人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

蝦夷梅雨

2006年06月11日 | 今日の雑感雑記

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 昨日は北海道立函館美術館でシルクロード展を見てきた。展示品は、ウズベキスタンの 博物館から借りてきた中世から近世にかけての衣類・陶器・工芸品など。中でも王侯貴族 が着ていた金糸の衣類には、感心・感激・呆れる・驚く、何という贅沢、こんなもの着てい たらさぞや肩がこるだろうなと、貧乏人らしい感想を持ちました。

 帰りに隣の五稜郭公園に寄ったら、霧雨の中ツツジとサガリフジが今を盛りと咲き誇っ ていた。この時期から北海道南西部は蝦夷梅雨となり、函館山も連日上半分が雲の中 だ。梅雨に代表されるモンスーン気候は、インド洋とヒマラヤ山脈がもたらすものでこれよ り西には無い。

 シルクロード展で見た布類や陶器には、草木と花の図柄が多かった。乾燥地帯に暮ら す住人の憧れを示すものだろう。彼らにとっては金糸銀糸の綾錦も、水と緑と花に溢れる この光景の前には色あせて見えるのではないだろうか。人間は無い物ねだりをするのが 本能、誰の言葉か忘れたが「もしもこの世が全て金で出来ていたなら、人々は一握の土くれ を求めて争うだろう」


北海道観光を考える

2006年06月10日 | 今日の雑感雑記

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 北海道の観光地は、自然一流・施設二流・サービス三流と言われます。昔に比べれば、 北海道の自然も相当破壊されてきましたが、まだまだ見るべきものは残っています。施設 は利便性や快適性を指しますが、これは一頃に比べれば幾らか改善されてきたみたいで す。問題はサービスです。サービスとは単に客あしらい(北海道はこれが極端に悪い)だ けではありません。人工的景観や北海道らしさを感じさせてくれる演出も含まれます。

 この写真は20年前の阿寒湖の土産物屋のものです。殺人でも15年経てば時効だから、 この写真に関しては糞味噌に言わせてもらいますよ。ワタシャ一瞬アメリカ村へ迷い込ん だかと思いましたよ。このド派手な色彩感覚、何で看板にローマ字なんだよっ、喫茶店の 名前が宇宙人?普通の民家の正面だけログハウス調にするんじゃない!

 これらどれを取っても「アイヌコタン」のイメージは有りません。アイヌ民族の文化を愚弄 しているとしか思えません。国内観光客だけならまだしも、外国の人はどう思うでしょう? その後阿寒湖には行っていないので、ネットで調べてみたら色彩感覚だけは改善されて いるようだったが、北海道の自然にはマッチしない異次元空間の感じ。やはり喫茶店の名 前は「宇宙人」でいいのかな?


キンギンボク

2006年06月09日 | 写真

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 今日は樹木の花、キンギンボク(金銀木)またはヒョウタンボク(瓢箪木)です。公園樹や 生け垣などに植えられ、何処にでも有る樹ですがこの時期花を咲かせます。小さく地味な 花ですが、拡大して見れば真綿で出来ている様な感じです。秋になれば、赤い実が二つ 並んで着き、瓢箪木の名はここから付きました。


花の小道

2006年06月08日 | 写真

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 ちょいと山の中へ入れば、まだ春の花が咲いています。山道の脇に咲くヒトリシズカとシ ラネアオイです。山の上へ登れば、ミネザクラがちょうど咲き始めたところです。ここ道南 地方では、標高1000m当たり約一月暦が戻ります。


ノウゴウイチゴ

2006年06月07日 | 自然観察

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 高山の山道脇に良く見られるイチゴです。小粒ですが食べると美味しいイチゴ、栽培種 の原種かも知れません。私達が食料としている品種には、全て原種が有ります。本を正 せば全て野の花です。花が無ければ実が付きません。花も実もある話ちは、すなわち実 のある話。花だけではなく、結果として実がなければなりません。ライブドアに村上ファン ド、どうも花だけの世界のように見えます。野の花は、誰にも見られず綺麗な花を咲か せ、誰に食べられることなく実をつけます。


