石原莞爾(戦後の思想・行動は除く)が奇異に感じられるのは、物質文明に耽溺する西洋文明を、「数千年来の父祖の伝統によって、心から簡素な生活に安んじ得る」「日本国体の霊力」が凌駕するという根本思想である(p108~109)。
西洋文明と物質文明が等置されるのも変な話だが、その背景には、キリスト教に対する反感があると考えれば分かりやすい。「ヤソ」=「物質至上主義」という単純な構図なのである。しかも、他方ではなぜか「大アジア主義」を持ち出し、「中国との連携」(!)を志向する。
・・・それにしても、こんな発想をする人物が、「陸軍史上有数の天才」と評価されていたというのは、不幸な話である。
西洋文明と物質文明が等置されるのも変な話だが、その背景には、キリスト教に対する反感があると考えれば分かりやすい。「ヤソ」=「物質至上主義」という単純な構図なのである。しかも、他方ではなぜか「大アジア主義」を持ち出し、「中国との連携」(!)を志向する。
・・・それにしても、こんな発想をする人物が、「陸軍史上有数の天才」と評価されていたというのは、不幸な話である。