な予感が的中してしまった。きららを含めて山中湖湖畔の駐車場は全て閉鎖されていたのである。緊急事態宣言が延期されたためにまだどこの駐車場も解放されていなかった。石割神社の駐車場に止めて歩こうかとも思ったが、これだけ厳重に人を寄せ付けないように配慮されている場所から撮影するのはさすがにまずいだろう。ここは潔く、ではなくてかなりガッカリして撤退、自宅に帰ってふて寝する。
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