山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

過去に見たハンカイシオガマ

2023年09月23日 | ハマウツボ科
 三ツ峠では何度かハンカイシオガマの葉と花茎を確認しているが咲いている花を見たのは静岡県側の毛無山で一度見ているのみである。山梨県ではまだハンカイシオガマの花は確認していない。

    平成26年7月 三ツ峠の大幡山付近で見たハンカイシオガマ

    花茎を伸ばしていておそらく8月下旬か9月ごろに花を咲かせたであろう。

    ハンカイシオガマの葉。羽状深裂し、裂片はさらに切れ込む。茎には白い毛が密生する。

    平成29年(2017年)8月 三ツ峠御坂側登山道沿いで見たハンカイシオガマ。数株見かけている。

    おそらくこの年は花を咲かせたであろう。

    平成26年(2014年)9月 毛無山の静岡県側で見たハンカイシオガマ

    ハンカイシオガマの花。花茎が長い花で風で揺れてブレているのが残念。

 9月に三ツ峠に行けば、簡単に見られるであろうと思っていたハンカイシオガマであるが令和5年秋に探しに行った時には残念ながら大幡山側も御坂側も発見出来なかった。どこかに残っていることを期待したい。


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三ツ峠探索  令和5年9月20日

2023年09月23日 | 山に咲く花
 山梨県のハマウツボ科絶滅危惧種は、発見が困難と思われたハマウツボ(オカウツボ)を花仲間の協力により今年の夏に見ることが出来た。残るはハンカイシオガマとナンバンギセルであるが、DD類(調査不足種)のナンバンギセルは山梨県に生育しているかどうか怪しい種である。一方のハンカイシオガマは花はまだ見ていないものの三ツ峠で何度か確認している。そろそろ花が咲く頃であろう。裏側の大幡山近傍で何度か見かけているので、そちら側から三ツ峠に登ってみることにする。

    樹木の実を楽しみながら歩く。これはミツバウツギの実であろう。

    これはハクウンボクの実と思われる。

    これはズミの実であろう。

    林道終点にトリカブトが咲いていた。

    このあたりならばヤマトリカブトになると思うのだが、花柄の毛を見ると直毛(腺毛)に見える。ではこれは何??

    ハナイカリが生えていたが食害の影響か小さなものばかり。

    たぶんコウシュウヒゴタイと思うがきわめて小型。

    元々はたくさんあったのだが小さなものをたまに見かける程度に激減してしまっていた。

    総苞片にはわずかに毛が生えている。

    この葉はバイオリン型かそれとも鉾型?私は鉾型のコウシュウヒゴタイではないかと思っている。

    これはトネアザミではないかと思うが、これも小さい。食害で大きくなれないようである。

    山肌が乾燥して殺伐とした景色である。

    この斜面にハンカイシオガマが生えていたと思うのだが・・・何も無い。

    これは葉の切れ込みが浅く、ヤマトリカブトであろう。

    花柄には屈毛が生えていて間違い無さそうである。

    電波塔が立つ御巣鷹山山頂に到着。暑くて汗だく、急登で体力を消耗しヘトヘト。ずいぶん体力が衰えたものだと思う。

    トリカブトが満開。たぶんヤマトリカブト。

    群生していた。

    三ツ峠山山頂。霧がかかっていて霞んでいる。

    これはシナノキであろう。少し紅葉している。

    葉はハート形をしている。

    木の幹は主に縦方向にひび割れる。

    葉の裏側には毛が生えていない。葉裏を見るとオオバボダイジュとの区別が出来るらしい。

 他にもヒョウタンボク類の様子を見て回ってきたが種はもう落花して付いていなかった。目的だったハンカイシオガマは食害によるか、あるいは山肌の乾燥化によるものか、葉も含めてひとつも見つからなかった。残念。トリカブトは直毛のものと屈毛のものがあるようで、いずれもおそらくはヤマトリカブトと思うのだが、教科書通りには行かないのか、あるいは判別が間違っているかも知れない。こんなところにホソバトリカブトは生育していないのではないかと思う。


