2011年からインターネットを利用して資金を集める方法を提供する会社が日本にも現れました。クラウドファンディングのサービスを提供する株式会社の「Ready for ?」という変な名前の会社です。その後、同じような会社が数社現れ日本の社会を大きく変えようとしています。
古い考え方を持っている高齢者にとっては、とても理解困難な資金調達の方法です。そして、それを取り巻く文化が斬新なのです。斬新過ぎるのです。
後期高齢者の私にとってもなかなか理解出来なくて、これは一種の詐欺行為だと誤解してしまいました。時間をかけて調べたり考えたりした結果、これは良い新文化であると理解出来たのです。そこで今日は日本で盛んになりつつあるこのクラウドファンディングの内容を分かり易くご説明しようと思います。
まずクラウドファンディングの言葉の意味です。クラウドとは不特定多数の大衆を意味します。ファンディングとは資金調達のことです。
ですからクラウドファンディングとは不特定多数の大衆からネットを利用して資金調達をする方法なのです。
アメリカ生まれの、いかにもアメリカらしい資金調達の方法なのです。
それには典型的なアメリカ文化の厳格なルールがあるのです。
(1)大金を欲しい人は、まず何故お金が必要なのか明快な説明文を「Ready for ?」などのHPに発表します。新しいアイディア商品の開発や社会的に有意義な理由ほどお金が集まります。
(2)大金を欲しい人は資金調達の目標額と大衆からの募集期間を決めて発表します。
(3)大金を欲しい人の明快な理由に感動したり、共鳴した人が「Ready for ?」などの会社へ送金します。
(4)資金調達の目標額を募集期間中に達成出来たらプロジェクト成立となります。
すると「Ready for ?」などの会社は集まった全額のほぼ17%の手数料を差し引いてプロジェクト提案者(大金を欲しい人)へ全額を支払います。
(5)ここがいかにもアメリカらしいところですが、募集期間中に目標金額が達成出来なかったら、全てご破算になります。大金を欲しい人は一銭も貰えません。「Ready for ?」などの会社は送金してくれた人々へ返金します。All or nothing です。ポーカーゲームみたいなルールなのです。
(6)たとえプロジェクトが成功しても、送金した支援者へは、お金は返金されません。プロジェクトの進捗状態の報告書を貰ってプロジェクトの展開を楽しむだけです。その他の楽しい関連の情報の提供も受けます。
現在進行中の多数のプロジェクトの全ては「Ready for ?」などの会社のHPに公表されています。
その中から4つの例だけをご紹介します。
(1)「成功すれば世界初記録!全盲者セーリングによる太平洋横断」
---9000kmの太平洋横断を盲目&素人で!ーーー
岩本光弘さんの文章です。
・・・こんにちは。ブラインドセーラーの岩本光弘です。アメリカではヒロと呼ばれています。私は目が全く見えませんが、太陽が肌に射す位置や風を使って方向を計算し、ヨットでのセーリングをしています。
最初は見えないことに気づかないくらいの軽度な先天性弱視であったものの、高校生の時に全盲になりました。多感な思春期の時期に少しずつ3年間かけて視力を失ったので、見えなくなっていくことの恐怖と日々葛藤し、自殺を図ったこともありました。しかし、5年前になくなったおじさんが耳元で言った「一度切りの人生、ネガティブに不幸を呪うくらいなら、ポジティブに希望を求めて生きろ」という声にあてられ、やたらとポジティブになりました。
それ以上でもそれ以下でもありません。そして、教員を目指し大学に入学、奨学金を得てアメリカへ留学を挟み、卒業後は教員になりました。その後、英会話教室で出会ったキャレンさんと結婚し、ヨットにはまり、ブラインドセーラーとして、日本視覚障害者セーリング協会(JBSA)で積極的に活動しました。授かった子どもの教育のためにと、今では公務員という安定を捨てアメリカで暮らしています。
そんな私は今回、成功すれば世界初となるブラインドセーラーによる太平洋横断(アメリカ西海岸〜日本)にチャレンジします。※当チーム調べ。前回チャレンジが成功すれば世界初だった(参照元:Wikipedia)・・・
以上の募集の支援総額は3,483,000円になりましが、目標金額3,680,000円には達していません。
支援者数は145人ですが、さらに募集の残り日数は22 日 です
目標額に達成しなければ岩本光弘さんは一銭も貰えません。「Ready for ?」社も手数料が貰えません。支援者へ返金する仕事だけが残ります。
これがアメリカ文化なのです。
1番目の写真は岩本光弘さんのヨットです。成程、太平洋を横断出来る装備になっています。
その他の例は長くなるのでプロジェクトの名前と写真だけを掲載いたします。
詳しくは、https://readyfor.jp/projects をご覧下さい。
(2)「走行距離200万キロ!感動を運び続けた山形交響楽団バス再購入へ」
これは新しいバスを買うのでお金を下さいという意味です。
2番目の写真は山形交響楽団の演奏者の写真です。
(3)「洋画家・松本竣介。創作と思索の源「アトリエの時間」を展示室に」
これは自分が働いている美術館に松本竣介の展示室を作るからお金を下さいという意味です。
3番目の写真は洋画家・松本竣介の油彩画です。
(4)「ゲストと住民をつなげる「泊まれる出版社」が2号店をオープン。」
これは真鶴に出版社の支店を作るのでお金を下さいという意味です。
4番目の写真は真鶴湾の風景写真です。
如何でしょうか?クラウドファンディングということがご理解頂けたでしょうか?
