山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

雪渓残る北アルプスの谷周辺を探索  令和4年6月25日

2022年06月28日 | 圏外編
 某自然保護協会のメンバーから声をかけていただき、北アルプスの谷に咲く植物の観察会に参加させていただいた。とはいっても今回の参加メンバーはオール山梨県勢の知った顔ばかりであった。ほとんど山梨県から出ていない私にとっては県外に咲く花や植物はどれを見ても新鮮な驚きがある。


    タニウツギが満開。


    この花は分布が日本海側に寄っており、山梨県では見られない。


    登山道脇にこんなノビネチドリが普通に咲いているのも驚きである。山梨県ではもうほとんど見られなくなってしまっている。


    まだ蕾のショウキラン。これも山梨県ではおそらく見ることが出来ない。


    テンナンショウ属も変わっている。葉軸が1本で仏炎苞が葉よりも低い位置に付いている。


    これはヒロハテンナンショウの仲間であろうが詳細は不明。


    仏炎苞が紫色のものもあった。これはカミコウチテンナンショウに良く似ている。


    オオバキスミレであろう。


    この花も山梨県では見たことが無い。


    スゲも見たことないものが生えている。


    何だかさっぱり分からない。


    エナシヒゴクサに似ているが雌小穂が上部に固まって付いている。これはヒメシラスゲではないかと思う。


    雌小穂が長めで芒が伸びていない。これはイワスゲではないかと思う。


    たくさん生えているこのスゲ。カンスゲの仲間であろうということは分かるが・・・


    見たことが無い雌小穂の形。鱗片が薄茶色いことから、オクノカンスゲではないかと思う。


    こんな寒そうなところにもリョウメンシダが普通に生えている。山梨県では南部町を中心に南側に寄って生育している。


    たぶんホソバナライシダ。山梨県でも普通に見かける。


    これは山梨県には無いシダ。ヤマソテツであろう。


    鱗片が真っ黒なシダ。葉はまだ展開していないがこれはミヤマメシダであろう。山梨県では標高1,800mあたりから上の高いところに生育している。


    サンカヨウがたくさん咲いている。北岳や鳳凰山では鹿の食害著しく、少ししか残っていない。


    雪渓の脇に生えるキヌガサソウ


    ニリンソウ群落。葉の切れ込みが細かく、別物のように見える。


    シラネアオイ。雪渓残る谷の脇を主に咲いている。


    初めて見るオオサクラソウの花


    こちらも初めて見る薄紫色の上品な花


    トガクシショウマ。本日の一番の目的はこの花を見ることだった。

 久しぶりの雪渓登りはやや辛かったが、軽アイゼンが良く効いてあまり滑らなくて幸いだった。初めて見る花やテンナンショウ、カヤツリグサ、シダなど、たくさんの植物を堪能させていただいた1日だった。新しい出会いと刺激を求めて、たまには県外にも花を見に行ってみるのも良いことだと思った。

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ヨコグラノキ発見 身延町  令和4年6月23日

2022年06月27日 | 渓谷
 身延町の山奥深い渓谷沿いにヨコグラノキという珍しい木が生えているらしい。山梨県の自然記念物に指定されているのだが詳細な場所は不明である。以前にも一度探しに出かけているが発見できていない。図鑑を再三見て木の葉や幹の様子を覚えたつもりであるが、あまり特徴的な葉ではなく、どうも実際に見てみないと大きさやイメージが湧いてこない。まだ樹木を見ても分かるの半分くらいしか無い私のレベルでこの木を探すのはきわめて難易度が高い。しかし、自然記念物の看板を見つけることが出来れば、この木を見ることが出来るであろう。そろそろ花が咲いている頃であろうし、なんとかこの木を見て見たくて、林道を車で奥まで入り、渓谷の周辺を探索してみる。