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危機的なコヒロハハナヤスリ  令和5年9月18日

2023年09月23日 | 山に咲く花
 南部町円蔵院で昨年発見したコヒロハハナヤスリは今年はひとつも生えていなかった。綺麗に清掃されている様子から見ておそらくむしり取られてしまったのではないかと思う。ではもう1ヶ所の生育地の公園はどうであろうか?富士北麓の植物観察会の帰り道に立ち寄ってみる。

    コヒロハハナヤスリが生育する公園

    綺麗に刈られているがこのネジバナが残っていることから完全には刈り取られていないはずである。


    もう終盤であるがたくさん生えているネジバナ

    まだ新しいものも咲き残っていた。

    フユノハナワラビは胞子穂を展開したばかりである。

    草が刈られずにメリケンカルカヤが残っている。

    ツリガネニンジンが咲いていた。

    草に埋もれて生えていたコヒロハハナヤスリ

    刈り取られていないのは良いが、今度は日当たりが悪くて元気が無い。個体数も激減していた。

    センブリの花はまだ咲いていなかった。

    こちらはヒキヨモギ

    もう終盤である。

    蔓に青い実が成っている。

    葉の形から見てこれはタンザワウマノスズクサか?

    キキョウの花ももう終盤だった。

 センブリとコヒロハハナヤスリを期待していたのだがセンブリはまだ蕾で、数はだいぶ少なくなっていた。コヒロハハナヤスリはメリケンカルカヤに埋もれて個体数は激減しており、こちらも危険な状態にある。


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富士北麓の観察会に参加するが・・・  令和5年9月18日

2023年09月20日 | 山に咲く花
 富士北麓の草原の花観察会がありゲストで参加させていただいた。

    もう終わっているだろうと思っていたこの花がまだ咲き残っていた。

    ヒナノキンチャク

    今年はあまり大株は見当たらないがたくさん咲いてくれたようである。

    これはタチフウロであろう。

    おそらくイブキボウフウと思われる。

    ヒロハノカワラサイコは終盤である。

    ヒロハノカワラサイコの黄色い花

    地面を這うように生えていたハギの仲間

    ハイメドハギというものらしい。

 何ヶ所か巡る予定だったのだが参加者の中でアクシデントが発生し、私はここだけ見て撤退することとなった。いちばんの目的だったムラサキセンブリは開花が遅れているらしく、まだ咲き始めたばかりだそうである。またの機会に再訪してみたいと思う。


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山梨県県南部の花散策あちらこちら  令和5年9月16日

2023年09月18日 | 花・花・花
 9月も中旬になったがまだ暑い日が続いている。そろそろスルガジョウロウホトトギスが咲いている頃であろうから訪れてみるが、それ以外にも何ヶ所か花散策してきた。

