1945年の敗戦以来、実に64年間に亘って日本全国に米軍の広大な基地が存在し続けています。今後も数十年以上にわたって存続するでしょう。
日本国内の数多くの米軍基地の存在を我々日本人はどのように考えれば民族の自尊心を傷つけないのでしょうか?またどのように考えると日本民族を貶めないのでしょうか?
答えは明快です。アメリカ合衆国が自国の完璧な防衛のために日本の土地を借りて軍事基地を置いているのです。そのお礼としてアメリカは日本の防衛にも努力してくれているのです。日本の防衛の一部を担ってくれているのですから、日本は基地の管理運営の費用の適切な部分を負担しているのです。
日米安保条約の精神は相互協力によって日米両国の安全をより確かなものにするということにあります。
相互協力である以上、日本も軍備、軍隊を持って自律的に自分の防衛に努力しなければいけません。そのために自衛隊が存在するのです。
日本は独立国ですので自衛隊の使い方は自分で決めます。防衛目的以外には使用しません。国際間の紛争には自衛隊の武力を使いません。これが日本の基本方針で、その事はアメリカも十分な理解を示しています。
アメリカ軍が日本の各地に駐留し、その軍事力が自衛隊より格段に大きいのは事実です。
従ってアメリカは日本を占領して植民地にしていると主張する人々もいます。このような発想法とものの言い方こそが日本民族を貶めるのです。
西欧諸国がアフリカ、南米、インド、東南アジアに多くの植民地を所有していた時代がありました。植民地の主権を認めず、搾取し、隷属させていました。そのような植民地と日本は同じだと考えることこそが、自分を貶め、卑屈にしているのです。
アメリカは世界のリーダー的存在になってきたのはその軍事力だけではないのです。同盟している色々な国々の主権を尊重し、人権が守られている限り内政には干渉しないという努力をしています。それだから世界のリーダーとして認める人々が多いのです。
しかしアメリカ人も人間である以上、酷い間違いを度々犯しました。ベトナム戦争、アフガニスタン侵攻、イラク占領などはその例です。しかし一方に於いてはソ連を冷戦で追い込み、圧勝し、東ヨーロッパの国々をロシアの圧政から解放した功績は偉大と言わざるを得ません。ポーランド、チェコ、ソロバキア、リトワニア、ラトビア、エストニア、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、そして東ドイツの主権が回復出来たのです。これは20世紀のアメリカの偉大な功績であります。このことに反対する人は居ないと思います。
日本人はアメリカの軍事基地があるからといって卑屈な発想法を持ったり、自分自身を貶めるものの言い方をしない方が良いと思います。いつも顔を上に上げ、誇り高い気持ちで、他国の文化を尊重すれば、もっともっと住み良い国になると信じています。(続く)
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人