山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

櫛形山のホテイラン他  平成27年5月27日

2015年05月28日 | 番外編
 櫛形山のホテイランは咲かなくなってしまったが葉はまだ残っているという情報は数年前から地元の花好きの方から情報をいただいていた。ある程度の場所も聞いてはいたのだが訪れたことは無かった。今回、櫛形山ホテイランの観察会なるものが開催されることを知り、平日休みをとって参加させていただいた。しかし、行ったところは聞いていた場所とは全く違う場所だった。


    そんなところに道はありませんよ~。


    滑り落ちそうな急登を登る。足元には咲き始めたマイヅルソウ。


    かなり古いロープが張られていた。強度に不安があるが、これに頼らないと登れない。

 先頭を切って上へ上へと登って行ったが私には発見することができず、あきらめて急斜面を下りて行くとリーダーの先生が登って来られて「もっと上だ」ということで、再度急斜面を登る。すると先生が先ほど自分が歩いたはずの斜面でもう終わりかけているホテイランを発見してくれた。どうやら見落としたようだ。


    櫛形山のホテイラン。今年は花期が早くもう終焉。


    八ヶ岳のホテイランとはだいぶ違う環境のところに生育している櫛形山のホテイラン。


    いちばん良かった株。

 咲いていた花は3輪のみ、周辺の葉を含めても15株ほどしか無い小集落だが、食害著しく激しい環境変化があったこの山でも咲き残っていてくれたことはとてもうれしい。


    サカネランも発見。まだ咲き始めたばかり。


    こちらはまだ蕾。


    イチヨウランの葉。

 予定時間を1時間オーバーしてのホテイラン観察会となった。昨年に比べると今年は数が少なく、昨年咲いていた他の場所も今年は葉しか確認出来ないと言っていた。

 昼食をとって場所を移動し、次の花を見に行く。


    こんな花が山梨県にあることすら知らなかった。


    根元のあたりに10円玉ほどの大きさの花が顔を出している。


    ヒメザセンソウ。


    フォッサマグナの湧水の間を移動して咲くというこの花は山梨県が南限になっている。

 さらに場所を移動して静岡県まで足を延ばす。そこで見たのはナベワリの群生。


    ナベワリの群生。


    ナベワリの花。

 他にも数か所を回っていただいていろいろな花を見せていただき、植生や植物の仕組みなどいろいろと興味深い話を聞かせていただいた。珍しい花の葉も多々あったのだが、いずれも私が初めて耳にする花の名前ばかりで、聞いても右から左に花の名前が抜けて行く。非常にレベルの高い方たちが集まるこの観察会は自分のレベルの低さを知るには良い機会となった。そしていちばん思ったことは、人間よりも遥かに長い歴史を持つ植物たちは、生き残るために様々な工夫を持っていること。花の名前を覚えることよりも花や植物の仕組みや環境を知ることのほうが遥かに大事なことを勉強させていただいた。
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アマギシャクナゲとブナの森を訪ねて 天城山皮子平と万三郎・万二郎岳  平成27年5月24日

2015年05月25日 | 日本百名山
 今年のシャクナゲは花付きが悪いと聞いているが、まだ訪れたことが無い天城山はずっとシャクナゲの季節に訪れたいと思っていた。万二郎・万三郎岳のみを周回するのならばそれほど時間もかからないであろうが、以前から注目していたのは天城縦走路の途中にある皮子平(かわこだいら)というブナの森だ。ここには天城山系で最大級のブナの巨木があるらしい。行くならばこの場所も訪れてみたいのだが、天城高原ゴルフ場から皮子平を往復すると距離的にも時間的にも天城山脈縦走よりも厳しいコースとなってしまう。朝早立ちするには近場に前夜泊する必要があり、前日沼津に宿をとって行くことにする。

 早朝4時に起きて天城高原ゴルフ場駐車場に向かう。5時半に到着すると車が5台ほど止まっており、テント泊が2組いた。既に出発している人たちもいるようだ。天候はあいにくの小雨混じり、カッパを着て5時50分出発する。


    天城高原ゴルフ場の登山口。


    小雨混じりの天候、森の中は暗い。ヤマツツジが彩る。


    四辻。だが分かれているのは3方向。シャクナゲコース(涸沢分岐方向)に入る。

 四辻で右の谷に進み、シャクナゲコースに入る。人があまりいないうちにシャクナゲの写真を撮ろうという目的なのだが、小雨混じりのこの空模様では訪れる人は少なそうだ。途中の大きなヒメシャラが林立する森は見事だったが、枯沢分岐付近にあるアマギシャクナゲは花付きがきわめて悪いうえに既に時期を過ぎていた。


    ヒメシャラの林立する森


    大きなヒメシャラの木。


    涸沢分岐点。


    涸沢分岐付近のアマギシャクナゲはほとんど花が付いていない。


    しかもアマギシャクナゲはもう終わっている。


    咲き残っていたアマギシャクナゲ


    アマギシャクナゲ。


    涸沢分岐から上部の森はブナが主体となる。


    ブナ林の中を進む。


    ミツバツツジは見頃を少し過ぎた頃。


    万三郎岳下の分岐点。天城縦走路に進む。

 9時半に万三郎岳下の分岐点に到着した。空は相変わらずどんよりしているが、この頃には雨が上がっていた。そのまま天城縦走路に入り、皮子平を目指す。隣の小岳を越えるとその先は急下りとなる。ここをまた登り返すのかと思うと少しばかり気が重くなる。標高差で約300m下り、スタート地点の天城高原ゴルフ場とあまり変わらない標高1,100m地点まで下りて皮子平に入る。