    まずは美しい滝がいくつも流れ落ちる渓谷を訪れてみる。

    流れ落ちる滝

    目的の花はこの黄色い貴婦人だが、今年は1つしか見つからない。

    別の場所を訪れてみる。こちらも花は1つしか見つからない。

    葉はそれなりにあるのだが花を付けていないようである。

    夏が暑過ぎたか、花を付ける前に枯れ始めてしまったようである。

    ジイソブの花が咲いていた。

    もう花を終えたトンボソウ。数株花を咲かせたものを発見した。

 暑過ぎてしかもヤマヒルが多く、さらに腹痛を起こして頂上まで行かずに撤退する。水分を十分に摂って次の渓谷に行ってみる。

    確認したかったのはこの渓谷の岩壁にぶら下がるホトトギス。

    望遠レンズを持って行ったのにコネクターを忘れて使えなかった。これがズームの限界。

    強トリーミングしてみる。黄色い花はぶら下がっておらず、スルガジョウロウホトトギスでは無さそうである。

    これはオオカモメヅルであろう。

    花は薄緑色をしていて毛がたくさん生えている。

    ムヨウランを期待したのだが・・・

    これは枯れたシャクジョウソウであろう。

    久しぶりに見る赤いバナナ、ツチアケビの実。

 ホトトギスを確認に行ったのだが望遠レンズが使えず不十分な撮影になってしまった。双眼鏡で念入りに見たが黄色い花は付いておらず、おそらく普通のホトトギスであろう。

 先日訪れた身延町のカリガネソウを再訪してみる。

    今度は花が満開。紫色の花がたくさん付いている。

    満開のカリガネソウ。なかなかの迫力である。

    今まで見てきたカリガネソウの中ではいちばん花付きが良い。

    やっと綺麗なカリガネソウに出会えた。

 満開のカリガネソウに出会えて、本日は訪問して良かったと思った。

 さらに次の場所、こちらも先日訪れたミズオオバコである。

    ミズオオバコの花

    さすがにもう終盤でほとんどの花は痛んでしまっていた。

    サンショウモが浮かんでいた。

    裏側には球形の胞子嚢がたくさん付いていた。

 ミズオオバコの観察を終えて時刻は午後4時になった。午後から夕立が来るのではないかと心配していたがなんとか持ってくれた。駆け足で4ヶ所巡ってきたが、それなりに良い花が見られたのではないかと思う。同行してくれた花仲間も満足といった感じだった。


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朝の思親山  令和5年9月13日

2023年09月17日 | シダの仲間
 佐野峠で車中泊し、細月が昇る富士山の景色を堪能した。金星とともに素晴らしい細月が現れたのだが撮影はあまり満足していない。思親山山頂での日の出には微妙に間に合わない時間になってしまったが、折角なので登ってみる。

    月と金星の輝きがまだ見えるうちに佐野峠を出発する。

    それなりに急いだつもりだが、山頂手前の富士山展望地で朝日が昇ってしまった。

    朝日が射す思親山山頂

    思親山から見る朝の富士山

    見たかったのはこのシダ、ホソバショリマ。

    紅葉して赤く色付いていた。

    紅葉したホソバショリマ

    根元近くの羽片が次第に小さくなり、全体的には流線型をしている。

    ソーラスを確認する。

    裂片の辺縁寄りに円形のソーラスが付着している。

    雲の流れる富士山を眺めて撤退する。

 ホソバショリマはまだソーラスを見たことが無かったので確認しておきたかった。北岳にたくさん生育しているオオバショリマは秋になると黄色く黄葉しているが、こちらのホソバショリマも紅葉することが分かった。

 この日は午後1時半から韮崎市での仕事が入っている。9時に車に戻って1時間ほど仮眠し、さらに出張先の駐車場で30分ほど仮眠した。しかし、仕事を終えた後はどっと疲れが出てきた。歳をとったと思う。


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細月昇る富士山 南部町佐野峠  令和5年9月13日

2023年09月17日 | 月富士
 9月13日の未明4時ごろに月齢27の細月が富士山の上に昇って来るところを南部町の佐野峠あたりから観察できるはずである。この日は仕事が午後からなので、前日に車で佐野峠の駐車場まで行って車中泊し、未明3時に起きて撮影するプランを立てた。しかし、前日の出張先は逆方向の富士吉田で、しかも午前・午後と仕事がある。3時過ぎに仕事が終わり南部町に移動するが、朝霧高原あたりで眠気が強度となり道の駅で2時間ほど仮眠する。峠に着いたのはすっかり暗くなった8時半になってしまった。

    午後9時過ぎ、林の上に天の川が立ち昇った。

    到着したばかりの頃は富士山が見えていなかったが、次第に雲が晴れてきた。

    富士山の右上に昇って来た明るい星は木星である。

    天の川がうっすらと立ち昇る。真ん中にボヤけて輝いているのはアンドロメダ大星雲。明日の朝は期待できそうである。

 天の川が富士山の上に傾いて来るであろう2時間後あたりにタイマーリモートコントローラーをセットして寝たのだが、セットを間違えたようで写真が撮れていなかった。

 目覚ましのタイマーは3時にセットしたのだが、未明2時前に同じく月の撮影にやって来た5~6人のグループが外でガヤガヤと騒いでいて目が覚めてしまう。4時間も寝ていないのでまだかなり眠いがもはや寝ていられるような状況では無く、2時半に起き出してカメラをセットする。いつもならばカメラ2台を標準的に使うのだが、EosM5とM6は現在修理中で80Dは自宅に置き忘れてきてしまった。使えるのはEosRP1台のみで、三脚2台を使って570㎜望遠は三脚にセットしておいて月が出る時間だけ使用し、その他はもう1台の三脚を使って撮影することにする。

