100回泣くこと | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |
【一口紹介】
◆出版社 / 著者からの内容紹介◆
今最注目の野間文芸新人賞作家最新恋愛小説。
実家で飼っていた愛犬・ブックが死にそうだ、という連絡を受けた僕は、彼女から「バイクで帰ってあげなよ」といわれる。
ブックは、僕の2ストのバイクが吐き出すエンジン音が何より大好きだったのだ。
4年近く乗っていなかったバイク。
彼女と一緒にキャブレターを分解し、そこで、僕は彼女に「結婚しよう」と告げた。
彼女は、1年間(結婚の)練習をしよう、といってくれた。
愛犬も一命を取り留めた。
愛犬→バイク修理→プロポーズ??。幸せの連続線はこのままどこまでも続くんだ、と思っていた。
ずっとずっと続くんだと思っていた。
精緻にしてキュート、清冽で伸びやか。
今、最注目の野間文芸新人賞作家が放つ恋愛長編。
【読んだ理由】
なぜこの本を図書館に予約したか不明、思い出せない。
【印象に残った一行】
前に来てくれ、という申し出を固辞して、僕は葬儀場の一番後ろに立った。
彼女を愛し、彼女を見送るすべての人を、胸に刻むつもりでそこに立った。
最後に彼女の父親の挨拶があった。
彼女への感謝と愛。
彼女の所為がどれほどの輝きに満ちたものであったか、それが周りにどれほどの希望をもたらしたか。
言葉を詰まらせながら父親は語った。
---君と過ごした時間を胸に、笑われは残りの時間を生きていきます。
最後にこらえきれず、父親は嗚咽した。
出棺の時間になった。
もう死んでしまった彼女を、追体験のようにもう一度見送る。
そして彼女は焼かれる。
真っ白な灰に焼かれる。
健やかなるときも 病めるときも
喜びのときも 悲しみのときも
富めるときも 貧しきときも
これを愛し これを敬い
これを慰め これを助け
死が二人を別つまで 共に生きることを誓いますか
【コメント】
久しぶりの悲しい結末の恋愛小説。
何故読もうと思ったかはいまだに思いだせない。