    天城縦走路小岳付近。ブナの香りがただよう森を進む。


    天城縦走コース、小岳から見る万三郎岳。


    万三郎岳山頂付近を彩るミツバツツジ。 


    下に海と島(?)が見える。小岳付近から。


    ヘビブナに立ち寄る。


    ヘビブナ。さながら森の妖怪。

 皮子平には人がいないだろうと思ったのだが、以外にも途中の道で10人近い人たちとすれ違った。東皮子平には天城山最大級のブナの大木があり、これに会ってみたかった。午前11時半東皮子平到着。既に訪問者は帰った後で、私一人で独占状態となる。写真を撮りながら昼食をとる。ここから西皮子平までは15分ほど、往復で30分のはずなので、ちょっと立ち寄るつもりだったのだが、皮子平のブナ林を少し歩いてすぐに足が止まってしまう。大きなブナが立ち並ぶ森の中にまだ幼いヒメシャラの木がたくさん生育している。今までに出会ったことが無い不思議な森の景色が広がっていた。しばらく味わっていなかった自分が森の中に取り込まれて森と一体化したような感覚、神様の懐に入り込んだような感覚を味わうことができた。


    東皮子平の天城山最大級のブナ大木。


    太い根元の部分。木の保護のために周辺にロープが張られている。


    皮子平の森。


    ブナの森の中にヒメシャラの木がたくさん生えている今までに出会ったことが無い不思議な森。


    双子のブナの木。


    苔の生したブナの大木。


    国で保護している皮子平の森。


    おそらく天然のヒノキ林。


    西皮子平。どうやらワサビ田があったらしい。


    ひょっとして出会えるかも知れない着生植物。しかし見つかったのはノキシノブなどのシダばかり。

 結局1時間以上もこの森を存分に楽しませてもらい、午後1時に皮子平を出発することとなる。もう誰もいないだろうと思ったら、これから八丁池に縦走する人に5~6人すれ違った。小岳に登り返し、万三郎岳に戻る。


    万三郎岳山頂付近のミツバツツジ。


    このあたりが小岳から見たミツバツツジ群生地だろうが、展望できる場所が無い。


    万三郎岳山頂。


    山頂下のアマギシャクナゲ。ショボい。


    万二郎岳の途中に咲き残っていたアマギシャクナゲ。 


    花付きはかなり悪い。


    アマギシャクナゲ。


    万二郎岳手前のピークへの登りにはハシゴが数本ある急登。


    向こうに見えるのが万二郎岳。また下って登り返し。


    歩いて来た万三郎岳と縦走路を振り返る。


    万二郎岳山頂。


    山頂にはアセビの大木がある。


    万二郎岳直下のガレ地から見る景色。下に見えるのは菷木山、向こうに見えるのは大島。

 万三郎岳は午後2時半に通過したが、万二郎岳に向かう途中でこれから登って行く10人ほどの団体さんとすれ違った。万三郎岳と万二郎岳の間にはまだアマギシャクナゲが咲き残っていたが、花付きはかなり悪かった。万二郎岳とその手前のピークへの登り返しは標高差こそあまり無いものの、結構な急登で辛かった。万二郎岳午後4時20分、駐車場には午後5時半に到着。


    四辻付近はヤマツツジが見頃を迎えていた。午後5時になるともう森の中は薄暗い。


 アマギシャクナゲは予想していたよりもさらに少なくて残念だったが、今回の一番の目的はブナの森だった。ヘビブナや巨木も良かったが最も感動したのは皮子平のヒメシャラの若木が林立するブナ森だった。いずれはヒメシャラが成長して今とは違う様相を呈するようになるのだろうが、その途中の過程にある珍しい森なのだろう。これだけのブナの森を抱えている天城山系ならば、今回出会えなかったあの着生植物がきっとどこかで生き残っていることだろう。



    今回歩いたコース。 累積標高差1,011m、沿面距離13.4km。 
 
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富士山麓のヤマ・芍・薬  平成27年5月23日

2015年05月24日 | 番外編
 富士山麓で白い花が綺麗に咲いているとの情報をいただき、出かけてみた。聞いた場所の近くまで車を乗り入れていざ出発!したまでは良かったが、詳細な場所までは記憶していなかったので携帯メールを確認・・・しようと思ったのだが、携帯を車の中に置き忘れてきてしまった。ま~いっか。GPS持ってるし、怪しき場所を適当に・・・。 枯れた笹の藪を獣道を便りに抜けて倒木をまたいでさらに奥に進むと・・・あった! しかしまだ蕾で開いていない。これはフライングだったか?


    枯れた竹藪が広がる森の中を進む。


    足元にはツルシロカネソウが咲く。これを踏まないように気をつけながら進む。


    倒木を越えてさらに奥へと進んで行くと・・・


    あった、山・芍・ヤク。しかし、まだ開いていない。


    こちらはまだ固い蕾。これはフライングだったか、それとも場所が違うのか?

 GPS頼りにさらに森の中をさまようこと1時間以上、やや日当たりの良い場所でようやく開いているヤマ・芍・ヤクに出会うことができた。


    清冽な白花。


    時間が遅かったためか開いていない花が多い。


    かなりの数。


    見事なり。


    山・芍・薬。

 尾根の1本隣側の斜面も覗いてみたが、あったのはこの斜面だけだった。
 
 情報を提供してくださった方々に感謝したい。
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尾白川渓谷滝巡り  平成27年5月17日

2015年05月22日 | 南アルプス
 そろそろ各地で見頃を迎えているであろうクモイコザクラを見るため、こちらでは無くて奥秩父山塊の山を予定していたのだが・・・またしても寝過ごし、朝起きれば時計の針は6時を回っている。予定した場所は距離が長く下山で道迷いの可能性があるために中止して尾白川の上流を目指すことにした。甲斐駒ケ岳黒戸尾根の入り口、駒ケ岳神社から尾白川遊歩道を歩いて錦滝の先の林道を詰めれば、その先の沢沿いが目的地となり、普通に歩けば午後2時には沢に到着できるはずである。これはあくまでも普通に歩けば、の話である。

 午前8時半に駒ケ岳神社を出発。この尾白川遊歩道を歩くのは8年ぶりくらいになるだろうか。午後から出発して神蛇の滝をピストンして日没間近に駐車場に戻った記憶がある。足場の悪い谷のトラバースを鎖につかまって通過したような記憶があるが、今はどうなっているのだろう?