    落石がゴロゴロと転がっている林道を奥まで入り、渓谷の中を探索する。


    薄暗い渓谷の中。まさかこんな場所で人に会うとは思わなかった。釣り人でこの辺りの事情に詳しい方だったが、ヨコグラノキのことは知らなかった。


    白い花がたくさん咲いている。


    これはユクノキ(マメ科フジキ属)ではないかと思われる。


    花が散ってしまっているが、これはオオバアサガラ(エゴノキ科アサガラ属)と思われる。


    この渓谷で最も多く見かける木


    これはエノキと思われる。

 この渓谷には探している看板が無く、それらしき木は生えていない。林道を戻って別の支脈を探してみる。


    小さな紫色の花が咲き始めた低木があった。


    葉腋から花が咲いている。これはムラサキシキブ(クマツヅラ科 ムラサキシキブ属)であろう。紫色の果実は良く見かけるが花はあまり見たことが無い。


    羽根型のやや大きな実を付けた木があった。


    これはミツバウツギの実であろう。


    渓谷沿いの林道を探索していると看板を発見。自然記念物の看板ではないが、ヨコグラノキの看板である。


    渓谷に下りてみる。この木ではない。


    斜めにクロスするように溝が入る木の幹から見て、この木がヨコグラノキで間違い無さそうである。何本かあるはずだが、1本しか見あたらない。


    それもそのはず。数本が倒れてしまったようである。貴重な木なのに残念である。


    思っていたよりも高い木である。


    葉にはあまり特徴があるように見えない。


    枝先に小さな花が咲いているようだが、遠いうえに下から見上げるのでは花の様子がいまひとつ分からない。


    車に戻って望遠レンズを取り出し、対岸から撮影してみる。


    黄色い小さな花が咲いている。


    さらにエクステンダーを装着し、1,140㎜超望遠で撮影。まだ蕾が多いが新鮮な花が咲いている。


    トリーミング。黄色~黄緑色の小さな可愛らしい花が咲いている。

 発見した時刻が5時半ごろで、望遠レンズで花を撮影したのは6時を過ぎてしまった。しかし、その頃にはちょうど風が止んでくれてあまりブレることなく撮らせてくれた。ヨコグラノキとその花を観察するという今年の課題のひとつをクリアすることが出来た。秋には赤い実が成るはずである。訪問できるようであれば再訪してみたい。

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甲府市荒川河川敷をプチ散策  令和4年6月22日

2022年06月24日 | 番外編
 今年の4月初旬にも一度散策している荒川河川敷であるが、もし生育しているとすればそろそろ咲いているであろうニガナの仲間があるのかどうか、ちょっと見に行ってみる。時刻は夕方の5時半になっていたが日が長くなったおかげであと1時間くらいは散策出来そうである。


    再び荒川の河川敷を散策してみる。


    たくさん生えていたオオカワヂシャはもうほとんど枯れている。


    枯れ残っていたオオカワヂシャ


    ハハコグサと思わしき花はもう枯れそうである。


    枯れかけたキツネアザミ


    オオマツヨイグサであろう。花は見えない。


    オオイヌタデであろう。


    道端でしばしば見かける園芸種、これはサボンソウ(ナデシコ科サボンソウ属)か?

 探していたのはカワラニガナという少し珍しいニガナの仲間であるが、40分ほど河原を散策してみたがそれらしきものは全く見当たらなかった。このあたりには生育していないのではないだろうか?他の場所を探してみたいと思う。


    河川敷遊歩道の草地の中にはネジバナがたくさん咲いていたが、ほとんど終わりかけていた。

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某企業の庭にある植物  令和4年6月21日

2022年06月24日 | 番外編
 出張で甲府市内にある某企業にお邪魔した。庭を歩いてみるといろいろと面白い木が植えてある。昼休みにカメラを持ってぐるりと散策してみる。


    庭木ではあまり見かけたことが無いこの木


    ナツツバキ。もうほとんど結実している。


    落花していたナツツバキの花


    咲き残りが少しだけある。


    大きな木のほうはクスノキであろう。小さなほうは?


    クスノキ。もう花は散ってしまっている。


    低いほうの木はリンゴのように見えるが・・・?


    葉の辺縁に短くて鋭い鋸歯があり、八ヶ岳で見てきたエゾノコリンゴに良く似ている。


    探してみるとリンゴの実が成っていた。これは青りんごか?


    グミの木が生えていた。花や実は付いていない。さて、これは何グミ?


    グミの仲間を見分けるのはとても難しい。固めの光沢のある葉と鱗状毛の形から、これはマメグミではないかと思う。


    これは庭木や垣根で良く見かける木


    カナメモチであろう。花は終わって実になりかけている。


    こちらはあまり見かけないか、見ているが気にしていない木


    花はほとんど終わってしまっている。


    咲き残っていた花。これはネズミモチ(モクセイ科イボタノキ属)と思われる。


    ブドウの木も植えてあった。良く手入れがしてある。


    しっかりと実が成っている。これはマスカット?