    未明3時、富士山の右側にオリオン座と冬の大三角形が昇って来た。

    さらに富士山の右裾から明るい金星が姿を現した。

    富士山と金星

    月が姿を現した。しかし・・・心配が的中。フォーカスが甘い。

    急いでフォーカスを合わせ直す。


     なんとか剣ヶ峰に輝く月を撮影。この前のカットが欲しかったのだが焦ってうまく撮れていなかった。

    剣ヶ峰に輝く細月。焦り過ぎていまいちの写真になってしまったのは否めない。

    富士山に昇る月と金星

    地球照の月を狙ったが少し時間が早く、月が明るくなり過ぎた。

    薄明の細月と金星、そして冬の大三角形


    空が明るんできたところで撤収する。

 暗い中で望遠レンズのフォーカスを合わせるのはとても難しく、今までに何度も失敗している。今回は木星を使ってフォーカス合わせをしたのだがやはり月にはきっちりと合ってくれなかった。夕方のうちに富士山の剣ヶ峰にフォーカスを合わせておけば良いのであろうが今回は到着時間が遅くそれも出来なかった。いろいろと反省点が多かった今回の細月であった。


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満開!ミズアオイのパラダイス  令和5年9月10日

2023年09月17日 | 水辺に咲く花
 甲斐市、身延町、そして南部町と回った後に、本日最後の訪問場所は既に今期2度訪れているミズアオイが生育する河川である。おそらく満開の見ごろを迎えているはずである。

    思った通り、ミズアオイが満開になっている。

    ケイヌビエがたくさん茂ってしまっているが、負けじとミズアオイも咲いている。

    素晴らしい!ミズアオイのパラダイス!

    少し痛み始めているものが多いが、それでも見ごたえは十分である。

    昨年の河川清掃で数が減ってしまってはいるがそれでもそれなりに咲いてくれた。

    一安心である。

    たくさん咲生えている場所もある。

    ケイヌビエに負けず、来年もたくさん咲いて欲しいと思う。

    こちらはウスゲチョウジタデのはずである。

    この花は午前中に咲いて午後には散ってしまう。午後4時半ではもう花は散ってしまった後である。

    こちらはハマスゲが群生していた畑。予想はしていたが草刈りが行われて花はほとんど刈られてしまった。

    道路脇に残っていたハマスゲ

    ハマスゲの穂。種を飛ばす前に刈られたので増殖は難しいだろうが、葉は残っているのでたぶん来年も生えてくれるであろう。

 思っていた以上にミズアオイの花は咲いてくれていた。続けて刈り取りが行われなければ、来年も咲いてくれるであろう。


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リンボクの花はまだ咲いていなかった 南部町  令和5年9月10日

2023年09月17日 | 樹木類
 身延町のカリガネソウを見た後は少し足を延ばして南部町の円蔵院を訪れてみる。リンボクの花が咲くのは9月か10月ごろと記憶していたので、そろそろ咲いている頃ではないかと思う。

    南部町円蔵院。寺の裏側にリンボクが何本か生えている。

    リンボクの幹

    樹皮が縦横にひび割れて鱗のようになる。

    下から見上げるリンボク

    残念ながら下からだと花が咲いているかどうかは分からない。

    そこで遠距離から望遠レンズを使って撮影を試みる。真ん中に生えているのがリンボクのはずである。


    これがリンボクのはずだが花らしきものは見えない。

    トリーミングしてみると、花芽らしき丸っこいものがたくさん付いている。咲くのはまだ2~4週くらい先になりそうである。

    隣に生えていたこちらはシラカシであろう。

    トリーミング。小さな青い実をたくさん付けている。

    右の大きな木はクスノキ、左側の木はたぶんアラカシではないかと思う。

    葉に光沢があり幅が広めで真ん中から先に鋸歯がある。

    何度も訪れているのにカゴノキが生えているのには全く気付かなかった。

    カゴノキ。幹に鹿の肌のような模様が入る。

    これはキチジョウソウであろう。

    まだ花や蕾は見えない。

    ここに生えていたコヒロハハナヤスリは影も形も無い。おそらく雑草としてむしり取られたのではないだろうか?