    竹宇駒ケ岳神社


    神社の入り口に咲いていたヒメレンゲとタガソデソウ。


    尾白川千ヶ淵。最初に現れる緑色の淵。


    三ノ滝


    勢い良くしぶきが飛び散る三ノ滝上部。


    花は終わってしまっているが、おそらくコチャルメルソウ。


    遊歩道沿いの岩壁にはイワタバコがたくさん生えている。


    エメラルドグリーンの淵の脇には満開のフジの花。


    旭滝。朝日が射し込むと虹が現れ、滝はコバルト色に輝くと言われている。滝壺を見ようとしたが岩が滑って登れなかった。


    遊歩道と書かれているが、アップダウンのある登山道と言ったほうが良い。


    ヤマツツジ咲く渓谷道。


    大きなハート形の葉っぱ。


    根元を見れば花がついている。ウスバサイシン。


    ミツバツチグリ(?)


    神蛇の滝に到着。


    神蛇の滝。下にもう1段あるのだが、木に隠れて写らない。

 10時半、神蛇の滝に到着。決してゆっくり歩いていたわけではないが、三脚を出して滝や花を撮影しているとどうしても時間がかかってしまう。しかし、スローシャッターで滝や沢の流れを表現するには三脚が必須。どうしても出さずにはいられない。神蛇の滝でゆっくり休んだ後、不動の滝に向かう。不動の滝から先は現在通行禁止になっているので、あまり人がいないだろうと思っていたのだが、甘かったようでかなりの人が入っていた。しかも若者が多い。


    不動の滝に向かう。


    崩落地をロープにつかまって通過するが、全く通過に問題無し。歩き易い渓谷道が続く。


    見えて来た吊り橋と不動の滝。


    新緑と不動の滝(吊り橋から75mmズームで撮影)


    滝の下、このロープを登れば滝壺まで行ける。


    豪快に流れ落ちる不動の滝。水しぶきが凄く、滝の落下で風が吹く。


    不動の滝の水しぶきと水煙。


    スローシャッターで不動滝全景。

 不動滝付近にもクモイコザクラが咲くということを耳にしたことがあったのだが、ズームレンズで覗き込む限りでは花は発見できなかった。代わりに見つけたのはユキワリソウ。足元に一株だけ咲いていた。


    支脈の沢沿いで見つけたユキワリソウ。かなり濃い紫色の花だった。


    ユキワリソウ。錦滝ではこれほど近付くのは難しい。標高1,200~1,300ほどのこの界隈はユキワリソウの陣地なのかも知れない。


    林道に向かって登る。朽ちかけてはいるが、通行に問題になるような場所は見当たらなかった。


    クワガタソウ


    まだまだ登る。


    林道に出た。

 林道に到着したところで時間は午後1時45分になってしまった。予定では1時前に到着するはずだったのだが、滝撮りに時間をかけすぎてしまった。特に不動の滝の景観は素晴らしく、1時間以上も時間を費やしてしまった。これから林道を歩いて尾白川上流に入るには1時間以上の時間を要し、帰り道の時間を考えると遡上するにはとても時間が足りない。本日はあきらめて、錦滝のユキワリソウを見て帰ることにする。


    尾白川錦滝


    滝の流れの裏側に咲くユキワリソウ。


    ユキワリソウ。まだ満開。


    岩場の下のほうに咲いていたユキワリソウ。


    ヤマツツジ咲く林道を戻る。


    見頃のヤマツツジ。


    この林道沿いには結構咲いているタガソデソウ。今年は数が多い。


 錦滝の手前で昼食をとり、滝に着いたのは午後2時過ぎ。日向山に登る時間は十分にあったがその気にはなれず、林道をテクテクと歩いて矢立石から尾白川渓谷駐車場に戻った。午後4時、駐車場に到着。花の収穫といえば雪割草くらいだったが、その他にも花は咲いていなかったが興味ある葉をいくつか見つけた。


 その他見つけた葉だけ載せておきます。正体はまだ不明です。さて、何でしょうか?


    葉に光沢がある2枚葉の群生。これはおそらくジン・バイ・草。


    双葉のランだが、青双葉よりも筋が薄く葉が黄緑色。おそらくこれは高嶺の双葉・ランだと思う。


 ということで、花が咲くのが楽しみな葉を何種類か見つけて来た。今後が楽しみ。

    
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見頃を迎えたホテイラン 八ヶ岳南麓  平成27年5月15日

2015年05月18日 | 番外編
 例年ならば5月下旬ごろに見頃を迎えるのだが、開花が早い今年の花はもう咲いているかもしれない。若干早いかもしれないがここ数年恒例で訪れている場所に行ってみた。


    ここは花たちの天国。


    タチツボスミレがたくさん咲く。


    ミツバオウレン

 小さな葉が出ているかも知れないので足元に注意を払いながら、そっと森の奥へ入ってみると・・・咲いている。ちょうど見頃を迎えた新鮮な花ばかりだ。


    咲いている。森の妖精ホテイラン。


    苔生す森にひっそりと、しかし存在感は十分。


    ホテイラン。


    ホテイラン


    ホテイラン。見張り役?


    ホテイラン。お二人さん。


    ホテイラン。3人連れ。


    さながら髭を生やしたブルドック。エクステンションチューブ装着して接写。


    ミツバオウレンはご近所の仲良しさん。


    森に咲くホテイラン


    鮮やかな紫色 ミヤマスミレ。


    元気なコミヤマカタバミのブーケ

 今年は例年以上に良く咲いてくれた。しかし、場所をマークするための目印か、森の中には園芸用の緑色ポールが数本刺さっていた。この森は週末になると地元の監視員の方が見回りされていると聞く。監視員の方の目印とは到底思えず、おそらくは訪問者の方の目印なのだろう。一昨年はロット番号をつけたプラスチックの札があちらこちらに刺されていたが、このような異物を森の中に置いて行くことは草木の根を寸断したり、地面が荒れて環境を変化させてしまう引き金にもなりかねない。数本は撤去したが、このような行為はやめて欲しいと思う。



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咲き乱れるイワカガミ 毛無山塊  平成27年5月10日

2015年05月10日 | 御坂・毛無・天子山系
 毛無山塊のイワカガミは今年10年に1度の大当たりで、山上は紅白入り乱れた百花繚乱の景色が広がっていると聞いた。しかし、その場所は道の無いバリアンスルート、ただでさえ登るのが大変な毛無山塊にあって、道無き急斜面を登らないとたどり着けない。幸いにしてこの日はミスター毛無山さん、ことK田さんがガイドして案内してくださるとのことで、スピードの遅い私は足を引っ張るのを覚悟の上で参加させていただいた。メンバーはK田さん、うーさん、私の3人。