 公園ではないのにいろいろと樹木が植えてあって、しかも良く手入れがされていて、昼休みのひとときを楽しくかつ興味深く散策させていただいた。

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西沢渓谷に咲く花とシダたち  令和4年6月20日

2022年06月24日 | 渓谷
 西沢渓谷を訪れた一番の目的はコハクウンボクだったが、その他にも様々な花が咲いていた。もちろん、珍しいシダやカヤツリグサ科の植物も生育しており、それらも見て巡ってきた。この渓谷は植物の宝庫である。


    渓谷を見下ろして咲いているヤグルマソウ


    渓谷に咲くミヤマカラマツ


    こちらはちょっと珍しいモミジカラマツ


    滝の脇に咲くモミジカラマツ


    もう終わりかけているこのスゲ


    スルガスゲ。この渓谷以外で見かけることはあまり無い。


    もう痛んでいて雌小穂の果胞は一部脱落しているようである。


    渓谷の渕


    珍しいシダが何種類も生育している。これはオオクボシダ。


    たくさん生育しているがずっと正体が分からずにいるシダ


    辺縁寄りに円形のソーラスが付着している。


    おそらくこれはナンタイシダと思われる。


    発見出来ずに通過してしまい、戻って見つけたこのシダ


    ヒメスギラン。個体数はあまり多くは無い。


    貝殻状の胞子嚢が割れていて胞子は放出されているようである。


    梅雨時で雨が多く、水量がやや多い。


    初めて見るこのイチゴの仲間


    幸運にも花が咲いている。


    茎には棘が生えていない。


    これは見たいと思っていたミヤマモミジイチゴ。


    ミヤマモミジイチゴの花。花弁は白では無くてやや緑色がかっていた。一見すると残った萼のように見える。

 モミジイチゴはまだ花が咲くには早いのではないかと思っていたのだが、新鮮な良い状態の花に出会うことが出来てラッキーだったと思う。午後からの訪問だったので周回は出来なかったが、様々な植物と美しい渓谷を楽しむことが出来た。途中で花仲間に出会ったのには驚いた。

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コハクウンボクは遅かった 西沢渓谷  令和4年6月20日

2022年06月23日 | 渓谷
 コハクウンボクという花が乙女高原にあるらしく、探しに行ったが発見出来なかった。今回は確実に生育している西沢渓谷を訪れてみる。まだ見たことが無い木なのでどこにあるのか、どのくらいあるのか、どのくらい大きいのかも何も分からないが、渓谷道の中に「コハクウンボク」という看板がぶら下がっていたのは記憶している。その辺りに行けば、確実に見られるはずである。


    色とりどりの花が咲いたウツギの仲間。これはニシキウツギであろう。


    花は痛み始めており、散ってしまっているものが多い。


    花には毛が生えておらず、萼や花柄の毛も薄い。ヤブウツギとはだいぶ違う。


    崖の上に別のウツギの仲間が咲いている。まだ咲き始めである。


    白くて丸い感じの花


    トリーミング画像。花弁が4枚で、これはバイカウツギであろう。


    岩壁にヤグルマソウが咲いている。


    これが探しているコハクウンボクのはずだ。


    先端部を中心に葉に大きな切れ込みがある。


    たくさん生えている。しかし、花付きが悪い木なのか、花がなかなか見つからない。


    やっと花の付いている木を見つけたと思ったのだが・・・もう花は散ってしまっていた。


    橋を渡って渓谷の奥に入ってみる。


    これもコハクウンボクの木だが花が付いていない。


    渓谷の奥にもコハクウンボクが生えているが、やはり花は終わってしまっていた。


    少しだけ花弁が残っているものがあったが、良い状態のものは見当たらない。


    竜神の滝

 期待していたコハクウンボクは西沢渓谷にはたくさん生えていることが分かった。今年の花付きが悪いのかどうかは分からないが、花を咲かせている木は少なかった。1~2週間ほど訪問時期が遅く、良い状態の花が見られなかったので、来年に期待したいと思う。

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毎年恒例の三ツ峠清掃登山と高山植物勉強会に参加  令和4年6月18日

