「ジゼル」
全2幕(約2時間10分)
音楽:A.アダン 振付:V.ヤレメンコ
音楽:A.アダン 振付:V.ヤレメンコ
「プレミアム・ガラ」
(約2時間10分)
第1部
「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」よりパ・ド・ドゥ
振付:F.アシュトン
イローナ・クラフチェンコ/ニキータ・スハルコフ
振付:F.アシュトン
イローナ・クラフチェンコ/ニキータ・スハルコフ
「ジゼル」よりパ・ド・ドゥ
振付:V.ヤレメンコ
カテリーナ・ミクルーハ/ヤン・ヴァーニャ
振付:V.ヤレメンコ
カテリーナ・ミクルーハ/ヤン・ヴァーニャ
「海賊」第1幕よりパ・ド・トロワ
振付:V.ヤレメンコ
エリーナ・ビドゥナ/ヴォロディミール・クツーゾフ/オレクサンドル・オメリチェンコ
振付:V.ヤレメンコ
エリーナ・ビドゥナ/ヴォロディミール・クツーゾフ/オレクサンドル・オメリチェンコ
「ゴパック」
振付:R.ザハロフ
ヴォロディミール・クツーゾフ ほか
振付:R.ザハロフ
ヴォロディミール・クツーゾフ ほか
「マーラー交響曲第3番」
振付:J.ノイマイヤー
菅井円加/アレクサンドル・トルーシュ
振付:J.ノイマイヤー
菅井円加/アレクサンドル・トルーシュ
第2部
「スプリング・アンド・フォール」
振付:J.ノイマイヤー
イローナ・クラフチェンコ/ニキータ・スハルコフ ほか
振付:J.ノイマイヤー
イローナ・クラフチェンコ/ニキータ・スハルコフ ほか
この10年くらい、年始にウクライナ国立バレエ団の公演を観に行くのが習慣となっているが、今回は、アリーナ・コジョカルが客演するというので、彼女が出演する日のチケットを初日に買っていた。
ところが、彼女は怪我で降板となり、代役として菅井円加さんが出演することになった。
もっとも、どちらもお気に入りのダンサーなので、私的には問題ない。
ノイマイヤー振付の「マーラー交響曲第3番」は、菅井さんにとっては十八番だが、なんともスリリングなダンスである。
ちょっとでもタイミングがずれると大けがしそうなコリオだが、相方:アレクサンドル・トルーシュと完璧に息が合っており、軽々とこなしている。
他方、「ジゼル」では清楚で折り目正しいクラシカル・バレエを披露し、何でも出来るダンサーであることを示している。
有吉京子先生も指摘しているように(自分の価値)、「自分を信頼している人」を見ていると、私などはこの上ない安心感を覚えるのである。
まさしく、「安心を与える人」と言うべきだろう。
ところで、ウクライナ国立バレエ団のダンサーにとって、試練が続いていることは言うまでも無いが、今回知ったのは、「ウクライナを背負うダンサー」として見られることが、実はダンサーとしての自由を制約するものだということである([NHKスペシャル] “それぞれの物語を踊れ”ロシア生まれの振付家×戦禍のウクライナバレエ | 闇からの飛翔~ウクライナ国立バレエ~ | NHK:12分35秒付近~)。
「本当は踊ることそのものに喜びを見いだしたい」というニキータ・スハルホフさんの言葉は、本心からのものだろう。
そういう意味では、カテリーナ・ミクルーハさん(21歳)の「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」でのダンスは、純粋な喜びそのものが現れていたと言ってよい。
これは難しい問題で、ラトマンスキー氏が言うように(自由への抑圧に対し)「声をあげる」ことはもちろん必要だが、それと併せて「日常を守り続ける」ことも行う必要があるのだろう。