山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

富士山頂に昇る月,思親山  平成21年2月8日

2009年02月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年2月8日 天候快晴

 前日の雲がすっかり晴れ,快晴となったこの日,月の位置を調べると思親山あたりでちょうど富士山頂に月が昇ってきそうだ.しかし,十三夜の月で昇ってくる時間が早く,残照で富士山が赤く染まる前に月が昇ってしまうかもしれない.同じ山岳会の嶺朋クラブに所属する早川さんをお誘いして,思親山に出かける.

    佐野峠から見る富士山

 この山は山頂近くまで林道が通っているので登るのはたやすいが,佐野峠という登山口まで行く林道が狭くてたいへんだ.車の交差ができないような細い場所が多いので,対向車が来ないことを願うだけだ.佐野峠間近のカーブでRV車と出くわしたが,私が数メートルバックするだけで容易にかわすことができた.午後2時ごろに佐野峠に到着したが,月が昇ってくるのは4時半ごろ,まだ時間が早い.弁当を食べてゆっくり休んでから出発する.車はもう1台,山梨ナンバーのRV車が止まっていた.

    思親山から見る富士山.写真では切れているが,すぐ左手に前日登った天子ヶ岳が聳える.

 山頂までは45分ほどで到着した.山頂には先客が一人,既に三脚を構えて月の出を待っており,なんと早川さんだった.まだ月の出には1時間以上もある.だいぶ早い到着だ.待つこと1時間少々,ようやく月が昇ってきたが,予想通りまだ青空のうちに月が昇ってしまう.月の位置は良かったが,時間が早い.

    月昇る


    富士山頂に昇る月

 富士山頂に月が昇ったところで三脚とカメラを撤収,佐野峠からならば残照と月が撮れるかもしれないので,急いで佐野峠に移動する.登りは45分だったが,下りは20分で到着した.富士山は上品なピンク色に染まってくれたがその時間には月は高く昇ってしまった.ここはダイヤモンド富士の撮影にも良さそうだが,春の撮影時期には霞と雲が多くてなかなか好条件に恵まれないことが難点だろう.

    残照富士と昇る月


    すっかり日が暮れ,本日の撮影はここまで.
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久々の山行、長者ヶ岳・天子ヶ岳周遊 平成21年2月7日

2009年02月20日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年2月7日 天候くもり

 ようやく凍傷が改善し、手足の指先のしびれが気にならなくなった。ここのところ週末の予定がつまっていたり、天候不順だったりで、三つ峠以来1ヶ月ほど山から遠ざかっている。久しぶりに御坂山塊あたりを考えていたのだが、結局登ったのは田貫湖から長者ヶ岳から天子ヶ岳周遊コースだった。
 ご存知の方が多いかもしれないが、現在ルーリン彗星というほうき星が地球に接近し、2月の下旬がいちばん見頃になる。2月の初旬はさそり座の頭の上あたりにいる頃なので、それを精進湖で撮影してからどこかに登る計画を立てた。自宅を午前4時前に出発、空には雲の合間から星が見えていたが、しだいに雲が広がってきている。精進湖に5時過ぎ到着、まだ真っ暗の中、湖のほとりに行ってみると、南側方向は完全に雲でおおわれていて富士山は全く見えず、星も見えない。ルーリン彗星は空振りに終わる。あきらめて朝霧方面に向かい、先日行った井之頭林道に行ってみることにした。うまくすれば、雲海の上に抜けられるかもしれないと思ったのだが、全く甘く、うっすらと夜が明けてきた空を見上げると毛無山山塊の上空に真黒な雲が立ち込めている。もちろん富士山は全く見えず、中腹のパラグライダー発着所手前で引き返す。天気予報では晴れだったが、今日は雲の多い日になりそうだ。ここまで来たなら、田貫湖からまだ登っていない天子ヶ岳まで行ってみようと決め、田貫湖に移動する。

    朝の田貫湖  富士山は時折山頂が顔を出す.