    本日登るは道無き急斜面。先をリードするK田さんに全く着いて行けない。


    登ること1時間半ほど、標高差400mほど登ったところで稜線に出る。なんとなく道がある。


    イワカガミが現れ始めたと思ったら、その先はイワカガミだらけ。


    白いイワカガミ。葉に明瞭なギザギザがありこれはヤマイワカガミ。


    ヤマイワカガミ


    どっさり。


    薄ピンク色の花。


    こちらも葉の切れ込みが明瞭でベニバナヤマイワカガミと思われる。


    ピンクもどっさり。赤白入り乱れて咲き、百花繚乱の稜線。


    白花接写


    こちらは色の濃いイワカガミ。葉の切れ込みがやや浅く、ベニバナヒメイワカガミかコイワカガミと言ったほうが良いのかもしれないが、同じ場所に咲いているのでベニバナヤマイワカガミということにしておく。


    こっちもどっさり。


    ベニバナヤマイワカガミ。


    とにかく凄い!

 ご案内いただいたK田さんとはここまででお別れし、うーさんと私はこのヤマイワカガミ咲き乱れる山上の楽園を存分に楽しみながら、上に向かって進んだ。K田さんは長い稜線を末端まで下りてみるとのことで登って来た尾根を戻って行かれた。ここから先も急登と急下り、岩の細尾根が続くバリアンスルートの稜線だが、イワカガミの他にも様々な花に出会うことができた。


    岩の細尾根を登る。


    稜線のトウゴクミツバツツジ。向こうに見えるのが毛無山。


    こんなのも咲いていた。


    コイワザクラ。


    見つけました。先日の愛鷹山で出会えなかったトウカイスミレ。


    小さくてひ弱そうなスミレ。


    トウカイスミレ。


    途中の小ピークには古い祠が立っていた。


    稜線の通常ルートに抜け出る。

 稜線の通常ルートに抜け出たのは12時半、花が凄過ぎて、標高差300mほどの稜線を抜け出すのに2時間半も費やして楽しんだことになる。通常ルート上の小ピークで食事休憩した後は、通常ルートを下山した。しかし、このルートにも様々な花が咲いており、全く足が進まない。


    うーさんが白いスミレを発見。


    純白に鮮やかなストライプ、巻いていない葉。


    これはシコクスミレ。


    登山道の両脇に現れた白い花。


    ツルシロカネソウ。


    どっさりのツルシロカネソウ


    ツルシロカネソウ群落。


    フタバアオイの群落もあった。


    ここのフタバアオイの花は色白。

 花を堪能しながら存分に写真を撮りながら下山し、駐車場には午後4時に到着した。まだ3台ほど車が止まっていた。

 バリアンスルートだけにきつい登りではあるが、苦労に見合うだけの赤白ピンクのイワカガミ咲き乱れる凄い花景色を楽しむことができた。今回お誘いいただき、ガイドをしてくださったK田さんに感謝である。


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コイワザクラ三昧 十二ヶ岳  平成27年5月6日

2015年05月08日 | 山梨百名山
 ゴールデンウィーク最終日に選んだ山は、例年よりも1週間以上早く見頃を迎えた十二ヶ岳のコイワザクラだ。昨日登った愛鷹山でも見頃を迎えており、早く行かないと見頃を過ぎてしまいそうだ。何度も登っている十二ヶ岳だが、最近は裏側林道奥からの短絡コースか、大石峠登山口からの周回が多く、久しぶり(おそらく2度目)の文化洞トンネルからのコースを選択した。文化洞トンネルの駐車場は地主さんと登山客との間で何かトラブルがあったらしく、ここ数年は駐車禁止になっていてアクセスしにくくなっている。本日も駐車場まで行ってみると、駐車禁止の看板こそ無いもののロープで囲われていて、いちばん奥を回り込んで駐車場に入るように(入りにくいように)誘導されていた。既に2台車が止まっており、駐車しても問題無いように見受けられたがトラブルを起こすのも嫌なので、霊園の駐車場に止めさせていただく。できればコイワザクラ咲く核心部は三脚を出して存分に撮影したいので、早めの7時にスタートする。


    登山道脇は元気なチゴユリがいっぱい。


    アケボノスミレはそろそろ終わりだが、まだまだたくさん咲いていた。


    元気で色の良いアカネスミレ。


    ニオイタチツボスミレが少々。


    シロバナタチツボスミレ(だと思う)。


    エゾノタチツボスミレ。良く見れば一輪は緑色。


    一輪だけだが、こんなのも咲いていた。


    ゲンジスミレ。


    フデリンドウ。向こうには富士山。


    毛無山到着。1時間40分もかかった。

 昨日の愛鷹山の疲れはあまり残っていないと思ったのだが、毛無山まで登って来ると少しばかり足がだるくなってきた。この先がコイワザクラ咲く竜の背と勝手に呼んでいる核心部、ロープ場が何ヶ所もあるアルペンルートだ。団体さんがやって来ると三脚を出して撮影などという余裕は無くなってしまうので、あまりお客さんが来ないことを祈りつつ出発する。


    毛無山から見る新緑と富士山。


    ウメウツギ。今年は少なく感じた。


    春のブナと富士山。


    いよいよコイワザクラ咲く核心部に到着。今年は結構咲いている。


    満開のコイワザクラ。


    可愛らしくて美しい花。


    登山道脇の斜面にたくさん咲く。


    コイワザクラ


    ちょうど見頃。


    十一ヶ岳の激下りロープ斜面にもたくさん咲く。


    有名な十一・十二ヶ岳コルのところの吊り橋。ぐらぐら揺れる。


    宙吊り状態。


    コルから十二ヶ岳への登りは鎖とロープが連続する激岩登り。


    この登り斜面には比較的多く咲いている白いスミレ。


    ヒメスミレサイシン。フォッサマグナ周辺に咲くと言われているが、今年は茅ヶ岳と黒富士でも見つけた。


    激登りを終えたところでタチツボスミレの群落がお出迎え。


    山頂到着。富士山は雲隠れ。

 十二ヶ岳の激登りで昨日の疲れがどっと出て、足がクタクタになってしまった。幸いにしてこの日の登山者は少なく、コイワザクラの撮影も十分に出来たし、鎖場の急斜面でもせかされること無くゆっくりと登ることができて幸いだった。