2022年06月23日 | 山に咲く花
 この時期の恒例となっている三ツ峠清掃登山が今年も開催され、30数名の参加者とともに三ツ峠を訪れた。土・日曜日の出勤が不安定なので参加できないだろうと思っていたのだが、この日は仕事が入っていなかった。チームを5班に分けて植物を見ながら登って行くが、当然の如く私の率いるチームがダントツで最後尾となる。いつもならば作業の様子なども写真に撮るのだが、今年は目ぼしい植物の写真をカメラ手持ちで撮ってきただけで持って行った三脚の出番はほとんど無かった。ブレた写真やピンボケの写真多発で、私は写真を撮るのがへたくそなのだと思う。


    途中の渓谷脇に生えているツルシロカネソウ


    ヒメムヨウラン。風でブレている。


    こちらは普通に見かけるテンナンショウ属、ホソバテンナンショウと思われる。ミミガタテンナンショウはもう終わっていた。


    三ツ峠では初めて見るこのテンナンショウ属の花。


    葉よりも下に仏炎苞があり、ヤマナシテンナンショウと思われる。


    ムラサキツリガネツツジの花。大部分が落花していた。シロバナフウリンツツジは撮り忘れた。


    ニッコウヒョウタンボクの花。この個体はうっすらとピンク色が混じっていてとても美しかった。


    ハート形の葉、これはシナノキではないかと思う。


    保護柵の中は凄い。びっくりするほど大きくて元気なユキザサの群落。


    もちろんこの花も元気に咲いている。


    少し痛み気味である。


    富士山が見えていたがやがて天候が悪くなり小雨が降り出す。

 二手に分かれて1時間ほど保護柵内の草刈り作業を行う。昨年除去したテンニンソウは思ったほどたくさんは生えて来ておらず、その代わりに笹がはびこるようになっていた。恒例のスライド上映の準備も一応はしてあったが、小雨が降り出してしまい次第に天候が悪化して来る可能性が高く、スライド上映は行わずに下山となった。

 下山した頃には雨脚が少し強くなってきた。傘を差して近傍に生育しているシダを見に行ってみる。


    古い石垣の間から生えているミヤマウラジロ。


    まだ新鮮でソーラスは見えなかった。


    もう1種類、珍しいシダが生えている。小型で地味なシダ、コガネシダ。


    ソーラスはうっすらと見え始めたばかりだった。この場所は範囲が限られていて個体数もあまり多く無い。


    キケマンが咲いている。


    ツルキケマンを期待したが、2回3出複葉ではないのでこれは普通のキケマンであろう。

 今回の登山の私のチームには樹木を含めて植物にかなり詳しい方が同行してくれたおかげで、かなり有意義かつ効率良く植物を見て回ることが出来たと思う。私ももっと勉強しなければならないと改めて思わされた。

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忍野の森を散策  令和4年6月17日

2022年06月22日 | 山に咲く花
 昨年の冬にヒロハノハネガヤではないかと思われるイネ科の植物を見つけたが、もう枯れかけていて穂は千切れてしまっていた。もし本物ならば今ごろ新鮮な穂を出している頃ではないかと思う。


    昨年の冬に見たのはこれだと思うが・・・まだ穂が出ていない。


    茎を見ると毛が生えている。これは明らかにヒロハノハネガヤとは別物である。

 残念ながらヒロハノハネガヤとは別物だった。周辺を散策してみる。


    雲に巻かれた富士山


    紅色のウツギの花


    さて、これは何ウツギ?


    花を撮影してみると花弁に細かな毛が生えている。これはヤブウツギであろう。


    結実した実にも毛がたくさん生えている。


    サンショウバラが咲いていた。


    サンショウバラの花


    アジサイのような花が咲いている。


    葉に光沢があり辺縁の鋸歯が明瞭。これはガクアジサイであろう。


    何年ぶりかにスズムシソウが咲く森を訪れてみる。クサソテツの群落。


    コアツモリソウが咲いているが数は減ったように感じる。


    コアツモリソウの花


    スズムシソウの葉。花はほとんど終わってしまっていた。


    数はあまり変わっていないように見える。


    咲き残っていたスズムシソウの花


    なんとか花を見ることが出来た。


    たくさん葉を出しているアオフタバラン

 期待していたヒロハノハネガヤは全く別物だったが、そのうち発見できるのではないかと思っている。久しぶりに見るスズムシソウは雨で土砂が流され、だいぶ地形が変わってしまっていたがそれなりの個体数は残っていてくれた。