    カギガタアオイの葉がたくさん出ている。

    花芽はまだ見えなかった。

 期待していたリンボクの花は残念ながらまだ早かった。10月に入った頃に再訪してみたいと思っている。おそらくスダジイもこの場所にあるのではないかと思っているのだが見つけられていない。なにせ虫よけスプレーをものともしない藪蚊がたくさんやって来て、とてもではないが林の中でじっくりと探している気にはなれない。


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カリガネソウ三昧?  令和5年9月10日

2023年09月15日 | 里に咲く花
 例年ならば8月下旬に見に行っているカリガネソウであるが今年は少し出遅れてしまった。まだ咲き残っているのではないかと思い、まずは甲斐市の自生地を訪れてみる。

    伐採作業が行われたようである。カリガネソウの姿が見えないが?

    探してみると伐採された丸太の下敷きになっていた。

    なんとか生き残ってはいるがあまり元気が無い。

    反対側にも少し残っていた。

    まだ蕾のようであるが、数が減ってしまっているうえにこの状態では来年以降生えてくれるのかどうか心配である。

    こちらの斜面にもあったはずだが捨てられた木の枝の下敷きになっているのか見当たらない。

 甲斐市のカリガネソウは草刈りが行われて減ってしまっていたうえに、さらに伐採のために危機的な状況になってしまっていた。山梨県ではきわめて稀少な植物のうえに指定種に指定されている特別な植物であるだけにこのような状況になってしまっていてとても残念である。

 ではもう1ヶ所の身延町のカリガネソウはどうなっているだろうか?

    身延町のカリガネソウ生育地。かつてはこの砂防堤の上にたくさん生えていたはずだが見当たらない。

    かつてはここにたくさん生えていたはず。土砂が流れて流出してしまったようである。

    大株のカリガネソウがあったが、これ以外はこの場所には見当たらない。

    まだ蕾が付いているが散ってしまっているものが多いようである。

    咲いている花は痛んでいるものが多く、あまり新鮮な花は見当たらない。

    林道の下側を見てみると2~3株発見できた。

    こちらも蕾があるが散ってしまったものが多いようである。

    カリガネソウの花。やはり少し痛んでいて散ってしまっているものが多い。

 山梨県ではおそらくこの場所の個体数が最も多いと思われるが、土砂の流出によるものか残念ながら個体数はだいぶ減ってしまっていた。たくさん咲いているカリガネソウを期待していたのだが、カリガネソウ三昧とは行かなかった。


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昨年に続いて南アルプスの林道を散策  令和5年9月9日

2023年09月14日 | 山に咲く花
 昨年は9月中旬に散策した南アルプスの林道であるが、見たかった花は少し時期が遅かったので今年は少し早めに散策してみることにした。この林道は石灰岩混じりの岩があるらしく、石灰岩地を好む植物がいくつか生育している。

