後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

米朝会談が日本の将来に与える良い影響、悪い影響

2018年06月14日 | 日記・エッセイ・コラム
米国のトランプ大統領は、自分を「交渉の達人」と呼んでいましたが、北朝鮮の金正恩委員長の方がしたたかな「交渉の達人」だったようです。
6月12日の米朝首脳会談の結果、北朝鮮は非核化を曖昧のまま、米国からは「安全の保証」を約束させたのです。金正恩委員長の粘り勝ちのように見えます。
このシンガポール会談は日本の将来に大きな影響を与えるのは明らかです。良い影響と悪い影響があるのが当然です。
今日はこの良い影響と悪い影響を個条書きにして、問題を提起したいと思います。

A、日本にとって良い影響;
1)米朝戦争が回避出来たことが何よりも日本へ良い影響を与えます。
この戦争が起きれば日本にも北朝鮮のミサイルが飛んで来ます。自衛隊もアメリカ軍支援のために参戦せざるを得ません。日本が戦争に巻き込まれるのです。この危険を回避できたことは最も良いことでした。

2)北朝鮮に核兵器が残ったとしても、その日本へ対して使用は非常に限定される可能性があります。
北朝鮮の泰川には原子力発電所とウラン濃縮工場があります。豊渓里には核実験場があります。その他、新浦や嚀辺には原子炉、ウラン濃縮工場、再処理工場などがあります。そして博川や順川や平壌や平山などにも核兵器関連の施設があるのです。
これら全ての施設を査察し、廃棄させるというのが今回の共同声明の北朝鮮の非核化の意味なのです。しかし素人が考えても非核化には何年もかかることは容易に理解出来ます。
ですから北朝鮮の核兵器は減少するが大部分は残存すると考えられます。
残存しているのが判明すればアメリカが怒り狂います。
ですから北朝鮮は核兵器が使えなくなります。これは日本の安全にとって大変良いことです。

B、日本にとって悪い影響;
1)韓国と北朝鮮の経済が躍進して日本経済が苦しくなる。
北朝鮮は韓国の大型投資を導入してリゾート開発をしようとしています。その後では韓国の企業が北朝鮮の各地に工場を作り、北の安い労働力を利用して、一段と安い商品群を日本へ輸出します。アメリカへも輸出します。その結果、日本商品の国際的な競争力が低下します。これは日本にとって悪い影響です。

2)日本は拉致問題があるので北朝鮮とは経済投資が出来ません。北の安い労働力も利用できません。北朝鮮の新たな市場にも参入出来ません。韓国と中国の企業だけが参入出来るのです。これは日本にとって悪い影響です。

3)韓国と親密になった北朝鮮は日本へ多額のお金を要求して来るでしょう。
昔の朝鮮合併の賠償として日本が韓国を支援した8兆円くらいの大金を期待するという噂です。これは日本にとって悪い影響です。

4)北朝鮮と親しくなった韓国は昔の徴用工問題や慰安婦問題を北朝鮮へ教え、北朝鮮は同じ様なことを日本に対して行うでしょう。これは日本にとって悪い影響です。

以上の他にも、日本にとって良い影響も悪い影響も沢山あると思います。
米朝会談は手放しで喜べない日本の立場は複雑なのです。
朝鮮合併という負の遺産と拉致問題の存在が日本の立場を複雑にしているのです。

今日の挿し絵代わりの写真は先週、東村山市の北山公園で撮った色とりどりのアジサイの花の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。 後藤和弘(藤山杜人)