後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「中国文化(1)ドイツ人の忠告と周栄章教授によって私の中国観が変わった」

2023年07月27日 | インポート

の中国観の形成過程で一番重要だったのは、1969年と70年、ドイツのストッツガルト市にあるマックスプランク研究所で、フンボルト奨学金を受けて研究をしていた時に得た体験でした。研究所で「固体電解質の物理」という専門書の一つの章を共同執筆した研究者プルシュケル氏の言葉が私の考えを根底から変えました。

(1)プルシュケル氏の忠告

「日本人は中国人を軽蔑しているが、欧州人は中国を軽蔑している日本人を信用も尊敬もしないよ。もっと東洋と西洋の文化と相互交流の歴史を考えて、東洋の利益を考えるべきでは」「西洋の近代植民地主義に便乗するのではなく、東洋の利益、日本の利益を基本的に考えて西洋諸国と交流するのがよいと思う」

プルシュケル氏は東ドイツにある村に同姓の村人数百人と一緒に住んでいました。ロシア軍が侵入した時に同族は皆殺しに遭い、1人だけ生き延びて西ドイツに逃げ、研究所の主任研究員(後に大学教授)になった人です。

(2)周栄章教授のこと
1979年、ベルサイユ宮殿前の国際会議場で北京鉄鋼学院の周栄章教授に会った時、この話をしました。周氏は共産軍とともに天津市を占領し、民生行政に参加した人でした。この周氏との出会いが後に中国へ行くキッカケになりました。

中国の首相、周恩来が死んだ時、中央政府は公的葬式以外の一切の私的な追悼会のような集会を禁止しました。1980年に北京に行った私に、周栄章・北京鉄鋼学院教授が声をひそめて「中国人がどんな人間か見せたいから今夜ホテルへ迎えに行く」と言いました。

(3)地下室で見た中国人の本音
暗夜に紛れて連れて行かれた所は、深い地下に埋め込んだ大學の地下室でした。明るい照明がついた大きな部屋の壁一面に、周恩来の写真、詩文、花束などが飾られていました。周氏は「中国人が一番好きな人は毛沢東ではなく周恩来ですよ。中央政府が何と言ったってやることはちゃんとやるよ。それが中国人の根性なのです」と言い切りました。

外国人の私が政府側へ密告しないとどうして信用できたのでしょうか。

(4)旅順工大卒業の陸学長のこと

中国東北部の瀋陽に行った時、東北工科大學の陸学長がニコニコして「私は日本人の作った旅順工大の卒業です」ときれいな日本語で言いました。そこで、東北大学金属工学科で電気冶金学を習った森岡先生が旅順工大にいたことを話しましたら、「悪い先生もいましたが、大変お世話になった素晴らしい日本の先生もいました。ご恩は忘れません」と懐かしそうでした。中国人、少なくともインテリの方は個人の付き合いと国家同士の論争とは分離して考えているようです。


以上の体験によって私の中国観が変わったのです。根底から変わったのです。それからは中国人を深く理解し、その文化に強い興味を持つようになったのです。そして私の中国訪問が始まったのです。
そこで私の中国への旅で見聞きしたことを連載記事として明日からお送りしたいと思います。

添付の写真は北京にある故宮です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)


「真冬の風景写真を眺めていると本当に涼しい気分になった」

2023年07月27日 | 写真
こんな真冬の風景写真を眺めていると本当に涼しい気分になりました。
その写真をお送りいたしますので皆さまも涼しい気分になって下さい。
写真の出典は、https://www.pixpot.net/photos/gallery/2/winter です。



「猛暑続きなので南極に行ったヨットの写真をお送り致します

2023年07月27日 | 写真
猛暑日が続いています。もう一つ、見て涼しくなるような南極の写真をお送りいたします。
今日、ご紹介します写真は片岡佳哉さんが撮影したものです。彼は岩手県盛岡市で1953年に生まれ、東北大学理学部在籍中にヨットに出合います。
全長7.5mという小さな中古ヨットで宮城県浜田港を出発しました。それは1981年のことでした。
それでは早速、南極の写真をご紹介いたします。
写真の出典は全て、 [ヨット青海]http://aomi-sailing.com/  です。
1番目の写真は南極の火山島、デセプション島の内部の風景です。
2番目の写真は南極の陸からの長い舫ロープで係留し夜の眠りの準備が終わったヨットの姿です。
3番目の写真は南極の山々を背景にしてアンカーで海底に固定して停泊しているヨットの姿です。
4番目の写真は2本の舫ロープを岸から張り、さらにアンカーを降ろして停泊しているヨットの姿です。

いかがでしょうか?少しは涼しい気分になられたでしょうか?


それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)