Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

遠藤周作さん

2006年04月08日 08時08分58秒 | Weblog
 遠藤周作さんは、気になる作家の一人である。なぜなら、このところバーディーは、日本の汎神論的風土に深い関心を持っており、これに真っ向から対立するキリスト教を、さしあたり遠藤氏の思想を押さえておくべきと考えるからである。
 もちろん私は聖書を読むこともあるし、かつては大きな影響を受けたものだ。しかしながら私は、人間はその環境によって大きな制約を受けるものであること、また、その制約の中でこそ最大限の力を発揮できるものであることを確信しており、このことに対して決して鈍感であってはならないと思う。その観点からすると、遠藤氏は、カトリックに仮託して「人間の普遍的契機」を過度に強調しているのではないかと恐れるのである。
 たとえば、彼が「海と毒薬」や「沈黙」の中で、「海」や「自然」一般を、人間を悪に導くものの象徴として用いていることや、「白い人」の中で、「太陽」を、人間に肉欲という「悪」の衝動をめざめさせるものとして用いているのが気になるところである。確かに、人間の「意志」を尊重する思想からすれば、自然は何か克服されるべきもの、端的には「悪」ということにもなろう(トーマス・マンも似たようなことを言っていた)。そもそもキリスト教の立場からは、単なる自然を超越した神が措定されなければならず、従って自然は崇拝の対象となるべきではないのかもしれない。
 しかしながら、自分の周囲の自然や人間をこのようにとらえることは、やはり不健全といわなければならない。ゲーテも言うように、人間は環境及び社会と調和しなければならず、「自分の周囲にあるものや人のことを悪く言ってはならない」のである。
 私見では、遠藤氏は、自らが少年時代を過ごし、カトリックの洗礼を受けた故郷の環境にむしろ過度に制約されている。私も同じ地で2年半営業の仕事をしたことがあるのだが、あの海の汚さは日本一ではないかと思う。程近いある海水浴場にいたっては、「泳ぐところではなく、日に焼くだけのところ」とまで言われているほどである。
 ・・・遠藤氏も、シミラン諸島のような美しい環境で育っていれば、違った思想を持ったかもしれない。比喩的にいうと、人間は水と土でできており、自然界を循環する「水」は普遍的な契機を象徴するが、動かない「土」は個別的契機を象徴する。モーリス・ブランショが指摘するように、「土と死者」(環境と伝統)という制約要因を軽視してはならないと思うのである。
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楽園のイメージ

2006年04月07日 19時38分51秒 | Weblog
 ”鶏犬の声相聞こゆ”とは、桃源郷の風景を表現したものである。そういえば、ピピ島にはシャモも犬(ひょろ長い独特の犬)もたくさんいた。バーディーが先週泊まったシミランにも、犬こそいなかったものの、シャモ、しかもヒヨコがたくさんいたのである。当然ながら、朝は目覚まし時計がなくとも5時くらいに起こされることになる。そういえば、トムヤムクンには必ずといってよいほど、鶏肉が入っている。反面、鳥インフルエンザが怖いのではあるが・・・。
 このほかにも、シミラン諸島(陸上)には、猿や巨大なトカゲが生息している。山を散策中、ドタドタという音に気付いて見てみると、コモドオオトカゲのような巨大なトカゲが斜面を駆け上っている。
 さて、いまさら言うまでもないが、海上・海中の生物も盛りだくさんである。シュノーケリング・トリップでは、事前にどのような魚が見られるかについての説明がなされる。たまたま一緒になったカナダ人のEricは愉快な人物で、ガイドに、「人魚には会えるのか?もし会ったらオレの電話番号を伝えてくれ」と頼んでいる。ガイドもさるもので、太ったおばさんを指差して「あれが元人魚だ」と切り返す。
 ちなみに、西インド諸島ではサメよりも恐れられているというバラクーダだが、タイでは殆ど脅威とされていない。それどころか、サバに似たタイプのバラクーダは、好んで食されている。実際私も、2月にサムイ島でバラクーダ料理を食べてきたのである。
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氾濫する日本文化

2006年04月07日 08時15分23秒 | Weblog
 帰途、台北で一泊。いまだに哈日族(ハーリーズ)が意気盛んであるのに気付く。書籍コーナーには多くの日本本があり、漫画にいたっては99%が日本のやつである。スチュワーデスも、バーディーを日本人とみるや「ウーロン茶いかがですか」などと日本語で話しかけてくる。当然こちらは英語で答えるのであるが・・・。
 台湾、香港、上海、シンガポールの人にとって、日本文化・日本製品は、近い将来の希望と目標を与えてくれるらしい。それは、かつての日本人がアメリカ文化・製品に憧れたのと同じことだと、哈日杏子(ハニチキョウコ)はいう。年配の台湾人(俳句や短歌などにも精通している)からの批判に応えてのものである。
 ・・・それにしても日本の韓流の胡散臭さは、その本質が日本人の逃避願望にあるためと思われる。俳優の顔のつくり、ドラマの設定・筋書きは、高度成長時代の日本を彷彿とさせる。要するに、現実からの逃避と古き良き日本へのノスタルジー、端的にいえば、ナルシシズムに過ぎないのである。
 話を戻すと、台湾で驚いたのは、「あの人は今」という感じの加勢大周がテレビに出ていたことや、あの司法研修所ドラマ、「ビギナー」を放映していたことである。そういえば、このドラマは、舞台設定やせりふまわしがやや古臭く、懐かしさを感じさせる。
 ・・・さて、そろそろ勉強しないと・・・。
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バッハ狂時代(その3)