 山頂では途中でお会いした登山歴40年のベテラン、DIさんとNKさんが食事休憩中だった。山と花談義で時間は尽きることが無く、大休憩して一緒に下山した。毎年訪れているというお二人はコイワザクラの咲く場所についても良くご存知で、桑留尾側ルートのコイワザクラポイントを案内していただきながら、楽しく下山することができた。


    桑留尾側ルートもコイワザクラがかなり咲いている。しかしこちら側は山肌の乾燥が進んでおり、今後が心配である。


    斜面にたくさん咲くコイワザクラ。


    岩の隙間に咲くコイワザクラ。


    木の股に咲いていたコイワザクラ。足場が悪く、撮影にはちょっと苦労した。


 今年の十二ヶ岳コイワザクラは当たり年と言って良いと思う。花数が多く、今年は見事である。しかし、例年ならば5月中旬に見頃を迎えるが今年は5月連休で既に満開となっている。訪れるならば、早めに行かれることを勧める。


    もうひとつのお目当てだった花がこれ。ギンランと思っていたが葉の形はユウ・シュ・ンのほう。
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探し物は空振り、しかしいろいろな花に出会えた愛鷹山  平成27年5月5日

2015年05月07日 | 圏外編
 先日の長野県の山に続いて県外遠征(といっても近いが)に出かけた5月連休。名前がこっちのほうだからきっとこの山に行けば出会えるのではないかという安易な考えで出かけたのだが、どうやらこの山では無かったようで、これだ!と思って帰って来てから写真を良く見れば別のものだった。それでも、いろいろな花に出会えた充実した山歩きが楽しめた。

 自宅を6時半に出発し、9時前には登山口に到着出来るだろうと思っていたのだが富士サファリパークに行く車で道が渋滞し、9時半になってしまった。山神社から歩き始めたのは10時になってしまった。いつものスローピッチで歩き、後続者にはことごとく追い抜かれる。


    山神社の駐車場のすぐ先にある登山口から入山。帰りは真直ぐ続く向こうの道から戻る予定。


    樹林帯の中の道を行く。天候いまひとつ、森の中は暗い。


    愛鷹山荘。このすぐ上が富士見峠。


    中を拝見。毛布が準備されていて中はきれい。


    ちょうど1時間で富士見峠に到着。

 愛鷹山荘の中を見物させてもらいながら休憩し、11時に富士見峠に到着した。黒岳に立ち寄る時間はなさそうなのでそのまま越前岳に向かって進むと、泥で汚れているが白いスミレを発見。やった、目的のスミレをゲット! とこの時は思ったのだが、話に聞いていたよりもスミレのサイズが大きい。葉っぱも厚くて硬そうに見える。これは本当に本物なのか??と疑問を抱きつつ山頂に向かって進む。


    白いスミレを発見。


    意外と簡単に見つかった、と思ったのだが、ネットで見たものよりサイズが大きい。帰って来てから良く見れば、これはフモトスミレ。


    ツツジが登山道を彩っていた。


    おしべが10本、葉っぱが3枚。これはアシタカツツジではなくてトウゴクミツバツツジ。


    鋸岳展望台は雲で何も見えない。


    ヒナスミレ? と思ったが、良く見ればナガバノスミレサイシン。


    富士見台。曇っていてもちろん富士山見えません。


    越前岳山頂到着、午後1時15分。ほぼ予定通りの時間。

 空はずっと曇り空で山上には霧が巻いていて、富士山の眺望は全く期待していなかったのだが、山頂に到着して間もなく青空が広がり、雲が晴れて富士山が姿を現した。この季節にしてはかなりすっきりとした富士山の姿に感激する。昼食をとってゆっくり休んだ後、呼子岳を目指して下る。


    雲が晴れて富士山が姿を現した。


    駿河湾を見下ろす。


    2枚葉、もうすぐ咲きそうな芽。これはOh!No!Ye~蘭の葉だろう。


    またまた白いスミレに出会う。


    しかしこれはフモトスミレとすぐにわかる。


    途中からはイワカガミロード。花芽が出ていてあと1週間ほどで咲きそうだ。


    少しだけ咲いていたコイワカガミ。


    プチ岩登り。


    岩の上は分岐点になっていた。左端の尖ったところが呼子岳。


    呼子岳山頂。


    越前岳を振り返る。左手に富士山の姿。


    位牌岳方面。行けそうに見えるが、現在通行止めになっている難ルート。


    まだ蕾だが、このツツジは葉っぱが5枚。これがアシタカツツジ。あまり数は無かった。

 呼子岳から割石峠に下って行くと、途中の岩のところにピンク色の花が咲いていた。近付いてみればコイワザクラだった。谷の中を覗いてみると、急斜面のところに点々と集落を作って咲いているのが見える。しかし、急な崖でとてもではないが近付けない。


    谷の急斜面に咲くコイワザクラ。


    75mmズームでやっとこれだけ。


    コイワザクラ


    足元に咲いていたコイワザクラを接写。

 割石峠からはガレた谷を下りるが、この谷は歩きにくくてしかも想定外に長かった。壊れた林道らしきところに下り立つが、その先も結構な距離があった。


    ガレた谷を下りる。長い。


    谷に咲いていたミツバコンロンソウ。林に咲くものよりも谷に咲くもののほうがずっと雰囲気が良い。


    白いスミレ発見。これはシコクスミレ。


    今度こそは! と思ったが。


    側弁に毛が生えている。これもフモトスミレ。


    壊れた林道に出たが・・・まだ2km以上ある。

 翌日に疲れを残さないようにゆっくりと歩き、駐車場に到着したのは午後6時になってしまった。残っていたのは私の車だけ、毎度のことだが・・・。

 探し物とは未だ見たことが無いトウカイスミレ。かなり小さなスミレらしい。この山ならばあると思ったのだが、見落としたか、あるいは時期を外したか、それともこの山には無いのかもしれない。今年はもうスミレの季節は終わってしまうので、来年の課題になりそうだ。しかし、探し物は見つからずとも植生豊かで眺望も良い、日本二百名山の名にふさわしい山だった。環境的には御坂山塊の十二ヶ岳に良く似ていると感じた。

