後藤和弘のブログ

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北朝鮮のキリスト教徒、約7万人が労働収容所に!

2018年06月15日 | 日記・エッセイ・コラム
韓国と北朝鮮の南北会談やシンガポールでの米朝会談で金正恩委員長は穏やかな笑顔を見せました。しかしその金正恩委員長の北朝鮮には数多くの強制収容所が存在しています。現在の世界で最も酷い人権抑圧政策を実施している国なのです。
トランプ大統領はこの事実を完全に無視して、北朝鮮の非核化と体制保障を約束した共同声明に署名したのです。
今日は北朝鮮の強制収容所と収容されている約7万人のキリスト教徒について簡略に書いてみたいと思います。

北朝鮮には金正恩の独裁体制を乱す行為をした者を収容する強制収容所が数多くあり、特に脱北者や体制批判者等の政治犯は強制収容所に即刻入れられます。
そこでは、男女ともに常に過酷な重労働を課せられたうえ、監視員に暴行や私的制裁を受けているのです。
一日の労働は約12時間、男女の差なく罪状により果樹園・炭鉱・森林伐採・採石などの重労働が課せられるのです。
ノルマの果たせない者はノルマを果たすまで重い労働を徹夜で行わされたり、その場で銃殺されることもあるそうです。
強制収容所に収容されている人数は不明ですが、数十万人はいると言われています。
特にキリスト教を信じている人々は宗教を禁じた共産主義に反するという理由だけで逮捕され労働収容所に入れられているのです。
その正確な数は不明ですが以下の資料によると約7万人と言われています。

このキリスト教の弾圧についてもう少し詳しくご紹介いたします。
以下は、「米朝首脳会談、キリスト教界の反応は?」からの抜粋です。
詳しくは、www.christiantoday.co.jp/articles/25663/20180613/us-north-korea-singapore-summit.htm をご覧下さい。
米朝会談後に共同声明の署名式が行われ、トランプ氏は同日夕に記者会見を開催。その中で記者団から北朝鮮のキリスト教徒について尋ねられ、トランプ氏は「われわれはそれ(北朝鮮のキリスト教徒)についても話し合った」と明らかにした。トランプ氏はさらに、北朝鮮への人道支援も行っているキリスト教支援団体「サマリタンズ・パース」の総裁で大衆伝道者のフランクリン・グラハム氏についても言及。「グラハム氏は北朝鮮のために多大な時間を費やしてきたし、また(今も)費やしている。彼は北朝鮮を心に留めている。その話も(会談中に)出たし、これから事が起こっていくだろう」と語った。
(後藤による注釈:グラハム氏はトランプ大統領の熱烈な支援者なのです。)
グラハム氏自身は12日、ツイッターに「祈りをありがとう。シンガポールでの会談は上手くいったようだ」とコメント。「これは北朝鮮と米国の新しい章の始まりにすぎない。私の変わらない祈りは、神が2人の指導者に知恵を与えられることだ。リスクをいとわない大統領がわれわれにいることを感謝する」と投稿した。

北朝鮮は、イギリスの人権監視団体「オープン・ドアーズ」によって、17年連続で、キリスト教徒に対する迫害が世界で最もひどい国に指定されている。米国務省も5月末に発表した「信仰の自由に関する国際報告書」で、北朝鮮では宗教活動に携わった人々が処刑や拷問の対象になるなど「過酷な状態」にあると報告している。

オープン・ドアーズ英国・アイルランド支部のゾエ・スミス氏は、英国クリスチャントゥデイ(英語)の取材に応じ、次のように語った。
「オープン・ドアーズは(北朝鮮で)推計約7万人のキリスト教徒が労働収容所に収容され、その信仰のみを理由に、想像しがたい拷問や非人道的で屈辱的な取り扱いを受けていると見ています。この組織的なキリスト教徒に対する迫害は、北朝鮮政権が犯している数多くの非道な人権侵害の1つにすぎません。この国に本当の変化が訪れるのであれば、われわれはそれを願っていますが、この絶望的な人権状況に正面から立ち向かうさらなる交渉が必要です」

バチカン放送(英語版)によると、駐韓バチカン(ローマ教皇庁)大使のシュエレブ大司教は、会談を「真に歴史的」と評価。「(平和に向けた)長く困難の多い道のりの始まりにおいて、重要なページを開いた」と語った。また、韓国カトリック教会の司教らは会談を受け、今月17日から25日まで、朝鮮半島の平和と和解、統一を願って「ノベナ(9日間の祈り)」を行うことを計画している。
シュエレブ大司教は「教皇庁は対話と和解に有益なあらゆる招きに対し、支援を提供することを望んでおり、これをイエス・キリストの良き知らせを北朝鮮に伝える機会とすることを願っている」と語った。

以上のように北朝鮮では宗教を信じていると逮捕されるのです。当然、仏教を信じてもいけないのです。それは宗教をこの世から排除しようとする共産主義に違反するからなのです。
共産党独裁の中国やベトナムには政府に反抗しないかぎり宗教は自由です。市場経済政策を実施すれば、宗教は自由になります。

トランプ大統領はシンガポールの米朝会談で金正恩委員長と信仰の自由や人権の保護の重要なことをあまり熱心に話合わなかったようです。
その重要性への信念がないのです。ですから拉致問題を取り上げてても、軽くとってつけたような言及に過ぎなかったのでしょう。
安倍総理に頼まれたから言っただけです。今後は安倍総理の人権の重要性への信念の強さが試されるでしょう。

日本のニュースでは北朝鮮の宗教弾圧は報道されていません。しかし欧米の報道をみると多くの報道があります。
宗教を信じている人々のトランプ大統領への評価は必ずしも高いとは言えないようです。困ったものです。

今日の挿し絵代わりの写真は我が家の庭に咲いている花々の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。 後藤和弘(藤山杜人)