川物語(2)として今日は千曲川をご紹介したいと思います。そして島 崎 藤 村の「千曲川旅情の歌」を掲載いたします。
千曲川は信濃川の支流です。以前に私は小諸の城跡の崖の上から千曲川を見下ろして大変感動しました。残雪の北アルプスを背景に、青く光る川がゆるやかに蛇行しながら流れていたのです。詩情わく風景です。
その千曲川の写真を示します。
1番目の写真は八ヶ岳の麓を流れる千曲川です。写真はインターネットからお借りした千曲川の写真です。
2番目の写真は残雪の北アルプスを背景にして流れる千曲川です。インターネットからお借りした写真です。
千曲川は、長野県、埼玉県、山梨県の3県の境にある甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)が源の一つです。もう一つの源は八ヶ岳の東の麓です。
そして佐久、上田の2つの盆地を流れて長野市で犀川と合流します。長野市の東縁を流れ、新潟県境に入ると信濃川と名を変えます。
さて千曲川を見下ろす小諸の城跡の崖の脇に「千曲川旅情の歌」を刻んだ碑がありました。
さて千曲川を見下ろす小諸の城跡の崖の脇に「千曲川旅情の歌」を刻んだ碑がありました。
千曲川旅情の歌 島 崎 藤 村
小諸なる古城のほとり
雲白く遊子(いうし)悲しむ
緑なす繁蔞(はこべ)は萌えず
若草も藉くによしなし
しろがねの衾(ふすま)の岡邊
日に溶けて淡雪流る
あたゝかき光はあれど
野に滿つる香(かをり)も知らず
淺くのみ春は霞みて
麥の色わづかにし
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ
暮れ行けば淺間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて
草枕しばし慰む
藤村の千曲川旅情の歌をご紹介したので小諸の城跡の写真を示します。藤村が小諸の小学校の教師をしていた頃によく散歩した城跡です。
3番目の写真は小諸城の一番重要な追手門の写真です。この門は小諸駅の北口公園にあり江戸初期の建造物です。国の重要文化財です。懐古園の扁額のある三の門からは300m位も離れていて小諸城の規模の大きさが伺えられます。家内が走っていって撮って来た写真です。
4番目の写真は懐古園の扁額のある三の門です。この門を入ると広い本丸あとになっています。
5番目の写真はが本丸あとにある藤村記念暗です。
今日は川物語(2)として千曲川をご紹介しました。そして島 崎 藤 村の「千曲川旅情の歌」を掲載いたしました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
=====参考資料=========================
千曲川旅情の歌の続き:
昨日またかくてありけり
今日もまたかくてありなむ
この命なにを齷齪(あくせく)
明日をのみ思ひわづらふ
いくたびか榮枯の夢の
消え殘る谷に下りて
河波のいざよふ見れば
砂まじり水巻き歸る
嗚呼古城なにをか語り
岸の波なにをか答ふ
過(いに)し世を靜かに思へ
百年(もゝとせ)もきのふのごとし
千曲川柳霞みて
春淺く水流れたり
たゞひとり岩をめぐりて
この岸に愁(うれひ)を繋(つな)ぐ