 6時半ごろ、田貫湖のほとりには数人のカメラマンが三脚を立てて日の出を待っていた。富士山は雲隠れしているが、時折山頂だけ姿を現す。ガスっぽくて写真にはいまひとつの天候だ。私は登山の準備にとりかかり、午前7時、駐車場から歩き始める。バンガローの中を通って東海自然遊歩道に横から合流する道を行く。整備された道ではあるが、途中道が深くえぐれて歩きにくいところがあるので、そこは道の横の林を歩く。20分ほどで問う開始前遊歩道に合流し、整備の行き届いた遊歩道を1時間ほど歩いて長者ヶ岳山頂に到着した。久々の山歩きで体力を試そうと、途中自分に似合わない速いピッチで登ったせいで、息切れと軽い吐気を催してしまう。4年前の4月、ダイヤモンド富士の撮影とテント張りの練習目的でこの山頂に一晩泊まったが、その時と同様、雲がかかって富士山は姿をみせてくれない。

    田貫湖展望台  雲が多く,ガスっぽい天候.


    長者ヶ岳山頂.今回で2度目の山頂だが,またしても富士山見えず.

 休憩して水分をとって天子ヶ岳に向けて出発。一旦下り、コルから右に上佐野集落への登山道(この道は東海自然遊歩道の一部)を分けた後、ややきつい傾斜となって天子ヶ岳に到着する。登り切って平になった山の上をしばらく歩いてから山頂の標識がある。山頂にはヨウラクツツジの木が囲われて大切に保護されている。どんな花が咲くのだろうか、機会があれば見に来てみたい。山頂から田貫湖側に行くと富士山展望台がある。この日は全く見えず、残念だ。

    天子ヶ岳山頂とヨウラクツツジ


    天子ヶ岳山頂の富士山展望台.富士山は雲隠れ.

 少しの休憩をいれて、そのまま直進、白糸の滝方面に行く登山道を下りる。この先はかなりきつい斜面となり、浮石もごろごろしている。霜がとけて滑りやすくなっている斜面を気をつけながら下りる。黙々と下りてゆくと、30分ほどで広い林道のような道になり、傾斜も緩くなって歩きやすくなる。途中にはこんなところに何故というような桜並木がある。さらに下ってゆくと、右手に林道の終点と思われる道があり、そのまま真直ぐ進むとやがてヒノキの樹林帯となって舗装された林道に抜けた。時間は10時45分、天子ヶ岳山頂から1時間15分だった。天子ヶ岳のみに登るのであれば、この道がいちばん早そうだ。

    中腹の桜並木


    富士宮側(井出側)の林道からの登山道入り口を示す看板

 ここからは毎度疲れる林道歩き。テクテクと歩いて行くと天子の森というキャンプ場に到着した。ここで昼食と休憩をとる。遊歩道が整備され、売店など施設も整備されているようだが、果たしてどれくらいの人が集まるものなのだろうか?冬季はもちろん休業で、紐が張られている。さらに歩いて行くと、アスファルトの道の横に田貫湖を示す看板を発見。そちらの遊歩道を歩いてみると、左手にバンガロー、ないしは別荘と思わしき建物が立ち並ぶ場所があり、左に進むと大きな自動車道に出た。田貫湖のほとりの道であるのは間違いないが、田貫湖はどこにあるのだろうか?右側に回りこんでゆくと、道の右手に池のようなものが見えてきた。田貫湖の西の外れなのだろうか?それにしては小さいような気がするが・・・と思いつつさらに歩いてゆくと、左手に大きな駐車場があった。駐車場を横切ってその向こう側を見ると、こっちが本物の田貫湖、右手に見えていたのはただの池だったようだ。場所は車を止めた場所のちょうど反対側にあたり、右回りでも左回りでも距離は同じくらいありそうだ。このおかげで、30分以上余計に歩くことになる。アスファルトは疲れるので、湖のほとりの細い道を歩いたり、釣り人を眺めたりと、楽しみながら田貫湖西側を歩いて駐車場に戻った。12時40分、到着。

    田貫湖湖畔.切り株があり,ここまで木が生えていたということなのだろうか.
 足は問題なさそうだ。あとは体力と気力を回復させるのみ。
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富士山三昧

2009年02月01日 | 番外編
 1月24日は甲府で講演会があり,その会で特別講演をされる講師の先生は大の写真好き.というか,毎年カレンダーを作成して耳鼻咽喉科学会会員をはじめ,各医局や病院に配布しているプロのような方だ.今回はその先生の案内役を仰せつかった.
 