  
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白き大輪の花 風・車  平成27年5月4日

2015年05月07日 | 番外編
 大きくて目立つこの花は花弁が薄くて痛み易く、1週間ほどで見頃を過ぎてしまう。やや出遅れた感はあるが、まだ咲き残っているはずだ。出来れば月光に照らされて輝くこの花を撮ってみたかったが、なかなか良い月が出てくれず、このまま終わってしまいそうだ。日中に訪れてみることにする。


    白くて大きくて目立つ。


    予想通り、もう痛み始めたもの、既に散ってしまったものが多い。


    良い花も残っている。


    今年は昨年に比べて花数が多い。


    ゴージャスな花、か・ざ・ぐ・る・ま。


    本日のベストショット。まだ蕾もある。


    近くにはアヤメも咲いていた。

 多くの人に愛されているこの山の一角に咲く大輪の白花は、目だち過ぎるゆえの宿命か、一部持ち去られた花があったらしい。藪の中に咲いている環境から見て自生のものと見て間違い無さそうだ。大切にして行きたい花のひとつである。

 周辺のギンラン、キンランも探したが、今年は全く見つけることが出来なかった。昨年見つけた場所のキンランは今年は葉すら出ていなそうだ。盗掘とは思えないが、年々数が減っているように思える。
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フイリシハイスミレとマキノスミレ 長野県の山で花見隊集合  平成27年5月3日

2015年05月07日 | 番外編
 今年初めて甲府市北部界隈の山でシハイスミレを見ることができた。もう終焉を迎えているだろうが、ネットで検索していると葉に斑の入ったフイリシハイスミレなるものが長野県の山にあることを知った。5月連休頃にちょうど見ごろを迎えそうだ。先日山梨の山で集結したばかりだが、花見隊メンバーに連絡してみるとすぐに話がまとまり、再集結することが決まった。長野県の某道の駅に集合し出かける事になった。


    初めて訪れる山で、昭文社の地図には載っていない山だがかなり有名な山。


    途中の池


    登山口でさっそく白いスミレを発見。あれ~、山名バレちゃってますね。


    オトメスミレ


    登山道脇に咲くアケボノスミレ。

 登山道を進むとさっそくお目当てのスミレが現れた。葉の数はかなりあるが、花付きが今一つ。大群落を期待していたのだが、固まって咲いている株は見つからない。それにしても鮮やかな斑が入ったこのスミレは葉を見ているだけでも楽しい。斑の入っていない細長い葉で花の色が濃いスミレが混じっており、こちらは初見のマキノスミレだ。


    さっそくありました。葉に斑が入った美しいスミレ。


    フイリシハイスミレ


    こちらは葉に斑が入っておらず、花の色が濃い。シハイスミレの変種マキノスミレ。


    数はかなりあります。


    フイリシハイスミレ


    花も葉も美しい。


    中腹のイワウチワはもう終わっていた。


    この山は山頂に咲くこの花で有名。


    オキナグサ

 途中から三脚を担ぎながら、写真を撮りまくりながら登った私は花見隊メンバーから大きく遅れて山頂に到着した。混雑する山頂を避けて隣の山への分岐点付近で昼食となる。ゆっくり休んだ後に隣の山を経由して下山したが、そちら側にもフイリシハイスミレとマキノスミレがたくさん、さらに交雑種と思わしきスミレもあった。


    色鮮やかなマキノ君。


    マキノスミレ


    マキノスミレとフイリシハイスミレが混生。


    フイリだが葉が長く花の色も濃い。おそらくは混雑種のマキノシハイスミレと思われる。


    カタクリはもう終焉。


    登山道脇にカタクリとニリンソウが咲く。


    たくさんある。


    短絡した鉄塔巡視路にもフイリシハイスミレ。


    葉はたくさん見つけたが花がなかなか見つからなかったスミレ。イブキスミレ。


    こんなスミレにも出会えました。ゲンジスミレ。


    林道に出る。


 目的のフイリシハイスミレを存分に堪能することができた1日だった。変種のマキノスミレは葉の形が違うだけでほとんど同じだろうと思っていたのだが、実際に見てみると花の色が紫色に近く、確かに別物だということを知ったが、どちらか判別できないような株も多数見受けられた。充実した1日となった。

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ピンクのエビネを探して 武田の杜  平成27年5月2日

2015年05月06日 | 番外編
 開花が早かった今年のエビネはもうそろそろ満開を過ぎている頃だろう。私の知るエビネが咲く場所は2ヶ所のみだが、その後この界隈を頻回に散策しているうーさんが数か所で株を発見した。全て遊歩道から入り込んだ藪の中である。湯村山界隈の武田の杜には数は少ないながらピンク色のエビネがあり、今回はそれを探して籔の中をさまよってみた。


    武田の杜遊歩道沿いにはジシバリが花を咲かせていた。


    今年のホタルカズラは大当たり。今までで一番の群落。


    ホタルカズラ


    いつも見るのとは少し違うテンナンショウ。光沢があるが、何テンナンショウ??