2006年04月06日 14時45分12秒 | Weblog
 街に出て、1枚のCDと4冊の本を買う。CDは、バッハの「平均律クラヴィーア曲集」第一巻。旅行中に急に聴きたくなり、やむを得ず脳内で再生していた曲だ。「再生」していたのは、映画「バグダッド・カフェ」(写真)で店員の少年がたどたどしく1番のハ長調を弾く場面。
 ・・・そういえば、この映画も実にいい映画である。バーディーの解釈によれば、砂漠も、またその中のオアシスも、自分の心の中にある、というのがこの映画のテーマである。ドイツからの旅人ジャスミンは、このことを住人に気付かせるための媒体に過ぎない。
 ・・・ふと、留学していたBiosphere2キャンパスの位置するアリゾナのソノラ砂漠を思い出した。
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秘島めぐり(その9)

2006年04月06日 08時24分36秒 | Weblog
 シミランNO8に向かう途中、巨大な帆船に遭遇。ガイドによれば、映画「フック」で用いられた海賊船をプーケットの旅行会社が購入してツアーに使っているとのこと。だが、帆船は時速10キロなので、シミランまで一晩かかる。
 さて、この日はシミランでテント泊。12時間熟睡する。朝起きて浜辺を散歩。なぜか、五十嵐浩晃の「ペガサスの朝」を口ずさみながら、ビーチに散乱するゴミを収集したくなる。
 翌日、ピピ島を再訪。ピピ・レイ島(写真)、ピピ・ドン島のトンサイ湾の順に回る。
 津波の被害の大きかったところには行かなかったのでなんともいえないが、復興には時間がかかっている模様である。だが、反面、いいことも発見した。若干海の色が美しくなっているような気がしたのである。シミランで一泊した直後のことだから、バーディーの目は確かである。・・・もっとも、魚が人間に群がるのは相変わらず、というか、前よりもっとひどくなっていた。特に(無人島であるはずの)ピピ・レイ島がひどい。
 今回は、いままで行ったことのない「モンキー・ビーチ」にも上陸。その名のとおり、猿が一行を迎える。ガイドは堺正章そっくりなためか、欧米人の乗客から、your brother, son などとツッコミを入れられる。
 ・・・そういえば、堺正章と「あるある大事典」で共演していたが、裏で「堺さんって面白くないですね」と悪口をいっていたのが本人にバレて干されたヒロミはどうなったのだろう?つくづく思うが、芸能界は醜いところである。
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秘島めぐり(その8)

2006年04月05日 11時19分00秒 | Weblog
 シミランNO7には、East of Eden(エデンの東)と呼ばれる絶好のダイブポイントがあり、その透明度は35メートルにも達するという。そこでバーディーは、驚くべき光景を見た。ウミガメがサンゴをバリバリ食べているところなのである(写真はhttp://yasu.dondokodon.com/mabul/index.htmlからの引用)。 
 いや、ウミガメが食べているのはサンゴではなかった。後でガイドに確認したところ、食べているのは、サンゴに付着する海草なのであった。
 ・・・それにしても、しばし見惚れてしまうほどの愉快な光景である。
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秘島めぐり(その7)

2006年04月05日 08時46分47秒 | Weblog
 今回の旅は、プーケット、シミラン諸島(9つの島があるが、うち行った島の数は6つ)、ピピ島(2つ)、台湾という、島の数だけなら10個という盛りだくさんの旅であった。もっとも、メインとなるのはシミラン諸島とピピ島である。バーディーはプーケットには5回ほど行っているが、いまだに島で泳いだことがない。また、台湾は、食事と足ツボマッサージが目当て。
 細木数子のようにズバリ言うと、私は今回の旅で理想のパラダイス・アイランドを発見したのである。その名はシミラン。言い古されているかもしれないが、「海の青さが違う」!透き通ったカクテルのような・空の青さをそのまま写したようなサファイヤ・ブルーである。火山島であるハワイのやや毒々しいダーク・ブルーとは違うし、シャム湾側にあるタオ島のようなエメラルド・グリーンに近いブルー(これはこれで魅力的ではあるが)とも違う。とにかく、人間が想像しうるもっとも美しい海の色といってよいのである。
 それだけではない。ここは、ウミガメ、サメ、バラクーダ、マンタなどといった大物と遭遇する確率が高いことでも有名である。実際私も、ウミガメ2匹、バラクーダ1匹とシュノーケリング中に遭遇し、ウミガメには手を触れることもできたのである。ちなみに同行者はマンタに遭遇したそうである。
 こんなパラダイス・アイランドに対して、かの飯田泰生さんは、海の青さを絶賛する一方で、「バンガローも食事も最悪」などとけなしている。実はこれは、かつてピピ島におしかけて楽園を破壊したミーハーな奴らを遠ざけるための、賢い配慮であるように思われる。そもそも、立派な宿泊施設がないからこそ楽園を維持できるのだ。ここで、「バンガローが最悪」とは、具体的にはトイレが清潔でないことを指すのであろう。私はシミランNO8に泊まったが、バンガローは津波で破壊されており、テントで寝る羽目となった。そうすると、トイレは必然的に共同のものを使わなければならない。当然、「紙」はない。おしりに水を流しながら手で拭くことは、おそらく清潔好きな日本人(特に女性)には耐えられないだろう。
 ・・・そう、それでよい。楽園とは、人間が、昔のままの生活を送ることのできるところなのである。
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