    これはホウキアザミであろう。生えているアザミはほとんどがこれ。

    ヤクシソウであろう。普通に生えている。

    こちらは葉の切れ込みが深いハナヤクシソウであろう。

    ママコナの仲間が群生している。

    これはシコクママコナであろう。たくさん生育している。

    林道脇の岩壁からイワシャジンがぶら下がっていた。

    葉が細く、萼片が反り返っており、形はホウオウシャジンとそっくりである。

    こちらは別物。萼片に棘が無く、ミヤマシャジンと思われる。

    ジャコウソウはほとんど花が終わっていた。

    ホソバツルリンドウがススキにからみ付いていた。花はまだ蕾である。

    大型のナンバンハコベがぶら下がっていた。

    シナノナデシコ。あまり大きな株は無く、食害の影響であろう。

    エゾスズシロという帰化植物と思われる。


    もう終盤だが、鮮やかな黄色い花。

    ノコンギクに似ているが葉が細くて先端が尖っている。

    これはハコネギクであろう。総苞が触ると粘っている。

    初めて見るトリカブトの仲間、サンヨウブシ。葉の皺が目立ち、切れ込みが浅い。

    花柄に毛が生えていない。

    石灰岩地を好んで生育する植物のトダイハハコであろう。葉が細い。

    咲き残りのトダイハハコの小さな花

    こちらも石灰岩地を好む植物、イワシモツケ。数は少ない。

    そしてこれが今回の一番の目的の花。

    キタダケトラノオ

    満開のものもあればもう結実しているものもあり、今年は咲き方がまちまちだったようである。

    ちょうど見ごろのキタダケトラノオの花

    こちらは既に結実したキタダケトラノオ

    最後にこの花を見て本日は終了。

    アオキラン。今年はたくさん咲いたようである。

 花に詳しいメンバーが集結したので花の同定にはほとんど困らず、大変勉強になる散策となった。台風が去った翌日だったので林道が通過できるかどうかが心配だったが、山梨県はほとんど台風の影響は受けなかった。


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ミズオオバコ三昧  令和5年9月7日

2023年09月10日 | 水辺に咲く花
 昨年何度も探しに出かけてようやく見つけたミズオオバコがそろそろ見ごろを迎えている頃ではないかと思う。甲府市の水田ではもう稲刈りの準備で田んぼの水を抜いている場所がちらほらと見受けられるようになり、時期を逸するとミズオオバコの咲く田んぼも水抜きが始まってしまうかも知れない。仕事を終えて午後から訪問してみる。

    ウキクサに囲まれてミズオオバコの花が咲いている。

    薄ピンク色の透けるようなミズオオバコの花

    上品な美しさである。

    オモダカとミズオオバコ

    イネの隙間に咲いたミズオオバコ

    手前はもう咲き終えているようである。この田んぼではたくさん生えていた。

    田んぼの敷居の両側に咲いていたミズオオバコ

    2つ並んで咲いていた。

    1株から2輪咲いたようである。

    近接して4輪

    これはヘラオモダカであろう。


    水抜きされた田んぼにヒルムシロがたくさん

    既に結実して種を落としているようである。

    これは外来種で繁殖力旺盛な少し拙い植物

    ウチワゼニクサ。手前にはスイレンの葉ともうすぐ咲きそうな蕾がある。

    これはウスゲチョウジタデであろう。

    チョウジタデに比べると花が少し大きい。5弁のものが多い。

    接写してトリーミング。花床に付いている水滴は蜜ではないかと思う。水滴の奥に白い毛が生えている。

 今年のミズオオバコは昨年以上にたくさん花を見ることが出来たが、場所によっては少ないところもある。しかし、全体的には増えているように見受けられる。別の場所で別の花も見たかったのだが、ここだけで十分に満足して撤退となった。