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レンゲツツジが満開の乙女高原  令和4年6月16日

2022年06月20日 | 山に咲く花
 乙女高原の湿地に生えている正体不明のスゲがそろそろ結実している頃であろう。探している樹木もあり、訪れてみる。


    アカンスゲは結実して長く穂を伸ばしている。


    湿地の中にたくさん生えているが、生育しているのはこの周辺のみで限局している。


    アカンスゲの小穂


    正体不明のスゲは結実している。


    さて、これは何?オタルスゲではないかと思うのだが、鱗片の外側に薄茶色の帯が入っているところがちょっと違う。答えは保留である。


    別の湿地を訪れる。クリンソウとヤチボウズ。


    ヤチボウズを形成するスゲの大部分がこれである。


    タニガワスゲ。乙女高原に特産するわけではなく、八ヶ岳や甘利山、奥秩父などでも見かけていて、ありふれたスゲである。


    もう1種類ヤチボウズを形成しているスゲがある。


    この鱗片は淡緑色でオタルスゲで間違いないと思う。


    乙女高原の保護柵の中。レンゲツツジが咲いている。


    満開、ずっと上までレンゲツツジだらけである。


    見事な乙女高原のレンゲツツジ。密度と花付きは甘利山よりも良さそうである。


    樹木を探して保護柵の外側を歩いてみる。ヤエガワカンバはたくさん見かける。


    大きな葉と上向きに出た花穂。


    花は咲き始めたばかりである。これはヒトツバカエデと思われる。


    山頂部の見晴らし台に到着。富士山は見えず、探し物の樹は見つからなかった。


    左側の真直ぐに立ち上がっているのがヒメシダ、右側の株立ちして葉が斜めに出ているのがヘビノネゴザである。遠目で見てもおおよそ区別が出来る。


    場所を移動して見てきたのがこのシダ。見事に群生しているカラフトミヤマシダ。


    葉の切れ込みが繊細で全体的な形も格好良い美しいシダである。


    柄が長いという特徴がある。


    白い花をたくさん付けて目立つこの樹。


    白い花は雄しべが長くて華やかである。サワフタギの花と思われる。


    白っぽいウツギの花が咲いていた。少しピンク色に色付いているものもある。


    おそらくこれはニシキウツギの若い花と思われる。成長につれて花は赤みを帯びて行くのであろう。

 探していたのはコハクウンボクという少し珍しい花である。山梨県レッドデータブックのメッシュではこのあたりには生育していないようであるが、ネットで偶然に乙女高原と思わしき場所で咲いているという情報を見た。しかし、本日散策して見る限りではそれらしき花や木は見当たらなかった。この木を見るには、やはり確実に生育している西沢渓谷に見に行った方が良さそうである。

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瑞牆山のカモメランは消滅してしまったのか?  令和4年6月15日

2022年06月19日 | 山に咲く花
 瑞牆山のカモメランが数年前から咲かなくなってしまっているが、昨年は葉も見つからなくなってしまったらしい。本当に無くなってしまったのかどうか、花仲間とともに探しに出かけてみる。


    渓谷沿いに咲くクリンソウはずいぶん数が減ってしまった。鹿の食害もあるだろうが、気候の変化で渓谷の湿地が狭くなったのが原因と思われる。


    しっかりと咲いている場所もある。


    ヤマキケマン。岩の上を好んで生育しており、結構見かける。


    ジガバチソウはこの山では初めて見た。


    ユモトマムシグサが少しだけ生えていた。


    咲き終えたミヤマザクラ。花柄に小さな葉が付いている。


    オガラバナ(カエデ科カエデ属)であろう。初めて見る木と花。


    コミネカエデの花。

 さて、1ヶ所目のカモメラン生育地に到着し、探してみる。かつてはサンリンソウやヒメイチゲがたくさん生えていた湿地のような場所だったが今は苔が生えるだけのすっかりと荒れた場所になってしまっている。


