後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

法華経に書かれている観音様のお力

2018年06月24日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は日曜日なので宗教にまつわるお話を簡単に書いてみます。それから何時ものようにミサに行きます。
さて日本の各地には観音菩薩の大きな像が立っています。

1番目の写真は山梨県の韮崎市にある平和観音像です。何度もこの下の甲州街道を通って甲斐駒岳の麓の山林の中にある小屋へ行きました。見上げては山林の中の小屋の生活が楽しくなるように祈ります。
ところでこの観音様にどのようなお力があるのでしょうか?

答は法華経の第二十五章に次のように書いてあります。
無尽意菩薩が観音菩薩を指さしながら釈尊に質問します。 
「釈尊、私は同じ菩薩仲間として、観音菩薩さんを尊敬しています。 観音さんの名前の由来を教えてもらえませんか? 」
釈尊が答えます、「"観音"っていうのは 「観世音」 の略でな、『世の中の人々 (世) の声 (音) をよく感じ取る (観)』 という意味なのだよ。  人が苦しんでいる時、観音菩薩の名を唱えれば、観音菩薩はその声をもれなく聞き届け、どんな状況からも救い出すことが出来るし、どんな願い事でも叶えることが出来るのです」
無尽意菩薩、「どんな人でも救う・・・・、いったい観音さんはどのようにして、そのようなことができるのですか?」
釈尊、「観音菩薩はすごい神通力を持っているんだよ。 あるときは仏、あるときは色々な神、またある時は貴方の上司や役人や友達、子ども、 場合によっては犬や猫の姿になって人を救う力を持っているのです」

分かり易く言えば、観音菩薩とは、人々の声を観じて、その苦悩から救う力を持った慈悲深い菩薩なのです。
ですから、宗派の枠をこえて広く信仰され、人々に愛されている菩薩様なのです。
この理由で日本のあちこちに大きな観音菩薩の像が立っているのです。
観音様は本来は中性ですが、慈悲深い菩薩さまなので女性だと信じている人も多いのです。
1番目の写真に示した観音様には美しい乳があります。女性と信じていた人が戦後すぐに平和を祈って平和観音として建造したそうです。

さて日本の仏教は大乗仏教です。この日本の仏教で一番大切にしているお経は鳩摩羅什が漢訳した『妙法蓮華経』、すなわち法華経と玄奘三蔵法師が漢訳した「般若心経」です。
『妙法蓮華経』は28品の章で構成されている長いお経です。日本の仏像や仏事の実際はこの法華経の影響を受けて出来てきたのです。
「法華経」は、現実の凡夫と現実の社会の実態を考えて作られたお経です。
儀礼やいろいろな信仰の仕方も書かれています。
ですから「法華経」には、般若心経のような仏教哲学はあまり説かれていません。
代わりに、久遠の本当の仏と凡夫の関係、本仏と諸仏、諸神との関係、釈迦の滅後の仏教のあり方等が具体的に説かれています。
そして「私たち凡夫が、父母から受けた肉身のままで五欲を捨てずに、菩薩道を行じれば仏となる」と教えています。そしてこの世が浄土となるのです。
「法華経」は、この凡夫と娑婆世界の現実に即した実践性の故に、末世の人類を救う仏教経典と言われるのです。(http://www.codhamma.net/category/1532885.html )

法華経の28章の全ての日本語訳は次にあります。
「大乗経典の翻訳を掲載しています。」 加藤康成、https://syoubou.wordpress.com/妙法蓮華経普賢菩薩勧発品第二十八%ef%bc%88みょうほう/

今日の記事に関連した記事は以下の通りです。あわせてお読み頂けたら良いかも知れません。
1)、「日本の仏教と釈迦の教えの違い(4)大乗仏教と上座部仏教の2つの決定的な違い」(2018年05月20日掲載)
2)、「日本の仏教と釈迦の教えの違い(3)般若心経は大乗仏教のお経」(2018年05月17日掲載)
3)、「日本の仏教と釈迦の教えの違い(2)タイの仏教、Theravada Buddhism」(2018年05月15日掲載)
4)、「日本の仏教と釈迦の教えの違い(1)5つの具体例」(2018年05月14日掲載)

ところで話は飛びますが宮沢賢治は熱心な法華経の信者でした。他人の本当の幸せの為に自分を無きものにしようとしました。有名な「雨ニモ負ケズ・・・」という詩は法華経の教えの一部なのです。
法華経の重要性は計り知れません。

今日の挿し絵代わりの写真は観音様のお写真へ捧げる蓮の花の写真です。
近所の真蔵院で昨年撮った写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)