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北杜市の溜池と湧水を散策  令和5年9月5日

2023年09月06日 | 星空
 北杜市小淵沢に出張があったので仕事を終わらせて午後から近傍の溜池と湧水を散策してみた。

    まずは小淵沢インター近傍にある溜池


     東屋が立っていて池を見渡せる。

    池の様子。それなりに古そうな池だが目ぼしい水草は見当たらない。

    ちょっと変わった植物を発見した。

    葉を持たず他の植物にからみ付いて栄養を摂る寄生植物

    これはネナシカズラ。初めて出会う植物である。

    看板が立っていたので行ってみることにする。

    林道を歩いたほうが楽に行けそうだが、沢沿いが歩けそうだったのでそちらを歩いてみる。

    アカハナワラビ


    何だか分からない葉の幅が広いアザミ

    オタカラコウがたくさん咲いている。

    清流の脇に咲くオタカラコウ

    丸太橋があった。

    その先は草ボウボウの湿地になっていて進めない。

    湧水とその向こうに大きなモミの木が立っている。

    祠も立っている。これが湧水モミ

    看板が立てられていた。

    見下ろす湧水

    この辺りの湿地にはセリがたくさん生育しているようである。ドクゼリを探したが見当たらない。

    葉の切れ込みが深いが最初に見たアザミと同じものと思う。

    まだ正体は分からない。

    帰りは林道を使って戻った。

    次の池に立ち寄ってみる。

    コンクリートがあまり古く無く、比較的新しい溜池のようである。

    3分の1周ほど回ってみたが目ぼしいものは見つからず。

    3つ目の溜池

    こちらは結構古そうな溜池だが、全周柵で囲われていてほとりには下りられない。錦鯉が泳いでいた。

    ヒシの葉が浮いていた。

    花は終盤だが少し咲き残っていた。双眼鏡で見る限りでは目ぼしい水草は見当たらない。


    ひとつの池のほとりに生えていたセリ、ないしはウドの仲間


    だいぶ痛んでしまってはいるが、これはドクゼリではないだろうか?

    葉の形を見てもドクゼリに似ている。来年の花の時期に再訪して確認したいと思う。

 北杜市ならばどの池にもヒシが生育しているのではないかと思ったのだがそうとは言えないようである。古い溜池には生育しているが新しい溜池では必ずしも生育しているわけでは無いようである。もうひとつはドクゼリの探索である。湿地や湿った草地を好んで生育しているはずなので湧水地を探索すればあるのではないかと考えたが、あったのは普通のセリだった。池のほとりで見つけたものはかなり怪しそうなので花の季節にまた見に来てみたいと思う。北杜市にはまだ他にもたくさんの溜池があるので時間が許す限りひとつずつ回って歩いてみたいと思っている。


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河口湖の水草を再訪する  令和5年9月3日

2023年09月06日 | 水辺に咲く花
 9月1日に訪れたばかりであるが正体不明の水草が気になって再訪してみることにした。ネットや文献で調べてみるとツツイトモもホソバミズヒキモもツツミズヒキモもいずれもあまりお目にかかれない水草である。撮影してきた画像を拡大してみてみると花のようなものが付いているように見えなくもない。もし花や種が付いていれば同定が可能となるかも知れない。また、ハゴロモモではないかと思われる藻はもしそうならばこの季節に花を咲かせていてもおかしく無い。いよいよ超マニアックな藻類の世界に足を踏み込んだ気がする。

    スイレンの生える池を再訪する。


    対岸には黄色い花がたくさん咲いている。

    これはオグルマではないかと思う。

    池の中にたくさん生えている葉の細い藻

    他の藻も生えている。これはホザキノフサモの花であろう。


    こちらはエビモの葉と花

    どこが違うのかは分からないがフジエビモという仮称が付けられているようである。


    問題の水草。細い葉と茎がワンサカと密集している。花だと思った白いものはウキクサのようである。


    一部採取して調べてみる。細くて長い茎に細い葉が付いている。


    葉を調べてみる。

    葉の根元部分は筒状になっている。ツツイトモ、ないしはツツミズヒキモの可能性が高い。


    湖畔に生えていた藻。葉脈の模様が鮮明でガシャクモを期待したのだが・・・

    葉には長い柄が付いていた。これはエビモであろう。


    たくさん生えているこの藻は?

    葉に小さな突起がありイバラモの仲間であろう。


    細い葉と突起、そして茶色い種子が見える。


    種子は先端が尖る。葉鞘の先端部が細かくギザギザになって尖っている。これはホッスモではないかと思う。

    問題の泥を被っているこの藻。花は咲いていなかった。

    花を付ける様子は無い。

    採取して調べてみる。

    先端部だけ少し形状が違う。ゼリー状のものを纏っているように見える。

    3~4回枝分かれするようである。頂部だけゼリー質のものに覆われている。枝分かれのところに茶色い種子のようなものを付けている。


    先端部をトリーミング。小さな棘状の突起が1個付いている。

    ゼリー質の部分の先端部も同様に尖った突起が1個付く。

 藻類の図鑑は持ち合わせていないのでネットを使って調べてみると、兵庫県の湿生・水生植物のサイトにこれとそっくりな藻の画像が掲載されていた。おそらくこれはセイロンフラスコモという珍しい藻なのではないかと思う。詳しい専門家に画像を送って調べてもらっているがまだ返事待ちの状態である。もしそうだとすれば、山梨県では初めて発見されたことになると思う。