    カモメランと思わしき葉を発見。


    数は少ないが残ってはいるようである。だが元気が無く咲きそうもない。

 さらに2ヶ所目の生育地を探してみる。


    こちらにも葉は残っている。


    花はひとつも見つからない。


    イチヨウランが咲いていた。


    別の場所に咲いていたイチヨウラン


    キソチドリもそこそこに生えている。


    富士見平小屋の周辺にはヤエガワカンバが結構生えていた。

 カモメランの葉は一応確認出来たが、森の様子が以前とは全く変わってしまっており、かつては茂っていた下草が鹿の食害によるものか、全く無くなってしまっている。カモメランは水の流れる湿地の周辺に生えているので湿度が無くなってしまったから減ってしまったのではなく、下草が生えなくなった環境の変化でラン菌の活性が落ちてしまったのが原因ではないかと予想している。柵で囲ってやれば、ひょっとしたら回復して来る可能性もあるのかも知れないが、国立公園の中という縛りがあって簡単に手を出せるような場所では無い。

 場所を移動してハシドイの生えている森を訪れてみる。


    ハシドイの木。看板が付いていてすぐに発見できたのは良かった。


    しかし、背の高い木で下から見上げても花が見えない。双眼鏡で見てみるとまだ蕾のようである。


    ちょっと変わった木が生えていた。先端部が3分裂するこの木はオヒョウの木。


    大きなオヒョウの木。


    森の中にはヒトツバテンナンショウが生えていた。


    大きな収穫だったのがこの草、サワルリソウ。もうすぐ花が開きそうである。


    シダも見て回ってきた。真っ直ぐに立ち上がっているのはヒメシダであろう。


    一方株立ちして斜めに生えているのはメニッコウシダと思われる。


    小型のシダの大群落


    大き目の丸いソーラスが着き始めている。これはヤマヒメワラビであろう。

 出発の時は小雨が降っていてカッパを着て傘を差しての探索となったが、お昼頃に雨は上がってくれた。十分な探索とは言えないであろうが、ひとまずはカモメランが残っていることは分かった。このまま放置すれば、いずれは消滅してしまう運命なのではないかと思う。

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ハシバミの生育する山を散策  令和4年6月13日

2022年06月19日 | 山に咲く花
 山渓ハンディ図鑑に掲載されているハシバミの写真は撮影地が忍野と書かれている。詳細な場所は分からなかったが、花仲間がこの樹の生育地を知っていて教えてくれた。他にも見たい花が何種類かあって、近々行ってみようと思っていた場所である。翌日が富士吉田に出張の予定で、その際に立ち寄ろうと思っていたのだが天気は雨になりそうである。そのため、天気の良いこの日の午後に行ってみることにした。


    樹林の中ではコアツモリソウが見ごろになっていた。


    白花のコアツモリソウにも出会えた。


    別株。誰が名前を付けたか、シナノコアツモリと呼ぶらしい。


    シナノコアツモリの花


    サワルリソウが花を咲かせていた。


    サワルリソウの花


    花の奥まで見るのはなかなか難しい。


    草むらの中に生えているヒメイズイは既に散ってしまっていた。


    少し残っていたヒメイズイの花


    背の高くなるスズムシソウはまだ花穂が少し伸びただけだった。


    葉の真ん中に紫色の斑がある樹があった。


    葉の先端が尖っており、これはツノハシバミのほうであろう。


    今度はそれらしい樹を発見した。


    亀の尻尾のような独特の形の葉、今度はハシバミで間違い無さそうだ。


    若い葉は葉の真ん中に紫色の斑が入る。


    背の低いものがたくさん生えている。枯れてしまったような樹が残っており、おそらくは野焼きの火で焼けてしまったところに若い樹が育っているのであろう。


    見たかったこの花はちょうど満開になっていた。


    フナバラソウ。広い草原の一角に生えている。

 ハシバミはヘーゼルナッツと同じ種類の木で、実はおいしいらしい。食べる目的ではないが、どんな実が成るのか見てみたかったのだが、時期が早かったのかそれらしい実はひとつも見つからなかった。春早い時期に葉を出す前に花を咲かせるはずである。来年の春に花を見に来てみたいと思う。