ニセコ山系落日

2006年06月06日 | 写真

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 昨日は札幌からの帰り、ニセコの五色温泉へ寄ってきました。白濁した五色温泉の湯 は、いかにも火山性の温泉で私の好きな場所の一つです。温泉と言えばやはり、硫黄の 湯ノ花と硫化水素の臭いがなければ温泉らしくありません。硫化水素が多すぎると問題で すが、温泉とフグ道楽はそれなりの覚悟が必要です。温泉道楽?それなりの覚悟のアホ みたいな(失礼)本をおすすめ本に紹介「誰も行けない温泉 最後の聖泉」大原利雄で す。それにして昨日の五色温泉は、湯ノ花が少なく硫化水素の臭いが薄かった様な気が する。気のせいか、今年は雪が多かったせいか?。帰りに撮ったチセヌプリ(だと思う)へ の落日の写真です。


オオバミゾホオズキ

2006年06月04日 | 写真

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 明日は休みなので、まとめて投稿。オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿)溝に好んで生える ことから命名された、とあるが本当に砂防ダム下の水路の中に群生していた。ところでホ オズキの漢字、「酸漿」絶対に読めない。そこで広辞苑で調べてみたら、「酸漿・鬼灯」ホ ホズキ-語源は「頬付」か、とあった。当て字でもないし、こういうのを何と言うのだろう。

 浅草寺のホオズキ市は鬼灯市と書くらしい。これも何だかよく分からない。ちなみに「頬 付」とは、かおつきのこと。本来のホオズキはナス科だが、これはゴマノハグサ科でこの科 に属するものでポピュラーなものにオオイヌノフグリが有る。


湿原早春

2006年06月04日 | 今日の雑感雑記

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 昨日は終日快晴、陽気に誘われて横津岳へ出かけた。湿原はまだ枯野、花一つ咲いて いません。昨年のツルコケモモの赤い実が、コケの布団にくるまれて残っていました。小さ な淡紅色の花が咲くのは今月下旬か。七月には湿原の周りがお花畑へと変わります。

 この写真で池塘の水面が、左側の地面より高いのが解ると思います。年々泥炭が堆積 し、水面を押し上げているのです。それにしても、よく水が漏れないものだと感心してしま いました。フカフカの泥炭ですが、その透水係数は以外と小さいことは良く知られているこ とですが、これで実証されています。


春の海

2006年06月02日 | 写真

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 今月21日は夏至である。ここ北国では、あと二十日程で夏至ると言われてもピンとこな い。稚内や根室方面では、未だストーブを付ける日も有るそうだ。道南地方でもやっとヤ マツツジが咲き、春本番の感。四季の移ろいを表現する日本語は、奈良京都地方を標準 として発生したのだからいたしかたがない。当時は、蝦夷地や琉球国は念頭に無い。

 私の勝手な季節感だが、日照時間の最も長い夏至と八月の盛夏が一致すれば、いか にも「夏ッ!」の感じがするのだが。でもこれは北国の人間の希望、南の方では唯でも暑 いのだから早く日が落ちてくれ、と言うのが本音だろう。

 ちなみに今年の夏至の日の出日の入りを根室と那覇で調べてみた。根室は3:37~19:02 那覇は5:37~19:25である。日の出時刻は二時間も違うのに、日の入り時刻は二十三分し か違わない。これは地軸が23.5°傾いているためである。

 では今年の冬至ではどうか、根室は6:47~15:45那覇は7:13~17:43である。沖縄の人は 夜型で、午前様まで飲んで騒いでいるのは日没時間が遅いためと思っていたが、このデ ーターからすればそうでもないらしい。ようするに唯の飲ベイなだけなんだろうな。


ノビネチドリ

2006年06月01日 | 写真

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 スプリング・エフェメラル(春の儚い命)も文字どうり終わってしまい、野の花達も一休み の状態。でも二輪草などはしぶとく咲いている。函館山散策路にノビネチドリが咲いてい た。この花が咲き始めると、次は夏の花の時期となる。