冬至を挟んで3日間は竜ヶ岳山頂で剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士が撮影出来るが、同じく道志村にある鳥井立というマイナーな山からは夕暮れの白山岳に沈むキャッツアイの撮影が可能となる。この場所が山梨県でキャッツアイ撮影可能な最北端となるであろう。数年前にも撮影に訪れたことがあったが、道志から秋山に抜ける林道が閉鎖されていて登山口の厳道峠まで行けず、断念したことがあった。しかし、反対側の上野原から秋山を通って厳道峠までは行けるはずである。
厳道峠。4~5台駐車が可能なスペースがある。
登山口。赤鞍ヶ岳まではちょっと遠い。
登るとすぐに鉄塔がある。
鉄塔のところから見る富士山。左の山は大室山。
この場所からもキャッツアイが狙える日がある。
鉄塔を越えると急登の斜面になる。道はやや分かり難いがとにかく上に登れば良い。
急斜面を登ってしまえばあとは緩い登りである。
鳥井立が見えてきた。1時間はかかっていない。
鳥井立への最後の登りだが、展望地は途中にある。
かつてはこの岩の上から富士山が見えたのだが、前方の松の木が伸びていまひとつ。
以前は撮影出来た登山道沿いも木の枝が伸びていまいちである。
急斜面を少し下りて木の隙間から富士山を狙う。なんとかなりそうである。
1台のカメラをセットしてもう1台のセットをしていると・・・いつも腰に付けているポーチを持って来るのを忘れた。その中には望遠レンズ用の絞りフィルターが入っており、絞りが付いていない天体望遠レンズはこのフィルターを装着しないとダイヤの撮影は困難である。さて、どうする??とっさに思いついたのはこの場でフィルターを作ることである。手帳の裏紙をはぎ取り、真ん中に穴を開けてフィルターを作り、装着してみる。穴が円形にはならないので変なフレアが出てしまうが、なんとかなりそうである。
絞りフィルター無しで太陽を撮影するとシャッタースピード最速にしても吹き飛んでしまう。
手帳の裏紙をはぐってその場で作成した絞りフィルター装着。変なフレアが出るがなんとかなりそうである。
たぶん均等なキャッツアイになっていると思うが、薄雲で光が拡散してしまいはっきりとは写らず。
もう1台のカメラ。綺麗なダイヤモンド富士だった。
下向きの光芒は出たが上部は薄雲に阻まれて太陽の輪郭は見えず。それでも十分に美しい夕暮れのダイヤだった。
美しかった鳥井立の夕暮れ富士
ヘッドライトを持って来るのを忘れたが、最悪の場合は携帯電話のライトが使える。いつもならば予備のヘッドライトをザックの中に入れておくのだが、しばらく山に登っていなかったことがあって気分が弛んでおり、この日は入っていなかった。折角なので鳥井立山頂に登ってから下山する。
電波塔が立つ鳥井立山頂
木々が邪魔して眺望はいまひとつ。
見たかったのはこの看板。名台詞だと思う。以前とは違う場所に置かれていた。
夕暮れの厳道峠の富士山。ライトを点灯することなく無事に下山。
前日の冬至の日のキャッツアイを狙っていたのだが、早朝の竜ヶ岳ダイヤモンド富士で疲れ切ってしまった。しかも、久しぶりの登山靴が少しきつく、右足親指の爪の下に出血斑が出来てしまい親指が腫れあがって痛く、とても午後から歩く気にはなれなかった。本日は別の登山靴を履いての登山であるが、痛みはだいぶ改善していた。想定していたキャッツアイにはならなかったが、十分に美しい夕暮れのダイヤモンド富士を眺めることが出来て満足だった。