    なかなか発見出来なかったこの花、日没の頃にようやく出会えた。


    白花のサイハイラン。何故か葉が付いていない。周辺を探したが普通のサイハイランは見当たらない。

 
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月光のレンゲツツジ 甘利山  令和4年6月12日

2022年06月18日 | 渓谷
 梅雨に入ってからは富士山が姿を現さない日が続いていたが、本日午後は久しぶりに富士山が見え出した。そろそろ甘利山のレンゲツツジが満開になっている頃であろうし、良い景色が見られるのではないだろうか。月齢13の月が日没前に昇って来ており、夜になっても月明かりでレンゲツツジと富士山が撮影出来るであろう。混雑を避けて日没頃を狙って甘利山に行ってみる。ところが、駐車場はまだ車がぎっしりと止まっており、数台の駐車スペースしか空いていなかった。明日の朝のレンゲツツジと富士山を狙っての車中泊する人たちが集まっているのだろう。ヘッドライトを装着して甘利山に登ってみると、まだ15人ほどのカメラマンがレンゲツツジと富士山、そして町灯りが灯り出した甲府盆地の景色を狙ってカメラを構えていた。


    日没頃の甘利山レンゲツツジ。雲が出ているが富士山が姿を現している。


    富士山の上には月が昇っている。


    夕暮れのレンゲツツジと月齢13の月


    次第にスッキリと富士山が見えるようになってきた。


    町灯りが灯った甲府盆地


    月と富士山とレンゲツツジ


    すっかり暗くなってきたが、月明かりがレンゲツツジを照らしてくれる。


    月光のレンゲツツジと富士山


    明るい月が昇り、レンゲツツジが無くてもこの日は良い景色だった。

 明朝もきっと良い景色が見られたのであろうが、仕事のことを考えると車中泊して朝の景色を撮って出勤するほどの根性と体力は無かった。夜の8時過ぎまで月光照らすレンゲツツジの景色を楽しんで撤退した。

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南アルプスの渓谷を探索  令和4年6月12日

2022年06月17日 | 渓谷
 南アルプスの渓谷の奥深くで珍しいラン科植物の目撃情報があったらしい。既に植物に詳しい方や私の花仲間が探しに行って来ているのだが未だに発見されていない。本当にそのランなのかどうかも画像が残っておらず不明である。おおよその場所を教えていただいたので、私も単独で探しに行ってみることにした。


    長い林道を寄り道しながら歩く。


    これはカマツカの花であろう。


    ウリハダカエデの花がたくさん咲いている。


    これはコミネカエデの花と思われる。


    ヤシャブシの若い実か?


    あの堰堤を越えるといよいよ本格的な探索になる。


    ミヤマハタザオがたくさん生えている。クモマツマキチョウが飛んで来そうである。


    沢の横に若いアカバナがたくさん生えている。


    ヒロハコンロンソウが点々と咲いていた。


    たぶんエナシヒゴクサ。まだ結実しておらず確信は無い。


    雄小穂が一番上に付きその下は雌小穂。テキリスゲであろう。


    ザックに吸水にやって来たヤマキマダラヒカゲ


    堰堤を過ぎて道無き渓谷を登って行くと、いよいよ南アルプスの懐深く入ってきた感じがする。


    急峻な渓谷を登る。


    かつて京都の山奥で見かけたランの花はこんな清流の脇に存在感たっぷりに生えていたが、残念ながら今回は発見出来ず。


    ここに生えているイノデは細長くて根元近くの羽片が小さくなっている。これはホソイノデであろう。


    ウサギシダを発見。


    だが何となく感じが違う。第一羽片があまり大きく無い。


    第一羽片の付け根の部分をトリーミングして見てみると、短毛が生えている。これはイワウサギシダではないかと思う。


    渓谷はまだずっと上まで続くが・・・目的地を通り過ぎてその先まで来たがランは見つからず、ここまでで撤退する。

 目撃情報のあったランは現在山梨県では野生絶滅となっており、かつて生育していたとされる山域もこちらではない。もしも発見されたならば数十年ぶりの大発見ということになったのであろうが、渓谷の様子を見る限りでは生育しているような感じでは無さそうである。イワウサギシダが本物であれば、山梨県では北岳に続いて2ヶ所目の生育地ということになるであろう。イワウサギシダは石灰岩地を好むシダで、今回の渓谷は堆積岩の谷であるが、一部石灰岩が混じっている可能性もある。一度見ただけでは確信できないので、いつかまた再訪してみたいと思う。


