安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

後藤雅洋著「ジャズ喫茶いーぐるの現代ジャズ入門」(シンコーミュージック)。労作で実用的な本です。

2023-10-25 19:30:00 | 読書

東京四谷のジャズ喫茶いーぐるの店主、後藤雅洋さんによる「現代ジャズ入門」を書店で手にとり、即購入しました。

   

表紙

(本書の内容紹介)

丁寧、明快かつシンプルに「現代ジャズ」の面白さを解き明かす新たな試み。一見異質でハードルが高そうな「現代ジャズ」も、伝統的・正統的な「ジャズ」の延長線上にあると説き、ジャズ・ファンに現在進行形のジャズに触れて欲しいと、論評とアルバム解説200枚(すぐに聴けるQRコード付き)が記されている。
 
(大まかな目次)

第1章 現代ジャズ紹介──伝統的ジャズと連続性を持つ現代ジャズの特徴

(1)「ポピュラリティの復権」~ヴォーカル、コーラスの多用~楽曲の重視

(2)「混合・融合音楽としてのジャズ」~"サウンド"の復権
a. エスニック・テイストの導入
b. クラシック的手法の採用
c. エレクトロニカ・ミュージッックの影響とリズムの進化
d. 作曲・アレンジの重視

(3)「世界音楽」としてのジャズ
a. 「世界音楽」とは~ジャズ最強音楽説
b. 「世界音楽化」を象徴するUKジャズの活性化
c. UKの特殊状況
d. ミュージシャン紹介

第2章 現代ジャズの面白さを伝えるアルバム「特選200枚」

第3章 ジャズ史における現代ジャズの位置付け──ジャズを取り巻く環境の変化

(感想など)
 
現代のジャズを扱った待望の本です。日々、ジャズ喫茶の経営を行い、最新のアルバムに耳を傾け、来日ミュージシャンのライブに出かけなければ、書けない内容です。さすがにジャズ喫茶「いーぐる」の店主、後藤雅洋さんの執筆です。
 
なんといっても現代ジャズのアルバム紹介が素晴らしい。200枚のアルバムの選択と、そこにつけられたコメントは、かなり手がかかっているはずです。僕の好みで選択し、聴いてみますが、その前提として、200枚のまとまった紹介がとてもありがたい。また、すぐに聴けるQRコード付きというのも画期的です。
 
後藤さんが経営するジャズ喫茶には、若い女性のお客様も増え、ブルーノート東京の来日ミュージシャンの公演には、若いファンが詰めかけているそうです。僕には、ちょっと想像ができませんが、ジャズファンが増えるのはとても嬉しいことです。 
 

(本書を読んで、気になったミュージシャン) 

カマシ・ワシントン(ts)。ほとんど聴いてないので、ちょっと聴いてみたい。

著者の評価の高いグループです。

上原ひろみ。映画「Blue Giant」の音楽を手がけたので、名前は知っています。クラシックに近づいたアルバムがあるようなので、それを聴いてみたい。

 

(紹介されている200枚のうち持っているアルバム例)

福居良のもので、好きなアルバムです。これを高く評価しているのは嬉しい。拙ブログの掲載ページへのリンク:福居 良「SCENERY」

これを挙げてあるのには驚きました。著者の後藤さんは、伝統を踏まえたジャズにも目配りしています。僕は、先月、ブログにアップしました。リンク:ジョー・マグナレリ「NEW YORK OSAKA JUNCTION」

 

(200枚の中で、購入したいアルバム)

このメンバーのライブを聴いたことがあります。拙ブログのその記事へのリンク:佐々木梨子(as)が参加した中村海斗(ds)カルテットライブ。 その時の演奏内容がよかったので、このCDも購入して聴いてみたい。

上原ひろみ(p)と弦楽四重奏団との演奏。聴いてみたい。

 

(本書に登場するミュージシャンなど、帯の裏面)