 1月24日 天候晴れ
 この日は未明に本栖湖辺りで富士山山頂に昇る三日月が見られる日だった.朝4時に甲府を出発し,本栖湖に到着してみると,旧500円札の富士山で有名な展望台あたりはもうずらりと車が停められ,三脚が立ち並んでいた.とても入れる隙間はない.もう少し本栖の町側に戻った道沿いからでも撮影はできそうだったのだが,湖畔を見下げると下にヘッドライトを点灯させている人が見えた.そこまで降りようと思ったのだが,どうにも下り口がわからない.止むなし,ガードレールの切れている岩の横から急斜面を木につかまりながら無理やり下って湖畔に降り立った.ヘッドライトを点けていたのは写真目的ではなくて釣りに来ている人だった.後にわかったのだが,湖畔を反対方向に回り込んでいれば道路沿いから簡単に湖畔に降り立つことができたのだ.
 展望台の喧騒とは対照的に,嘘のように静まり返った本栖湖の湖畔.そのあたりで三脚を構えているのは私一人だけだった.湖畔に降り立つのに手間がかかったため,せっかく輝いていたさそり座がもう未明の明かりに照らされて見えにくくなってしまっていた.白々と明けてゆく本栖湖の湖畔で静かに月の昇るのを待つ.

    未明の本栖湖  右手にさそり座が昇っているが,湖畔に降り立った頃にはもう輝きが薄らいでしまっていた.


    富士山頂に昇る三日月  ダイヤモンド富士に比べるとずいぶん地味に感じてしまう.

 もうずいぶんと明るくなって,富士山の雪肌が肉眼ではっきりと見える頃になってからようやく三日月が昇ってきた.ほぼ真ん中から昇ってはきたが,ダイヤモンドに比べてずいぶんと地味な感じがした.そのまま湖畔で日の出まで待ち,車に戻る.気温は-5度くらいではなかっただろうか.冷えたといっても山の上ほどではないが,待っているだけでまだ治りきっていない足先の凍傷が痛んできた.雪山はまだ厳しそうに思う.

    本栖湖の朝  湖畔を少し離れてススキを入れてみた.

 さて,もう一つの目的は,明日撮影予定をしている静岡県との県境付近からのダイヤモンド富士撮影場所まで,本栖湖で日の出を撮影してから間に合うかどうかを試してみることだ.本栖湖の日の出は7時15分,ダイヤモンド富士は7時58分ごろだ.7時35分に本栖湖畔を出発して富士ヶ嶺の牧場に到着したのは8時50分前,十分に間に合う時間だった.あまり撮影する気はなかったのだが,折角なので撮影する.

    富士ヶ嶺からのダイヤモンド富士  明日ならばちょうど真ん中あたりに太陽が来るはずだ.

 富士ヶ嶺の道路は走ったことがなかったので,富士山を眺めながら南下して白糸の滝まで行ってみた.白糸の滝を下に入れて富士山の写真が撮れると思っていたのだが,撮影場所の展望台はフェンスが張られていて撮れなくなってしまっていた.残念でしょうがない.滝壺まで降りてみると,朝日に照らされてちょうど虹がかかっていた.