それは決して詐欺でも犯罪でもありません。アメリカから入ってきた全く新しい文化なのです。新しい文化を拒絶するのも自由です。しかしそれは「参加型社会」に変革する日本社会の現象なのです。時代は変わって行くと、つくづく感じます。何故か昔の日本が懐かしいです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
古い考え方を持っている高齢者にとっては、とても理解困難な資金調達の方法です。そして、それを取り巻く文化が斬新なのです。斬新過ぎるのです。
後期高齢者の私にとってもなかなか理解出来なくて、これは一種の詐欺行為だと誤解してしまいました。時間をかけて調べたり考えたりした結果、これは良い新文化であると理解出来たのです。そこで今日は日本で盛んになりつつあるこのクラウドファンディングの内容を分かり易くご説明しようと思います。
まずクラウドファンディングの言葉の意味です。クラウドとは不特定多数の大衆を意味します。ファンディングとは資金調達のことです。
ですからクラウドファンディングとは不特定多数の大衆からネットを利用して資金調達をする方法なのです。
アメリカ生まれの、いかにもアメリカらしい資金調達の方法なのです。
それには典型的なアメリカ文化の厳格なルールがあるのです。
(1)大金を欲しい人は、まず何故お金が必要なのか明快な説明文を「Ready for ?」などのHPに発表します。新しいアイディア商品の開発や社会的に有意義な理由ほどお金が集まります。
(2)大金を欲しい人は資金調達の目標額と大衆からの募集期間を決めて発表します。
(3)大金を欲しい人の明快な理由に感動したり、共鳴した人が「Ready for ?」などの会社へ送金します。
(4)資金調達の目標額を募集期間中に達成出来たらプロジェクト成立となります。
すると「Ready for ?」などの会社は集まった全額のほぼ17%の手数料を差し引いてプロジェクト提案者(大金を欲しい人)へ全額を支払います。
(5)ここがいかにもアメリカらしいところですが、募集期間中に目標金額が達成出来なかったら、全てご破算になります。大金を欲しい人は一銭も貰えません。「Ready for ?」などの会社は送金してくれた人々へ返金します。All or nothing です。ポーカーゲームみたいなルールなのです。
(6)たとえプロジェクトが成功しても、送金した支援者へは、お金は返金されません。プロジェクトの進捗状態の報告書を貰ってプロジェクトの展開を楽しむだけです。その他の楽しい関連の情報の提供も受けます。
現在進行中の多数のプロジェクトの全ては「Ready for ?」などの会社のHPに公表されています。
その中から4つの例だけをご紹介します。
(1)「成功すれば世界初記録!全盲者セーリングによる太平洋横断」
---9000kmの太平洋横断を盲目&素人で!ーーー
岩本光弘さんの文章です。
・・・こんにちは。ブラインドセーラーの岩本光弘です。アメリカではヒロと呼ばれています。私は目が全く見えませんが、太陽が肌に射す位置や風を使って方向を計算し、ヨットでのセーリングをしています。
最初は見えないことに気づかないくらいの軽度な先天性弱視であったものの、高校生の時に全盲になりました。多感な思春期の時期に少しずつ3年間かけて視力を失ったので、見えなくなっていくことの恐怖と日々葛藤し、自殺を図ったこともありました。しかし、5年前になくなったおじさんが耳元で言った「一度切りの人生、ネガティブに不幸を呪うくらいなら、ポジティブに希望を求めて生きろ」という声にあてられ、やたらとポジティブになりました。
それ以上でもそれ以下でもありません。そして、教員を目指し大学に入学、奨学金を得てアメリカへ留学を挟み、卒業後は教員になりました。その後、英会話教室で出会ったキャレンさんと結婚し、ヨットにはまり、ブラインドセーラーとして、日本視覚障害者セーリング協会(JBSA)で積極的に活動しました。授かった子どもの教育のためにと、今では公務員という安定を捨てアメリカで暮らしています。
そんな私は今回、成功すれば世界初となるブラインドセーラーによる太平洋横断(アメリカ西海岸〜日本)にチャレンジします。※当チーム調べ。前回チャレンジが成功すれば世界初だった(参照元:Wikipedia)・・・
以上の募集の支援総額は3,483,000円になりましが、目標金額3,680,000円には達していません。
支援者数は145人ですが、さらに募集の残り日数は22 日 です
目標額に達成しなければ岩本光弘さんは一銭も貰えません。「Ready for ?」社も手数料が貰えません。支援者へ返金する仕事だけが残ります。
これがアメリカ文化なのです。
1番目の写真は岩本光弘さんのヨットです。成程、太平洋を横断出来る装備になっています。
その他の例は長くなるのでプロジェクトの名前と写真だけを掲載いたします。
詳しくは、https://readyfor.jp/projects をご覧下さい。
(2)「走行距離200万キロ!感動を運び続けた山形交響楽団バス再購入へ」
これは新しいバスを買うのでお金を下さいという意味です。
2番目の写真は山形交響楽団の演奏者の写真です。
(3)「洋画家・松本竣介。創作と思索の源「アトリエの時間」を展示室に」
これは自分が働いている美術館に松本竣介の展示室を作るからお金を下さいという意味です。
3番目の写真は洋画家・松本竣介の油彩画です。
(4)「ゲストと住民をつなげる「泊まれる出版社」が2号店をオープン。」
これは真鶴に出版社の支店を作るのでお金を下さいという意味です。
4番目の写真は真鶴湾の風景写真です。
如何でしょうか?クラウドファンディングということがご理解頂けたでしょうか?
それは決して詐欺でも犯罪でもありません。アメリカから入ってきた全く新しい文化なのです。新しい文化を拒絶するのも自由です。しかしそれは「参加型社会」に変革する日本社会の現象なのです。時代は変わって行くと、つくづく感じます。何故か昔の日本が懐かしいです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)