    以前に見つけたあたりを藪コギして探したが見つからず、沢に抜け出てしまった。再度藪に入る。


    あった!エビネ。少し時期を過ぎてしぼみ始めている。


    ここは以前に発見した時も少しピンクがかったエビネだった。


    別株


    薄ピンク色のエビネ。

 遊歩道に戻って別の場所に移動する。うーさんの話では数株あるらしいが、見つかったのは1株、3本だけだった。ここは普通の白いエビネ。


    別の場所でエビネ発見。


    ここは白い花。


    ギンランもあったが、葉は虫に食われ、こちらもそろそろ終焉。

 さらに別の場所を探してみると、本日一番の大株(おそらくこの界隈で最大級の株)に出会うことができた。しかも片方がピンク、片方が白という豪勢な顔揃えだ。


    ピンクと白の株が並んで咲いている。この界隈では最大級の株。


    こちらはピンクの花。


    ピンクエビネ


    美しい。


    こちらは白花の株。


    清楚。

 十分に満足したのだが、他にもあるかもしれないとまだ入ったことの無い籔山に突入してみた。何となく踏み跡らしきものがあるが人のものか獣のものかはわからない。雲の巣と尺取り虫の糸、さらに葉っぱと落ちたキブシらしき花の穂が服と軍手にびっしりと付着してしまう。強行突破してたどり着いた山頂の向こう側には幸いにして道らしきものがあり、それを辿って下りると農道に出た。残念ながら収穫はギンラン1本だけだった。


    強行突破して登り着いた山頂。収穫はギンラン1本だけ。


 今回このようにたくさんのエビネに出会えたのは登山レベルだけでなく花探しのレベルアップ著しいうーさんのおかげである。頼もしい味方である。そして甲府市中心部からほど近い場所にありながらこれほどの花が咲く武田の杜、恐るべし、武田の杜。


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エイザンスミレ大群落 黒冨士・鬼頬山周回  平成27年4月29日

2015年05月04日 | 山梨百名山
 2013年4月に同じルートを歩いた際、黒冨士から鬼頬山に至るルート上にはエイザンスミレがたくさんあり、その中に少しだけヒゴスミレが混在しているのを発見した。途中にはフイリヒナスミレの群落もある。もしも甲府市界隈で交雑種のスミレが発生するとすれば、このあたりが一番怪しいだろうと以前から考えていた。うーさんとその知人の方をお誘いして黒冨士農園から八丁峠~黒冨士~鬼頬山を周回するコースを散策した。


    平見城黒冨士農園から出発。


    ? 先日(いや、昨日)花見隊メンバーから名前を聞いたが、忘れた。


    八丁峠に至るルートにもエイザンスミレがたくさん咲くのだが、今年は少ない。


    アケボノスミレ群生


    ニリンソウ群落


    フイリヒナスミレの群落だが、花が咲いていない。


    こちらの株はまだ蕾だが、結実しているものもある。


    少し登ったところでようやく咲いている花を発見。


    フイリヒナスミレ

 薄暗い杉の植林帯を抜け出ると空が開けて明るくなり、八丁峠下にある草地に抜け出る。ここはスミレのほかにニリンソウやコガネネコノメが混在して咲くお気に入りの場所だ。


    マルバスミレ


    アケボノスミレとタチツボスミレ


    トウダイグサ


    コガネネコノメソウの群落


    コガネネコノメソウ


    コガネネコノメソウ。これも今日のお目当てのひとつ。


    エイザンスミレとコガネネコノメソウ。


    元気なアカネスミレ


    アケボノスミレとエイザンスミレのご近所さん。


    八丁峠


    フイリでは無いヒナスミレが少し咲いていた。


    ヒメイチゲ

 スミレを主に花がたくさん咲くこのコースはとても早歩きでは歩けず、写真を撮りまくりながら3時間もかかって升形山の下にある草地に到着した。うーさんと知人の方は升形山に登って行ったが、私は登らずに草地の中を花散策してみると、ヒゴスミレを発見することができた。この界隈に咲くヒゴスミレは葉が細くて典型的な形と言えるだろう。そしてその先で、またまたこんなところにもいるのかという白いスミレに出会うことができた。


    ヒゴスミレ発見。


    この界隈のヒゴスミレは葉が細くて典型的。


    別の白いスミレを発見。葉っぱがまだ巻いている。


    こんなところにもいるのか! これはヒメスミレサイシン。


    黒冨士山頂。

 時間は午後1時を過ぎ、黒冨士山頂直下の展望台で少し遅い昼食となる。とはいっても、先の道を急ごうなどと言う気は全く無い。ゆっくり休んでスタート、ここから先のルートにはヒゴスミレの群落があるはずだ。しかし、2年前には登山道脇にもたくさんあったはずのエイザンスミレが今年はかなり少ない。期待外れだったと思ったところ、ルート脇の斜面を覗きこんで見ると・・・これでもかというくらいに斜面一面がエイザンスミレの花園になっていた。


    エイザンスミレ群落。


    斜面一面がエイザンスミレだらけ。


    エイザンスミレ


    ピンク色鮮やかなエイザンスミレ


    紫色の濃いエイザンスミレ。


    今までにあまり見たことが無い鮮やかな色。


    ひょっとして探していた交雑種? と思ったがやはりエイザンスミレ。近くにはヒナスミレもたくさんある。


    鬼頬山山頂。

 鬼頬山山頂は一旦登り返してその先はロープが張られた急斜面だ。越道峠までは結構距離がある。両脇をきょろきょろ見ながら下りるが、あまり目ぼしい花は見当たらず。途中で小雨が降りだしたが本降りにはならず、林道を経由して駐車場に戻った。


    越道峠


    林道脇に咲いていたフイリヒナスミレ。こちら側はもう終焉。


 今年はスミレがはずれの年にもかかわらず、想定外のエイザンスミレ大群落に出会うことができた。これほどの群落に出会うのは初めてで驚いた。さらに今回の収穫はヒメスミレサイシンに出会えたことだろう。フォッサマグナに沿って分布すると聞いていたヒメスミレサイシンだが、先日の茅ヶ岳に次いで黒冨士にも咲いていることがわかった。御坂山塊だけでなく、広い範囲で分布しているのかも知れない。







    
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花の日本百名山 二十六夜山を訪れる  平成27年4月26日

2015年05月01日 | 丹沢・道志山系
 エイザンスミレがたくさん咲く山として知られる花の日本百名山、二十六夜山を花見隊メンバーとともに急遽訪れることとなった。ここはエイザンスミレの他にヒナスミレやヒカゲスミレも多く咲き、ネットで検索していたら交雑種らしきスミレの画像が写っているものを見かけた。今年はスミレのハズレ年なので、見つかる可能性はかなり低いと見ているが、この日を外すと時期的に今年はもう遅くなってしまい、来年に持ち越しになってしまう。人数が多いほうが発見する機会は多くなり、かつ北側の戸沢集落からのルートはまだ歩いていないコースでもあり、ルート探索の意味も含めて今回の出動となった。