    白糸の滝と虹

 猪之頭の道を北上して行くと,左に曲がる猪之頭林道の看板が目に付いた.この林道はまだ走ったことがない.どこまで行けるのか,ちょっと立ち寄ってみることにした.林道登りはじめの左手に大きな駐車場があり,車がたくさん止まっていた.林道中腹にパラグライダーの発着所があり,そのお客さんらしい.どんどん登ってゆくと,パラグライダー発着所を過ぎたあたりから雪が見えはじめ,さらに上のほうは雪が10cm積もって,車輪跡がアイスバーンになっていた.慎重に通過すると,山梨県側に抜けるトンネルの反対側までは通行可能だったが,山梨県側はゲートが閉ざされていて冬期通行止めになっていた,もっと手前で通行止めになっているとばかり思っていたのだがここまで行けるとは大収穫だ.トンネルの横から尾根に登る道がついていることも確認した.下りながら富士山を眺めていると,パラグライダーがたくさん飛んでいた.林道上部で三脚を構えたが,視野の中になかなか飛んで来ず,場所を移動する.今度はパラグライダーの発着所隣の高台に登ってみると,その場所も発着所になっていて,邪魔にならないように端のほうに三脚を立てさせてもらった.ここは抜群の撮影場所,私の目の前を飛び立っていったパラグライダーが,カメラを意識しているかのように富士山頂あたりの良いアングルで8の字を描いて舞ってくれた.

    富士山頂に舞う


    富士山麓に舞う  目の前を飛び立ったパラグライダーが良い場所を飛んでくれた.

 早めに引き揚げてひと寝入りしてから講演会に行こうと思っていたのだが,結局寝不足のまま会に出席することとなってしまった.

 1月25日 天候快晴
 前日は講演会の後,講師の先生を囲んで12時頃まで食事会,兼作戦会議を行った.この日も朝4時起き,5時20分にホテルに迎えに行く.私の他にお供が3人,この人たちが食事や飲み物や荷物の運搬に協力してくれた.
 6時半,下見しておいた本栖湖湖畔に降り立ち,日の出を待つ.この日は雲ひとつない快晴,あまりにもすっきりしすぎている.

    本栖湖の日の出

 日の出撮影後,急いで富士ヶ嶺の県境に向かう.前日より一段上の牧草地でカメラを構える.15分ほど待ったところでちょうど富士山の真ん中あたりから日が昇り始める.今回はダイヤモンドを強調するため,マニュアルでかなり暗めに撮影してみた.前日とは趣の違う写真になった.

    ダイヤモンド富士

 今度は田貫湖に移動する.そこでやや遅い朝食となる.お供の3人が食事やお茶,コーヒーなど,準備周到に用意してくれた.南面から富士に差し込む光の具合は良いのだが,全く雲がない,すっきりし過ぎた天気なので,写真としてはあまり良い作品にはならない.湖畔をブラブラし,記念写真とスナップだけ撮影して撤退する.

    小春日和の田貫湖  釣り人が糸を垂れる,暖かくてのどかな田貫湖の湖畔の風景.

 その後は新道峠か二十曲峠あたりを考えていたのだが,1日中快晴の天候で期待できず,御坂峠だけ案内して昼食となる.このあたりで一同寝不足の疲れがだいぶ出始める.ゆっくり休憩してあとは夕暮れダイヤモンド富士に賭けることにする.
3時過ぎ,予定していた山中湖ホテルマウント富士に移動するが,マウント富士の横からは富士山が良く見えない.これでは撮影にならず,山中湖の湖畔に移動する.そこには,もうたくさんのカメラマンが詰めかけていた.カシミールの計算上では湖畔の右寄りの位置が良いはず.集団のいちばん右端に三脚を構え,湖畔の岸が見えるような構図で日が沈むのを待つ.風が強く,湖面が揺れてダブルダイヤモンドにはならないが,湖畔の夕暮れの雰囲気が出たと思う.

    山中湖の夕暮れダイヤモンド富士

 この日の撮影はこれで終了した.全く富士山に雲がからまない日も珍しい.良い写真になってくれれば,講師の先生の来年1月のカレンダーはダイヤモンド富士が飾ることになるであろう.富士山を追い求めた1日,みなさん御苦労さまでした.
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