長野県出身・在住のプロ演奏家からなるアンサンブル・ノーヴァの今回の演奏会は、指揮がユベール・スダーンで、曲目も多彩なので、聴きに行ってきました。ユベール・スダーンさんは、2004年から東京交響楽団で10年間にわたり音楽監督を務め、今月、オーケストラ・アンサンブル金沢の首席客演指揮者に就任する、日本で人気のある指揮者です
(出 演)
指揮:ユベール・スダーン
ホルン:水野信行
ピアノ:舘野 泉
管弦楽:アンサンブル・ノーヴァ
(曲 目)
モーツァルト / 交響曲第1番 変ホ長調 K.16
R. シュトラウス / ホルン協奏曲第1番 変ホ長調 作品11
<休憩>
ラヴェル / 組曲「マ・メール・ロワ」
ラヴェル / 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
カッチー二 「アヴェ・マリア」(吉松隆編曲) (舘野泉さんのアンコール曲)
(感 想)
アンサンブル・ノーヴァは、全体にスダーンの指揮のもと、まとまった演奏を繰り広げていました。スダーンさんの指揮は穏やかで上品な感じがしますが、ラヴェルの曲では振幅も大きい指揮ぶりでした。モーツァルトの交響曲第1番では、闊達で明るい響きを出していて、モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督だったという経歴の紹介に目がいきました。
R. シュトラウスのホルン協奏曲第1番は、アンサンブル・ノーヴァの団員でもある水野信行さんの独奏です。最初のファンファーレ風の主題が印象に残りますが、水野さんのまろやかで柔らな響きが第3楽章まで続いていました。
後半のラヴェルの「マ・メール・ロワ」は、団員のソロにも焦点が当たり、当楽団のコンサートマスターの原雅道さん(九州交響楽団コンサートマスター)のヴァイオリンを始め、弦や木管など次々と登場する楽器の音色も多彩で見事なものでした。
ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」は、最初に地響きのような低音が続きますが、さすがにオーケストラの生演奏は素晴らしく、ここを実際に聴くことができ、ラヴェルはすごいなと感激しました。舘野泉さんの独奏もオーケストラと対等な迫力のあるものでした。
【アンサンブル・ノーヴァ】
ホームページ:ensemblenova.net
【ラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」のCD】
あらかじめ聴いていったCDです。ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」は、ジャズの影響も見られると言われていますが、聴いていると、逆にエリック・ドルフィー(bcl,as,fl)のサウンドやフレーズを想い起しました。