クラシック関連の雑誌「モーストリークラシック」2019年10月号の特集は「ブラームスの魅力」で、内容が面白そうだったので、つい購入しました。ブラームスは日本で人気があり、それは彼の音楽は短調が多く、長調でも陰りがあり、ほの暗く、それに共感するからだろうと書いてありました。確かに渋くて愁いが感じられる曲が多い気がします。今夜のジャズも渋めで。
AL HEIG (アル・ヘイグ)
BLUE MANHATTAN (Interplay 1980年録音)
アル・ヘイグ(p, 1922~82年)は、70年代半ばから亡くなるまでに多くの作品を残しましたが、地味で渋めな印象が拭えません。もともとガレスピーやパーカー、ゲッツらと共演していた優れたピアニストだけに、選曲やメンバーによっては、よいものがあり、これもそんな一枚です。
メンバーは、アル・ヘイグ(p)、レジー・ジョンソン(b)、フランク・ガント(ds)。プロデューサーは妙中俊哉さんで、ニューヨークにおける録音です。フランク・ガントの起用はありがたいところで、「Un Poco Loco」では、バド・パウエルの録音におけるマックス・ローチと全く異なり、「カンカン」と叩いていないので好感が持てます。
曲は、バド・パウエル作「Un Poco Loco」、ジャンゴ・ラインハルト作「Nuages」(雲)、アル・ヘイグの自作「Blue Manhattan」、アル・ガファ作「The Land of Living Dead」、ウェイン・ショーター作「Footprints」、アル・ガファ作「 Barcelona」の全6曲。ギター奏者のアル・ガファの曲は、味わい深い。なお、CDには追加曲があります。
アル・ヘイグ(p)は、「Un Poco Loco」や「Footprints」といった有名曲に真正面から取り組んでいて、迫力やスリルがあって悪くありませんが、アル・ガファ作の「Land of Living Dead」と「Barcelona」における、格調が高く憂愁が漂う演奏が強く印象に残ります。早い曲ではお決まりのフレーズも弾いていますが、アドリブは全体に多彩です。レジー・ジョンソン(b)は「Barcelona」などでソロをとっていますが、べースの音量レベルはもっと上げてほしいところです。ガント(ds)の邪魔をしないドラムスも見事です。
【モーストリークラシック2019年10月号】
表紙。
ブラームスと日本人について書かれた文章。
交響曲第2番の紹介。この曲を作ったときに滞在していたベルチャハの景色が美しい。
ヴァイオリンソナタの紹介。1番は「雨の歌」と名付けられています。
ブラームスは、低弦が好きなようで、ヴィオラの曲を書いています。
シェーンベルクはブラームスの影響を受けているそうです。初めて知りました。
ブラームスの曲を聴ける音楽会の案内です。年末までのものですが、結構多いです。群馬交響楽団も来年1月の定期演奏会で、交響曲第2番とヴァイオリン協奏曲を取り上げるので、そのチケットを入手しました。今から楽しみです。