昨年の三月三十一日に55才で早期退職して丸一年が過ぎた。まさしく、あっと言う間の 一年だった。仕事をしている一年は長いが、何もしていない一年は光陰矢のごとしであ る。この調子だと、あっ・・・あっ・・・あっ・・・と言っている間にお迎えが来ちゃうかも知れな いな。
今日は朝から部屋掃除や不要書類の整理などしていた。年度替わりにこんな気が起き るのは、まだサラリーマン根性が抜けきっていない証拠だろう。退職したら365日が日曜 日、あれもしよう、これもしようと夢を描いていたがさっぱり実現しない。
夢の第一は、何処かの田舎に山小屋建てて、山を歩いて自然観察、読書三昧猫飼っ て、家庭菜園花畑、悠々自適の仙人暮らし。なんてことを考えていたが、一歩を踏み出せ ない。まだこの世に未練が有るんだろうか?商売として元の業界に戻るつもりは一切無い 事だけは確か。と言うより現在と今後の社会情勢を考慮すれば、それは無理である。
現役時代何をやっていたかって?一言で言えば、700兆円の国の借金の一部(極一部 ではあるが)をかすめ取って成り立っている業界に居たわけです。断っておきますが、官 僚や役人じゃありませんよ。彼らにへばり付いて、おこぼれを貰っていたコバンザメみた いなものかな。さらに悪いことには、自然破壊の先兵みたいな職業だった。自然観察人と しては自己矛盾に落ちいって、それで止めちまったわけです。もっとも、沈み行く泥船から 逃げ出すネズミの心境でもあったが。
どうせこの世に未練が有るならば、途中まで手がけた某地方都市の地盤構造解析を最 後までやり遂げ、それから仙人に成ってもいいじゃないか、と思いつつプータロー生活一 周年の今日を迎えたわけです。
さて、これから床屋へ行って温泉に入って、明日から又パソコンに向かって孤独な作業 を再開するかな。