《奥井紫麻 ソロ》
S.ラフマニノフ:10の前奏曲 Op.23 より 第2番 変ロ長調、第4番 ニ長調、第5番 ト短調、第6番 変ホ長調
S.ラフマニノフ:13の前奏曲 Op.32 より 第3番 ホ長調、第5番 ト長調、第8番 イ短調、第12番 嬰ト短調、第13番 変ニ長調
《フセヴォドロ・ザヴィードフ ソロ》
F.リスト:超絶技巧練習曲 S.139 より 第10番、第11番「夕べの調べ」、第12番「雪あらし」、第5番「鬼火」、第4番「マゼッパ」
<アンコール曲>
S.ラフマニノフ:絵画的練習曲Op.33 より
《2台ピアノ》
I.ストラヴィンスキー:春の祭典
<アンコール曲>
チャイコフスキー:組曲「くるみ割り人形」(4手ピアノ版)より
行進曲
こんぺい糖の精の踊り
葦笛の踊り
2018年以来の武蔵野登場となる奥井紫麻さん(当時14歳)が、「キーシンを輩出したグネーシン音楽大学の盟友」フセヴォドロ・ザヴィードフを伴って一時帰国。
フライヤーには、
「“タイガーマスク”のように、ロシアの虎の穴で鍛え上げられた2人」
とあり、当然の如くチケットは完売である。
二十歳になった奥井さんは、見違えるほど大人びており、緩急のついた、正確なタッチで、音の粒も揃っている。
学友のフセヴォドロ・ザヴィードフについては余り情報がないが、「キーシンの再来」と呼ばれており、見た目はややキーシンに似ている。
奏法は、鼻息と呟き声を交えながら力でねじ伏せる感じで、これまた最近のキーシンに似ている。
特に「マゼッパ」は圧巻で、ブラボーの声が上がるのも当然だろう。
それにしても、この会場には、次から次に、若くて才能にあふれたピアニストが登場する。
音楽家を養成する「虎の穴」も重要だが、こういう若手を見抜いて紹介する人の眼も重要なのだ。