 今倉山からの縦走で反対側から一度だけ二十六夜山は訪れているが、戸沢側から歩くのは初めてであり、駐車場がどこにあるのかも全く知らない。芭蕉月待ちの湯という市営の温泉があるので、おそらくはそのあたりに車が止められるだろうという予想で行ってみると、予想通り月待ちの湯のところには大きな駐車場があった。登山口までは少し林道を歩かなければならないが、ここを起点に出発する。


    戸沢集落から見上げる二十六夜山。真ん中の奥がおそらく山頂。


    林道脇に咲いていたクサノオウ。タチツボスミレやニョイスミレ、アカネスミレなども道端に咲いていた。


    登山道入り口。花を見ながらゆっくり歩き、ここまで約30分。登山口の奥に3~4台駐車可能なスペースがあった。


    登山口付近に咲いていたマルバスミレ。


    マルバスミレ


    ヒカゲスミレ。葉はあるが既に終焉を迎えており、花は咲き残りが少しだけ。


    ミツバコンロンソウ。結構たくさんあった。


    ヨゴレネコノメソウ(だと思う)


    エイザンスミレ。デカい!


    葉はたくさんあるが、既に終わっている。高尾のスミレが終わってからこちらが咲くと予想していたが、どうやら同じ時期のようだ。


    ヒナスミレも同じ場所にたくさんあるが、こちらも既に終わっている。出遅れたようだ。

 中腹で水場を経由するルートと沢を直登するルートの2本に道が分かれていた。少し遠周りにはなるが水場を経由するルートを進む。かっちゃ岩という大岩を過ぎ、その先に豊富な水が流れ出す水場があり、ここで休憩する。その先の斜面はロープが張られた急斜面だ。


    祠のところでルートは2つに分かれる。水場を経由して登る。


    大きな桂の木。えっ、カツラ?(モデルはみちほさん旦那さん。)


    かっちゃ岩。かっちゃ坊という修行僧の跡地らしい。


    仙人水で水を飲む我らが千里眼仙人様。


    豊富な水が流れ出る脇にはツルネコノメソウがたくさん。


    ロープの張られた急登を登る。

 急登を尾根まで登ると平らな休憩に適した場所がありここで時間は11時半を過ぎた。標高は約1,000m、山頂まではまだ標高差で300mほどあり、ここで昼食となる。もし探し物に出会えるとすれば沢沿いのあたりと考えていたので、ここまで登って来るともう見つかる確率はきわめて低い。もっと簡単に登れる山と思っていたのだが、予想していたよりもこちら側のルートは手強いことがここまで登って来てわかった。ここでみちほさんとsanaeさんたちは引き返すこととなり、うーさんと私だけ予定通り山頂に行くことになったのだが・・・。


    昼食をとり、山頂に向けて出発。やや急登を登る。


    アケボノスミレ


    山頂に近付くとナガバノスミレサイシンがちょうど見頃。


    ナガバノスミレサイシン


    結構咲いてました。


    山頂直下の二十六夜講跡地。


    山頂に立つ二十六夜の石碑


    二十六夜山山頂。


    鹿留・杓子山塊に並んでうっすらと富士山。


    エイザンスミレと山頂。


    山頂裏に咲いていたヒナスミレ。


    小さくて可愛らしいヒナスミレ。
    
 山頂裏側でヒナスミレを撮影していると、上でうーさんが何か騒いでいる。熊でも出たかと思えば、出て来たのはトシちゃんだった。それに続いてsanaeさんも登場。あそこまで来たのだから山頂を踏まずには帰れないということで、みちほさんと別れて引き返してきたそうだ。まさかの再ご対面にビックリ! 休憩後、遠周りにはなるが下山は引ノ田に下りる尾根ルートを下山する。


    引ノ田ルート。結構急下りです。


    道はしっかりしているがあまり歩かれている様子は無い。落葉のラッセル。


    sanaeさんがこんな葉っぱを発見。エビちゃん。株は小さく、きちんと咲いてくれれば良いのだが。


    沢に出るが、このあたりは道がいまひとつ不明瞭で荒れている。


    林道に出る。

 林道に出たところで、左に進んで大きな通りを進むか、それとも右のジグザグ曲がりの林道を歩くか迷った。距離はいずれも同じくらいだが、大きな通りに出るとうまくすればバスが来るかもしれないというメリットがある。しかし、林道を進めば他の花にもめぐり会えるかもしれない。ここはストックに身を委ね、放り投げてストックの先が向いた方向に進むことにする。そして選んだのが林道歩き。しかしこの林道、実際に歩いてみると、下るのでは無くて結構登っているではないか。


    スミレ咲く林道を行く。長いダラダラ登り。登ったと思えばまた下りてまた登って・・・結構疲れました。


    ヒカゲスミレの葉。花はもう終わっていた。


    大きな白花のスミレ。タチツボの1.5倍くらいデカい。


    距に薄紫が残っており花柄は無毛、これはオトメスミレではないだろうか?

 花を楽しみながら途中で道に座って休憩をとりながらテクテクと林道を歩き、1時間少々かかって午後5時40分芭蕉月待ちの湯の駐車場に到着した。標高差800mほどの山だが、林道歩きを入れると1000m近くなったかも知れない。結構なガッツリ登山となった。

 芭蕉月待ちの湯で汗を流し、蕎麦を食べる。おいしい蕎麦ではあったが、サービスがちょっと・・・という感がある。メニューに「割り箸10円」が別にあり、てっきり箸は別売かと思って購入してしまったが、注文品には箸が付いてくるのは出てきてから知った。テーブルには七味が置いておらず、カウンターのところでしか使えないという不便さがある。

 途中で下山したみちほさんが下山中に探し物らしき葉を見つけた。花期を既に過ぎており、花が付いていないので本物かどうかはわからないが、また来年以降確かめに来る必要がありそうだ。しかし、山頂まで行くかどうかは・・・その日の状況で判断することにしよう。
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