後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「中国文化(4)遣隋使、遣唐使と唐の官僚体制」

2023年07月30日 | 日記・エッセイ・コラム
日本の縄文時代に中国では始皇帝が全中国を統一し、官僚制で統治していたのです。日本と中国の文化の差は大きかったのです。
始皇帝は紀元前259年に生まれ 紀元前210年に没しました。秦の王に即位した後、勢力を拡大し紀元前221年に中国史上初めて天下統一を果たしたのです。
始皇帝は支配地全土に郡県制を施行したほか、文字・貨幣・度量衡などの統一を行い、後の中国の皇帝政治の基礎を築いたのです。
一方、日本は遅れること約800年後の6世紀に大和朝廷が全国を統一したのです。当然、大和朝廷は中国の隋や唐の制度や文化を導入しようと努力します。それが遣隋使と遣唐使でした。
遣隋使とは推古朝の時代に技術や制度を学ぶために隋に派遣した朝貢使のことです。600年(推古8年) - 618年(推古26年)の18年間に3回から5回派遣されています。
そして遣唐使は遣隋使の後に朝廷が唐に派遣した使節です。 目的は国際情勢を知り大陸文化を輸入することでした。 使節団の構成は大使,留学生,船員の3者からなっています。 一行は240〜250人から500人以上に及び,ふつう4隻の船に乗って行ったのです。 
630〜894年の間に18回の遣唐使任命があり,そのうち実際に渡海したのは15回でした。4隻の航路は初め北路,中期に南島路,末期には南路をとったのです。
留学生・学問僧として有名なのは、吉備真備 (きびのまきび) ・玄昉 (げんぼう) ・最澄・空海らがいます。阿倍仲麻呂は日本に帰らず異国の土となり「天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」の歌が伝わりました。

894年の菅原道真の建議により遣唐使は中止になりました。唐が内乱で混乱したからです。以後,中国との正式国交は室町時代の勘合貿易まで中絶されたのです。
遣唐使は日本からは原材料の朝貢品を献上し、唐皇帝から返礼品の工芸品や絹織物などが回賜として下賜されるうまみのある公貿易でした。
それらの物品は正倉院に残っています。旧唐書倭国伝には、日本の吉備真備と推察される留学生が、唐朝から受けた留学手当は全て書物に費やし、帰国していったと言う話が残されています。ここで当時の唐の服装と遣唐使に使った船の写真を示します。
1番目の写真は唐の子供の衣装です。唐時代の子供の絵から日本で再現した衣装です。
2番目の写真は唐時代の男の衣装です。唐時代の絵から日本で再現したものです。
3番目の写真は唐時代の女の衣装です。
4番目の写真は遣唐使が乗って行った船を日本で復元した船です。帆が竹を編んだ固いものなので風上に登る性能はありありません。操船性の悪い帆船でした。

5番目の写真は少し豪華な船です。しかし2本マストで操船性の悪い帆船です。

唐(618年 - 907年)は7世紀の最盛期には、中央アジアの砂漠地帯も支配する大帝国で、中央アジアや、東南アジア、北東アジア諸国(朝鮮半島や渤海、日本など)に、政制・文化などの面で多大な影響を与えた先進国でした。首都は長安でした。
唐は進んだ中央官制の国でした。
律令制下の官制は三省を頂点とします。中書省が詔勅(皇帝の命令)の起草、門下省がその審議を行ない、尚書省が配下の六部(礼部・吏部・戸部・兵部・刑部・工部)を通して詔勅を実行したのです。
門下省の長官、中書省の長官、尚書省の長官などが宰相職とされ、重要政策は宰相の合議によって決定されました。
税制は「均田制」および「租庸調」でした。
均田制は全国の丁男(21歳から59歳までの男性)一人につき、水田が支給されたのです。
また官職にある者は職分田が与えられる(これは辞職した時に返却する)。その他にも丁男がいない戸、商工業者、僧侶・道士などの特別な戸に対してもそれぞれ支給量が決められていました。
農民は租庸調と呼ばれる税を納める義務がありました。租は粟(穀物)2石、調は絹2丈と綿3両を収めるのです。年間20日の労役の義務があり、これを免除して貰うために納める税を庸と呼び、労役1日に対し絹3尺あるいは布3.75尺を収める。府兵制は軍府という軍組織に所属する民に対して租調役を免除する代わりに兵役を課す。
以上のように唐の支配体制は厳密、詳細に決めてあり大和朝廷の手本になったのです。当時の中国は先進国であったのです。

今日は遣隋使、遣唐使について説明し、唐の官僚体制の先進性を説明致しました。日本の律令制は中国の制度を参考にして7世紀後期(飛鳥時代後期)から10世紀頃まで実施されたのです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

「今日の年間第17主日のミサの動画配信」

2023年07月30日 | 日記
今日の年間第17主日のミサの動画配信です。

関口教会の動画配信、
https://www.youtube.com/watch?v=GpZwkSIUFCc

イグナチオ教会のミサ動画配信、
https://www.ignatius.gr.jp/news/streaming.html

写真のカトリック教会は五島列島の教会の写真です。