先日、このブログである展覧会の案内記事:(展覧会、「FLOWERS AND VESSELS」のご案内です)を掲載しました。
出品作品は山崎礼子さんの草月流活け花と娘さんの夫のライアン・フェンチェルさん制作の花瓶とドローイングのコラボレーションです。
その展覧会が盛会裡に終了し、主催者の山崎礼子さんから出展作品の写真5枚と、展覧会開催にいたるいきさつをお送りいただきました。以下にその文章の抜粋と写真5枚を上にお送り致します。皆様にもお楽しみ頂ければ嬉しく思います。
====山崎礼子から頂いたお手紙========
後藤和弘 様
早速メールを送って頂き、ありがとうございます。 この度は応援下さいまして心から感謝しております。 今回の展示は、たまたま長女の結婚相手がアーティストだったから実現致しました。
彼は現在シカゴを拠点に活動しています。 実際今もシカゴのギャラリーでショーの最中です。
展示のコンセプトとして、ライアン・フェンチェルはこう言っています。
「制作活動の要素を、美術史(特に古代の陶芸やモダニストのペインティングのスタイル)を通して考察。 新作のパステル・ドローイングと器は、生け花を担当する山崎の作品を考えながら制作したもので、マテリアルに選んだ粘土を含め、色や形をアレンジしたドローイング群では、生け花という”動作”をフェンチェル流に真似て表現している。自分の作品に対して、花を生ける山崎が返答する。そこで初めて完成する、共同制作である」
======山崎礼子さんのコラボへ対する考え方=======
ウィーン在住時代、私は初めて生け花と書道家の墨絵のコラボを経験しました。
お互いが主張し合わず、ひとつの空間にある(バランスというのとは違うのですが)ということを、今回も意識してお花を生けました。ドローイングの色と動き、質感を生かせるよう、極力無駄なものを排しました。
葉や緑が少ないことで柔らかな印象が薄まったかもしれませんが、緊張感も含めた心地良さを目指しました。それが実現できたかどうかは観る方の判断に委ねるしかありません。
反省点も多々ありますが、この経験を生かしてまた新たな創作につなげたいと思っています。
==========山崎礼子さんの今までの創作活動=======
私がお花を始めたのは20代半ばで、草月流理事の先生に師事していましたが、先生がお亡くなりになってからは一人で生けております。
モスクワでの生活が二度あり、通算9年弱おります間に、日本文化週間で作品を展示したり、ホールでワークショップをやらせてもらったり、日本文化紹介のテレビ番組の取材を受けて、先輩婦人と作品を紹介してもらった経験もございます。
ウィーン時代は草月ウィーン支部でお仲間とグループ展を開いたり、大使公邸のお花を生けたり、国際代表部職員の御夫人方を対象にワークショップの講師も務めさせて頂きました。
帰国してからしばらくそういう機会がありませんでしたので、今回は久し振りの発表の場になり、とても刺激的でした。大変でしたが、性懲りもなく、次回はアメリカでと野望も持っています。
音楽や文芸やあちこち手を広げていますが、いつかこれがひとつになって集大成できる日が来ることを夢見て頑張っております。そんな私の活動に対して応援下さったこと、心から感謝しております。
写真は今回知人に一任しており、あまり手元にないのですが、私が撮った数枚をお送りいたします。また記事も書いて下さるとのこと、恐縮すると同時に、光栄に思っております。
後藤様のブログを拝読していると、とても格調高く、私などは尻込みしてしまうのですが、記事を載せて頂いたら、私も少しは品がよくなるかしら、と。
どうぞよろしくお願い致します。書きっぱなしのブログではありますが、
もしよろしかったらまたお訪ね下さい。私も後藤様のブログにお邪魔させて頂きます。今後ともよろしくお願い致します。
最後になりましたが、新しい一年が後藤様にとって素晴らしい年でありますよう。
ご健康とご活躍をお祈りいたします。 山崎 礼子