    デカいラショウモンカズラが・・・と思ったら、花も葉も形が違う。


    この花は山梨県には生育していないと思っていたのだが・・・


    これはヒイラギソウ。葉の形がヒイラギの葉に似ていて、大きな鋸歯がある。新発見ではないかと思う。

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サギスゲ咲く椹池  令和4年6月11日

2022年06月16日 | 山に咲く花
 甘利山・大笹池およびその周辺の探索から戻ったのは午後1時半ごろで、時として強い雨が降り霧が出て視界が悪い天候になってしまった。車の中で休んでいると次第に雨は小降りになってきた。椹池に移動して傘を差して椹池周辺を散策してみる。


    ホオノキの花が咲いている。


    ホオノキの花


    良い状態のこの花を撮影するのは意外と難しい。


    実を付けているウリハダカエデ


    カンガレイの群落。


    まだ花芽は見えていない。


    ヌマハリイは頂部の果穂が脱落しているものが多かった。


    アゼスゲは結実してすっかり大きくなっている。


    花を咲かせていた背の低い頃とは別物のように見える。


    アシカキという水草。群生して横に長い枝を伸ばす。。


    サギスゲの群生。


    おそらく山梨県最大の群落。


    池の中の浮島にもサギスゲが生えている。


    天候が悪いうえに少し痛んで茶色っぽくなってしまっている。


    岸に近い場所に生えていたヒルムシロの仲間


    さて、これはヒルムシロか、オヒルムシロか、それともフトヒルムシロ?


    1本抜いて調べさせてもらう。長い柄を持った沈水葉が付いており、これはヒルムシロであろう。

 標高1,350mの高層池である椹池はカヤツリグサ科やイネ科をはじめとする様々な水生植物が生えており、今回もまた何だか分からないカヤツリグサ科の植物に出会った。果胞が付いてからもう一度見に行ってみないと正体は分からなそうである。おそらく、他にもまだいろいろ潜んでいる可能性が高い。

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甘利山、大笹池およびその周辺を探索  令和4年6月11日

2022年06月16日 | 山に咲く花
 本日は山仲間とともに甘利山およびその下にある大笹池さらにその周辺を植物を見ながら探索してみる。植物に詳しいメンバーばかりに加えて博士も同行するので本日の植物探索はほぼ無敵状態である。しかし、問題なのは花の名前を聞いてもほとんど3分と持たずに忘れてしまう私の記憶力であろう。


    レンゲツツジはほぼ満開。残念ながらこの日も富士山は見えず、午後には雨が降る予報である。


    白い花が咲いている。


    この花はやはりアズキナシのようである。


    大笹池に下りる。ここにはクリンソウの大群落があるが、花はもう終わりかけていた。


    別の場所のクリンソウは満開。ここには白やピンクや赤など色とりどりのクリンソウが咲いている。


    白花のツクバキンモンソウ


    たぶんユモトマムシグサ。花茎や葉軸が茶色くて何か違和感がある。


    白いバラが咲いている。いつもならばノイバラであろうと見過ごして行くところだが、これは違うらしい。


    枝先に花が1個だけ付いている。これはモリイバラというバラだそうだ。


    ハンショウヅル


    サワシバの果穂。手で触れるような位置にぶら下がっていた。


    サワシバは葉の幅が広くて筋がはっきりしている。さらに、葉の付け根付近には平行ではない葉脈が入るのが特徴らしい。


    この山域でこんな黄色いウツギに出会うとは思わなかった。


    キバナウツギ。1本だけ生えていた。


    昨年見つけたテバコワラビは今年も生えていた。数は少し減ったように見えなくもない。


    今年は大型の個体が数株出ており、昨年はソーラスが着かなかったが今年は確認出来るかも知れない。


    期待していたベニバナヤマシャクヤクだったが、まだ咲いていないようである。


    蕾はたくさん付いている。


    咲き始めた花もあった。あと3日もすれば咲いている花が見られそうだが、少し訪問時期が早かった。

 見たかった花はだいたい見て廻ってきたが、新たにキバナウツギが生育していることが分かった。樹木類はいろいろと教えていただき写真も多数撮ったが、やはりその場で名前は記憶の彼方である。駐車場に到着する手前で雨が降り出してしまうが、さほど降られる前に車に着いたのは幸いだった。

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