最高裁で逆転無罪となった事件の判決文を読んでみて、裁判官の「世界観の違い」に驚いた。
争点は被害者供述の信用性判断の問題で、多数意見は「信用できない」としているのに対し、検事出身の古田判事一人が反対意見を述べている。
古田判事は、「殺すぞ」と脅された女性は、常人には理解しがたい心理状態に陥ることを強調し、それゆえすぐ近くにあった交番に駆け込むこともできなかったのだと述べている。多数意見は、人通りの多い路上で、唐突に「殺すぞ」と発言すること自体が不自然だと言っているので、スタートからして対立していることになる。
おそらく、古田判事とそれ以外の判事とでは、基本的な物の見方の点で違いがあるように思われる。そして、この「世界観の違い」が、有罪・無罪の判断を分けてしまうのだ。
争点は被害者供述の信用性判断の問題で、多数意見は「信用できない」としているのに対し、検事出身の古田判事一人が反対意見を述べている。
古田判事は、「殺すぞ」と脅された女性は、常人には理解しがたい心理状態に陥ることを強調し、それゆえすぐ近くにあった交番に駆け込むこともできなかったのだと述べている。多数意見は、人通りの多い路上で、唐突に「殺すぞ」と発言すること自体が不自然だと言っているので、スタートからして対立していることになる。
おそらく、古田判事とそれ以外の判事とでは、基本的な物の見方の点で違いがあるように思われる。そして、この「世界観の違い」が、有罪・無罪の判断を分けてしまうのだ。