今回の旅は、プーケット、シミラン諸島(9つの島があるが、うち行った島の数は6つ)、ピピ島(2つ)、台湾という、島の数だけなら10個という盛りだくさんの旅であった。もっとも、メインとなるのは
シミラン諸島とピピ島である。バーディーはプーケットには5回ほど行っているが、いまだに島で泳いだことがない。また、台湾は、食事と足ツボマッサージが目当て。
細木数子のようにズバリ言うと、私は今回の旅で理想のパラダイス・アイランドを発見したのである。その名はシミラン。言い古されているかもしれないが、「海の青さが違う」!透き通ったカクテルのような・空の青さをそのまま写したようなサファイヤ・ブルーである。火山島であるハワイのやや毒々しいダーク・ブルーとは違うし、シャム湾側にある
タオ島のようなエメラルド・グリーンに近いブルー(これはこれで魅力的ではあるが)とも違う。とにかく、人間が想像しうるもっとも美しい海の色といってよいのである。
それだけではない。ここは、ウミガメ、サメ、バラクーダ、マンタなどといった大物と遭遇する確率が高いことでも有名である。実際私も、ウミガメ2匹、バラクーダ1匹とシュノーケリング中に遭遇し、ウミガメには手を触れることもできたのである。ちなみに同行者はマンタに遭遇したそうである。
こんなパラダイス・アイランドに対して、かの飯田泰生さんは、海の青さを絶賛する一方で、「バンガローも食事も最悪」などとけなしている。実はこれは、かつてピピ島におしかけて楽園を破壊したミーハーな奴らを遠ざけるための、賢い配慮であるように思われる。そもそも、立派な宿泊施設がないからこそ楽園を維持できるのだ。ここで、「バンガローが最悪」とは、具体的にはトイレが清潔でないことを指すのであろう。私はシミランNO8に泊まったが、バンガローは津波で破壊されており、テントで寝る羽目となった。そうすると、トイレは必然的に共同のものを使わなければならない。当然、「紙」はない。おしりに水を流しながら手で拭くことは、おそらく清潔好きな日本人(特に女性)には耐えられないだろう。
・・・そう、それでよい。楽園とは、人間が、昔のままの生活を送ることのできるところなのである。