 ツツイトモ、ないしはツツミズヒキモについては花や種が確認出来ていないのでどちらかは分からないということになる。イトモの花が6月ごろに咲いていたところから、こちらの藻もその頃に花を咲かせているのではないだろうか?来年花を見に来てみたいと思う。

 新たに足を踏み入れた藻類の分野は新鮮な驚きばかりである。全ての同定は困難であろうから、だいたいこの辺りの分類、というところくらいまでは見分けられるようになりたいと思っている。なお、採取した藻はまた元の水の中に戻してやっている。


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山中湖と河口湖を散策  令和5年9月5日

2023年09月06日 | 水辺に咲く花
 今朝の鉄砲木の頭のパール富士は素晴らしかった。これで今日1日の運は使い果たしてしまった気がする。まだ時間は6時半だが、本日は8時に山中湖湖畔で花仲間と待ち合わせしており、コオニビシやマメダオシ、ミソハギ、そしてオオガンクビソウなどを見て回ろうと思っている。コオニビシは近付いて撮影するためにボートを借りて撮影に行く予定である。少し早めに待ち合わせ場所に到着したので30分ほど車の中で寝てから合流する。まずは湖畔の花を見に行ってみる。

    エゾミソハギがたくさん咲いているがもう終盤である。


    大物のエゾミソハギ

    これはオオアレチノギクか?

    背の高いタカアザミが生えていた。

    背が低くてキセルアザミではないかと思ったのだが・・・

    総苞片が反り返っている。キセルアザミの総苞片は反り返らないのでこれはタカアザミであろう。

    湖畔に打ち上げられていた水草。これはイバラモであろう。


    未だに正体が分からない藻。そのうち正体が分かると思う。

 双眼鏡で湖面に浮かんでいるはずのコオニビシを探すのだが一株も見つからない。昨年一緒にたくさん生えていたナガエノフサモも姿が見えない。湖底に何か変化があったか、それとも清掃されたか?いずれにせよ1年草であるコオニビシが今年は姿が見えないということは来年以降も生えてくる保証が無いということで、ひょっとしたら消滅してしまうかも知れないという危機にさらされていることになる。浮いている個体が見えないのでボートを借りるのは止める。期待していたオオガンクビソウは草刈りが行われて消失したようで今年は見つからなかった。

 場所を河口湖に移動する。まずはミソハギを見に行くが今年は水量が多くて近付けないうえに個体数が少ない。

    ミソハギ。葉の形を確認出来るところまでは近付けなかった。

    湖畔に生えているのはオナモミだと思っていたがこれはジャンボサイズで、オオオナモミではないかと思う。

    この場所は草が刈られていて水際まで行ける。

    立ち上がって青々と茂っているのはヌマハリイないしはスジヌマハリイと思われる。


    水際に茂っている藻


    まだ正体が分からないが、ホッスモないしはトリゲモの仲間ではないかと思う。

    泥を被って地味に生えている藻があった。

    一部をとって観察してみるが、これはハゴロモモか??

    スイレンが咲く溜池

    スイレンの花


    水草がたくさん繁殖している。

    イトモの仲間のようだが??


    一部を採取して観察してみる。葉が細く、イトモの仲間だと思う。

 マメダオシを探してその後も数ヶ所を巡ってみたのだがいずれの場所でも発見出来なかった。昨年発見した場所は今年は大部分が水没していたため入れなかったが、マメダオシが好んで絡み付くメドハギが今年はかなり少ないように見受けられた。昨年はたくさん見かけたマメダオシだったが今年は見つからず、来年以降が心配である。

 帰宅してからネットで藻類を調べてみると、河口湖に生育する藻類の論文が見つかった。そこに出てくるのはツツミズヒキモというツツイトモとホソバミスヒキモの交雑種である。河口湖ではツツミズヒキモが主体を占めているようでツツイトモは見つかっていないようである。特にツツイトモとツツミズヒキモは葉だけでの区別は困難なようで花や種を観察しないと同定は困難なようである。そしてもうひとつ、ハゴロモモではないかと思われる藻であるが、そうであればこの季節に白い花を咲かせているはずである。これは再訪してもう少し詳しく見て来る必要があるだろう。


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